…セスタスが渾身の一撃を決める頃。
爆睡する多くの強盗チーム少年少女のその横で、既に決闘は始まっていた。
対峙するのはギラギラとした視線で相手を刺すお嬢と、それを涼しい顔・・・かどうか分からないが余裕綽々に見つめる仮面の怪人。
そして怪人の横には寄り添うように神々しい光のヴェールが浮かんでいる。
お嬢「どんな化け物が潜んでいようが知ったことじゃないわよ!ランク4、「バハムート・シャーク」をエクシーズ召喚!!更にオーバーレイユニットとなった「アシッドクラウド」を墓地に送り、「エアロシャーク」を特殊召喚する!」
仮面神父「1ターン目からエクシーズ召喚とは、流石ですねぇ。素晴らしいですねぇ。」
お嬢「だまらっしゃい!今の御時勢、そんなの出来て当然よ。「エアロシャーク」をエクシーズチェンジ。現れよ。「FAブラックレイランサー」!!」
FAブラックレイランサー エクシーズ・効果モンスター ランク4/水属性/獣戦士族/攻2100/守 600 水属性レベル4モンスター×3
このカードは自分フィールド上のエクシーズ素材の無い水属性・ランク3のエクシーズモンスターの上に
このカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×200ポイントアップする。フィールド上のこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードのエクシーズ素材を全て取り除く事ができる。また、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊できる。
お嬢「これでターンエンドよ。」
仮面神父「ぅーん。打点の高いバハムートシャークに、破壊耐性のあるFAランサーの二体で、私のデッキを見定めようという事ですねぇ。どうでしょうか、「姫」。突破は可能でしょうかねぇ?そもそも姫様を出すことが出来るのでしょうかねぇ。」
❓❓❓「それは貴様の仕事であり、余の思う事ではないだろう。」
仮面神父「あらららら。相変わらず手厳しい。」
お嬢(ヴェールに隠れてちゃんとは分からないけど。あの光が奴の精霊なの?正体が分からない…。気になるのは今の「出すことが出来るのか?」「突破は出来るか?」という言葉。そんな事も断言出来ないような随分とあやふやなカードね。特殊召喚にステップが必要なの?
・・・何にせよ。このターンの奴の攻めで見極めて、もし自軍が全滅しても、場にある「召喚雲」の蘇生効果を起点にして逆襲…魅せてあげるわ。)
ワイド(「精霊」は彼の「デッキの中から」反応があります。つまり、少なくとも精霊の一枚は「エクストラ」にない=「シンクロ」や「エクシーズ」ないと判断します。)
仮面神父「では私のターン。「姫」と「奇跡」へと深淵なる祈りを込めて、ドロー。・・・」
仮面神父「あ。勝った。」
お嬢「!?なんですって!?」
仮面神父「本当に申し訳御座いません。貴女の生み出す戦術とそこにある奇跡も見たかったのですが、それより前に「姫」の世界が完成してしまいますねぇ。本当に申し訳です。」
お嬢「舐めた事言わないで頂戴。さっさとその下らない「姫様」とやらをお見せなさい。蹂躙してあげるわ。」
仮面神父「本当に勇ましいですねぇ。では、いきましょう。「魔界発現世行きデスガイド」を召喚。召喚成功時にデッキから、レベル3の悪魔族を特殊召喚しますよ。」
魔界発現世行きデスガイド 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 600
このカードが召喚に成功した時、手札・デッキから悪魔族・レベル3モンスター1体を特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、シンクロ素材にもできない。
お嬢(デスガイド。優秀なリクルーターだけど、これで出すモンスターから奴のデッキは丸裸になる…「暗黒界」?「インフェルニティ」?)
仮面神父「私が呼び出すのは…、「儀式魔人リリーサー」。」
お嬢「!?」
儀式魔人リリーサー 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻1200/守2000
お嬢(これは想定外だわ・・・いけない。全く読めない…‼‼)
仮面神父「では、「姫様」。どうか愚かで脆弱な私の為、御姿をお見せ下さい。」
❓❓❓「いやじゃ。わらわは働きとうない。」
仮面神父「まま。そうは言わず、儀式魔法、「祝祷の聖歌」を発動。彷徨える咎人達よ。万雷の拍手と歌をよこしなさい。」
お嬢「儀式召喚!!!」
仮面神父「フィールドのリリーサーとデスガイドをリリース。」
❓❓❓「結局のところ、わらわに働かせるのか・・・まあ良い。」
仮面神父「手札より、儀式召喚。我が「姫」であり、仕えるべき「主」。「竜姫神サフィラ」様を降臨させる。」
竜姫神サフィラ 儀式・効果モンスター 星6/光属性/ドラゴン族/攻2500/守2400
「祝祷の聖歌」により降臨。「竜姫神サフィラ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが儀式召喚したターンのエンドフェイズ及び、このカードがモンスターゾーンに存在し、手札・デッキから光属性モンスターが墓地へ送られたターンのエンドフェイズに、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分はデッキから2枚ドローする。その後、手札を1枚捨てる。
●相手の手札をランダムに1枚選んで墓地へ捨てる。
●自分の墓地の光属性モンスター1体を選んで手札に加える。
カードから放たれる。サファイアの青き輝きと、ヴェールの行方がフィールドを包み込む!!!
その龍の姿は、正に女神。何者もが自然と縋ってしまう、慈悲の化身。それと同時に花嫁の様な淑女の愛おしさを持ち合わせている。
お嬢「出たわね!!カードの精霊・・・!!なんて・・・美しいの!!魅せられるッ。」
サフィラ「ほう。貴様、見どころがありそうな娘よのう。こんな気持ちの悪い変態仮面よりも余程楽しそうじゃ。そこの機械人形は貴様の精霊か?」
ワイド「否定します。私だって可能であれば社会不適応者な御主人よりも、お嬢様の様な若く熱い方へ仕えたいと日々肯定。」
サフィラ「どこも似たようなものじゃのう。じゃが、悪いが若いお嬢さん。そんな気持ちも決闘の前じゃ無価値じゃ。おい、早くわらわを動かせ。」
仮面神父「勿論ですとも。バトルフェイズ。姫でバハムートシャークを攻撃します。」
お嬢「!!攻撃力はこっちの方が上よ!」
仮面神父「ええ。だからこそ。私は手札のカード、「オネスト」を。」
お嬢「!」
仮面神父「その御心を怪物へお分け下さい。姫様。」
お嬢「っく・・・きゃああああ!!」
お嬢ライフ 4000-2500=1500
バハムート・シャーク→破壊
仮面神父「エンドフェイズ時、姫様の慈悲の一端を頂く。デッキからカードを、2枚ドローし、その後1枚を墓地へ落とす。ドロー。墓地へ、「儀式魔人リリーサー」を落とし、ターンエンドです。」
お嬢「・・・ふん。勝つって宣言した割には大した事ないじゃない。勝利宣言は大好きだけど、それを守らないなんて興醒めね。」
仮面神父「いいえ。既に私の勝ち、「姫の世界」は確定していますねぇ。」
お嬢「ライフがあるのなら「勝ち」も「負け」もないでしょ?」
仮面神父「「10年間親の遺産を食いつぶしてネトゲだけしてます、社会的繋がり零の引きこもりです。」のも「生きてる」と言いますか?「10年間目が覚めません、只々暗闇の脳死患者です。」なんてのも「生きている」と言いますか?私の言いたいのは事はソレです。」
お嬢「まどろっこしいわね。生きているなら生きてるし、負けてないのだから負けてないのよ。」
仮面神父「よろしい。ならば女神の理想郷を身をもって味いなさい。」
お嬢「そっちこそ、私のデュエルに魅せられなさい。ドロー。」
考えろ。考えるのよ。私。奴の言う「世界」の正体を。その薄っぺらい仮面に屈辱の表情を浮かばせる手段を。
…どうせ。そう。大体わかってる。ハズ。まずは確信が必要よ。そのためには…。
お嬢「メインフェイズ1!!!なら、手札の「ストームドラゴン」を特殊・・・!!!」
仮面神父「ふふ。」
サフィラ「・・・むぅ。お嬢ちゃん。それは残念じゃなぁ。」
ワイド「不味いです。」
お嬢「なんで!特殊召喚できない!?」
仮面神父「ふふふ。はははははははっははは!!これぞ、「姫の世界」の一端、「特殊召喚封じ」。「儀式魔人リリーサー」を儀式素材に姫を降臨させた時より、貴女は特殊召喚できなくなっているのです。」
儀式魔人リリーサー
(1):儀式召喚を行う場合、その儀式召喚に必要なレベル分のモンスター1体として、墓地のこのカードを除外できる。
(2):このカードを使用して儀式召喚したプレイヤーから見て相手は、儀式召喚したそのモンスターがモンスターゾーンに表側表示で存在する限り、モンスターを特殊召喚できない。
お嬢「うっそ。嘘よ。こんなの。こんなのどうしようもないじゃない。・・・そんなあああああ!!!」
仮面神父「これぞ「奇跡」。この時勢、特殊召喚を行わないデッキなど皆無。貴女のデッキだってそう。さあ緩やかなる「敗北」を刻みなさい。そして姫最高ぅ!!!」
サフィラ「わらわは貴様のそういう狂信者じみた振る舞いが嫌いじゃ。」
ワイド「御嬢様―――-。」
お嬢「そ、そんな・・・そんな事って・・・負ける・・・」
お嬢「ワケないでしょう」
仮面神父「何ィ!?」
お嬢「っは。舐めないでちょうだい。貴方の言う「世界」のシステムはとっくにバレているのよ。リリーサーを用いた儀式召喚で相手の特殊召喚を壊滅。そして既に登場したサフィラ以上の攻撃力を持つモンスターには「オネスト」による突破+恐らく「エフェクトヴェーラー」による妨害を重ねる。そしてそれ自体が、「手札から光属性を捨てる」、サフィラの三つの効果を相手ターンに能動的に行うスイッチ。その神髄は、「サフィラ」の「墓地の光属性」を手札回収する効果よね?」
仮面神父「!!」
お嬢「捨てた「エフェクト・ヴェーラ―」や「オネスト」を何回も使いまわし、反撃の目を摘む。「無限ヴェーラー」に「無限オネスト」。しかも墓地の「祝祷の聖歌」にもサフィラの破壊を免れる効果がある、のよね?全く、確かに完璧な「世界」だわ。全ての行為にシステマティックに対応できる、相手にしてみれば雁字搦めに動き様がない最悪のシステムね。」
仮面神父「そこまで理解していながら、何故そのような顔をするのです?希望に満ちていますよ、今の貴女。」
お嬢「そんなの、私が勝つからに決まってるじゃない!!貴方の手札は今2枚でオネストは捨てたられた。だからこそ今が好機。私は雲魔物アルトスモークボールを攻撃表示で通常召喚。」
雲魔物-スモークボール
攻撃力200
仮面神父「何をする気です?」
お嬢「見てれば分かるわ!!私は魔法カード「強制転移」を発動!!このカードで「スモーク・ボール」と「サフィラ」のコントロールを入れ替える!!」
仮面神父「!!」
サフィラ「ほう!?」
強制転移 通常魔法 お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、そのモンスターのコントロールを入れ替える。そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない。
お嬢「「特殊召喚封じ」効果は墓地の「リリーサー」単独の効果だから、サフィラを奪っても私に掛かっているけれど・・・これで形勢逆転よ。サフィラのドロー加速やサルベージが使われて使えず!それどころか一斉攻撃でライフは尽きる!!愛おしいそのお姫様自身の手で敗北できるのなら幸せでしょう?」
仮面神父「~~~~~~~~~~~。」
サフィラ「ふむ・・・わらわとしてはお嬢ちゃんの元へ下るのも悪くないのじゃが・・・それは、のう。」
お嬢「さあ、「スモーク」をあげるからその美しいサフィラを私によこしなさいよ。」にや
仮面神父「~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
サフィラ「無理なんじゃろ?なあ?」
仮面神父「~~~~~~、嗚呼。主よ、感謝します。」
お嬢「!!」
仮面神父「「惜しい。」極めて惜しいですねぇ。あと一歩だった。実際、私の手札は「マンジュゴッド」に「単体では基本能力0のカード」。姫が奪われたのなら、切り返しの手段は何もなかった。」
お嬢「な、なら早」
仮面神父「しかしです。お嬢さん。思考を進めなさい。我が「神殿」は「姫」こそが主であり、手札誘発の光属性がその手足。であるならば、その使徒が「オネスト」に「エフェクトヴェーラ―」だけなら随分と寂しいと思いませんかねぇ。」
お嬢「!?」
仮面神父「その一手通さず。手札から、「マンジュゴッド」と「緑光の宣告者」を捨てて、「強制転移」の発動を無効に。」
緑光の宣告者 星2/光属性/天使族/攻 300/守 500
自分の手札からこのカードと天使族モンスター1体を墓地に送って発動する。相手の魔法カードの発動を無効にし、そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
手札より放たれる緑の閃光が、強制転移の生んだ矢印の渦を浄化する・・・!
お嬢「・・・ッぅ!!!そんな!」
仮面神父「この一枚の巡り合いこそ「奇跡」。そしてその「奇跡」の理を司るのが我が姫、「竜姫神サフィラ」様なり。つまり、姫最高マジ
サフィラ「だまらっしゃい。」
お嬢「また、こんなところで・・・ッ!!!」
仮面神父「進まないのなら私のターンへ行きますよ。姫の力でオネストを回収したうえで。侵攻。裸のスモークボールへ姫様のお力を。」
お嬢「そんな、こんなところで!!」
仮面神父「そして、「オネスト」よ。姫様へ無双の力を。」
オネスト→手札より捨てる
天空のサフィラより放たれるイコンが、驚愕を隠せないお嬢へと降り注ぐ!!
それはまるで攻撃ではなく、光を授けるような・・・!
サフィラ攻撃力2700 VS スモークボール攻撃力200
お嬢ライフ1500-2500=-1000
仮面神父 WIN - LOSE お嬢
お嬢「つぅ・・・」
ワイド「御嬢様」
仮面神父「姫様。奇跡をありがとうございます。」
サフィラ「ふん。」
仮面神父「さて、お嬢さん。ご覧いただけましたでしょうか?現実の論理を超えた、「奇跡」の技。デュエルには貴女の知らない世界が、ありますぅ↑。」
サフィラ「バカか。」
お嬢「・・・私をどうする気?人質にでもして探偵さんを止めるつもりなの・・・?」
仮面神父「え、何もしませんよ?」
お嬢「え?」
仮面神父「元々私としてこの計画、思い入れもありませんしねぇ。それよりも、探偵殿や貴女の様な切実たる決闘者と出会た事こそが「奇跡」。聞いてはいたもののすばらしい巡り合せです。」
お嬢「何を言ってるの!?。」
仮面神父「いずれ、次の巡り合わせでお会いしましょう。その時、あのカタの奇跡、貴女の奇跡、探偵殿の奇跡が全て重なるでしょう。そうそう探偵殿と部長はあの城にいますよ。では。」
サフィラ「さらばじゃ。」
お嬢「待て!!」
しゅん!!!
お嬢「ッ、消えた」
ワイド「御嬢様。ひとまず、ご主人と合流しましょう。他の刺客もいるかもしれません。」
お嬢「・・・ええ。そう・・・ね。」
ワイド「――――肯定。申し訳ございません。私現在、排熱にエラー発見。少々、水道にて冷やしてきます。」
ガラガラ
お嬢「・・・ぷ。排熱って、こんなにまだ寒いのになるワケないじゃない・・・機械的ジョークなのかしら。・・・く・・・くっそ!!!なんでまた。こんなところで負けちゃうのよ・・・悔しい・・・」
「悔しいよ。あんな「悪」に負けるなんて。勝ちたい。勝たなきゃいけないのにさ。悔しい。」
「・・・ぐす。・・、あー!もう、絶対に誓うわ。これから全てのデュエル、負けない・・・あたしの「全ての人をデュエルで魅せる」野望は・・・こんなところで一々止まってたら辿り着けない。生き急がないとあまりに足りない・・・絶対に勝つんだ・・・そうよ。あたし。」
・・・ 木陰
ワイド「―――15年前のご主人の様で「感慨深い」を感知します。―――肯定。あの子はやはり、「彼女」に似ている。しかし否定。それ以上に、ご主人にも似ている。――――時代は移り変わるする、と文学的表現を使用します。」
しゅん・・・・
かっ!!!
ワイド「――――膨大なデュエルエナジーを「城」から感知。御嬢様を連れて行きましょう。―――――ご主人が闘っています。」
サンキューサッフィ。ラブリーサッフィ。フォーエバーサッフィ。
ハーメルン遊戯王ssでは人気者なサフィラちゃん。攻撃力2500=主人公打点、ふつくしいイラスト、女性的、儀式モンスターって辺りがグッとくるのだろうけど、サフィラ全振りデッキの必勝パターンは完全に悪役のソレだというね。聖刻やらシャドールやらとの混合の場合は完全なサポーターなのに。
後「サフィラちゃん」ってちょっとマドカ☆マギカのまどかで脳内再生されるよね。
サフィラちゃんカテゴリ化の噂もあるけど、今のいぶし銀的なポジションが一番美味しいと思うのよね。もしDT世界と関連するならローチさんとかみたいな独立勢力であって欲しい。