GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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14戦目:勝利してみよう!

「マイスターの言う言葉に嘘はありません。あのマイティーストライクフリーダムは、我々が挑戦している難易度で入手できる最低レベルのパーツとなっています。ビルダーズパーツや拡張アビリティカートリッジも装着されていません」

 

 どうやって文がその様な情報を知りえたのかはともかくとして、本当にマイスターはこれでもかという位にハンデを付けてくれているらしい。

 

「皆! 直ぐに攻めようぜ! パーツレベルがまんまってことは、ブースト容量も少ねぇってことだ! 追い詰めてボコボコにしてやろうぜ!!」

「アラタ。セリフが三下の悪役すぎるんよ」

 

 だが、実際に攻める上では合理的な判断ではある。バックパックのレベルはブースト容量にも関わってくるため、該当パーツのレベルが低いと言うことは移動能力が低いと言うことだ。

 幾ら、マイスターが並々ならぬ操縦技術を持っているとしても動けなければどうしようもない。アラタのガンダムタンクが前進するのに合わせて、シーナと文も続いた。

 

「アラタさんの言うことは納得できますしね! それに、マイティ―ストライクフリーダムの武装なども考えれば、近接戦で詰めた方が有利なハズ!」

 

 シーナもしっかりと『SEED FREEDOM』を視聴していたらしい。

 3人が突っ込んだのを見て、タオとリンも多少の躊躇はしたが、ミスターが手招きをしていた。

 

「我々も行こう! 先に行った3人が撃破されたら、私達も撃破されるだけだ!」

「……そうだね。よし! 私達も行こう!」

「あぁ。もうどうにでもなれや!」

 

 アラタと出会ってからのGBBBBはイベントばかりだ。一昔前の自分ならば、マイスターと戦っている状況なんて想像することさえ出来なかった。

 

「ディスラプター。承認!」

 

 マイティ―ストライクフリーダムの額に装備されたレーザー砲が閃き、一撃が放たれた。発射までのラグが短く、弾速の速さからアラタの機体とリンの機体に被弾し、該当箇所がパーツアウトした。

 

「問題ねぇ。テメェなんか怖かねェ!!」

「来なよ、ルーキー! そのバズーカを近距離で、私にぶち当てたいだろう!」

「(ノリノリですやん!)」

 

 マイティ―ストライクフリーダムが宙を舞う。手にした2丁の高エネルギーライフルの照準がミスターと文に向けられた。

 

「回避挙動を……」

「いかん!」

 

 文が避けようとした所でミスターが叫んだ。すると、一撃目のビームライフルが囮だったのか、僅かなラグの後。サイドアーマーに装着されていたレールガンの一撃が到来し、文の機体が吹っ飛んだ。

 しかし、レベル差もあって一撃で機能停止に陥ることはない。GBBBBにおいては、パーツのレベル差が与える影響は大きい。

 

「なら、多少の被弾は気にしなくても良いってこった!」

 

 ガンダムタンクが両腕に構えたバズーカを放った。近距離で放ったにも関わらず、マイスターの機体は見事に避けていた。

 しかし、この辺りはアラタも想像していたのか。ガンダムタンクの背後から、シーナの『ガンダムチクラミーノ』が飛び掛かって来た。

 

「お命頂戴いたします!」

「お断りする!」

 

 マイスターはアクータラケルタサーベルを引き抜いて迎撃していたが、彼の機体にビームが着弾した。

 

「数の有利は活かすべきです」

 

 2機に気を取られている内に、3機目である文のすーぱーふみなからの一撃を食らっていた。すると、マイティ―ストライクフリーダムはチクラミーノを蹴り飛ばして距離を取ろうとしたが、今度はリン達が肉薄していた。

 

「6対1で始めたのはソッチだからね!」

「恨まんといてや!」

「大丈夫! 存分に掛かって来てくれ!」

 

 リンの『ガンダムクレール』のサーベルとタオの『タオSDガンダム』のコマンドナイフによる一撃が、マイティ―ストライクフリーダムの右腕を吹っ飛ばしていた。

 このまま一気に詰めれば、もしやGBBBB内でマイスターに初の黒星を付けられるのではないかと言う期待が一同に過った瞬間である。彼の機体が赤く光った。アラタが叫んだ。

 

「覚醒か!!」

「君だけの特許じゃないよ!」

 

 中~遠距離船の武装が多いマイティ―ストライクフリーダムに対して、距離を詰めて戦うという発想は間違った物では無かった。

 しかし、覚醒と言う技は原作には存在していなかった。マイスターの機体の手に巨大なサーベルが出現していた。

 

「なら、俺だって!!」

「えぇ!?」

 

 最近入って来たばかりで事情を知らないシーナは、アラタの機体が赤く輝いたのを見て驚いていた。

 ガンダムタンクの手からも巨大なビームサーベルが出現して、マイスターの物とぶつかり合ったが、相殺しきれずに周囲にいた機体達が吹き飛ばされていた。

 アラタの方は覚醒が切れていたが、マイスターはまだ余力があった。彼は直ぐにガンダムタンクへと接近すると、グランドブレイクを決めていた。

 

「やられ千葉ァ!!」

「アラタさん!?」

 

 シーナも急いで駆け付けようとしたが、脚部がパーツアウトを引き起こしている為、行動を起こせない。マイスターはそんな隙を逃さず、チクラミーノにもグランドブレイクを決めていた。

 

「早く早く!」

「リン。私達のパーツが元に戻る為の時間と、覚醒で強化されたマイスターの機体が駆け付ける速度を計算した結果……」

 

 先に文の機体が撃破された。辛うじて、リンのガンダムクレールは脚部が元に戻ったが、マイスターは決して詰めを緩めなかった。

 

「君はSEED好きだったね。じゃあ、ちゃんと全武装を見せて上げないと」

「え?」

 

 バックパックに収納されていた実体剣『フツノミタマ』を引き抜いた。ラケルタとの二刀流で切り上げた後、腹部のトヴァシュトゥリ超高インパルス砲を決められ、クレールもまた機能停止に追い込まれていた。

 

「み、ミスター!? 残ったん、僕らだけですよ!? はよ、皆を復活させんと…」

「間違いなくピンチではあるんだけどね!」

 

 ミスターの機体がブーストを噴かし、マイスターのマイティ―ストライクフリーダムもブーストを噴かした。両者が交差する。

 ラケルタビームサーベルとゲルググのツインブレードがぶつかり合う中、ミスターには接触通信が入っていた。

 

「どう。楽しんでくれた?」

「最高にね!! 後は、足りない2人が帰って来たらもっと最高だよ!!」

「今の私はマイスター・ジンなのでね!!」

 

 タオはステージを駆けずり回りながら舌を巻いていた。あのマイスターと互角の白兵戦を繰り広げられる程に、ミスターはベテランプレイヤーだったのだ。

 

「だったら、せめてなんか言っていけ!! フルスクラッチのガンプラ送って来るなら、メッセージでも送って来い!! 言葉数少ない所までガンダムのキャラに似なくて良いっての!!」

「私は言葉選びがあまり上手くないんだ。だから、ぶつかり合った方が色々と分かりやすい!!」

 

 しかし、やはりマイスターの方が近接戦は強いのか徐々に押され始めていた。このままでは押し切られるだろうことは目に見える中、タオが叫んだ。

 

「アラタ―!!」

「任されたぜぃ!」

「!?」

 

 特別マッチと言うこともあってマイスターも失念していたか、あるいはもっと気を取られる別のことがあったのか。ここはPvPではなく、ミッションだ。僚機によるレスキュー機能も使える。

 復活したアラタのガンダムタンクから放たれたバズーカがマイティ―ストライクフリーダムガンダムに直撃して怯んだ隙にミスターは攻勢を強めた。

 

「今度までに! ちゃんと、私に掛ける言葉を考えて来い!!」

「参ったなぁ……」

 

 マイティ―ストライクフリーダムのHPが0になった。機体が爆散し、各々がパーツを獲得し『STAGE CLEAR』の文字が躍った。

 

~~

 

 報酬を受け取り、ロビーに戻った一同であったが思ったよりも騒ぎにはなっていなかった。どうやら、先のミッションでの乱入はお忍びであったらしい。

 

「やっぱり、マイスターも自分が負けたってことを知られたくないのかな。意外とせこいなぁ」

「いえ。マイスターの評判がこのゲームプレイヤー達のモチベーションともなっている所がありますし、何より情報を公開したら私達に掛かる迷惑も考えてのことでしょう」

 

 リンの悪態に対して文が補足を入れていた。如何にハンディキャップ付きだったとは言え、マイスターに勝利した等と言う事実が知られれば、自分達は今までのような気軽なプレイが出来なくなってしまう。

 

「彼なりの配慮と言った所だろう。本当に彼に勝ったと言いたければ、個人戦か団体戦か。正々堂々とした勝負でケリを付けたいね」

 

 今回の戦いにおける功労者であるミスターは満足そうにしていた。どういう形であれ、マイスターと手合わせできたことを喜んでいるのかもしれない。

 

「もっと、実力を付けて正々堂々と勝負してマイスターに勝ちてぇな! そう思わねぇか、タオ!」

 

 アラタが振り向いた先。タオがションボリしていたので、シーナも心配そうにしていた。

 

「あの。タオさん?」

「サタンガンダムのパーツは落ちへんかった……」

「まぁまぁ、これから増えて行くと思うし期待しようぜ!」

 

 落ち込んでいるタオを励ましつつ、各々が獲得したマイティ―ストライクフリーダムの性能やら何やらを確かめている中、ミスターはメッセージを受け取っていた。彼は文章を一読すると、微笑みを浮かべていた。GBBBBの初イベントは大いに盛り上がりを見せていた。

 

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