GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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 アレをトレスするのは無理です(降参)


53戦目:ハジけよう!

 ドリルランスは決して高DPS武器と言う訳ではない。攻撃時に相手に向って突進をするのだが、この時の推進距離が注目を浴びている。

 クエストやNPCを相手にするときはあまり意味が無いのだが、こと対人戦においてこの挙動は強かった。攻撃しながら、相手の攻撃範囲から逃れることのできるヒット&アウェイも強みではある。が、本命は違う。

 

「ホラホラホラ!!」

 

 コウラの機体がクロカンテのフレイムガンダムへと向かって突撃する。相手を突いては、背後に回り、また突進しては別の角度から攻撃して来る。この際、目まぐるしい位にカメラワークが変わり、操作方向も逐次変わりマトモに動けない。

 相手に照準を合わせるロックオンシステムを逆手に取った翻弄戦法。これらから逃れる為にはハンドエイムを使用するしかないのだが、オートロックがデフォルトとなっているGBBBBという環境では、まず逃れられない。

 

「恐らく、WikiやSNSなどで情報を集めて来たのだろうな。それを本番に持って来る胆力は大した物だ。カオスさんの慧眼を認めるほかない。が」

 

 極当たり前のように、クロカンテはオートロックからハンドエイムへと切り替え、専用ビームサーベルを突き出していた。

 少しでも照準が狂えば、自らの機体が串刺しにされるにも関わらず、彼は迎え撃つように突進していた。コウラの『ガンダム・サファイア』の脇腹が抉れていた。ドリルランスの死角になって突き刺せないような場所に、クロカンテは攻撃をねじ込んでいた。

 

「な、んで?」

「これが、一メンバーでしかなかったキミと幹部である私との差だ。効率、合理性大いに結構。だが、使われている様ではまだまだだぞ。コウラ君」

 

 フリーダムフリートにいた頃の彼の印象は大抵カルパッチョと喧嘩しているだけのイメージだったが、実力はしっかりと幹部をしていた。

 結構なダメージを受けたが、機能停止には陥っていない。ただ、アラタの助勢も望めそうになかった。何故なら、彼はボーボボと激闘を繰り広げていたからだ。

 

~~

 

「思えば、お前との戦いはずっと前から始まっていたな。俺が入団テストを受けた時よりも前から」

「なに? 一体、お前とは何処で……」

 

 2人の間には緊張した空気が漂っていた。お互いに武器を展開して攻めるタイミングを見計らっている中、ボーボボが因縁めいた物を口にしたので、アラタも問いかけていた。すると、ボーボボは肩の傷を見せた。

 

「それは!?」

「今付いた」

「ふざけんな!」

 

 アラタがブチギレてバズーカを乱射し始めた。すると、ボーボボは両腕を構えて、レシーブをする姿勢を見せた。実に器用な角度で受け止めたのだろう、バズーカの砲弾は頭上へと跳ねた。と、同時に走り始めた。

 

「アターック!!!」

「ハハハ! その砲弾を俺に返すって訳かぁ? 馬鹿め!! もう一発くれてやるよ!!」

 

 頭上へと跳び上がったボーボボに向けて追加の一撃を放った。砲弾は空中にいるボーボボへと向かったが、彼に当たることは無かった。というか、そのままアラタの方まで降りて来た。

 

「するのはお前に対してだーーー!!!」

「ぐわぁあああああああ!!」

 

砲弾を返されるかと思いきや、シンプルに跳び上がって殴って来た。目標を見失った砲弾は地面に落ちて、爆発していた。

だが、アラタも直ぐに持ち直していた。態勢を立て直し、近接戦に至ったのでバズーカを収納して、拳を構えた。

 

「うぉおおおお!! MS拳法――轢き逃げアタック!!」

「ぎゃあああああああ!!」

 

 構えた拳は相手に振り下ろされること無く、地面に手を突けた後。ガンタンクの脚部ことを相手の顔面に押し付けて、回転させていた。履帯がボーボボをガリガリと削っていた。

 ガンプラだからギャグチックに済んでいるが、リアルで似た様なことをすればスプラッタ必須な光景だった。拳法らしさは1つも無かった。

 

「どうだ!!」

「どうやら、俺の真の姿を見せる必要がある様だな……」

「なんだと!?」

 

 ボーボボの表面部分が削れて、装甲の下には別機体の姿が見えた。

 SEEDFREEDOMでアスランがやった様に、内部に別の機体を潜ませるというギミックも無いことはないが、手間が掛かる割には使用できる武装も変わらないので、やるメリットは殆ど無い。ボーボボの表層部分のパーツが弾け飛び、もう一つの姿が露わになった。

 

「ボーボボの下から……ボーボボが!?」

 

 黄色いアフロ頭。水色の胴体に鞭、一見すると新しいボディが現れただけに見えるが、明確に一点。変わっている所があった。……サングラスに見立てたツインアイ部分が上下反転していたことだ。

 

「ガネメ!!!」

 

 心なしか機体が赤く発光していた気がした。鞭を収納すると、まるで両腕を獣が使う爪牙の様に振り回して来た。これにはアラタも身の危険を感じ、覚醒を発動させていた。

 

「うぉおおおおおお! 受けて立ってやるぜ! 鼻毛真拳!!」

 

 かくして、こんな大舞台でネタ機体2機は激しくぶつかり合っていた。だが、均衡は間もなく崩れ去ろうとしていた。

 

――

 

「アレって、覚醒!? なんで、アンタとアラタ以外が使えるのよ!?」

「フフフ。我々も柔軟性を得たと言うことだ。さて、君にも飽きて来た。確か、今の君はスタースクリーム枠として扱われているんだったな。ならば、このフィールドから永久追放してやろう!」

 

 カルパッチョの疑問も他所にカオスの攻勢は留まることを知らない。認めざるを得なかった。自分ではコイツに敵わないと。だとすれば、出来ることは1つ。

 

「アラタぁあああああああ!! 助けてぇえええええええ!!」

「え……」

 

 そう、全力の逃走である。あそこまで喧嘩を売っておいて、自ら背を向けて逃げ始めたのだ。敵前逃亡、武士の恥。全ての不名誉を背負って、彼女はカオスから背を向けて逃げ出していた。

 だが、このバトルではどちらのチームかが全員戦闘不能になるまで戦いは続く。逃げる意味など無い筈なのだが。

 アビスガンダムの両腕を閉じて、疑似的な変形をしての逃走。機体の前方にビームランスを展開したままアラタへと一直線に向かうかと思いきや、近くでコウラ達が戦っているのが見えた。この時、カルパッチョの中では色々な計算が行われていた。

 

「(アラタの所まで逃げられる可能性は、カオスのブラックロータスには追い付かれるから無理ね。じゃあ、完全に無駄死になるじゃない! い、嫌よ! せめて、一矢報い。いや、フリーダムフリートのメンバーに迷惑を掛けてから落ちる!!)」

 

 仲間の為。とかじゃなくて、古巣に迷惑を掛けることが主目的になっているのが実に彼女らしかった。アビスガンダムは方向を転換して、コウラ達の方へと突っ込んで行った。カオスが叫んだ。

 

「クロカンテェ!! 後ろぉ!!」

「!?」

「死ねぇええええええええええええええ!!!!!!」

 

 急に追い出されたバカが突っ込んで来た。正に衝突事故と言う外無いのだが、フレイムガンダムスペリオルは串刺しになっていた。瞬間、コウラとカオスの両者が射撃武器を構えた。

 

「よくやったわ!!! 私に任せて頂戴!!」

「オラオラオラオラー!!!」

「「ぎゃあああああああああああ!!!」」

 

 2人して一斉に攻撃を打ち込んだ。フレンドリファイヤは無いにしても、両陣営の機体が密着した状態でバカスカ攻撃を受けているんだから、落ちない訳がない。その光景を見ていたアラタは思わず叫んでいた。

 

「カルパッチョとクロカンテさんへの配慮がまるでねー!!!」

 

 当たり前だが、両者は仲良く撃破されていた。そのまま、コウラとカオスが交戦状態へと入った。

 

「最後の最後まであのバカは余計なことをしてくれる!! クロカンテの無念! 私が晴らしてやろう!!」

「……私達のチームの為に勝つ!!」

 

 カオスはクランメンバーのことを思ってくれているが、コウラはそうでないらしい。地上でのアラタとボーボボの戦いも佳境へと入っていた。

 

「ボボボボボボッボボボボボボボッボーボボボボボーー!」

「(この感じ、何処かで……)」

 

何処でだ? ガンブレ学園か? 違う。もっと最近だったはずだ。

バトルトーナメント、参加チケットゲットイベント、……マイティストライクフリーダムガンダム、キャリバーンの実装イベント。実装されていないハズのブラックナイトスコードカルラ。

 

「まさか……」

 

 このボーボボを動かしている奴は、誰だ? 考える余裕はない。真相は倒した後にでも、カオスか本人に聞いてみれば良い。バトルは佳境へと入ろうとしていたのだから。

 

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