GBBBBは無法地帯【本編&DLC編完結】   作:ゼフィガルド

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 DLC4弾と5弾が同時配信!? 不味いナリ。執筆速度上げないと、原作が追い上げて来るナリ。後、コレシーズン2もあるのかな? ガンブレバトローグ&モバイルの追想シナリオオナシャス。センセンシャル。


59戦目:見守ろう!

「……」

 

 ふみな似のアバターを使い、すーぱーふみなを用いている彼女。名を文(ふみ)と言う。奇人が集まるクラン『ビアンカ』にて、大人しくて常識的であることに加えて、口数も少ないので少し浮いていた。

 とは言え、居心地が悪そうにしている訳ではない。自分からすーぱーふみなを用いたアセンブルを試みることもあるし、イベントなどの参加率も非常に高い。

バトルトーナメント4回戦に向けての訓練の為にINしていたのだが、まだ早かったらしく、誰もログインしていない……と思いきや、セリトとタオがログインして来た。

 

「ちょっと早かったか?」

「あ。でも、文がログインしとるやん」

「どうも」

 

 あまり喋らない3人が揃った。大体、いつも喋りまくる人間が中心に居るので、彼らに口を挟んだ位で会話に参加している気分になるのだが、自主性が低い人間が集まった所でビックリする位に会話が無い。痺れを切らしたのか、タオが口火を切った。

 

「このゲームってβテスト中やけど、いつになったら正式サービスになるんやろ? もう、やっている内容的には普通のネトゲみたいやけどなぁ」

「なんか、色々とクリアするべきことがあるんじゃね? ほら、公序良俗に反するプレイヤーとの付き合い方とか」

 

 セリトが真TALE・レコのガンプラでウンウンと頷いていた。自分以外のクランメンバーが全員打ち首にされただけにあって、発言の重みは半端なかった。

 

「もしくは、このGBBBBで運用されているAIにも問題があるかもしれない」

「権利周りとか?」

「いえ、そう言うのではなく。まだ、プレイヤーの皆さんを十分に理解して『楽しませる』という段階に至っていない。……のではないかと」

「いや、普通に楽しんでいる様に見えんだけどなぁ」

 

 先日のシュピーゲルや新規機体の実装が嬉しかったのか、ロビーでは茶色い4つ腕のハイ・ゴッグによる激しいエモーショナルダンスが行われていた。

 

「タオ。アレは何を?」

「アレはやね。忍者小説の傑作『甲賀忍法帖』のコミカライズである『バジリスク』のOPに使われていた『甲賀忍法帖(曲)』がやねぇ、とある成人男性が凄まじく踊り狂う動画のBGMに使われたMADがあるんよ。それを真似ているんやね」

「何故、ハイ・ゴッグを?」

「SDガンダムに出て来るモンスターに『バジリスクゴッグ』ってのがおるんよ。GBBBBにはゴッグがおらんから、ハイ・ゴッグを使っているんやろな」

 

 ご丁寧に『バ』『ジ』『リ』『ス』『ク』『タ』『イ』『ム』という文字をガンプラで再現した奴らも並んで、ダンスカーニバルになっていた。まだ夕方のことである。

 

「これで楽しんでいないとか嘘だろ……」

「機体の実装情報からここまで盛り上がるのは、彼らのアイデア由来だと思う」

 

 セリトがGBBBBプレイヤー達のノリの良さに戦慄している中、文は淡々と分析していた。

 

「大切なのは、皆のアイデアが活きる場所や機会を作ることやと思うね。ちょっとでも切っ掛けがあれば、楽しいことを生み出せるんがGBBBBプレイヤーやと思うから」

「楽しめる場所を?」

「こう言っちゃなんだけれどよ。GBBBBよりもゲーム性が高くて、快適で面白いタイトルは幾らでもあるけれど、俺が今でも遊んでいるのこれ位だし」

 

 現代っ子らしくネトゲジプシーであるセリトは幾つものタイトルをプレイしている。遊んだゲームの中にはGBBBBよりも人口も規模も大きな物もあっただろう。

 

「何故、ここに? やはり、ガンダムが好きで?」

「いや? 俺、ガンダムなんて見たこと無いし。友達の付き合いでGBBBBをプレイする様になってからは、タオにちょくちょく教えて貰っているけれど」

「僕も色々なガンダムゲーをプレイしたことはあったけれど、あんまし戻りたくはないなぁ……」

 

 声色から別のガンダムゲーで味わった艱難辛苦が伝わって来るようだった。ガンダムゲーは往々にして民度が微妙であるらしい。

 

「2人の話からは色々と学ぶことが多い」

「そう言う文はなんでプレイし始めたん? ふみなのアバターを使っているんは、皆が使っているから。ってのは、前に聞いたけれど」

「何となく。GBBBBで遊んでいる人達を見てみたくて、一緒にプレイしている」

「人間観察みたいな? 何となく。で、始めるのも不思議じゃないしな」

 

 今や、SNSでゲームの広告を見ることなんて日常茶飯事だ。本当に大して意識せずに始めた物でも、ガッツリハマる。と言うことは大いにあり得る。

 

「本当にGBBBBは面白い。ロビーにいるだけでも退屈しない」

 

 シュピーゲルと言うニンジャの来訪を歓迎して舞踏が行われていたロビーであったが、彼らと対抗する様にして現れたのは絢爛豪華。般若や桜のエンブレムを付けた、強面のMS達だった。

 

「ザッケンナコラー! スッゾコラー!」

「悪事(わるさ)かますと、忍者が来襲(く)るって。本当(マジ)な話か?」

 

 アワレ、モータルハイ・ゴッグ達が戸惑っていると、奥から現れたのは対魔忍……ではなく、赤黒の機体と誰が再現したのか農丸とGの影忍もいた。彼らは睨み合うと、そのままPvPの部屋に入って行った。

 

「いや、疲れるんだけれど。まだ、夕飯前だよな?」

 

 深夜でもないのに、こんなハイテンションをずっと見せられているセリトは辟易していた。彼らの通知欄にアラタのログインが表示されるのは、それから間もなくのことだった。

 

~~

 

「あ~。今日は、ミスターから皆に発表があるんだ」

 

 その晩のことである。丁度、ビアンカのメンバー全員がログインしていたので、アラタから発表があると言うことでクランルームに皆が集められていた。ミスターが前に出た。

 

「実は、言い出そうと思っていたんだけれど。中々言い出せなくてね。でも、先日踏ん切りが付くことがあったんだ」

「まさか、引退宣言ですか?」

 

 シーナが不安そうに尋ねた。ただでさえ、ログイン率があまり高いとは言えないミスターからの発表となれば、彼女が不安がるのも無理はないことだった。だが、当の本人は笑っていた。

 

「いや、むしろこれからログイン率は上がると思う。だから、早めに言っておきたかったんだ」

 

 ミスターのアバターを解除すると、リアル準拠のアバターが現れた。機体もゲルググから、彼。いや、彼女本来の愛機であるアザレアブレイジングへと変えた。

 

「始めまして、ミサです。いつもリンがお世話になっています」

 

 アラタとリンは知っていたので驚かなかったが、メンバーの反応もそれぞれであった。

 

「マジかよ! まさか、ミスターが女だったなんて!」

「ネカマはよう見るけれど、逆は初めてやなぁ……」

 

 マシマとタオはまるで想像していなかったらしく、驚きは大きかった。対して、他のメンバーはさほど大きく驚いている様子もなかった。

 

「話しぶりが何処となく女性らしい雰囲気がありましたしね」

「なんか、男っぽいムーヴが無かったしな」

 

 シーナやセリトはネトゲを練り歩いて来たこともあって、アバター越しの相手の性別が薄々と分かる位の察しの良さはあった。

 

「あっれぇ? ミサって名前と。その機体、もしかしてアンタ。あのチームにいた選手だったりする?」

 

 普段のムーヴはアレにしても、フリーダムフリートに在籍して幹部を務めていただけにあって、カルパッチョはガンプラバトルの知識が豊富だった。故に、ミサと言う名前と機体からして、彼女の正体を察していた。また、彼女と一緒にコウラも詰め寄っていた。

 

「……もしかして、私が『ソロモンの魔女』ってことに気付いていた?」

「えっと。ごめん、全然覚えてない。戦ったことあったっけ?」

「私はアレだけ鼻っ柱折られたってのに、なんでアンタは覚えてないのよ!!」

「先輩、ステイステイ」

 

 アラタがコウラのことを抑えに行った。カルパッチョの動きを見て、気になったのか。文が何かを調べていた。

 

「(かつて、彩渡商店街を世界へと導いたチームメンバーの1人。6年ほど前にGBフェスタに出て以来、表舞台からは姿を消している。『声紋照合』『同定』『一致』。……? なんで私はこんなことを?)」

「ミサさん。ご質問、よろしいでしょうか? どうして、今まで姿を隠して?」

「えっと、実はね」

 

 リンが皆と上手くやって行けるかを近くで見守りたかったやら、何やらを説明して、彼女が立派になったので改めて素性を打ち明けたという下りを饒舌に話していた。

 

「やっぱり、お姉さんとしては妹の成長は嬉しいよな。分かるぜ。俺もユイの弟妹達が成長するのを見ていると嬉しくなるしな」

「なんで、私の近くじゃない所には甲斐性の有る男が多いの?」

「まるで、甲斐性の無い奴が直ぐ近くにいるみてぇだぜぃ」

 

 告白がクランメンバーに受け入れられている中、文のすーぱーふみなの手の甲には『V』という文字が浮かび上がっていた。

 

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