カードファイト!! ヴァンガード BraveBeyond   作:バビロン@VG

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♯3 Cray Encounter/Ⅳ

 

冷たい風が吹き抜け、瓦礫の崩れる音が響いた。

 

厳かな雰囲気を漂わす古城。昏く沈んだ空。

火の粉が舞い散り、獄炎が辺りを赤く染める。

 

夥しい数の死の匂いが立ち込める中で――

 

「はぁ……!! はぁ……!!」

 

一人の悪魔が、激しく息を切らし肩を揺らしていた。

青白の肌に、頭から伸びた巨大な角。鋭く尖った黒の翼。

 

高貴な装いに身を包んだ悪魔の少女が、顔をあげる。

 

「ぐっ、くっ……!!」

 

滲み出る苦悶の声。

傷ついた体躯に、流れ出る赤い血潮。

 

だらんとぶら下がった腕を抑えながら――

 

「……ふっ」

 

空気の抜けるような音。

悪魔の口角が上がっていき、そして――

 

「――は、ははっ、アハハ!! アハハハハハハッ!!」

 

その口から、狂ったような笑い声が溢れ出た。

誰もいない古城の中に響く声。狂気の音。

 

悪魔がゆらりと、天を仰いで――

 

「――最高ッ!!」

 

恍惚とした表情を浮かべ、悪魔がそう言った。

まるで恋する乙女のように、目を煌かせている悪魔。

 

崩壊する古城の中で、手を伸ばす。

 

「これが本気の戦い!! 互角の勝負!! 永く生きてきたけど、こんなに心が高揚した事はなかった!! すごい、すごい!!」

 

はしゃぐような口調。

悪魔が笑いながら、その視線を落とす。

 

桃色の髪を揺らしながら――

 

「さぁ、もっと!! 一緒に、燃えましょうよッ!!」

 

悪魔が、楽しそうにそう言い放った。

その身に這い上がる漆黒の殺意。火の粉が舞う。

 

白い服装の少女が、悪魔の目の前に横たわっていた。

 

「…………」

 

床に倒れ込んでいる少女。

ぴくりとも動かない身体。滲む赤い色の液体。

 

遠くの方で、城が崩壊する音が響いた。

 

「……ねぇ、聞いてる? 素敵な勇者さん?」

 

よろめいている悪魔。

ふらつく足取りで、ゆっくりと少女に近づく。

 

翠色の瞳を向け、そして――

 

「……あぁ、そっか」

 

とても残念そうに、悪魔が呟いた。

興味の消えた顔。その目から光が消えていく。

 

崩壊音が響いていく。

 

「せっかく心の底から燃えられたのに……。あなたも、私の前からいなくなっちゃうんだ……。他の皆と同じで……」

 

少女を見下ろしている無表情の悪魔。

複雑な想いが、その言葉には込められている。

 

赤い炎がじわじわと辺りを飲み込み、そして――

 

コインの落ちる音が、辺りに響いた。

 

「……ん?」

 

目を見張る悪魔。

音のした方へと顔を向ける。

 

少女の手の近く、1枚のコインが床に落ちていた。

 

不可思議な紋様が刻まれた、赤いコインが。

 

「……なに、これ?」

 

コインを拾い上げる悪魔。

ぼんやりと、その手の中のコインを眺める。

 

崩壊する音と共に、天井が抜け落ちた。

 

「っ!!」

 

間一髪の所で、後ろに退く悪魔。

目の前に瓦礫の雨が降り注ぎ、粉塵が上がる。

 

白い少女の姿が、瓦礫の中に消えていった。

 

「あぁ……」

 

名残惜しそうな声。

思わず、悪魔がその手を伸ばした。

 

崩壊していく古城。黒い煙の嵐。

 

悪魔がしばし、孤独に天を仰いだ。

 

「……そろそろ、限界かな」

 

弱々しくなっていく呼吸。

燃え上がる城の中で、悪魔が静かに佇む。

 

漆黒の炎が全てを焼き尽くす中で――

 

「……あなたとお友達になれてたら、もっとたくさん戦えたのかなぁ」

 

寂しそうに、悪魔がそう呟いた。

崩れていく古城。崩壊の足音が迫る。

 

悪魔の立つ床が大きく震え、そして――

 

目の前の全てが壊れ、世界が暗闇に閉ざされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇の中、大きな歓声が巻き起こった。

 

向かい合う2人の少女。並び立つカード達。

熱気が押し寄せて、辺りに異様な空気が立ち込める。

 

白いスポットライトの光に照らされながら――

 

「私のターン!!」

 

桃色の髪の少女――朔導ナヅキがカードを引いた。

冷たい色を宿した翠色の瞳。カードを捨てる。

 

炎を模した紋章が描かれた1枚を持って――

 

「《砂塵の獄炎 ユージン》にライド!!」

 

ナヅキが、盤面にカードを叩きつけた。

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

吹き上がる赤い火柱。

火の粉が舞い上がり、戦場が地獄の様相を呈す。

 

気だるげな雰囲気を漂わせ、歴戦の傭兵が戦場に現れた。

 

「……なんだこりゃ」

 

目の前にそびえたつ巨大な機械勇者を見て、

そうこぼす傭兵。いかにも面倒くさそうに髪を掻く。

 

灰色の煙が立ち込め、そして――

 

「ロアノードのスキル! 2枚引き、1枚をソウルへ!」

 

微笑みながら、ナヅキがそう宣言した。

 

 

砂塵の轟弾 ロアノード

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが「ユージン」含むグレード3にライドされた時、【コスト】[【エネルギーブラスト】(3)]することで、2枚引き、あなたの手札から1枚選び、ソウルに置く。

【自】【(V)/(R)】:このユニットがアタックした時、相手のリアガードが2枚以下なら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000。

― くははっ!心地の良い轟音だ!

 

 

カードを引くナヅキ。1枚をソウルに入れる。

そのまま、カードを指ではさんで――

 

「《襲獲祭》を使用!!」

 

ナヅキが、カードを場に投げ出した。

 

 

襲獲祭

ノーマルオーダー 〈3〉

ドラゴンエンパイア

あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、『【自】【(V)】:あなたのメインフェイズに相手のリアガードが退却した時、あなたは1枚引く。』を得る。

― 追い立て、仕留め、確実に戦果を積み上げる。

 

 

燃える紅蓮の炎。

歴戦の傭兵の身体から殺気が放たれた。

 

ナヅキがカードに指を置く。

 

「ラグニットのスキル、レストしてダイマリナーを退却!」

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1),このユニットを【レスト】させる]ことで、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

【自】【(R)】:あなたのバトルフェイズ開始時、相手のリアガードが1枚以下なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 後詰めはあなたよ。しっかり仕留めてきなさい!

 

 

横向きになるカード。

ニケの場のカードが弾かれ、ドロップに置かれた。

 

「むむっ」

 

不満そうなニケ。

ナヅキが手を伸ばした。

 

「襲獲祭で1枚ドロー! ディルガームをコール! コストを支払ってダイドラゴンを退却、さらに1枚ドロー!」

 

 

ドラグリッター ディルガーム

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ドラゴロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ユージン」か「ガーンデーヴァ」を含むグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1),【エネルギーブラスト】(3)]することで、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。退却させなかったら、1枚引き、そのターン中、このユニットは『【自】【(R)】【ターン1回】:あなたのヴァンガードがアタックしたバトル終了時、あなたの前列のリアガードを1枚選び、【スタンド】させる』を得る。

【永】【(R)】:このターンにあなたがノーマルオーダーをプレイしているなら、このユニットは『ブースト』を得る。

― 変わる戦局を見定めて、期待に背かぬ殊勲を立てる。

 

 

盤面に置かれるカード。

炎がさらに燃え広がっていく。

 

「フォルド&リバルティスを移動、グリニスをコール! ユージンのスキルでグリニスとフォルドをレスト! ダイレディを退却!」

 

 

砂塵の躍弾 グリニス

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】【ターン1回】:あなたのメインフェイズに相手のリアガードが退却した時、あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【永】【(G)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 獲物を狩り尽くしたら、街に戻って祝勝会よ!

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

流れるようにカードを動かしていくナヅキ。

相手の場に残っていた最後の1枚が弾かれた。

 

ニケのリアガードが全滅する。

 

『朔導ナヅキ、迷いなく相手のユニットを燃やし尽くしていくー!! "紅蓮の太陽姫"、このまま巻き返しなるかー!?』

 

手を振り上げて叫んでいるシキ。

観客が大きくうねりをあげ、足を踏み鳴らした。

 

ニケがフンと、手札を構える。

 

「無駄なことです!! 私は太陽の勇者!! ヒーローはどんな苦境にも屈しないのです!!」

 

強い口調で言い切るニケ。

ナヅキが目を細めた。

 

「襲獲祭で1枚ドロー! さらにスキルでグリニスをスタンド、パワー+5000!」

 

 

砂塵の躍弾 グリニス

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】【ターン1回】:あなたのメインフェイズに相手のリアガードが退却した時、あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【永】【(G)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 獲物を狩り尽くしたら、街に戻って祝勝会よ!

 

 

淡々と効果を処理していくナヅキ。

カードを手札に加えると、腕を伸ばす。

 

フッと、口元に不敵な笑みを浮かべて――

 

「――いきますよ、おちびちゃん」

 

ナヅキが、低い声でそう告げた。

ニケが「ち、ちびッ!?」と動揺する。

 

熱い風が戦場を駆け抜けて――

 

「グリニスでアタック!」

 

ナヅキの声が、2人の間に響いた。

 

 

砂塵の躍弾 グリニス パワー13000

 

 

「ガードです!!」

 

ニケがカードを投げ出す。

 

 

次元ロボ ダイマリナー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのターンにこのカードが手札から捨てられた時、このカードをソウルに置いてよい。

【自】:このユニットがカードの能力でソウルから(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ダイユーシャ」を含むなら、そのターン中、このユニットのパワー+2000し、相手はインターセプトできない。

― ダイマリナーは勇者の決意。

迫る嵐を突き破り、無数の野望を打ち砕いた。

 

 

激突する傭兵と機械の勇者。

轟音と銃弾が飛び交って――

 

「ユージンでアタック!!」

 

勢いよく、ナヅキがカードを横向きに動かした。

 

「スキル発動! 山札の上を見て、ラグニットとシェンリィをスペリオルコール! コールされたユニットとユージンにパワー+5000!」

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

カードを動かしていくナヅキ。

山札から新たなカードが盤面に置かれる。

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1),このユニットを【レスト】させる]ことで、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

【自】【(R)】:あなたのバトルフェイズ開始時、相手のリアガードが1枚以下なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 後詰めはあなたよ。しっかり仕留めてきなさい!

 

 

忍妖 シェンリィ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ゴースト 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、相手のリアガードが1枚以下か、このターンにあなたがオーダーをプレイしているなら、そのバトル中、このユニットのパワー+5000し、そのバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、1枚引く。

― キミはどーやってボクを楽しませてくれるのかな?

 

 

睨むような目を向けて――

 

「ノーガードです!!」

 

不遜な態度で、ニケがそう告げた。

ナヅキが手を置く。

 

「ツインドライブ!!」

 

カードを掴むナヅキ。

白い光の中、カードがめくられて――

 

「ファーストチェック、ノートリガー! セカンドチェック、ドロートリガー! 1枚引いて、パワーはユージンに!」

 

その手の中で、赤い竜の姿が表になった。

 

 

ツインバックラー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - プラズマドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 炎と雷。その双方を巧みに操り、災厄を退ける。

 

 

フレアヴェイル・ドラゴン

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - フレイムドラゴン 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 朱の翼はあらゆる害意を燃やし尽くす。

 

 

「トリガーは1枚……」

 

観客席で呟くサヤ。

ナヅキがさらにカードを引く。

 

「ダメージチェック!!」

 

大きく言うニケ。

山札の上の1枚を掴む。

 

萌葱色の瞳の中、光が躍って――

 

「ゲット、クリティカルトリガー!! パワーはダイユーシャです!!」

 

ニケの宣言が、その場に響き渡った。

 

 

チェイン・ライクラスタ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバーゴーレム 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 圧倒的な質量が、不可逆の変質を与える。

 

 

ニケ ダメージ3→4

 

 

「ダメージトリガー……!?」

 

目を見開くミユキ。

慌てたようにナヅキの方を見る。

 

凍てつく気配を漂わせながら――

 

「オズワルドのスキルでユージンをスタンド!」

 

ナヅキが、微笑みながらカードを捨てた。

 

 

砂塵の襲弾 オズワルド

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが「ユージン」を含むヴァンガードをブーストしたバトル終了時、相手のヴァンガードがグレード3以上でリアガードがいないなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのヴァンガードを1枚選び、【スタンド】させ、そのターン中、クリティカルとドライブを1になるまで増減させる。

― 砂塵の狩り――その神髄、見せてあげるよ。

 

 

再び立ち上がる砂塵の傭兵。

忌々しそうに、目の前の機械兵器を見上げる。

 

赤い炎が飛び交い、そして――

 

「ユージンでアタック!」

 

ナヅキが、勢いよくカードを動かした。

 

 

砂塵の獄炎 ユージン パワー28000

 

 

「ガードです!!」

 

大きく言ってカードを出すニケ。

にやりと、不敵な笑みを浮かべる。

 

「パンスメルミアのスキル!! カウンターブラストして、1枚引きます!!」

 

 

創製の弾丸 パンスメルミア

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート - サイバロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このカードが手札から、(G)に置かれた時かライドデッキからライドする際に捨てられた時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)か【エネルギーブラスト】(3)]することで、1枚引く。

【自】:このユニットが(R)に登場した時、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)か【エネルギーブラスト】(3)]することで、あなたの山札から、あなたのヴァンガードと別名のグレード3以上のユニットカードか、セットオーダーを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。公開したなら、あなたの手札から1枚選び、捨てる。

― 足りなければ造ればいい。ただ、それだけのこと。

 

 

カードを引くニケ。

手札の1枚を構えて――

 

「さらに!! もう1枚でガードです!!」

 

ニケが、叩きつけるようにカードを場に置いた。

 

 

チェイン・ライクラスタ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバーゴーレム 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 圧倒的な質量が、不可逆の変質を与える。

 

 

重なり合う2枚のカード。

ガード値43000。トリガーでも突破できない数値。

 

変わらぬ笑顔のまま――

 

「ドライブチェック、クリティカルトリガー!」

 

ナヅキが、鉄球を持つ竜のカードを見せつけた。

 

 

バーニングフレイル・ドラゴン

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - フレイムドラゴン

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― 潰れるだけでは済まされない。

 

 

「ここでクリティカル!」

 

声をあげるミユキ。

ナヅキが手をかざす。

 

「効果は全部、ラグニットに」

 

淡々とした声色。

ナヅキの場の傭兵が星の加護を受ける。

 

流れるようにカードを動かして――

 

「ラグニットでアタック!!」

 

ナヅキの宣言が、鋭く響き渡った。

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット パワー43000 ☆2

 

 

強烈な一撃。

巨大な炎塊がうねりをあげ、機械仕掛けの勇者へと迫る。

 

勇者の身体に炎の影が映り、そして――

 

「《悠久なる凍土へ還れ》を使用ッ!!」

 

ニケが、カードを盤面に叩きつけた。

 

 

悠久なる凍土へ還れ

ブリッツオーダー 〈2〉

ブラントゲート

【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、プレイできる!

アタックされているユニットを1枚選び、あなたのオーダーゾーンの【レスト】しているセットオーダー1枚につき、そのバトル中、パワー+10000。

― 凍てつき、眠れ。

 

 

「スキルでダイユーシャのパワー+30000!!」

 

堂々と宣言するニケ。

純白の吹雪が吹き荒れ、辺りの熱を一瞬で消し去る。

 

傭兵が苦々しい表情で舌打ちした。

 

「シェンリィのスキルで1枚ドロー!」

 

カードを動かすナヅキ。

デッキからさらに1枚を引く。

 

「ラグニットでアタック!」

 

最後に残った一列での攻撃。

傭兵が再び銃を構えて――

 

「ガード!!」

 

響き渡るニケの声。

機械仕掛けの勇者が、放たれた銃弾を腕で防いだ。

 

 

真空放電の揮い手

トリガーユニット 【治】+10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバーフェアリー 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚まで入れられる。)

― おいで。ビリっと直したげる!

 

 

「ターンエンド」

 

手札を持ちながら宣言するナヅキ。

普段よりも冷たい笑みが、その顔に浮かんでいる。

 

暗闇に浮かび上がる一筋の光の中で――

 

「私のターンッ!!」

 

威風堂々とした声。

煌めきをその身に纏いながら、ニケがカードを引いた。

 

ばっと、手札を片手にポーズを決める。

 

「遥かなる時を超え、正義の叫びがこだまする!! 煌めく勇気!! その運命(さだめ)をこの手に掴めーッ!!」

 

不敵な表情。楽しそうな様子のニケ。

手札の1枚を大きく構えて――

 

「ペルソナライドーッ!!」

 

ニケの場で、勇者の姿が重なり輝いた。

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、1枚引き、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、「次元ロボ」を含むそれぞれの別名のあなたのユニットを望む枚数選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのドライブ-2。あなたのバインドゾーンに「次元ロボ ゴーユーシャ」がなくて、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、さらに、【コスト】[ソウルから「次元ロボ ゴーユーシャ」を1枚バインドする]ことで、そのターン中、このユニットのドライブ+1。

― かつて、次元の彼方よりこの星に現れた正義の使者!

誰もが叫ぶ、彼の名を――超次元ロボ!ダイユーシャ!

 

 

全身から闘気を迸らせる機械仕掛けの勇者。

傭兵がチッと忌々しそうに舌打ちする。

 

萌葱色の瞳が、さらに強い輝きを宿した。

 

「さぁ、ここからがフィナーレです!! 覚悟して下さいね、魔王さん!!」

 

得意そうに宣言するニケ。

すっと、その指を天へと伸ばして――

 

「――ファイナルターン!!」

 

高らかに、ニケの言葉が響き渡った。

凄まじい盛り上がりを見せる観客席。飛び交う大歓声。

 

ナヅキは何も言わず、ただ微笑み続けている。

 

「ドロップのグローリー・メーカーをコール!!」

 

盤面に再び、青白い女神が描かれたカードが現れる。

 

 

グローリー・メーカー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - エイリアン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【永】:あなたのヴァンガードのクランがいずれかのクランのみで、あなたのGゾーンにカードがないなら、このカードは以下をすべて得る。

・【自】【ドロップ】:グレード3以上のあなたのヴァンガードが登場した時、このカードと同名のあなたにリアガードがいないなら、このカードを後列の(R)にコールする。

・【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、あなたは『相手はブリッツオーダーをプレイできない』か『相手は手札から(G)にコールする際、2枚以上同時にコールしない限りコールできない』を得てよい。そうしたなら、そのバトル終了時、このユニットを退却させる。

― 尊き祈りは正しき力。彼女はそれを証明した。

 

 

「ダイベースのスキル!! エネルギーチャージして、ドロップのダイマリナーをソウルへ!!」

 

 

超次元要塞 ダイベース

セットオーダー/基地 〈0〉

ブラントゲート

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く。)

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、【エネルギーチャージ】(1)。あなたのドロップからを「次元ロボ」含むグレード2以下を1枚まで選び、ソウルに置く。このターンにこのカードがオーダーゾーンに置かれているなら、ドロップから選ぶのではなくあなたの山札から探し、ソウルに置いてもよい。山札から探したら、山札をシャッフルする。

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【エネルギーブラスト】(2),このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのソウルから「次元ロボ」を含むグレード2以下を1枚まで選び、(R)にコールする。

― 超次元の勇者が集う、正義を体現する移動要塞。

 

 

カードを動かすニケ。

不敵な笑みを浮かべたまま――

 

「ダイウイングをコール!!」

 

手札の1枚を、盤面へと投げ出した。

 

「スキルでエネルギーブラスト!! ソウルのダイマリナーをリアガードサークルへ!!」

 

 

超次元ロボ ダイウイング

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】:このユニットが手札から(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「超次元」を含むなら、【コスト】[【エネルギーブラスト】(3)]することで、あなたのソウルからこのカードと別名の「次元ロボ」を含むカードを1枚まで選び、(R)にコールする。そのターン終了時、そのコールされたユニットをソウルに置く。

【永】【(R)/(G)】:あなたのオーダーゾーンに基地があるなら、このユニットのパワー+5000/シールド+5000。基地が3枚以上なら、さらに、パワー+5000/シールド+5000。(相手ターンも有効)

― 大宇宙に満ちる勇気を胸に!羽撃け!!ダイウイング!

 

 

エネルギーを抜き取るニケ。

水しぶきがあがり、青い機体が再び戦場に舞い戻る。

 

 

次元ロボ ダイマリナー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:あなたのターンにこのカードが手札から捨てられた時、このカードをソウルに置いてよい。

【自】:このユニットがカードの能力でソウルから(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ダイユーシャ」を含むなら、そのターン中、このユニットのパワー+2000し、相手はインターセプトできない。

― ダイマリナーは勇者の決意。

迫る嵐を突き破り、無数の野望を打ち砕いた。

 

 

カードを横向きにして――

 

「さらに2枚のダイベースのスキル!! エネルギーブラストして、ダイレディとダイランダーをソウルからコール!!」

 

ニケが、楽しそうに腕を前に出した。

 

 

超次元要塞 ダイベース

セットオーダー/基地 〈0〉

ブラントゲート

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く。)

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、【エネルギーチャージ】(1)。あなたのドロップからを「次元ロボ」含むグレード2以下を1枚まで選び、ソウルに置く。このターンにこのカードがオーダーゾーンに置かれているなら、ドロップから選ぶのではなくあなたの山札から探し、ソウルに置いてもよい。山札から探したら、山札をシャッフルする。

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【エネルギーブラスト】(2),このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのソウルから「次元ロボ」を含むグレード2以下を1枚まで選び、(R)にコールする。

― 超次元の勇者が集う、正義を体現する移動要塞。

 

 

再び起動する機械要塞。

ソウルから2枚のカードが場に置かれた。

 

 

超次元ロボ ダイレディ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から基地カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックした時、あなたのオーダーゾーンに基地が2枚以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+10000。

― 「超次元メイクアップ!」の掛け声と共に現れ

人々に愛と勇気を与えたとされる。

 

 

次元ロボ ダイランダー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札から基地カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【自】:このユニットがカードの能力でソウルから(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ダイユーシャ」を含むなら、そのターン中、あなたのヴァンガードすべてとこのユニットのパワー+5000。

― ダイランダーは勇者の覚悟。

正義の盾は数多の人々の命を守り、救い続けた。

 

 

ニケの盤面が全て埋まる。

 

『なんという展開力ー!! 焼け野原にされた盤面が、ここにきて完全復活ー!! 聖ニケ、最大戦力で朔導ナヅキに迫りますー!!』

 

沸き上がる観客達。

ナヅキは何も言わず、盤面を眺めている。

 

ニケが手をかざした。

 

「ダイランダーのスキルで自身とダイユーシャにパワー+5000!! さらにダイレディのスキルでダイベースを手札に加えて、セットオーダー!!」

 

 

次元ロボ ダイランダー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(V)に登場した時、あなたの山札から基地カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【自】:このユニットがカードの能力でソウルから(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ダイユーシャ」を含むなら、そのターン中、あなたのヴァンガードすべてとこのユニットのパワー+5000。

― ダイランダーは勇者の覚悟。

正義の盾は数多の人々の命を守り、救い続けた。

 

 

超次元ロボ ダイレディ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から基地カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックした時、あなたのオーダーゾーンに基地が2枚以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+10000。

― 「超次元メイクアップ!」の掛け声と共に現れ

人々に愛と勇気を与えたとされる。

 

 

効果を処理していくニケ。

盤面に4枚目となる基地カードが置かれた。

 

 

超次元要塞 ダイベース

セットオーダー/基地 〈0〉

ブラントゲート

(セットオーダーはプレイ後、オーダーゾーンに置く。)

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[このカードを【レスト】させる]ことで、【エネルギーチャージ】(1)。あなたのドロップからを「次元ロボ」含むグレード2以下を1枚まで選び、ソウルに置く。このターンにこのカードがオーダーゾーンに置かれているなら、ドロップから選ぶのではなくあなたの山札から探し、ソウルに置いてもよい。山札から探したら、山札をシャッフルする。

【起】【オーダーゾーン】:あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【エネルギーブラスト】(2),このカードを【レスト】させる]ことで、あなたのソウルから「次元ロボ」を含むグレード2以下を1枚まで選び、(R)にコールする。

― 超次元の勇者が集う、正義を体現する移動要塞。

 

 

「スキルでエネルギーチャージ!! さらにデッキのダイマリナーをソウルへ!!」

 

迷うことなくカードを選んでいくニケ。

機械仕掛けの勇者の魂に、さらなる輝きが宿る。

 

大歓声をその背に受けながら――

 

「さぁ、魔王を倒す時間です!! いきますよ、ダイユーシャッ!!」

 

ニケが、遠い惑星の相棒に向かってそう呼びかけた。

戦場に轟く起動音。勇者が大仰な動作で大剣を構える。

 

ナヅキがその目を細め、そして――

 

「……ウザいなぁ」

 

誰にも聞こえない声量で。

暗闇の中にその言葉が溶け、消えていった。

 

ずぶずぶと、漆黒が蠢いていく。

 

「ダイユーシャでアタックです!!」

 

カードを動かすニケ。

光が帯びる瞳を向ける。

 

「スキルでカウンターブラスト!! 1枚引き、さらに前列の次元ロボ3体のパワーを+5000します!!」

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、1枚引き、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、「次元ロボ」を含むそれぞれの別名のあなたのユニットを望む枚数選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのドライブ-2。あなたのバインドゾーンに「次元ロボ ゴーユーシャ」がなくて、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、さらに、【コスト】[ソウルから「次元ロボ ゴーユーシャ」を1枚バインドする]ことで、そのターン中、このユニットのドライブ+1。

― かつて、次元の彼方よりこの星に現れた正義の使者!

誰もが叫ぶ、彼の名を――超次元ロボ!ダイユーシャ!

 

 

カードを引くニケ。

戦場に集う機械戦士達に光が降り注ぐ。

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ パワー33000

 

 

振り下ろされる巨大な剣。

凄まじい威圧感と共に、刃が迫る。

 

歴戦の傭兵が細く息を吐いて――

 

「完全ガード」

 

ナヅキが、カードを場に投げ出した。

 

 

ツインバックラー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - プラズマドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 炎と雷。その双方を巧みに操り、災厄を退ける。

 

 

手札を捨てるナヅキ。

無言のまま、鋭い視線を向ける。

 

「ツインドライブーッ!!」

 

手を突き出すニケ。

その小さな指が、カードを掴んで――

 

「ファーストチェック、クリティカルトリガーッ!! 効果は全てダイユーシャに!! セカンドチェック、クリティカルトリガーッ!! 効果は全てダイユーシャです!!」

 

萌葱色の瞳が、神秘的な光を宿して輝いた。

 

 

警邏ロボ デカルコップ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― ここは本官に任せなさい!!

 

 

警邏ロボ デカルコップ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― ここは本官に任せなさい!!

 

 

「だ、ダブルクリティカルッ!?」

 

驚愕するミユキ。

サヤもまた驚いたように目を見張る。

 

剣が大地を穿ち、壮絶なる衝撃が戦場を貫いた。

 

「なんつう馬鹿力だ、くそっ……!!」

 

悪態をつく歴戦の傭兵。

衝撃波の中、吹き飛ばされないよう踏ん張る。

 

戦場に砂埃が舞い上がり、そして――

 

「ダイユーシャのスキルッ!!」

 

響き渡る宣言。

ソウルの1枚を掲げて――

 

「バトル終了時、ドライブ-2してこのユニットをスタンド!! さらにソウルのゴーユーシャをバインドすることで、このターン中ドライブ+1します!!」

 

ニケが、不敵な笑みを浮かべた。

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、1枚引き、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、「次元ロボ」を含むそれぞれの別名のあなたのユニットを望む枚数選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのドライブ-2。あなたのバインドゾーンに「次元ロボ ゴーユーシャ」がなくて、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、さらに、【コスト】[ソウルから「次元ロボ ゴーユーシャ」を1枚バインドする]ことで、そのターン中、このユニットのドライブ+1。

― かつて、次元の彼方よりこの星に現れた正義の使者!

誰もが叫ぶ、彼の名を――超次元ロボ!ダイユーシャ!

 

 

再び立ち上がる機械仕掛けの勇者。

その萌葱色の瞳の部分に、強い光が宿る。

 

大剣が宙を切り裂くように動き、そして――

 

「もう一度、ダイユーシャでアタックッ!!」

 

再び、その剣が戦場に向けて振り下ろされた。

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ パワー61000 ☆3

 

 

「さらにブーストしたグローリー・メーカーのスキル!! このバトル中、ガードする時は2枚以上同時に出さなければガードできません!!」

 

 

グローリー・メーカー

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - エイリアン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【永】:あなたのヴァンガードのクランがいずれかのクランのみで、あなたのGゾーンにカードがないなら、このカードは以下をすべて得る。

・【自】【ドロップ】:グレード3以上のあなたのヴァンガードが登場した時、このカードと同名のあなたにリアガードがいないなら、このカードを後列の(R)にコールする。

・【自】【(R)】:このユニットがブーストした時、あなたのヴァンガードがグレード3以上なら、そのバトル中、あなたは『相手はブリッツオーダーをプレイできない』か『相手は手札から(G)にコールする際、2枚以上同時にコールしない限りコールできない』を得てよい。そうしたなら、そのバトル終了時、このユニットを退却させる。

― 尊き祈りは正しき力。彼女はそれを証明した。

 

 

畳みかけるように言うニケ。

ナヅキがほんのかすかに目を細める。

 

カードを指で掴んで――

 

「完全ガードともう1枚でガード」

 

ナヅキが、2枚のカードを場に出した。

 

 

ツインバックラー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - プラズマドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 炎と雷。その双方を巧みに操り、災厄を退ける。

 

 

砂塵の榴砲 ダスティン

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「砂塵の重砲 ユージン」なら、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、1枚引き、グレード2以上の相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、ユニットのいない相手の(R)1つにつき、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。

― 霧払いは済みました。さぁ、本丸を落としましょう。

 

 

「ご、合計で3枚も!!」

 

心配そうに言うミユキ。

ナヅキが手札をぽいと捨てる。

 

その手に残っているカードは5枚。

 

「ドライブチェックーッ!!」

 

大きく言うニケ。

その手がカードをめくって――

 

「ゲット、クリティカルトリガーッ!! 効果は全てダイウイングへー!!」

 

さらなる1枚が、光の中に照らされ表になった。

 

 

チェイン・ライクラスタ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバーゴーレム 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 圧倒的な質量が、不可逆の変質を与える。

 

 

「ま、またトリガー!!」

 

声をあげるミユキ。

ナヅキがその目を細める。

 

剣が振り下ろされ、再び衝撃が巻き起こった。

 

「ちっ……!!」

 

腕を使って顔を保護している傭兵。

ぐらぐらと、足元の大地が震動する。

 

エネルギーが収束して――

 

「ダイレディでアタック!!」

 

勢いよく、ニケがカードを動かした。

 

 

超次元ロボ ダイレディ パワー45000

 

 

「ガード」

 

ナヅキもまた、手札のカードを場に置く。

 

 

バーニングフレイル・ドラゴン

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - フレイムドラゴン

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― 潰れるだけでは済まされない。

 

 

白光竜 パラソラース

トリガーユニット 【治】+10000

(ヒールトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ディノドラゴン 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

(【治】はデッキに4枚まで入れられる)

― 赤子は生命力の塊。ディノドラゴンとなれば尚更だ。

 

 

フレアヴェイル・ドラゴン

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - フレイムドラゴン 

パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 朱の翼はあらゆる害意を燃やし尽くす。

 

 

大量に並べられたカード。

手札の枚数が一気に削られていく。

 

だんっと音をたてて――

 

「ダイウイングでアタックですーッ!!」

 

勝利を確信した表情で。

ニケが光の宿した瞳を向けて、高らかに宣言した。

 

 

超次元ロボ ダイウイング パワー61000 ☆2

 

 

機械仕掛けの勇者の目が煌めく。

全身から溢れる緑色の閃光。巨大なる剣。

 

戦場に雄叫びが轟いて――

 

「これで、勝負ありです!!」

 

ニケが、自信満々にそう言い放った。

剣を振りかぶる勇者。傭兵がその姿を見上げる。

 

大気が震える音が響き、そして――

 

「――完全ガード」

 

戦場に、炎の嵐が吹き荒れた。

 

 

ツインバックラー・ドラゴン

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - プラズマドラゴン 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 炎と雷。その双方を巧みに操り、災厄を退ける。

 

 

「ニャッ!?」

 

すっとんきょうな声をあげるニケ。

赤い炎が狂ったように蠢き、戦場を飲み込んだ。

 

機械仕掛けの勇者が熱波に押され、わずかに引き下がる。

 

「こいつは……!」

 

炎を見上げる歴戦の傭兵。

地獄のような光景を前に、思わず立ち尽くす。

 

ナヅキのダメージが5で止まった。

 

『ふ、防いだーッ!! 朔導ナヅキ、この絶体絶命の状況の中、複数の完全ガードを駆使し、見事に聖ニケの攻撃を守り切りましたー!!』

 

吼えるような声。

凄まじい歓声が巻き起こり、地面を揺らしていく。

 

ニケが「フン!」と不機嫌そうに腕を組んだ。

 

「随分とガード用のカードを抱え込んでいたんですね!」

 

批難するような口調。

ニケがびしっと指を伸ばす。

 

「ですが無駄です!! その程度の抵抗では、正義の炎は消えません!! 次の私のターン、今度こそ悪は滅びて平和が訪れるのです!!」

 

自信満々に言い切るニケ。

手札を片手に、ポーズを決めながら――

 

「私はこれでターンエンドです!! さぁ、カードを引いて下さい、ピンクの魔王さん!!」

 

ニケが大きく、そう言い放った。

不敵な表情。揺るぎない勝利のイメージを抱くニケ。

 

眩い光の中に、ニケは立っている。

 

「…………」

 

顔を伏せるナヅキ。

薄い暗闇の中、その表情が隠れて見えなくなる。

 

白い光が瞬き、そして――

 

「――私のターン」

 

いつになく静かな声色。

ゆっくりと、ナヅキがカードを引いた。

 

そのまま、手札を片手に黙り込む。

 

流れる不気味な沈黙。

その振る舞いに、観客がざわめいていった。

 

「さ、朔導さん……?」

 

普段とは違うナヅキの様子に気付くミユキ。

サヤが目に見えて困惑する。

 

「はっ? なにしてんの、あいつ……?」

 

理解できずに呟くサヤ。

会場中の注目が、ナヅキへと集まる。

 

おもむろに、口を開いて――

 

「ねぇ、聞いてもいいですかぁ?」

 

沈黙を破る声。

ナヅキが唐突に、そう訊ねた。

 

「あなた、勇者なんですっけ~?」

 

投げかけられる質問。

ニケが微笑み、胸を張る。

 

「その通りです!! 私こそが太陽の勇者、その生まれ変わり!! クレイを救った偉大なるヒーローです!!」

 

自信満々に言うニケ。

ナヅキが「へぇ~」と返した。

 

「そうなんですね~。もう一ついいですかぁ? あなた、最後に戦った相手は誰か覚えてますー?」

 

問いかけるナヅキ。

ニケが「へ?」と不思議そうに声をあげた。

 

「最後……? どういう意味ですか……?」

 

理解できない表情。

ニケが眉を下げながら、ナヅキを見返す。

 

ナヅキが手札で口元を隠した。

 

「そのままの意味ですよ~。あなた、クレイの生まれ変わりって言ってましたよね? 向こうで戦って、それで命を落としたんじゃないんですか~?」

 

「えっ。えっと、その……!」

 

口ごもるニケ。

悩ましそうに、視線を逸らす。

 

ほんの僅か、逡巡した後――

 

「――勇者は不滅、絶対に負けません!! 仲間と力を合せて、全ての困難を討ち倒すのです!! ゆえに戦いで命を落としたりしません!! 私は完璧な勇者なのです!!」

 

ニケが、胸に手を当ててそう断言した。

浮かぶドヤ顔。上手く切り抜けるニケ。

 

辺りを満たす暗闇が、深まりを見せる。

 

「そっかー、ならよかったです~」

 

ふわふわとした口調。

ナヅキがそっと、手札に指を伸ばす。

 

闇に抱かれながら――

 

「あなた、私が知ってる"勇者"とは違う人みたいですね~。本当によかったー。違うとは思ってたんですけど、ひょっとしたらって思ってたので~」

 

語り続けるナヅキ。

ゆらりと、その指がカードを掴む。

 

「それなら、遠慮なく――」

 

言葉を切るナヅキ。

ゆっくりと、顔をあげる。

 

深淵をその身に纏いながら――

 

「――あんたを、地獄に叩き落とせる」

 

異様な威圧感が、ナヅキの身体から放たれた。

ほとばしるドス黒いオーラ。壮絶なる殺気。

 

赤黒い殺意が稲妻のように弾け、身体から溢れた。

 

「なっ……!?」

 

ゾッとするニケ。

意識が遠のく感覚がして――

 

「ペルソナライドッ!!」

 

荒々しく、カードが盤面に振り下ろされた。

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

吹き上がる漆黒の業火。

 

周りの景色がどろりと溶け、消えていく。

代わりに浮かび上がる真紅の色。飛び散る炎。

 

赤く燃える戦場が、目の前に現れた。

 

「……えっ?」

 

呆然とするニケ。目を見開く。

うっすらと透き通った、霊体としての姿。

 

戦場を黒く染める焔の熱がその身に伝わる。

 

「な、なに、これ……!?」

 

怯えながら周りを見回すニケ。

飛び散る炎。壮絶なる戦闘の跡。揺らぐ黒煙。

 

地獄のような光景を目の当たりにして――

 

「わ、惑星クレイ……!?」

 

ニケが、絶句したように呟いた。

遠くで聞こえる戦闘音。爆発音が響く。

 

「どう、懐かしい?」

 

問いかける声。

ハッとなって、ニケが前を向く。

 

ファイトテーブルの前、ナヅキが微笑んでいる。

 

「あ、あなた、いったい……!?」

 

青くなりながら訊ねるニケ。

ナヅキがくすりと笑った。

 

黒く燃える殺気を纏いながら――

 

「襲獲祭を使用ッ!!」

 

心の底から愉しそうに。

ナヅキが、カードを盤面に叩きつけた。

 

 

襲獲祭

ノーマルオーダー 〈3〉

ドラゴンエンパイア

あなたのヴァンガードを1枚選び、そのターン中、『【自】【(V)】:あなたのメインフェイズに相手のリアガードが退却した時、あなたは1枚引く。』を得る。

― 追い立て、仕留め、確実に戦果を積み上げる。

 

 

「ひっ……!!」

 

身をのけぞらすニケ。

驚愕したように、その目を見開く。

 

ナヅキの指がカードを掴んだ。

 

「グリニスをコール!! ユージンのスキル発動!! グリニスとラグニットをレストして、ダイウイングの列を退却!!」

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

カードを動かしていくナヅキ。

漆黒の炎が降り注ぎ、機械の勇士達を飲み込んだ。

 

辺りが一瞬にして、炎の海に呑み込まれる。

 

「あっ、うぁっ……!!」

 

怯え切っているニケ。

萌葱色の瞳に、畏れの感情が現れる。

 

ナヅキがデッキに手を伸ばした。

 

「襲獲祭のスキルで2枚ドロー!! グリニスはスキルでスタンド、パワー+5000!! さらにラグニットをレストし、ダイレディを退却!! 1枚ドロー!!」

 

 

砂塵の躍弾 グリニス

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】【ターン1回】:あなたのメインフェイズに相手のリアガードが退却した時、あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

【永】【(G)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 獲物を狩り尽くしたら、街に戻って祝勝会よ!

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【起】【(R)】:あなたのヴァンガードが「ユージン」を含むグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1),このユニットを【レスト】させる]ことで、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

【自】【(R)】:あなたのバトルフェイズ開始時、相手のリアガードが1枚以下なら、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのパワー+5000。

― 後詰めはあなたよ。しっかり仕留めてきなさい!

 

 

容赦なくカードを動かしていくナヅキ。

黒い炎がさらなる熱をもたらし、戦場を飲み込んでいく。

 

冷たい笑みを浮かべながら――

 

「ディルガームをコール!! さらにコストを支払い、スキルを獲得!! 1枚ドロー!!」

 

漆黒の焔と共に、カードが盤面に叩きつけられた。

 

 

ドラグリッター ディルガーム

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ドラゴロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「ユージン」か「ガーンデーヴァ」を含むグレード3以上なら、【コスト】[【ソウルブラスト】(1),【エネルギーブラスト】(3)]することで、相手のリアガードを1枚選び、退却させる。退却させなかったら、1枚引き、そのターン中、このユニットは『【自】【(R)】【ターン1回】:あなたのヴァンガードがアタックしたバトル終了時、あなたの前列のリアガードを1枚選び、【スタンド】させる』を得る。

【永】【(R)】:このターンにあなたがノーマルオーダーをプレイしているなら、このユニットは『ブースト』を得る。

― 変わる戦局を見定めて、期待に背かぬ殊勲を立てる。

 

 

「す、スタンドスキル……!?」

 

震え声で言うニケ。

目の前で展開された盤面に、恐怖を覚える。

 

だがすぐに、手札を構えると――

 

「わ、私は太陽の勇者!! その生まれ変わり!! た、例えどんな状況であろうと、決して負けません!!」

 

勇気を奮い立たながら、

ニケが必死になってそう叫んだ。

 

その瞳に宿る神秘的な光。煌めく萌葱色。

 

指をカードの上に置いて――

 

「なら、燃えさせてみせてよ」

 

ナヅキが、笑いながら言い放った。

ほとばしる殺意。漆黒の稲妻が指先に這い上がる。

 

熱風が渦巻いて――

 

「ラグニットでアタック!!」

 

漆黒を纏いながら、ナヅキがカードを動かした。

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット パワー35000

 

 

「の、ノーガードです!! ダメージチェック!!」

 

震える声で宣言するニケ。

カードをめくって――

 

「ドロートリガー!! パワーはダイユーシャです!!」

 

萌葱色の瞳の中で、神秘的な光が脈打った。

 

 

アメリオレート・コネクター

トリガーユニット 【引】+10000

(ドロートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - ワーカロイド パワー4000 / シールド5000 / ☆1

【永】【(G)】:相手のヴァンガードがグレード3以上なら、このユニットのシールド+5000。

― 換装完了。導電率、ググット高メテオキマシタ。

 

 

ニケ ダメージ4→5

 

 

「こ、これで……!!」

 

嬉しそうなニケ。白銀の光が勇者に宿る。

灼熱が勢いよく吹き上げて――

 

「それで逃げれたつもり?」

 

凍りつくような声が辺りに響いた。

びくりと震えるニケ。恐怖が蘇る。

 

カードの上に指を置いて――

 

「ラグニットでアタック!!」

 

再び、戦場に黒い炎が荒れ狂った。

 

 

砂塵の燦弾 ラグニット パワー38000

 

 

ほとばしる漆黒の稲妻。狂い咲く殺意。

ニケが震えながら手札を掴んだ。

 

「が、ガードです!!」

 

 

警邏ロボ デカルコップ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― ここは本官に任せなさい!!

 

 

超次元ロボ ダイレディ

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「次元ロボ」を含むなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、あなたの山札から基地カードを1枚まで探し、公開して手札に加え、山札をシャッフルする。

【自】【(R)】:このユニットがグレード3以上にアタックした時、あなたのオーダーゾーンに基地が2枚以上なら、そのバトル中、このユニットのパワー+10000。

― 「超次元メイクアップ!」の掛け声と共に現れ

人々に愛と勇気を与えたとされる。

 

 

ぱさりと置かれる2枚。

機械仕掛けの勇者が腕を使い、炎を防ぐ。

 

漆黒の焔が弾け、凄まじい爆発が巻き起こった。

 

「ひゃあああー!!」

 

悲鳴をあげるニケ。

怯え切った表情。弾けた炎が霊体をかすめる。

 

爆炎が轟々とうねりをあげる中で――

 

「ユージンでアタック!!」

 

真っ赤に染まった視界の中。

ナヅキが笑いながら、カードを裏返した。

 

「スキル発動!! 山札からダスティンとオズワルドをコール!! ユージンとコールされたユニットに、それぞれパワー+5000!!」

 

 

砂塵の獄炎 ユージン

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【永】【(V)】:このユニットは「砂塵の重砲 ユージン」としても扱う。

【起】【(V)】【ターン1回】:【コスト】[リアガードを2枚【レスト】させる]ことで、縦列を1つ選び、その縦列の相手のリアガードすべてを退却させる。

【自】【(V)】【ターン1回】:このカードがヴァンガードにアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1),【ソウルブラスト】(1)]することで、あなたの山札を上から5枚見て、グレード3以下のユニットカードを2枚まで選び、それぞれ同じ縦列の(R)にコールし、山札をシャッフルし、そのターン中、このユニットのパワー+5000。相手のヴァンガードがグレード3以上で、ユニットのいない相手の(R)が3つ以上なら、そのターン中、この能力でコールしたユニットすべてのパワー+5000。

― 起きろ、獄炎、お前の出番だ。

 

 

地面から這い出る地獄の焔。

ナヅキの横一列が上書きされる。

 

 

砂塵の榴砲 ダスティン

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:このユニットが(R)に登場した時、あなたのヴァンガードが「砂塵の重砲 ユージン」なら、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、1枚引き、グレード2以上の相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

【自】【(R)】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、ユニットのいない相手の(R)1つにつき、そのバトル中、このユニットのパワー+2000。

― 霧払いは済みました。さぁ、本丸を落としましょう。

 

 

砂塵の襲弾 オズワルド

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが「ユージン」を含むヴァンガードをブーストしたバトル終了時、相手のヴァンガードがグレード3以上でリアガードがいないなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのヴァンガードを1枚選び、【スタンド】させ、そのターン中、クリティカルとドライブを1になるまで増減させる。

― 砂塵の狩り――その神髄、見せてあげるよ。

 

 

砂塵の獄炎 ユージン パワー36000

 

 

荒れ狂う炎の嵐。

辺り一面が熱に侵される中で――

 

「ふ、《悠久なる凍土へ還れ》を使用!!」

 

ニケが、冷や汗を流しながらカードを場に出した。

 

 

悠久なる凍土へ還れ

ブリッツオーダー 〈2〉

ブラントゲート

【コスト】[【ソウルブラスト】(1)]することで、プレイできる!

アタックされているユニットを1枚選び、あなたのオーダーゾーンの【レスト】しているセットオーダー1枚につき、そのバトル中、パワー+10000。

― 凍てつき、眠れ。

 

 

「スキルでダイユーシャのパワー+40000!! 合計パワー63000です!!」

 

必死になって叫ぶニケ。

ナヅキがフッと、見下しながら息を吐く。

 

「ツインドライブ!!」

 

愉しそうに笑っているナヅキ。

カードを勢いよくめくって――

 

「ファーストチェック、ノートリガー! セカンドチェック、ノートリガー!」

 

ナヅキの場で、カードが表になった。

 

 

翔陽時在 フォルド&リバルティス

ノーマルユニット 〈2〉 (インターセプト)

ドラゴンエンパイア/ダークステイツ - ドラゴロイド/ギアドラゴン 

パワー10000 / シールド5000 / ☆1

【自】:バトルフェイズ以外にこのユニットが手札から(R)に登場した時、【ソウルチャージ】(1)し、そのターン中、このユニットのパワー+5000。その後、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、以下を1つ行う。

・グレード2以上の相手のリアガードを1枚選び、退却させる。

・あなたのソウルからグレード2以下を1枚選び、(R)にコールする。

― 溢れる情熱を薪と焚べ、縦横無尽に時を駆け巡る。

 

 

その輝きは遠く空の彼方より

ノーマルオーダー 〈3〉

【レガリスピース】

(レガリスピースはデッキに合計1枚だけ入れられ、ファイト中に合計1回だけ使える)

1枚引き、このカードをソウルに置き、次の相手のターン終了時まで、あなたは『あなたのターン中、あなたのヴァンガードすべてのパワー+5000。』と『あなたのリアガードすべては相手のカードの効果で、選べず、(R)以外に置けない。』を得る。

― 空から差すは希望の光。不屈の心で立ち上がれ。

 

 

「の、ノートリガー……!!」

 

ホッとしたように胸を撫でおろすニケ。

ナヅキが嘲るようにくすりと笑った。

 

ダメージを裏返して――

 

「オズワルドのスキルで、ユージンをスタンド!!」

 

ナヅキの場で、ヴァンガードが再び立ち上がった。

 

 

砂塵の襲弾 オズワルド

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - ヒューマン 

パワー8000 / シールド5000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットが「ユージン」を含むヴァンガードをブーストしたバトル終了時、相手のヴァンガードがグレード3以上でリアガードがいないなら、【コスト】[【カウンターブラスト】(1), 手札から1枚捨てる]ことで、あなたのヴァンガードを1枚選び、【スタンド】させ、そのターン中、クリティカルとドライブを1になるまで増減させる。

― 砂塵の狩り――その神髄、見せてあげるよ。

 

 

「ぐっ、くぅっ……!!」

 

手札を片手に、苦しそうに声を漏らすニケ。

稲妻のような黒い殺意を纏い、ナヅキが微笑む。

 

指がカードの上で躍って――

 

「ダスティンでアタック!!」

 

漆黒の炎が、さらに勢いを増して燃え盛った。

 

 

砂塵の榴砲 ダスティン パワー48000

 

 

「が、ガードですッ!!」

 

ニケが手札の2枚を場に出す。

 

 

警邏ロボ デカルコップ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー4000 / シールド15000 / ☆1

【自】【(R)】:このユニットがブーストしたバトル終了時、【コスト】[このユニットをソウルに置く]ことで、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+2000。

― ここは本官に任せなさい!!

 

 

チェイン・ライクラスタ

トリガーユニット 【☆】+10000

(クリティカルトリガー) 〈0〉 (ブースト)

ブラントゲート - サイバーゴーレム 

パワー5000 / シールド15000 / ☆1

― 圧倒的な質量が、不可逆の変質を与える。

 

 

ダメージトリガーと併せた防御。

紙一重の所で、ニケが攻撃を防いだ。

 

その手に残った手札は2枚。

 

「あ、あと2回……!!」

 

息を切らしながら前を向くニケ。

恐怖と勇気。それらの感情が入り混じる。

 

とんと、指をカードの上に置いて――

 

「――ユージンでアタック!!」

 

ナヅキの低い声が、その場に響いた。

漆黒に染まった瞳。赤黒い光が纏わりつく。

 

傭兵が煙草の煙を吐き出し、銃を構えた。

 

 

砂塵の獄炎 ユージン パワー28000

 

 

スコープを覗いている傭兵。

巨大な機械兵器を前に、集中力を研ぎ澄ます。

 

世界から音が消えていき、そして――

 

「――完全ガードです!!」

 

沈黙を蹴上げるように、

ニケがカードを盤面に叩き出した。

 

 

剛腕変形 ストロカルマーズ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 退かぬさ。この腕に誓ったのだからな!

 

 

「残りの手札が1枚なので、私は手札を捨てません!」

 

手札を見せつけるように持つニケ。

荒く息を吐き出しながら、前を向く。

 

冷や汗がこぼれて――

 

「そして!! 残る1枚も同じく完全ガードなのです!! つまり、あなたの攻撃が通る事は絶対にありません!!」

 

ニケが、持っていた1枚を表にした。

 

 

剛腕変形 ストロカルマーズ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 退かぬさ。この腕に誓ったのだからな!

 

 

目を細めるナヅキ。

火の粉が舞う中、ニケがかすかに笑う。

 

「こ、これで、私の勝ち――!!」

 

そう、言いかけた瞬間。

戦場の空気を引き裂くように――

 

爆発するような殺気が、ナヅキから放たれた。

 

「ひ、ひィっ!?」

 

怯えた声を出すニケ。

本能的な恐怖から、後ろへと下がる。

 

漆黒の稲妻が弾けて――

 

「言ったでしょ、地獄に叩き落とすって」

 

微笑み続けているナヅキ。

瞳孔の開いた瞳を向け、手を伸ばす。

 

ほとばしる殺意を纏いながら――

 

「――燃える準備はできてる?」

 

ナヅキが低い声で、そう問いかけた。

絶句するニケ。大きく目を見開く。

 

「ドライブチェック!!」

 

響き渡る声。

ナヅキの手の中でカードが翻って――

 

「――オーバートリガーッ!!」

 

究極の力を宿す竜の姿が、盤面に降臨した。

 

 

再起の竜神王 ドラグヴェーダ

トリガーユニット 【超】

(オーバートリガー) 〈0〉 (ブースト)

ドラゴンエンパイア - プラズマドラゴン 

パワー5000 / シールド50000 / ☆1

( 【超】トリガーはデッキに1枚だけ入れられる。トリガーで出たら、そのカードを除外し、1枚引き、あなたのユニットを1枚選び、そのターン中、パワー+1憶!ドライブチェックで出たら、さらに追加効果が発動!)

追加効果-あなたのヴァンガードを1枚選び、【スタンド】させる!

― 立ち上がれ。諦めを知らぬが故に拓く道がある。

 

 

カヒュッと息を吐くニケ。

その顔から血の気が失せ、表情が消える。

 

黒く染まった紅蓮の炎が辺りを支配して――

 

「ユージンをスタンド、パワー+100000000!! さらにディルガームのスキルで、ダスティンをスタンド!!」

 

燃える世界に、その言葉が響いていった。

漆黒を纏った炎。灼熱が世界を焼き尽くしていく。

 

瞳の中、神秘的な光が揺らいでいった。

 

「う、嘘……!! こんなの、嘘……!!」

 

呆然と盤面を眺めるニケ。

恐怖にすくむ表情。その目に涙が浮かぶ。

 

「わ、私が負けるなんて……!! そんなの嘘だよ……!! だ、だって私は、太陽の勇者で……!! 絶対無敵の、正義の、ヒーロー……!!」

 

自分に言い聞かせるような口調。

気弱な少女の心が、その言葉から垣間見える。

 

ナヅキが手を伸ばして――

 

「ダスティンでアタック!!」

 

漆黒の稲妻が荒れ狂って。

ナヅキの場で、カードが横向きになった。

 

 

砂塵の榴砲 ダスティン パワー35000

 

 

「ひっ!!」

 

短い悲鳴をあげるニケ。

咄嗟に、その手がカードを構える。

 

「が、ガード!!」

 

引きつった声と共に、ニケの場にカードが置かれた。

 

 

剛腕変形 ストロカルマーズ

ノーマルユニット 〈1〉 (ブースト)

ブラントゲート - バトロイド 

パワー6000 / シールド0 / ☆1

【永】:守護者(守護者を持つカードはデッキに合計4枚まで入れられる)

【自】:このユニットが(G)に置かれた時、あなたのユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない。あなたの手札が2枚以上なら、手札から1枚選び、捨てる。

― 退かぬさ。この腕に誓ったのだからな!

 

 

漆黒の焔が天から降り注ぐ。

熱が渦巻き、辺りの景色が歪んでいった。

 

ニケの手札から、カードが消える。

 

「あっ……!! あっ……!!」

 

空っぽの手を見つめるニケ。

恐怖に引きつった表情。絶望する姿。

 

その姿を見下ろしながら――

 

「往生際が悪いですよぉ、ヒーロー気取りさん」

 

唄うような響き。

ナヅキがにっこりと、大きく微笑む。

 

その瞳に漆黒の炎を宿しながら――

 

「さっさと死んでくださいよ、臆病者」

 

ナヅキの声が、戦場に響いていった。

纏わりつく殺意。凄まじいまでの威圧感。

 

ニケの顔から血の気が失せ、そして――

 

「ユージンでアタック!!」

 

カードの動く鈍い音が、その場に響いた。

世界を燃やす漆黒の炎。熱風が全てを飲み込んでいく。

 

火の粉が舞い上がる中で――

 

「――そこか、クズ鉄野郎」

 

歴戦の傭兵が、引き金を絞った。

轟く一筋の銃声。黒い炎が弾丸に宿って――

 

機械仕掛けの勇者の装甲を、弾丸が穿ち貫いた。

 

「!!」

 

驚愕したような反応を見せる巨大兵器。

ゆらりと、その巨体が揺らぎ泳ぐ。

 

轟音と共に、機械仕掛けの勇者が地に倒れ伏した。

 

鈍い音が響き渡り、揺れる大地。

歴戦の傭兵が疲れきった表情で息を吐いた。

 

遠い惑星での光景が離れていき――

 

最後の1枚が、コツンと音をたてて盤面に落ちた。

 

 

超次元ロボ ダイユーシャ

ノーマルユニット 〈3〉

(ツインドライブ!!) (ペルソナライド)

ブラントゲート/ディメンジョンポリス - バトロイド 

パワー13000 / シールドなし / ☆1

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックした時、【コスト】[【カウンターブラスト】(1)]することで、1枚引き、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、「次元ロボ」を含むそれぞれの別名のあなたのユニットを望む枚数選び、そのターン中、パワー+5000。

【自】【(V)】【ターン1回】:このユニットがアタックしたバトル終了時、【コスト】[手札から1枚ソウルに置く]ことで、このユニットを【スタンド】させ、そのターン中、このユニットのドライブ-2。あなたのバインドゾーンに「次元ロボ ゴーユーシャ」がなくて、このターンにあなたがペルソナライドしているなら、さらに、【コスト】[ソウルから「次元ロボ ゴーユーシャ」を1枚バインドする]ことで、そのターン中、このユニットのドライブ+1。

― かつて、次元の彼方よりこの星に現れた正義の使者!

誰もが叫ぶ、彼の名を――超次元ロボ!ダイユーシャ!

 

 

ニケ ダメージ5→6

 

 

「あっ……!! わっ……!!」

 

ぶるぶると震えているニケ。

涙を流しながら、その身をすくめる。

 

しんと、会場の中が静まり返って――

 

「イェーイ! 私の勝ちー☆」

 

ナヅキが、嬉しそうに両手をあげた。

輝く笑顔。きゃぴきゃぴとした雰囲気のナヅキ。

 

愕然としながら、シキが右手をあげる。

 

『し、勝者……"紅蓮の太陽姫"……』

 

結果を告げるアナウンス。

暗闇の中に、その言葉が溶けて消えていく。

 

不気味な沈黙が、その場に渦巻いていた。

 

「……んー、ちょっと燃やしすぎちゃったかな~?」

 

のんびりと口元に指を当てるナヅキ。

目の前で泣いているニケを見下ろす。

 

その手を伸ばして――

 

ナヅキが、銀色のコインを指で掴んだ。

 

「……ふーん」

 

感慨のない表情。

いかにも興味なさそうに、コインを弄んでいるナヅキ。

 

ニケがハッとなって、顔をあげた。

 

「わ、私の、コイン……!!」

 

か細い声で話すニケ。 

潤んだ瞳がナヅキへと向けられる。

 

ナヅキが微笑み、首をかしげた。

 

「"私の"?」

 

「ひっ!! あっ、いや、その……!!」

 

口ごもるニケ。

怯え切った表情のまま、半歩下がる。

 

その目から涙が零れて――

 

「ふっ、ふわあああああああん!!」

 

決壊したように、ニケが泣き声をあげた。

素早くカードをしまいこむニケ。必死な表情。

 

逃げるように、ニケがその場から駆け出した。

 

「あっ、ちょっと……!!」

 

呼び止めようとするシキ。

だがすでに、ニケの姿は暗闇の向こうへと消えていた。

 

波のようなざわめきが、徐々に広がっていく。

 

「な、なによ、今のファイト……」

 

唖然としながら呟くサヤ。

ミユキもまた、目を丸くして黙り込んでいる。

 

観客からの視線が集まる中で――

 

「……願いの叶うコイン」

 

ぽつりと呟くナヅキ。

その手の中、赤と銀のコインを見つめる。

 

漆黒をその瞳に宿しながら――

 

「……なーんか、気に入らないなぁ」

 

ナヅキが、2枚のコインを握りしめた。

 





♯3 Cray Encounter FIN



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