GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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も、モンハンが面白過ぎてサボっていました……。


EX3:24年後の君へ 3

 リンは本当に頑張った。ガンダムとは思えない位の貧弱さを誇るガンダムを動かしながら、理不尽なケツアゴシャア達に対抗した。折角のお家デートを浪費させられる有様はあまりに無惨だった。

 シャアと交戦し下半身を損傷しまくったが戦いは続く。ホワイトベースの発艦を阻止する『ソア・キャノン』を撃破するべく、再びガンダムが駆り出されようとしていた。先の先頭で使い物にならなくなった下半身の代りに、ガンタンクのBパーツを取り付けられた。これまた『GBBBB』でよく見たことがある奴だった。

 

「ガンダム・タンクだ!」

 

 ハイパー・バズーカまで持たされ、早速ソア・キャノン破壊任務を背負って市街地を突破して行くのだが、3方向を選択して進んで行くというあみだくじみたいなことをやらされていた。

 

「でも、ハイパー・バズーカ持っているし……」

 

 アラタと画面内の文を静かに微笑んでいた。そして、このおみくじはクソゲーだった。当然ながら外れの選択肢を選んだ場合は会敵するのだが、ハイパー・バズーカを撃つことも無く一方的にやられるのだ。

 

「なんで!! 撃たないの!!」

『一応、擁護しておきますと。パイロットは民間人なので……』

 

 文のフォローにもなっていないフォローが空しく響いた。主人公補正を取り除いた一般人なんてこんな物かもしれないが、だとしたらなんでここまで来ているんだという疑問もわく所である。

 その後も、何度も会敵。のみならず地雷で大破したり、泣きたくなるくらいにガンダム・タンクは貧弱だった。彼女のトライ&エラーで何とか基地を抜けきった。ハイパー・バズーカの引き金を引くことは一度も無かった。

 

『そのままの位置で。Bパーツを乗せたガンペリーを送る』

「最初から!!!  送れ!!」

『ガンダムが安全を確保できたからこそ輸送できたんですね』

 

 ブライトの遅すぎる支援に、思わずリンが叫んでいた。文の言うことは一見道理みたいに思えるが、陸路と空路の安全性はまるで違うんじゃないかと思った。

 かくして、ソア・キャノン破壊の為に基地に侵入するのだが、レトロゲーの定めと言うべきか。周囲にだだっ広い荒野が広がる中、1件だけぽつんと施設が建っているという、基地という存在に対する挑戦的な表現が行われていた。そして、侵入者を拒むようにして設置されたタレットやら何やら……。

 

「流石に、私も分かる」

 

 こういう時に頼りになるのはハイパー・バズーカ? ビームサーベル? いいや。『GUNDAM 0079 ~THE WAR FOR EARTH~』においては、バルカンだ。

 案の定、バルカンで次々と兵器を粉砕して行く。リン・カーネーションにもバルカンを付けた方が良いんだろうかと思える位に、彼女はバルカンの全能感に酔っていた。

 かくして、基地内では銀色のグフと言う、割と格好いい存在もいたのだが、これまたバルカン……ではなく、ビームサーベルで撃破したのを見計らった様にして、シャア(ケツアゴ)が申し訳程度に『ガルマ散る』を再現していた。

 

「ねぇ。今更だけれどさ。このシャア少佐の衣装安っぽくない? CVで騙されているけれど、何かコスプレグッズ位のペラペラのテッカテッカなんだけれど」

 

 ヘルメットは何か安っぽいし、マスク部分は紙みたいな質感だ。まぁ、これら全ての原点が気にならなくなるくらいに本人が似ていないが。それが滅茶苦茶喋る物だから、シャアが持つミステリアス感も何もあったもんじゃない。

 こうして、取り繕ったかのような原作再現のお陰で、ホワイトベースの猛反撃を受けてガウが落ちた訳だが、カイ(薄毛)の称賛に迎えられ、祝勝ムードに包まれる中。陽気な黒人枠であるリュウが興奮も冷めぬ中で言うのだ。

 

『おぅい! 皆! 俺はまだ外に居るんだぜ! 置いてけぼりにするつもりじゃないだろうな!』

 

 刹那。彼の操るガンタンクが銃撃を受けた。祝勝ムードは一瞬で解かれ、緊張に包まれた。

 

『なんだ、今のは!? 攻撃を受けたのか!? ちょっと待て、何か赤い光が……』

 

 機体の何処かに誘爆したのだろう、爆発が起きていた。しかし、リュウは軍人でパイロットだった。彼は助命や混乱すると言うことも無く叫んでいた。

 

『ホワイトベース! カイ! ガンダム! ---やられちまぁ!』

「これかぁ!!」

 

 アラタのアバター、例のセリフ。全てはここを真似た物だったのだ。出オチとかギャグみたいに思っていたが、実際は思ったよりシリアスなシーンだった。すっかり、このゲームに洗脳されたリンは、現れた赤いザクを見て戦慄していた。

 

「リンがここまでプレイしてくれて嬉しいな。本当、嬉しいよ……」

 

 アラタが良い感じっぽく言ったが、ここに至るまで何十回ものコンテニューが必要なゲームをやらせた男が言って良いセリフかどうかは疑問だった。

 そして、彼女は最後まで走り切った。その頃には、すっかり日も暮れていたので、アラタに家まで送って貰ったのは良いのだが……。

 

~~

 

『で、アラタ君。ウチの妹を部屋に招いてまでやったのが『GUNDAM 0079 ~THE WAR FOR EARTH~』をクリアできるまで帰れまTEN! だった訳?』

『はい……』

 

 その日の夜のことである。案の定というか、アラタはミサから滅茶苦茶詰められていた。希望と期待に満ちて、彼の部屋へ訪れた妹に対する仕打ちに対して、彼女が業腹になるのは当然と言えた。

 

『セクシュアルな方面に行くことはないとは思っていたけれどね。一緒にガンプラ組み立てたりとかさぁ。そう言う感じのはなかったの?』

『そんなに部屋は広くないので……。何よりも、リンには俺のルーツを知って欲しかったんだ。カッコいい、可愛いだけがガンダムじゃないって』

 

 ここら辺は、ミサとしても何とも言えない。自分のことを知って欲しいと思うのは割とよくある話だし、変態的だったり、到底社会的に許容できない趣味でないから禁じられる程ではないが、もっと、こう……あるだろう! と思った。

 

『事情は分かったけれど。帰って来たら、フラフラだったから。何があったのかと思って、ちょっとだけ話を聞いたけれど。君ならもう少し、気遣いとかそういうのも出来るでしょ?』

 

 とは言え、これ以上はミサも強く言う気はなかった。幾らしっかりしていると言っても、アラタもまだ20歳にも満たない子供だ。恋人が出来たら浮かれてしまうのも道理だ。24歳の自分もそうだったのだから、間違いない。

 

『すいません……』

『まぁ、楽しそうだったから良いけれどさ。ただ、リンも女の子だってことを忘れないで欲しいかなって』

『と言っても、いきなりブティックとかに連れて行っても『あ、気を遣われている…』ってなって、プレッシャーになるんじゃないかって。そも、そう言うトレンディな所に行くのが、何か俺の避けたがっていた『型にハマる』って言うのを押し付けているみたいな感覚がありまして』

 

 普段の態度やら対応で忘れがちになっていたが、アラタにも変に頑固な所がある。妹の将来が危ぶまれた気がした。

 

『(でも、それを言えば私もか)』

 

 自分がガンプラ関係でこれだけ一悶着あったのだから、妹には真っ当で普通な道を歩んでほしい。というのは、心配というよりも願望に近い物かもしれない。その折、ふと気になったことがあった。

 

『ねぇ、アラタ君。リンと一緒に『文』ちゃんも遊んでいたんだよね?』

『ですね。アイツがサポートしてくれたおかげで『GUNDAM 0079 ~THE WAR FOR EARTH~』は快適に遊ぶことが出来ました。文も楽しかったって』

 

 自分の妹が彼氏と一緒に楽しく遊んでいる。その傍らには、彼らと一緒に歩いて来たAIと言う存在がいる。……自分達が6年前に一度失ってしまったハズの物を、彼らが持ち得ていることは嬉しくもあった。

 

『クソゲーをやらせるのはどうかと思うけれど、皆が楽しそうにしていたんなら良いか。次はもっとこう、普通に遊んでね』

『はい。次回は一緒に映画を見ようと思います。あ、ガンダム以外の奴で』

『……一応、聞いておくけれど。何の映画を見るつもり?』

『地獄甲子園』

『やめようね』

 

 なんで、そんな物が彼の家にあるのかが疑問だった。暫くした後、ミサは棚にある宇宙開発関係の本を手に取っていた。

 

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