GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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EX2:正式サービス開始! 5 ※ジークアクスのネタバレを含みます。

『かくして! GBBBB部クラバトが始まりました! 出来たら、頭部破壊で失格とか。そう言う特殊ルールも盛り込みたかったんだけれど、細かい設定は出来ないから試合自体は殴り合いね! 実況には手が空いているアラタ君を呼びました。この試合、どう見ますか?』

 

 カルパッチョの宣言と共に1組目の試合の火ぶたは切って落とされた。

 彼女の配信でほぼ相方枠になっているアラタは、この組み合わせを見て感想を述べた。

 

『シーナもセリトもゲーム慣れはしているんだよな。とは言え、2人共サポートよりだからな。相方で決まる面は大きいかもしれねぇ』

 

 これは配信故に口にはしなかったが、セリトとシーナの強さはビアンカ内でも高くはない。彼らは色々なゲームに手を伸ばしてはいるので慣れるのは早いのだが、やり込むほどではなく。

 ゲーム好きのカジュアルユーザーである故にガチで入れ込んでいる連中ほど強くはなかった。となれば、試合の運びを決めるのは彼らの相方になる。

 

「セリト。ついて来い!」

「おぅ!」

「シーナ! そっちは任せたよ!」

「はい!」

 

 コンビで行動するグスタフ達とは対照的に、ドーラとシーナは付かず離れずの距離で戦っていた。

 セリト達が一方を攻撃して叩き伏せようとすると、手が空いた1機がすかさず妨害に入り隙を潰すという、MAV戦らしい様相を繰り広げていた。

 

『互いの死角を庇い合う戦い方。しかも、セリト達は同じ機体だから動きも合わせ易いんでしょうね。ただ、シーナ達の臨機応変振りっていうのも、相手がやってくれることを信じているが故の分担って風にも見えるわ!』

『ただ、この戦い方だと。どっちがジリ貧になるかってのは分かりやすいんじゃねぇかな?』

 

 どうやら、アラタには試合の運びが概ね見えていたらしい。

 彼の予想通りの展開だったかはさておき、事態が動いたのは、ガンキャノンが放ったバズーカにより、グスタフのドムの脚部が吹き飛んだことからだった。

 

「あ!?」

「セリト!! 俺にかまうな!」

 

 ここで経験の差が出たのは、ゲームを積み重ねて来た経験よりもリアルの経験。中学生であるセリトに咄嗟の対応を求めるのは中々に酷な話でもある。グスタフが警告を発したが、既に時は遅い。

 

「ハッハッハ! 貰ったァ!」

 

 哄笑を上げながら、ドーラのザクが振り下ろした大型ヒートホークがセリトの機体を両断した。彼の機体が爆散すると同時に、倒れていたグスタフのドムをビーム砲が貫き、これもまた爆散した。

 

『はい! 1回戦の勝者は『シーナ&ドーラ』ペア! コンビの爆発力を上手く崩しましたね!』

『ちょっとセリトはグスタフに頼り過ぎていた部分もあったかもしれねぇな。後で反省会だな!』

 

 だらだらと長く試合をする訳ではなく、見どころもありつつサクッと終了したので、配信的には助かる試合だった。アラタと実況していたカルパッチョが立ち上がる。

 

『それじゃあ! 次の試合は、私こと『カルパッチョ』とニシワキエンジニアリングの『ユーキ』さんとのペアと『コウラ』ちゃんと『ニュー』君の試合です! アラタ! 実況の方は任せたからね!』

『勿論、任せてくれよぉ!』

 

 直ぐに、第2試合も始まった。ユーキが操るオレンジ色のガンキャノンの手には砲撃機には似つかわしくないビームサーベル。もう片方の手にはビームライフル。一方、カルパッチョのグフは両手にデットエンドGを装備している。

 

「やっぱり、量産機ってのはどうにも慣れないわ」

「というか。コウラが好きなのってMSじゃなくて、強くて勝てる機体じゃないのかな。もっと、僕やアラタみたいに遊び心を持つと良いよ」

「は??」

 

 青色の軽キャノンは殺戮マシーンズゴ・タンクに今にも掴み掛かろうとしていたが、倒すべき相手は目の前のコンビだ。

 

「見なさい、ユーキ。一般的にね、喧嘩するコンビはあーいう風にみっともなく見られるの。私の配信だからね。今は下らない蟠りを捨て、グッドコンビとして宣伝した方がね、マシマも喜ぶと思うのよ」

「エアプマシマさんは止めて下さいよ」

 

 カルパッチョの注意喚起を一蹴していた。とは言え、試合自体はキチンとやるつもりらしく、ちゃんとバトルには移行していた。

 

『えー、今回は俺が実況させて貰うぜ。カルパッチョもコウラも強いし、ユーキさんはニシワキエンジニアリングのリーダー。んで、ニューもフリーダムフリートに名を連ねていた位だから、強さ的には拮抗しているとは思うんだが』

 

 しかし、こんなメンバーが集まってマトモな試合が行われる訳が無かった。最初に行動を起こした、ユーキのオレンジ色のガンキャノンはまるで岩を持ち上げるかのように、カルパッチョの機体をリフトアップさせていた。

 

「は?」

「飛び出していけ!!」

 

 まさかの、カルパッチョミサイルが放たれた。あまりに意味の分からない攻撃に困惑するコウラに対して、殺戮マシーンズゴ・タンクは青色の軽キャノンを持ち上げた。

 

「ちょっと? ねぇ、なにするつもり?!」

「僕は逃げ出すよりも進むことを選んだのだから!」

 

 ズゴ・タンクは構造上の問題でシールドを手にすることが出来ないので、青色の軽キャノンを前面に掲げて突っ込んで行った。ガンブレ学園で培った友情があるからこそ出来るフレンドシールドであった。

 

『おーっと! 外道ファイトだぜ!! マブのマの字さえ感じさせない、パートナーの取り扱いだ!』

「うぉおおおおお!! ただでやられて堪るかぁああああああ!」

 

 ユーキによるぶん投げを受けたカルパッチョは、器用に空中で姿勢制御を取って、デッドエンドGを前面に突き出していた。そんな彼女の脇をガンキャノンの砲撃が通り過ぎていく。

 対するコウラは軽キャノンの装甲と掲げたシールドを用いて、強制的にズゴ・タンクをも守るという構造になっていた。

 

「コウラ! ありがとう!」

「明日は楽しみにしておいてね」

 

 リアルで知り合いということでは、ゲーム内ではなく現実で手を出せるということだ。ミサイルや砲撃と一緒に飛来したカルパッチョミサイルであるが、ズゴ・タンクは気にせず突っ込んでいた。

 

「僕達の絆の固さ! 見せつけてやるぞ!!」

「何を言っているの!!?」

『なんか良いことを言っているけれど、自分から罅を入れていくスタイルなんだぜ!! GBBBBでお約束になったフレンド・ウェポンを使うか!?』

 

 ここでいうフレンド・ウェポンというのはフレンドやチームメンバーから武器を貸与されるということではなく、フレンドの機体を武器の様に扱うということである。

 バットにしたり、ファンネルを破壊したりと。ガンダムという作品群ではまずありえないであろう攻撃方法だが、どういう訳かGBBBBでは多くの者が使用している。ズゴ・タンクもまたカルパッチョを打ち返す為に使われるのか。

 

「(なーんてね。これも、私達の作戦よ)」

 

 岩の様に飛ばされたカルパッチョは表面上困惑しつつ、実は冷静に作戦を立てていた。彼女の機体はグフであり、当然ヒート・ロッドも使える。

 

「(アンタが私を打ち返そうとした所で、2人をロッドで拘束。砲撃機のアイツは攻撃出来ずに、そのままデッドエンドGでぶった切って、ユーキの砲撃も加えてジ・エンド! ってワケよ!)」

 

 フレンドを武器に使うということは、相手を拘束するということでもある。その隙を突いてまとめて処理するというのは、派手な様に見えてGBBBBの盛り上がりや定番を利用した合理的な始末方法だった。

 デッドエンドGを構えつつ、ヒート・ロッドを射出したカルパッチョだったが、ズゴ・タンクの行動に目を見開いた。彼は、抱えていたコウラをユーキの方に投げ飛ばしていたのだ。

 

「だから、ちゃんと倒して来てね」

「――! 分かった!」

 

 ヒート・ロッドはズゴ・タンクを拘束した。だが、途端にニューの機体からは激しい光が発せられていた。カルパッチョが武装を解除しようとしても間に合わない。ズゴ・タンクはカルパッチョのグフを巻き込んで盛大に自爆をかました。

 

「さぁ、一騎打ちよ!」

「いや。羨ましくなるほどの仲ですね!!」

 

 ユーキもビームサーベルを構えてコウラを迎え撃つが、互いに援護が入らない状態であれば機体の性能差と本人の得意分野の押し付けい合いで決まる。

 コウラの機体は軽キャノン寄りで機動性が高く、対するユーキは近接戦も出来るサポート機である故、白兵戦になった際はどちらが有利になるかは言うまでも無かった。オレンジ色のガンキャノンの頭部が飛んだと同時に爆散した。

 

『さっすが先パ……コウラだぜぃ! 勝敗を左右したのは、パートナーの信頼関係って所だな!』

 

 2組目の試合も終わり、3組目の戦いに突入する。リンとサーヤは深く深呼吸をした。

 

「サーヤちゃん。頑張ろう」

「うん。緊張はあまりしない程度に」

 

 もう少し長引く物だとばかり思っていたので、次々と決着がついて行くので思ったよりも早めに番が回って来た。払拭しきれていない緊張を抱えつつ、リン達は3組目の試合をするべく、フィールドに降り立った。

 

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