GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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 うぉおおおお! DLC3弾来ているやんけぇええええええええ!!
 あ。早速ですが、DLC最新弾のネタを使っていますので、ネタバレを含みます。


55戦目:スポーツマンシップろう!

「凄いな。カオスに勝ったのか……」

 

 ミサ、リン、タクマの3人はバトルトーナメント3回戦の結果を見て驚いていた。GBBBB内でもカオスは屈指の強者であり、カルパッチョとコウラを容易く退けたことからも実力は伺える。アラタと対峙するまで殆どダメージを負っていなかったにも関わらず、見事に撃破して見せた。

 

「タクマさんから見ても、カオスは強かったの?」

「強い。GBBBB内で私のことを打ち負かす者が出て来るとすれば、彼が第一候補に挙がる位には」

 

 そんな相手にすら勝ってのけたのだから、今のアラタはどれ位強くなっているのだろうか? ……もし、以前のままなら焦燥感に駆られていただろう。だが、あの日ゲームセンターで戦ったから分かる。彼はまだ傍にいる。

 だから、妬みや嫉妬も無く。戻って来た彼に向って、素直にチャットを打ち込むことが出来た。

 

『おめでとう! アラタ! コウラさん! カルパッチョさん!』

『ヘヘッ。ありがとうよ! 正直、言うと。今でも勝てたのが信じられなくて、手が震えているんだけれどよ』

『これも私のお陰ね!!』

 

 何故か、最初に落ちたカルパッチョが胸を張っていた。彼女の行動が状況を動かす一手になったことは事実ではあるが。

逆にコウラは暗い顔をしていた。今回のバトルで殆ど何も結果を残せなかったことが響いているのだろう。

 

『アレ? リン。さっきから、VC切っとるけれど。親フラ?』

 

 リンがVCに戻って来ないことを気にしたタオが何気なく尋ねて来たが、実際の理由はもうちょっと複雑である。流石に、タクマことマイスターが居るのが皆にバレたら面倒なことになるだろう。

 

『そんな所。声さえ出さなければ、ヘーキヘーキ』

『それに。3回戦は終わったんだし、アラタ達も疲れただろうからこれで解散って所だろうけれどよ』

 

 マシマの言う通り、アラタ達の反応が薄くなっているので相当に疲れているのだろう。無理もない、アレだけの激戦を繰り広げたのだから。

 

『そうよ! ここにいる彼こそ! 私が付くに相応しい新たなるリーダーのアラタよ! カオスなんて時代遅れのオッサンよ!!』

『凄いですね。ここまでマナーも義理人情も何もない人は初めて見ました』

 

 何故か、カルパッチョはあんまり疲れた様子が見当たらなかった。判断力が落ちて暴言を吐いている訳ではなく、素の状態でコレなのだろう。シーナもドン引きしていた。

 

『セリト。どうして、彼女は世話になった人に対してここまで?』

『多分、恩よりも怨の方が大きいんじゃね?』

 

 文がセリトに聞くと、実にそれらしい答えが返って来た。いつもならカルパッチョのボケにもツッコミを返しているアラタだが、殆ど反応がない所を見るに燃え尽きているらしい。

 いよいよ、解散と言ったムードになる中。来訪者が現れた。カオスガンダムの頭部を据えた、ヴィランめいた雰囲気を放っているガンプラ『ブラックロータス』だ。隣には、『フレイムガンダムスペリオル』もいた。

 

『アラタ君。良い戦いだった。こんなに血湧き肉躍る戦いは久しぶりだったよ。改めて、君の健闘を褒め称えたい』

『こっちこそ。今まで、ガンプラバトルして来た中で一番、充実感溢れた戦いでした。本当にありがとうございました!』

 

 思わずキャラ付けも忘れて、素の人格が出る程に相手に畏敬の念を抱いていた。2機がエモーションで握手を交わしている様子を見て、ロビーで待機していたプレイヤー達も拍手を送っていた。

 流石に、この状況でわめきたてる程カルパッチョも空気が読めていない訳ではなく、借りて来た猫の様に大人しくしていた。

 

「リン君。ちょっと、チャットで『ボーボボ』さんは今どこにいる。って、打ってくれないか?」

 

 先程の会話を聞いていたので、タクマが言わんとしていることは分かった。周りの拍手が終わった頃合いを見計らって、リンが打ち込んだ。

 

『すいません、カオスさん。ボーボボさんは?』

『彼かい? 負けたのが悔しくて、先に落ちてしまったよ。大舞台での敗北は堪えるからね。よく分かるよ』

『彼は入って来て日も浅い。ここまでが順調だっただけに、余計にな』

 

 クロカンテも似た様なことを言って頷いていた。特段、おかしなことは無い。追求できる隙が無い。タクマも舌打ちをしていた。すると、アラタが尋ねた。

 

『あの隠し玉には驚いたぜぃ。まさか、覚醒を使えるだなんてな。俺が初めて対戦した時には使ってこなかったのに』

『あの時は使えなかったらしい。私達も、使える様になった。と報告を聞いた時には驚いたよ。だからこその幹部採用になったんだが』

『はぁ!!? 能力でしか人を見ない能力主義(メリトクラシー)の走狗め! 非人間的な人事は謝罪しろ!!』

『悪い。カルパッチョ、今は少し黙っていよう。な?』

 

 マシマがカルパッチョに注意を促すのを見て、クロカンテがエモーションでお辞儀を繰り出しているのは何とも言えないシュールさがあった。

 ただ、リンの質問に重なる様にしてアラタが聞いてくれたのは決して偶然では無いだろう。何故なら、彼はリンの家にタクマとミサが居る状況を知っているのだから。

 

『今まで、使って来なかったのは秘密兵器だった。ってことかい?』

『それもあるんだがね。使う前に勝負が終わってしまうことが多かったから』

『ヘヘヘ。ボーボボさんとも一度は話してみたいぜ』

『機会があればな。だから、ウチに来たりとかは……』

『アラタは持ち出し禁止です』

 

 普段はコウラが言ってくれるのだが、今日は彼女に元気がないので代わりにリンが言った。こうして、和やかに〆られたのだが、タクマとミサは腕組みをしていた。

 

「やはり気になるな。明日にでも彼を訪ねてみるか」

「別に私のPCからでも行けるんじゃ?」

「いや、俺のアバターと言うか環境は特殊だから、特定の場所以外からはアクセスが出来ないんだ。セキュリティ対策もあってね」

 

 話していると普通の青年と言った感じなのだが、やはり彼はGBBBBにおいては特殊な立ち位置にいるのだ。ゲームから一つ上の次元、サービスの提供側として。

 

「こういう時に自由人じゃない身はもどかしいね」

「責任が問われる立場にいるからな。さて、ミサも大丈夫そうだし。俺もタクシーを拾って帰るよ」

「うん。入り口まで見送って行くよ」

 

比喩とか抜きで1日面倒を見ていたのは凄いと思った。ミサも心配そうにしている様子はなく、また会えると信じて疑っていない様だった。居住スペースから出て、店を通って出て行こうとした時のことである。

 店舗の作業用スペースには2人の男女が居た。着ている制服は近隣の高校の物であり、男子の方がミサに気付いて手を振って来た。

 

「おー。リッキーじゃん。こんな遅くにどうしたの?」

「ミサさん。いや、実は部活動が終えて帰ろうとしていたら、なんか電車が止まっちゃって」

「え? 人身事故?」

「それが。なんかデータ? か、なんかの調子がおかしくなったとからしくて。立ち往生するのもなんだから、ユウイチさんから許可を貰ってサーヤと一緒に復旧するまで待っていたんですけれど……」

 

 自分が帰ってくる時間帯には特に何もなかったはずだが。と思い、ミサはスマホを広げてSNSを確認すると、確かに電車の遅延情報で賑わっていた。

 

「本当だ、全然気づかなかった。まだ復旧してないみたいだし、そろそろ迎えに来て貰った方が良いかも」

「実はもうさっき連絡を入れました。迎えに来て貰うまで、ここが一番安全なので」

 

 今日日、高校生がこんな遅くにうろついていたらどんな目に遭うか分からない。だとしたら、店内にいて貰った方が安全だ。……ただ、タイミングが悪すぎた。リッキーと呼ばれた男子がタクマのことをジィっと見ていた。

 

「あの。もしかして、ナギツジさん。ですか? ミサさんと一緒のチームに所属していたって言う。先日、イラトゲームセンターにもいましたよね?」

 

 どうやら、あの時のチャレンジ戦にいた子であるらしい。流石に嘘を吐けないと分かるや、タクマは静かに頷いた。

 

「そうだ。今日のことは内密に。決してSNSとかでは拡散しない様に」

「うわぁ! こんな所で会えるなんて! あの、僕。リツキって言います! 今の彩渡商店街チームのメンバーで! それで、こっちにいるのはえっと」

「サーヤです。まさか、レジェンドに会えるなんて」

 

 リツキとは対照的に物静かな雰囲気をした少女だった。今の、とはどういうことだろうか?

 

「すまない。今の、とはどう言うことだろうか? 俺が『GBフェスタ』で戻って来た時には、無かったと思うんだが」

「いや、本当は私も解散するつもりだったんだけれどさ。地域から強い要望があってね。色々な子が立候補して来たんだけれど」

 

 彩渡商店街はガンプラで町興しをしたことで有名だ。故に、地元だけでは無く外からも色々なビルドファイターが集まったらしいが。

 

「私が試験をしたら、大抵の子が帰っちゃって。その中でリツキだけが残ったから細々と指導していたんだけれど。私も忙しくなって」

「後の奴らも辞めて、今は僕とサーヤともう1人がいるだけなんですけれどね。本当にミサさんの指導厳しかったんですよ……」

 

 そっとタクマは目を逸らしていた。多分、自分関係でイライラしていたことを当り散らかされたんだろうなと予想していた。

 

「そっちの子は?」

 

 ミサがサーヤと呼ばれた少女の方を不思議そうに見ていた。この様子からして、彼女も知らないメンバーであるらしい。

 

「フフフ。サーヤはですね、僕よりも強いんですよ。イラトゲームセンターでタイガーって奴をボコボコにしている所に遭遇しまして」

「アイツは才能チェッカーか何かか?」

 

 ミサとしてはあまりに情けなくて涙が湧いて来た。当の本人はと言えば、タクマとミサの交互へと視線をやっていた。そして、湧いた疑問が一つ。

 

「どうして、ミサさんの部屋からナギツジさんが?」

「実はミサが昨晩酔い潰れたから介抱していたんだ」

「こんな遅くまで?」

 

 至極当然の疑問である。普通は朝方には帰っているだろうが、積もる話もあったし、空いた時間を埋めたいと言うこともあったのですこ~し長引いたのだ。だが、後ろめたいことは何も無い。

 

「色々と話したいことがあったんだ。暫く、話していなかったからな。にしても、ミサの後輩か。ここにシミュレーターがあれば一戦してみたかったけれど」

 

 表を見れば、ガンプラショップに通い慣れて無さそうな男性が入店して来た。ユウイチに頭を下げている所を見るに、迎えが来たという所だろう。

 

「では、GBBBBの方で。どうですか?」

 

 ゲーセンなどの筐体を使わなくともバトルが出来るGBBBBで雌雄を決そうとするビルダー達も多い。だが、タクマは軽々に誰かと勝負できる身分にはない。

 かと言って、ここで断れば逃げたみたいになる。レジェンドの沽券にも関わることなので、サーヤを迎えに来た父親に頭を下げて言った。

 

「10分ほどです。お宅の娘さんとガンプラバトルの為に時間を取って貰えないでしょうか。現状、ファイトマネーがそれなりにする男からの頼みです」

 

 保護者同伴であれば午後7時~午後10時までの間、ゲーセンに立ち入ることが出来る。父親に事情を説明すると、彼は笑いながら許諾してくれた。

そしてイラトゲームセンターへと向かったのだが、こんな遅くなのに繁盛していた。きっと、リツキ達と同じ様に立ち往生しているのだろう。

 

『あ。タクマさん、またお越しになられたんですか?』

「ちょっとね。にしても、今日は客が多いからな。電車が止まっているからか?」

『それもあるそうですけれど。なんでも、近隣のゲームセンターの機器の調子が悪くて遊べなくて、来ている人もいるそうですよ?』

「電車の件と言い、何か起こっているのかしら?」

 

 それなりに大規模な何かが起きているのかもしれない。……だとしたら、ここが稼働している原因が分からないが。

 

『ほら、以前の騒動で私が暴走したりもしたじゃないですか。あの件もあって、ここの筐体はセキュリティ面に凄いお金かけているんですよ』

「先見の明があり過ぎる」

 

 老いてなお盛んという言葉を思い浮かべずにはいられなかった。

 先程、GBBBBで名勝負が繰り広げられていたこともあってガンプラファイター達も盛り上がっていた様だが、流石に疲れて来たのか丁度筐体が空いていた。サーヤが入った。タクマも別の筐体に入った。

 

「レジェンドの力。試させて貰います」

「それじゃあ、俺も後輩に良い恰好をさせて貰おうか」

 

 タクマの『騎士エクシア』とサーヤの『ヴェール・ブランシュ』が舞い降りた。2機は対面するや全く同じ行動を取った。2機から赤色の光が放たれた。

 

「覚醒使いか!」

「モチヅキさんから聞いていますよ。貴方も覚醒使いだと!!」

 

 飲み会の時、そんなことを一つも話してくれなかったぞ。と思いつつ、彼女なりの秘密兵器として保持しておきたかったのかもしれない。

 

「(覚醒使いも珍しい物じゃなくなったのか)」

 

 先程のGBBBBの様子を思い出しながら、少しだけ特別感が薄れたことを残念に思いつつ。自分に比肩しうる才能が今も生まれ続けていることに胸を躍らせつつ、騎士エクシアは駆ける。

 




 アレ? このゲームってガンダムブレイカー4だっけ? ガンダムブレイカー3アフターだっけ? 後、設定的に後ろから刺されたけれど……まぁ、ええか(無敵
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