GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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20戦目:クラン戦にいこう!

 先日の頭ニューリーダー配信とカルパッチョを迎え入れたことで、ビアンカは少しだけ有名になっていた。と、なるとクランに加入しようとするプレイヤーも出て来る。

 

「どうも。レーザーウェーブです。アラタさんとカルパッチョさんの配信を見て思いました。このクランしかないと」

「フッフッフ。参謀は大歓迎だワイ」

「却下。今は募集を掛けていないの。時間が経っても、未だ入ろうと思えるなら来て頂戴」

 

 ノリの良いアラタが受け入れようとするが、ほぼ全てをコウラが門前払いしていた。タオ達としては助かっていた。

 

「急に人が増えたら、ボクらも混乱するしね」

「来る人達の殆どがトランスフォーマー再現というのも、先の動画の影響力を思い知る所ですね。何度、スタースクリームとコンボイを見たことか」

 

 シーナも溜息を吐いていた。どうやら、先の配信でこのクランは『G1トランスフォーマー』好きが集まるクランと誤解されているか、もしくはカルパッチョとお近づきになりたいというプレイヤーが後を絶たなかった。

 

「あの。このゲームってガンダムゲーなのよね? なんで、こんなに別タイトルの機体が?」

「過去のバージョンでもコンボイの再現は多数見られました。今はサブスクなどで環境も整っているので、若い世代の子達も知っているのでしょう」

 

 リンの疑問に対して文が答えていた。加えて言うなら、トランスフォーマーというシリーズはアニメだけではなく実写映画化もされているので、知名度が抜群と言うことはあったが、GBBBBはガンダムゲーである。ガンダムしろ。

 

「ちょっと、コーラ。折角、人が増えそうなのになんで断るの?」

「こう言うのは急に数を増やしても空中分解するのが落ちなのよ。ちゃんと時間を掛けて相手を精査しないと。カオスもやっていたでしょ?」

 

 クランの規模を広げるチャンスを潰されていることに対し、カルパッチョも抗議していたが、コウラは毅然と返していた。

 実際、素性も知らないまま招いたプレイヤーによってクランを解散させざるを得なかった事例はGBBBBでも後を絶たない。

 

「入ろう! と思った気持ちは長続きしないから、その場で確保するべきだと思うんだけれど! それにクラン戦の新シーズンも近いから戦力は欲しいし」

「あ。もう、そんな時期なんね」

 

 タオがロビーに設置されているモニタの方に視線をやると、ちょうど件の話をしていた。レコとミスターガンプラが告知をしている。

 

『下馬評としては、やっぱりマイスターがいるクランが固いですが、他のクランはどう思われますか?』

『うーん。個人的には『フリーダムフリート』を推したいね! 新しく四天王になったボーボボ君? 彼とは、奇妙なシンパシーを感じるよ。って、あんまり個人的な意見は控えるべきだね。だけど、少し固かった彼らのクランが開けて行く様な、新しい風を感じたね!』

 

 運営ともそれなりに懇意であるのか、フリーダムフリート『新・四天王』としてクロカンテや他のメンバーと一緒にボーボボも映し出されていた。レコが触れまいか、触れようかと視線を彷徨わせ、先に言った。

 

『アレ~? カルパッチョちゃんは?』

『彼女なら、修行の旅に出たそうだよ。先の配信を見て分かる通り、彼女の気骨溢れる振る舞いは今度のクラン戦で存分に発揮して貰いたいね!』

「ぷ、プロ……」

 

 タオは脱帽する外無かった。あんな無茶振りをされたのに、カルパッチョに対してこんな寸評を出せるとは。当の本人は青筋を浮かべていたが。

 

「フリーダムフリートを潰す……!」

「やる気が満ち溢れていてよいことです。タオさん、クラン戦の参加条件は?」

 

 カルパッチョが一層やる気に満ち溢れている中、シーナが尋ねた。

 それなりにGBBBBに詳しくとも、ソロ活動が長い彼女はこういった手段の催しについては、あまり詳しくなかった。

 

「クランに6人以上のメンバーがおる。ってのが条件やね。うちはクリアしとるから問題はないけれど」

 

 アラタ、タオ、リン、コウラ、文、シーナ、カルパッチョ。計7人のクランなので参加自体には問題ないが、ここでリンが手を挙げた。

 

「アレ? ミスターは?」

「お、そうだ。割とよく一緒にミッションに行くから一員だと思っていたけれど、そういやウチ所属じゃなかったな」

 

 アラタも今更気付いたという風だった。先日のイベントミッションでの活躍などを考えれば、彼ほどの戦力はぜひ引き入れたい所ではある。

 

「今はログインしておらんね。大体おるんは夜やし、多分社会人なんやろね。また、その時にメッセージを打とうや」

「じゃあ、このメンバーでクラン戦に登録するとしようか!」

「待った!」

 

 アラタがクラン戦のメンバーを登録しようとした所で、制止の声が掛かった。

 声のした方を見れば、GBBBBでは珍しい普通の俺ガンプラ使い。頭部にペイルライダーを据え、バックパックにHi-νの物を使った機体が居た。

 

「多分、今のアンタらのクランじゃマッチングが良くないと思うぜ? そっちにいる、元フリーダムフリートの2人を選手登録したら、上位陣とのマッチングになっちまう」

 

 クラン戦と言うからには、ある程度は実力を調整して組まれるが、ビアンカのメンバーの中では、コウラとカルパッチョの2人は頭二つほど抜きんでている実力者であった。

 

「は? アンタ誰よ?」

 

 ノリノリな所で水を差されたので、カルパッチョは営業スマイルを取り下げて不愛想に尋ねたが、相手は何処吹く風と言わんばかりだった。

 

「俺の名はマシマ。これでも、それなりのガンプラファイターだ。先日の配信を見させて貰った。俺の中のオプティマスで/ONEな感情が、お前らを手助けするべきだって叫んでいたから、やって来ちまったんだ」

「うわ、ヤベーの来た」

 

 カルパッチョがドン引きしていたが、他の面々は思った。お前も似た様なモンだぞと。ただし、アラタは感動していた様だった。

 

「待っていたぜぃ。お前みたいな、熱いハートの持ち主を!」

 

 特段相談した訳でもないのに、2人はほぼ同タイミングで握手のエモーションを交わしていた。あまりの意気投合っぷりに事前に打ち合わせでもしていたんじゃないかと思った。

 

「ですが、マシマの言うことは確かです。人数は足りていますが、コウラとカルパッチョのビルダーズランクとパーツのアベレージLvによって、上位陣とマッチングしてしまう可能性はあります。今の私達では厳しいでしょう」

 

 文も彼の言うことを肯定していた。パーツレベルの調整はどうにでも出来るが、ビルダーズランクは弄れない。

 言い出しっぺのマシマは調整して来たのかと言わんばかりに、ちょうどアラタ達と大きな差はなかった。

 

「しかも、憎たらしいことに。アンタが入れば、レベル帯が似た様な連中が6人になるのよね」

「だろ? お、承認どうも」

 

 コウラがイライラしていたが、マシマは特に気にした風もなくビアンカに加入していた。あまりに素性の知らない人間なので不信感が凄かった。こっそりと、タオはアラタに耳打ちをしていた。

 

『なぁ、アラタ。実は裏で打ち合わせしとったとか。リアルの知り合いとか。そう言うパターンは無い?』

『ねぇぞ? でも、晒しスレやSNSでの注意喚起リストは一通り調べて来たし、IDの検索も掛けている。ビルダーズランクとかも見て、捨て垢の荒らしじゃあねぇとは思うぜ?』

 

 こういった時にちゃんと調べて来る辺りは、見た目以上にクレバーだった。とは言え、探りは必要だと思ったのでアラタも質問をしていた。

 

「で、実際の所は何でウチに?」

「可愛い子が多いクランって話題になっていたんで」

「うわ、出会い厨かよ……」

 

 マシマの思惑も空しく、カルパッチョとの距離は開きまくっていた。流石にコウラも見かねたのか、口を出して来た。

 

「アラタは認めても、私は簡単には認めないからね。ミッションについて来て。実力を見せて頂戴」

「ヘヘッ。そう来なくちゃな!」

 

 コウラが彼を引き連れてミッションに出掛けた。彼女は後ろで見守るだけだったが、実際にマシマの腕は確かだった。

 ビルダーズランクもパーツレベルも高くはないが、ガンプラの動かし方をよく理解している。そう言った物が立ち回りにも見えた。

 

「動きが良い。前バージョンをプレイしていた?」

「そんな所だ!」

 

 難易度が『Standard』とは言え、ここまで来たら敵も硬く、強くはなっているが、マシマは悠々とクリアしていた。実力は本物のようだ。

 流石に結果を残したなら、無碍にする訳にもいかない。クラン戦の最後の1人は、彼に決定した。

 

「でも、ちょっと心配やな。最初の頃の対戦みたいに、いっぺんBANされた奴が戻って来たみたいなんはおらんやろか?」

「大丈夫よ。貴方達のレベルもそれなりになっている。初心者狩り程度の奴らとはマッチングすることもない筈よ」

 

 ようやく、マトモなPvPが出来ると言うことか。今までの対戦は、殆どが負け越していたのでようやく真っ当に勝負が出来るとなれば、興奮しない訳もなかった。

 

「どんな対戦カードが組まれるんだろうか。ワクワクするぜぃ!」

 

 ようやく真っ当なGBBBBに挑めると言うことでアラタのテンションも上がっていた。……逆に言えば、今まで変なのとしか遭遇してこなかったと言うことでもあるのだが。

 

~~

 

「セリト。次のクラン戦は……」

 

 GBBBBのとあるクランルーム。普通の俺ガンプラ達が顔を突き合わせて色々と相談をしていたが、セリトと呼ばれたプレイヤーは窮屈そうにしていた。

 

「超大型メイスが使えないんだろ? ていうか、クラン戦だからって環境武器をナーフしまくるとか、調整雑過ぎだろ……」

「これもガンプラとしての個性を出す為だよ! 次期トレンドはグランドブレイクのことも考えて『拳法』が有力で……」

 

 他の俺ガンプラがビルダーズパーツやウェザリングなどで個性を出している中、セリトの機体は『ガンダムバエル』のカラーリングを変えただけという、シンプルなカスタムに留まっていた。……どちらかと言えば、やる気の無さに起因していたが。

 

「(下らねぇ。何が個性だよ。結局お前らも強さで選んでいる癖に)」

 

 クランルーム内の俺ガンプラには興味が無いのか、彼はモニタからロビーで跋扈する魑魅魍魎な魔改造ふみなやコンボイなどの方をジィっと見ていた。

 

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