というか前回がちょっとふざけすぎた気がします。
「この程度だな」
この日、伊織は普段手遊びに行っている彫仏のための木材を調達していた。
「丁度良い、壁を直すための木材も探すか・・・・・・いや、もう持てんしな」
未だ直せていない長屋の壁をいつ直そつかと考えながら、長屋への帰路についていた。
「・・・・・・?」
「"なんだ?"」
「・・・・・・」
「"化生の者か?猿のようだが"」
「!」
長屋の前に、全身を毛で覆われた猿のような者がいる。
それは人語を話し、さらに伊織が考えていることを当ててみせた。
「ヘヘヘ・・・・・・驚いたろう?・・・・・・"心が分かるのか?"いや、ちょっと違う。読んでるのさ」
「・・・・・・」
「"やはり化生の者か"そうだぜ?オレァ覚ってんだ」
「・・・・・・」
「"覚・・・・・・聞いたことはないが・・・・・・"そう。オレァそんな知られてないの」
「・・・・・・」
「"心を読むだけならば、無害か?いや、そうとは限らないが・・・・・・"無害ねえ?随分甘えなあ?」
「・・・・・・!」
「"あの態度、斬らねばならないか"短気だな・・・・・・てか!なんか喋れや!心読めるからって人任せにすんじゃねえ!」
「む」
言葉で会話をする必要が無いと判断した伊織だったが、覚から喋るように言われ気が抜けた。
「全く・・・・・・まあいいさ。どうだい?いっちょオレと遊んでくれねえか?」
「遊ぶ・・・・・・?」
「そう!簡単なことさ。あんたのその腰にあるやつで」
「
「そうさ・・・・・・あんたはそれでオレを切れ。一撃でも当てられればあんたの勝ち。これから日暮れまで、避け続ければ、オレの勝ち。どうだい?」
「・・・・・・」
「満更でもない。そうだろ?」
「・・・・・・致し方あるまい」
木材を地面に置き、二振りを抜く。
「良いねえ・・・・・・」
「・・・・・・」
瞳から光が消え、体から力が抜ける。
「ケケケ・・・・・・」
「・・・・・・」
感覚が研ぎ澄まされる。
心に残った
「・・・・・・!?」
「・・・・・・」
切っ先が真っ直ぐに覚を捉える。
最早、余分無し。
「ハアッ!」
「ウオァッ!?」
常人であれば目で追うことができないほど
覚はなんとか避けるも、尻餅をついてしまう。
「・・・・・・」
「こ、こいつ・・・・・・」
この時、覚の心は恐怖に支配されていた。
刃を振るったときの、伊織の心を読んでしまったからだ。
「お、お前・・・・・・なんで・・・・・・」
「・・・・・・」
「なんで・・・・・・考えてないんだ・・・・・・そんな、たった一個しか・・・・・・」
「・・・・・・」
「そんな・・・・・・そんな・・・・・・
「・・・・・・」
「あ・・・・・・ああ・・・・・・」
覚は怯えていた。
自分は底知れぬものを、覗いてはいけない深淵に片足を突っ込んでしまったのだと。
「・・・・・・ハアッ!」
「ギャアッ!」
両手で繰り出される剣撃により、覚は胴にバツ形の傷をつけられた。
「・・・・・・俺の勝ちだな」
納刀し、置いていた木材を拾い長屋に入った。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
伊織が目の前からいなくなってなお、覚は体の震えが止まらなかった。
「ん?おい、そこの人!」
「ヒ・・・・・・ヒェェ!」
「あれ?見間違いかな?・・・・・・まあ、遠かったしな。勘違いだな!」
伊織ってふとした瞬間に容赦が完全に無くなりそうな怖さがある。
今回はそんな伊織を書けたかな?
これ書くにあたってゲームで確認したら助之進がいるところから伊織の長屋ってだいたい一直線なんですよね。
普通にプレイしてる時は気づきませんでした。