GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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EX3:24年後の君へ 11

『まさか! この大舞台で、リン選手も覚醒を発動させるとは!』

『発光色から見て『ガーディアン覚醒』だろうね。数ある『覚醒』の中でも頭一つ抜けている』

 

 レコの実況をミスターガンプラが補足していた。観戦していたユーザー達も騒めいていた。こんなタイミングで! と。

 攻撃性能が上がるアサルト覚醒や機動力が向上するライトニング覚醒等と比べて、ガーディアン覚醒の効果は著しい。相手の攻撃を殆ど受け付けなくなる。

 

「くっ!!」

 

 アータルナイトがボーガンの引き金を引いた。3連射のバースト弾が放たれるが、リン・カーネーションに命中しても弾かれるだけだった。

 相手の攻撃を捌く必要が無いとなれば、リンは躊躇うこと無く突っ込んで行った。短時間での激しいデータ変動だったが、アータルはAIとしての高性能ぶりを遺憾なく発揮していた。

 

「ガーディアン覚醒は防御力を飛躍的に高めはするが、攻撃性能に著しい変化は見られない。ならば、私がすることは1つ。コール!!」

 

 アータルナイトからも青色の光が漏れ、アカシックヴァインダーにマグナムソードを掲げた。先程と同じ様に、ホログラム状態のSD機体が出現しては必殺技を放って行く。

 1機が色々なEX技を使うのではなく、1機から現れた複数の機体が必殺技を同時に放てば火力も範囲もケタ違いとなる。通常の機体ならば避けることも受けることも敵わない一斉砲火だが。

 

「邪魔ァ!!」

 

 リン・カーネーションの周囲に展開されたドラグーンが周囲を薙ぎ払っていた。予想はしていたが、殆どダメージは通らなかったらしい。

 では、自分がするべきことは何か? 彼女をここで食い止める? どうやって? 必殺技とも言える『コール』を使っても有効打を与えられないなら、驚異的な耐久力で押し潰されるだけだ。

 

「(ならば、彼女の気を引くことをすればいい)」

 

 即ち、自信も彼女の足止めを念頭から外す。アータルナイトが向かったのは、ライムとタオの交戦区域だった。

 

「タオ!!」

「へ!?」

 

 リンが叫ぶ。タオは反応しきれない。アータルナイトの胴体から出現した光の弓矢が、ザタリオンに向けて放たれた。だが、リン・カーネーションが射線に飛び込んだことで何とか防げていた。

 

「やってくれるじゃない!」

「そうでもしなければ、貴殿が私を積極的に対峙したがる理由が無くなるからな」

 

 倒せない相手を狙う必要はない。ならば、自分は倒せる相手にターゲットをシフトさせ、覚醒が切れるのを待てばいい。

 

「私がアラタの援護に向かうとは考えなかったの!?」

「アレに介入できるのならばな」

 

 4機から離れた場所ではアラタとマイスターの戦いが更に加速していた。2機からは『覚醒』の光が漏れている。アラタの機体からは全てを跳ね除ける様な青色の光が、マイスターの機体からは燃え盛る様な赤色の光が放たれていた。

 それに伴い、周囲にも攻撃の余波が飛び交っており、迂闊に近づける様な場所ではなくなっていた。さながら、ランタオ島におけるドモンとマスターアジアの様でもあった。

 アータルナイトの一撃を防いだリンはタオに合流し、アータルもまたライムと合流して仕切り直しを図っていた。

 

「アータル。丁度良かった、ザタリオンを倒すのはナイトの役目だろう?」

「ラクロアの勇者ではなく、ブリティスの騎士の役目ではあるな」

「ここにはコナンガンダムはおらへんで!」

「(小学生の名探偵とのコラボかな?)」

 

 コマンド戦記のボスであるフューラーザタリオンと騎士ガンダムが出て来るスダ・ドアカワールドには多少の繋がりがあるのだが、ここら辺はSDガンダムに詳しいタオとアータルにしか分からない会話だった。

 

「まぁ、ええわ! ナイトガンダム諸共葬ってくれるわ!!」

「タオ!! セリフが滅茶苦茶悪役!」

 

 タオの機体は広範囲攻撃を得意としているので、むしろ2VS2になるのは有難いことだった。だが、アータルは既にコールを終えていた。出現したのはホログラム化した、コマンドガンダムのメガランチャーだった。

 

「ならば、騎士らしく滅ぼして貰おうか。ライム殿!」

「おうよ! 準備はバッチリってな!」

 

 ドム・ストラグル程の重量機体であるならばメガランチャーの反動にも耐えられるだろう。ザタリオンは悪役らしく、コマンドガンダムの力で倒されてしまうのか。いや、タオは叫んだ。

 

「今の僕には! 仲間がおるんや! てなわけでリン!」

「は?」

 

 ぎゅいーん。とザタリオンのウインチアームが覚醒状態のリン・カーネーションを掴んだ。そして、前へと掲げた。もはや、使い方は言うまでもない。

 

「これが!! 仲間の力や!!」

「この戦場には外道しかいないの!?」

 

 しかし、合理的ではあった。ガーディアン覚醒を発動しているリン・カーネーションを立てにしてメガランチャーを防ぎながら、ザタリオンは持てる火力をぶち込んでいた。

 仲間の力を借りて協力技を放つアータルナイト、華凜な少女のような機体を人質にして火力を叩きこむザタリオン。英雄と悪役の構図がはっきりしていた。

 

「ライム殿! 頑張って下され!」

「おぅよ! アイツらをぶっ飛ばしてやる!!」

 

 騎士と巨漢のコンビ。対峙している相手が相手なだけに、ファルコガンダムとコナンガンダムを思い出す英傑のコンビだった。

 

「リン! 気張ってや!!」

「うん! 終わったら、タオのことぶっ飛ばすからね!!」

 

 かたや自分の勝利の為に仲間を盾にすることも厭わない様相は、正に悪党に相応しい構図だった。メガランチャーの奔流とザタリオンから放たれた火力の奔流がぶつかり合う中、タオは一歩進んだ。

 

「リン!! 頼む! 持ってくれ!!」

 

 最初は、この眼鏡。何をしやがる。と思っていたリンだったが、彼の逼迫した叫びに、頬を叩かれたような気になった。

 アレだけ人目を気にして、雰囲気を気にして、常識を気にしていた男が。どんな謗りを受けるか、尾を引くかも分からない様な行為までして、本気で勝利を狙っている。

 

「(だったら、事前に説明……は無理か)」

 

 何故なら、自分もガーディアン覚醒を使える様になるとは微塵も思ってもいなかったからだ。力の奔流が互角と言うなら、後は機体を前進させるまで。

 お互い、チキンレースと言う外ない。アータルナイトのコールが切れるか、リンのガーディアン覚醒が先に落ちるか。

 アラタとマイスターの交戦地帯に負けじ、劣らずの力が吹き荒ぶ中。何かを察したのか、ドム・ストラグルは片足を振り上げていた。

 

「アータル!! お前はマイスターの援護に!」

「かたじけない!」

 

 アータルナイトが蹴り飛ばされた。ホログラム状態のメガランチャーが消失し、拮抗する力を失った為か、ドム・ストラグルはザタリオンから放たれた火力の暴力を浴びて、消し飛んでいた。

 

「もう1機は!?」

 

 蹴り飛ばされたアータルナイトを追撃しようとしたリンだったが、機体がその場で崩れ落ちた。先程のメガランチャーの一撃はガーディアン覚醒状態の機体にも、深いダメージを残していた。

 

――

 

「主殿!!」

 

 ここまでの交戦と幾度も『コール』を使ったことにより、アータルナイトは損耗していた。だが、激戦を繰り広げているマイスターの元に駆け付けたのには理由があるのだろう。その証拠に、彼は一旦アラタと距離を取った。

 

「そうか。ライムもやられたなら、私がやるしかないか。アータル!」

「『ユナイト』!!」

 

 アータルナイトの全身が青色の光に置き換わって行く。全身が光へと変換され、騎士エクシアへと流れ込んで行く。

 

「!?」

 

 マイスターの機体が纏っていた赤色の光に、青が混じり、金色の光も入り混じると、彼の機体を包み込んだ。

 すると、甲冑風の装甲は黄金色へと変色し、マントは竜が持つ大翼へと変化していた。まるで意思を持っているかのように尾が跳ねた。

 

「『スペリオルカイザーRBTエクシア』と言った所だろうか。では、アラタ君。これで終わりだ」

 

 手にしていた大剣が振るわれた。アラタもガーディアン覚醒を発動させた状態で受け止めようとしたが、その程度の防御力で受け止めることも許さんと言わんばかりに、彼のふみな・轟は地上へと叩き落されていた。

 

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