GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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EX3:24年後の君へ 1

「でも わたしたちは信じてる。未来はきっと明るくて 素敵な現実を見せてくれるって」

 

 ジークアクス熱に加えて、新機体の実装。更にはバトルトーナメントの再開も相まって、GBBBBは溜め込んでいた熱量を存分に放っていた。

 

『おーっと! チーム『ビアンカ』とチーム『彩渡』のリン・カーネーションとスティールヘイズ……。再現ガンプラの名前を実況するのは色々と引っ掛かっちゃう私に配慮してくださると助かりまーす!』

『だが、良いぶつかり合いだ! 彼女達は自主開催したというクラバトで優勝したペア同士だったらしい。友人相手だからこそ、本気でぶつかれる! これぞ! ガンプラバトルだ!!』

 

 レコの世知辛さに加えて、ミスターガンプラの熱い実況も相まって、自分達のGBBBBが帰って来たのだと多くのユーザーがエモーションを使って喜びを表現していた。

 モニタにはリン・カーネーションとスティールヘイズ・オルトゥスが激しくぶつかり合っていた。しかも、今回はイベント戦でもないので、チーム彩渡のリーダーであるサーヤは覚醒も使っていた。

 

「昨日の友は今日の敵。私の覚醒に対抗するだけの手段はあるの! リンちゃん!!」

「武器なら私にもある!! アラタへの!」

「ホァッチャー!!」

 

 SEEDでフリーダムな主人公と似たようなセリフを吐こうとした所で、アラタの『ふみな・轟』のカットが入り、オルトゥスが吹っ飛ばされていた。

 

「なんで、最後まで言わせてくれないの!?」

「ここ!! 公共の場!!!!」

「若いねぇ……」

 

 ミサのアザレアブレイジングは、サーヤ以外のチーム彩渡メンバーの残骸を背後に腕組みをしながら頷いていた。そして、直ぐに援護に駆け付けた。

 

『昔から『3人に勝てる訳が無いだろう!』というミームが存在しますが、数の暴力ってやっぱり強いですね』

『うん。三本の矢とかでも有名だよね。所で、レコ君。そのミームは何処で習得して来たんだい? 出来れば、ペッ! して欲しいんだけれど。企業の風評にも関わって来るだろうし』

『アレ? ミスターガンプラはこのミームの元を知っているんですか? 私は漠然としか知らないので、教えて貰えると嬉しいのですが』

 

 もはや、実況する様な試合展開は望めないと判断したのか、レコはコント方面に持って行っていた。モニタ内で慌てているミスターガンプラを見ながら、ユーザー達は口々に『説明したらバレるな……』と言っていた。

 

「うぉおおおおお! 許さねぇええええ! 俺のレコちゃんに変な知識を覚えさせやがって!!」

 

 これに怒りをあらわにしたのは、ビアンカの美プラ勢であるセリトだった。正に、今のお前のような輩が跋扈する所から学んだと思うのだが、誰も指摘をする気はないらしい。

 

「にしても。まさか、リンちゃんが行くとはねぇ。やるじゃない!」

 

 カルパッチョがカラカラと笑っていた。リンが告白した、と言うことは公にはしていないが、2人の関係が進展しているのは誰の目から見ても明らかだった。

 何より、彼女の姉であるミサがここの所。ずっとご機嫌なのだから、分からない訳が無い。

 

「とても素敵なことだと思います。おかげで、最近は彼女もやる気が上がって、バトルトーナメントの快進撃も続いていますしね」

 

 シーナも言う通り、再開されたバトルトーナメントにおいてビアンカは圧倒的だった1回戦の相手を吹っ飛ばして、2回戦の相手としてクラバトの時に組んだサーヤが立ちはだかったが、悲しい位に一方的だった。

 朗らかな空気が流れている中、マシマとタオは個別チャットで互いに遣り取りをしていた。敢えて触れていない人間に対しての物である。

 

『ま、マシマさん。僕、どうしたらええんやろか?』

『変にフォローに入るなよ。逆に刺激することになるからな』

 

 2人が視線をやった先にはブルーの塗装が施された機体が居る。そう、コウラの愛機である。ビアンカの一員として、彼女は試合の様子を見守っていた。

 

「そうね。素敵なことだと思う」

「そうよねぇ。このまま決勝戦まで進んで、マイスター達と戦って、晴れてトップに躍り出て! このカルパッチョサマがGBBBBを牽引するニューリーダーになるのよ!!」

 

 面の皮鉄仮面かよと言いたくなる位のタフさにマシマとタオは尊敬すら覚えていた。もしかして、自分達が気にし過ぎているだけなんじゃないかと。

 少し変わる所もあったが、困難とトラブルを乗り越えてGBBBBは帰って来た。新作のガンダムと言うホットな話題もぶら下げて。

 

~~

 

「そうか~~。リンちゃんも告白に成功したのか~~。ひょっとしたら、アラタ君が俺の義弟になるのかもな~~~」

「マジでキモいから止めろ」

 

 ここの所、マイスターのクールさを放り出してフールさを全開にしているタクマを見るに耐えかねたのか、カドマツから辛辣な言葉が浴びせられていた。

 

「カドマツ。バトルトーナメント決勝戦に向けての騎士エクシアの調整についてだが……」

「うわぁあああ! 急に冷静になるな!!」

「だって、お前。やめろって……」

「なんで、そんな極端なんだよ……。で、機体だな? スーパーストームは使わなくて大丈夫なのか?」

「あの機体も愛着が無い訳ではない。ただ、決勝戦に来るであろう『アラタ』君か『カオス』相手では、手数で押すスーパーストームよりも一撃に秀でた騎士エクシアの方が良いと判断してだ」

 

 最近は使用していないが、スーパーストームもタクマが一からビルドを手掛けた機体だ。愛着もあれば、搭乗回数も多い。

 だが、機動力に長けた『ライトニング覚醒』を使うカオスや頑強な防御力を誇る『ガーディアン覚醒』を使うアラタ相手には分が悪い。格闘戦に強く調整された、騎士エクシアの方が勝てる。と踏んでの選抜だった。

 

「ここまでの試合経過を見れば、恐らく予想通りにはなるだろうな」

「今度こそ、全力で戦える」

 

 上がって来るのが、ビアンカと限った話ではないが、タクマの方にはほぼ確信めいた物があった。

 

「まっ、試合の方はお前に任せる。俺は俺の仕事をするからよ」

「そう言えば、アラタ君の所の彼女はどうなんだ? 戻れそうなのか?」

「いや。やはり、反対の色が強い。どうにかして、また一緒に遊べるようにはしてやりたいが」

 

 まだ、バックドアとして仕込まれている物があるかもしれないと言った手前、戻すのはやはり難しいのだろう。こればかりは仕方がない。

 

「……口惜しいな。ロボ太と違って、彼女は近くに居るのに」

「せめて、それが慰めになってくれると良いんだが」

 

 タクマ達が見つめるモニタの先には、チーム彩渡に勝利したビアンカのメンバーがガッツポーズのエモーションを繰り出す光景が広がっていた。

 

~~

 

「アラタ。勝利、おめでとうございます」

「おう、文。ありがとう」

 

 今の所、ビアンカは順調にコマを進めており、同じくフリーダムフリートのメンバーも順調に進めて行っている。この様子だと再戦の日は遠くないだろう。

 

「早速ですが、尋ねたいことがあります。アラタはリンと恋人と呼ばれる関係になったんですよね?」

「改めて言われると照れるけれど。まぁ、そうだな」

「恋人同士とは具体的に何をするのでしょうか?」

 

 恋人。と言われても、具体的に何をするかなんて考えたことが無い。遊びに行くなら、以前も一緒に行っていたし。

 

「何だろうな。何処まで考えるべきなんだろうな?」

「一般的な知識としては、家族になったり、家庭を作ったりと言うことですが。アラタはリンと家族になりたいのですか?」

「ちょっと待って。そこまで考えるのはまだ早い」

 

 そこまで重く考えては居なかった。ただ、実際に恋人同士になったとして、何処まで関係が続くのか。どうやって続けて行けばいいのか。分からないことが多すぎるし、相談相手が……。

 

「いた」

 

 アラタがチャットアプリを開き、メッセージを送った。相手はリンと自分に理解があり、なおかつ彼氏彼女の事情に身を置いたこともある人物。

 

『アレ? アラタ君どうしたの?』

『ミサさん。折り入って相談がありまして』

 

 ある意味、彼女を頼るのは自然なことだったかもしれない。ミサもまた快く、アラタの相談に乗っていた。

 

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