遊戯王 決闘探偵 -雲と鉄-   作:T3PO

19 / 38
残された記憶となくした君の面影が
今も置き去りのまま。


第十一話 後半 「STRENGTH」

十五年前。

 

 

そこは、恐らく外界の者は誰も知らないであろう秘境だった。

暗い樹海の中の奥にあるもう何百年も建てられた小さな日本屋敷。何枚ものお札と縄が張られた鬱蒼とした、本能が入ってはいけないと告げる家。

 

そしてその建物の中の地下牢。蝋燭だけが灯りを照らした、あまりに寒く逃げ場ない座敷牢。

蝋燭が妖しく彩る二人の影。それは閉ざす者と閉ざされた者という対極の二人。

 

閉ざされしものは、キャンキャンと騒ぐ根暗そうな少年。

閉ざす者は、藍色の長髪に漆黒の長い喪服を着た、美しい女。鮫を思わせる鋭い目線で少年を咀嚼する。

 

数分前、タクシーに扮したその車は屋敷へと入り、少年と少女を別々の屋敷牢へ閉じ込めた。そして今、頂戴牢屋に入れられた時、少年は目を覚まし看守たる喪服の女に食って掛かる。

 

少年「…俺達が来ると分かって上での計画的な人攫い。ってことは、アンタ、グリムロの家族なのか・・・?」

 

喪服の女「・・・そうだ。お前が待ち望んだ「あの娘」はこの屋敷にいる。もっとも、お前は会う事は出来ないがな。」

 

少年「くっそ!!ここから離せ!」

 

喪服「貴様が「あの娘」に触れようとしなければ。」

 

少年「それも嫌だ!グリムロは必ず連れて帰る!!!」

 

喪服「貴様は随分欲の深い。・・・ならば言い方を変えよう。」

 

少年「脅す気?」

 

喪服「違う。頼む。何も見ず何も聞かず帰ってくれ。」

 

少年「!」

 

喪服「これ以上、貴様が我ら一族に関わろうとするならば、私は、お前たちを殺さねばならぬ。いや殺すよりもっともっと残酷で深い深い処に潜ってもらう。そんな事は私とてしとうない。」

 

少年「・・・結局脅すのかよ。お姉さん。アンタとグリムロの関係はなんだ?何でグリムロを捕える!?あの部屋にあった血の円陣は何なんだ!?」

 

喪服「本当に欲の深い。それを知ってどうする・・・と言いたいが。どうせこのままでは貴様はここで朽ち果てる。真実を告げ諦める方に賭けるしかない、か。」

 

 

ふぅ、と溜息をつき一幕を置いて喪服の女は口を開く。

 

喪服「餓鬼よ。あの女は魔物だ。これ以上触れるな。貴様の手に留められるものではない。」

 

少年「どういう事だ!」

 

喪服「人間は不思議な生き物。あらゆるモノを「札」に留めようとする本能がある。「金」をクレジットカードに。「地位」や「身分」を免許証や

証明証に。「繋がり」を「名刺」や「手紙」に。「祈り」すら「絵馬」や「お札」として「札」へ留める。だから、その中の一つに「悪感情」「邪悪」があっても何も可笑しい事はない。」

 

少年「それが彼女と何の関係がある!」

 

喪服「分からんか?この家の生業を。この家は、既に400年以上、「呪い」を札として具現する、本物の「呪術師」の家である事を。」

 

少年「!!」

 

喪服「かつてこの世に「デュエルモンスターズ」と言う言葉がない頃から、我が家は「呪い」を札にする技術を知っていた。まるで、古代エジプトの神官の様にな。そして力を、世の復讐者や力を求める者へ売り渡す。それを起源とする一家。そして時代の変化と共に、それを「呪いのカード」として作成する力に変化させていった。」

 

喪服「今、世の中の影で流れている「地縛神」「邪神」「呪いの№」。その他多くの呪いの札。それらは殆ど、我が家で作られたもの。本来の札が持つ「邪悪な力」を、我らは生き物の血肉と怨念をもって複製する。そしてそれは時に「闇の決闘」を引き起こすことすら可能だ。」

 

少年「ば、馬鹿らしい!そんな事信じられるか!」

 

喪服「本当にそう言えるか?お前とて、既にカードの精霊という怪奇の力に触れているではないか?」

 

少年「!!」

 

喪服「信じようと信じまいと、「呪術師」は実在する。この家にな。」

 

喪服「あの女の部屋を見たか?随分と悍ましく感じただろうが、完全な呪術はあんなモノではない。あんなモノは只の児戯だ・・・否、あんな児戯でも呪いを生み出すあの女の力が悍ましいが。本物ならば、「猫の札」で代用などせぬ。「人形」で誤魔化しなどせぬ。全て真の肉血で行う。」

 

少年「なんて。」

 

喪服「残酷か?呪いとはそういう事。この家に生まれたものは、男は街へ捨てられ、呪術の素養が高い女のみが育てられる。幼少の頃より暗闇の中で、虻蠅蠢く地獄の中で、憎しみを、呪いを「札」に移し替える力を養う。一切外へは出さぬ。あの女とて、ここに居た頃はそれらを用いていたのだぞ?貴様らと出会う事で少々弛んだ様だが。」

 

少年「彼女は…「呪術師」にならないといけないのか?」

 

喪服「否。彼女は「生贄」。生きて彼の地へ向かえばならぬ。」

 

少年「・・・意味が分からないけど。どうせロクでもない目に遭うって事ね?」

 

喪服「是。だが「目に遭う」に非ず。彼女は「生贄」として生き、死ぬために生まれた命。予定道理。今から五つの夜を超えた後、「彼女」は死ぬ。そういう運命だ。」

 

少年「それだけのために。そんな勝手な理由で生まれただって!・・・いや!!まて!!!五日後だと!?」

 

喪服「・・・だから貴様らは邪魔なのだ。五日後、彼女は儀式を受けてその命を落とす。それはこの呪術家を再興させるだろう。それだけの力を、あの娘は持っている。」

 

少年「家の再興!そんな事のために!!!」

 

喪服「それだけの価値が、この家にはあるのだよ。我らが家も既に世代をまたぐ毎に「呪術」の力は堕ちている。だからこそ、彼女を祀り上げ、我が家を導く「神」にしなければならぬ。彼女の力こそが、我らが家を「呪術師の総本家」として復活させるのだ。」

 

少年「ふざけるな!!」

 

喪服「そうだ。ふざけているのだろう。だが事実としてあの女はそう決められ、それを知ったうえで生きてきた。奴の十六年の人生の殆どの時間を、暗闇の蔵の中で呪いの作法を学ぶことで過ごした。・・・最後の一年に慈悲を与えたことがやはり失敗だった、のだろうな。この家にとっては。」

 

少年「・・・だから、グリムロは。あんなにも笑って。」

 

喪服「笑うしかないだろう。元より一年だけ自由に生きられるとの決まりだった。明日などないと分かっているならば、誰だって笑う。涙も出てこない。悲しみも怒りも喜びも、所詮全ては「生贄」と言う終わりに向かう事を知るならば。喜びも悲しみも。希望も絶望も大して変りはない。」

 

 

 

喪服「一年。生贄となる前に世俗を知ることが出来た。この家の裏のしきたりの一つでな。十六の娘を「彼の地」へ送るが。その一つ、二つの前の年だけは娘を自由に生かす。まるで普通の、ごく普通の洒落を決め街中を行く少女の様に。「母」は倫理観のかけらもない教育を施すが、ほんの僅かに残ったごく普通の母親たちの心がそうさせるのだろう。だが、その歴代の「娘たち」の中でも「あの娘」は一番に幸せだっただろう。・・・貴様らのお蔭だ。」

 

少年「!!」

 

喪服「私は貴様らに感謝をしている。これは真の気持ちだ。あの化け物は、最期の最期に人間としての気持ちを持てた。故に、貴様らに海底の泥を飲ませ続けるような苦しみを味あわせたくない。何も見ず、何もかも忘れ、帰れ。」

 

少年「・・・かなりギリギリの。ギリギリのギリギリにセーフなのか?俺。・・・お姉さん。実は優しい人なんじゃないの。」

 

喪服「だろうな。お前の連れの少女を担当している者など、嬉々として呪いをかける女だ。だが、今ならまだ間に合う。さあ、今なら「アレは若気の至りの日でした。ほろ苦い記憶です。」。そんな程度に留まれる。だから、帰れ。」

 

少年「いやだ。」

 

喪服「なに?」

 

少年「どうせそんな未来、後悔しかないんだ。そんな汚れきった希望はいらない!グリムロも!アイツも!全員で笑って帰る!だから!ここから抜け出す!!ワイド!!鎖と檻を引きちぎれ!!」

 

 

すっ!!精霊、ワイゼルが待ってましたかと言う様に出現する・・・!

 

 

ワイド「肯定。」

 

喪服「っち!莫迦者が。」

 

 

一閃・・・!!

 

かっ!!!

 

 

少年「!!!鎖は切れたけど!檻が!」

 

喪服「真に莫迦だ。我ら呪いの家の者は、「札の精霊」に最も近い場所に位置する。そんな力など対策済みだ。」

 

少年「!!だったら斬れるまで試すッ!!」

 

喪服「・・・そうであれば、貴様に受けてもらうしかない。「闇の決闘」へとな。」ぎい

 

少年「!デュエルか!?」

 

喪服「是。しかし流儀が異なるがな・・・堕ちよ、「深海」へ」

 

 

!足が寒い!

・・・気づいたら足元にはドクドクと真黒な水が湧き出していた。そして

それは邪悪な六芒星の魔法陣を形造る!

 

 

少年「!!!グリムロの部屋にあった陣!何をする・・・!」

 

喪服「お前には、慈悲も与えない。受けてもらうぞ。「闇の流儀」を。」

 

ざばん

 

魔法陣を描いていた水が津波へと化け、俺に襲い掛かる・・・!

 

逃げようとするけど。遅かった・・・視界が、闇に包まれる・・・

 

 

 

ばたん・・・!

 

喪服「・・・莫迦が。」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

真っ暗闇の無限に広がる空間。生物の気配を感じぬ、まるで「深海」。

 

少年は、目を覚ます。

 

 

少年「・・・ここは?」

 

 

―――――お前の心理世界だ。この「闇の決闘」はお前の心の中で行う―――――

 

少年「さっきの!」

 

―――――――この闇の決闘。勝てるなら、好きにするがいい――――――――

 

少年「・・・上等だ。かかってこい!」

 

――――――――まあ待て。流儀を言おう。貴様はこれから幻影と戦ってもらう。その千回以内に一勝でもすれば貴様の勝ちだ――――――

 

 

少年「そんなバカなルールがあるか!?何をたくらんでいる!!」

 

――――――――――――味わうがいい。たっぷりとな―――――――――――――――

 

 

 

少年「待て・・!!」

 

ゆらり

 

人の形をした、影。生きた気配などなく、男か女か。若者か年寄かも分からない、ソレが目の前に現れる。

 

黒衣の幻影「―――――決闘しろ。」

 

少年「・・・ああ良いよ。このふざけた闇の決闘とやらを終わらせてやる!!」

 

 

 

「決闘!!!」

 

 

少年「俺は!「スクラップ・ビースト」を召喚、したうえで速攻魔法、「スクラップ・スコール」発動。ビーストを破壊!!デッキから墓地に「スクラップ・ゴーレム」を落とし1ドローする。」

 

幻影「・・・」

 

少年「魔法カード「死者蘇生」!ゴーレムを蘇生させて、更にゴーレムの効果でビーストを蘇生。」

 

 

少年「シンクロ召喚!!スクラップ・ツイン・ドラゴン!更に一枚伏せてターンエンド!!」

 

少年(伏せたカードはサイクロン。まずは全力で相手を伺う!得体のしれない敵なんだ。どうせ、それくらいでやっと僕なんかは釣り合う。)

 

幻影「ドロー。我は、「ナイトショット」を発動。その伏せを破壊する。」

 

少年「っち!」

 

サイクロン⇒破壊

 

幻影「「ヒーローアライブ」を発動。ライフを半分にしてデッキから「E・HEROエアーマン」を特殊召喚。効果によりデッキから「E・HEROブレイズマン」をサーチ。そして召喚。この時デッキから「融合」を手札に加える。更にブレイズマンの第二の効果によりデッキの「E・HEROシャドー・ミスト」を墓地に落としそのステータスを得る。」

 

 

少年(HERO?にしては歪曲的な動きが多すぎる、気もするけど。)

 

幻影「墓地に降りたシャドーミストの効果発動、デッキから「E・HEROネオス」を手札に加える。」

 

少年「手札に加えてばっかだなぁ?」

 

幻影「魔法カード「ドラゴン・目覚めの旋律」を発動。手札の「嵐征竜-テンペスト」を墓地に送り、デッキから攻撃力が3000以上で守備力が2500以下のドラゴン族モンスターを2体まで手札に加える。」

 

少年「無視!?尚且つサーチ!?」

 

幻影「サーチするのは、究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴンと究極宝玉神レインボー・ドラゴン。」

 

少年「!!!」

 

幻影「魔法カード融合。手札のE・HEROネオスと究極宝玉神レインボー・ドラゴンを融合。エクストラデッキより、「レインボー・ネオス」を正規融合召喚する。」

 

 

レインボー・ネオス 融合・効果モンスター 星10/光属性/戦士族/攻4500/守3000

「E・HERO ネオス」+「究極宝玉神」と名のついたモンスター

このカードは上記のカードを融合素材にした融合召喚でのみ特殊召喚できる。

1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●自分フィールド上のモンスター1体を墓地へ送る事で、相手フィールド上のモンスターを全てデッキに戻す。

●自分フィールド上の魔法・罠カード1枚を墓地へ送る事で、相手フィールド上の魔法・罠カードを全てデッキに戻す。

●自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る事で、相手の墓地のカードを全てデッキに戻す。

 

 

少年「なに!?」

 

幻影「レインボー・ネオスの効果発動。フィールドのE・HEROブレイズマンを墓地に送り貴方のデッキのモンスターを全てデッキに戻す。「レインボー発」」

 

少年「!!!」

 

スクラップ・ツイン・ドラゴン⇒エクストラデッキへ

 

幻影「詰み。レインボー・ネオスでダイレクトアタック。」

 

少年「ぐ。ぐあああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

少年ライフ4000-4500=-500

 

WIN 幻影 LOSE 少年

 

少年(ッ!!こいつ!!この幻影強い!!でもまだ1試合目・・・まだチャンスは山ほどある。)

 

 

幻影「セット。決闘しろ。」

 

少年「ああ!!」

 

 

決闘!!!

 

幻影「手札より「炎熱伝導場」を発動、デッキから「ラヴァル」モンスター二体を墓地に送る。」

 

少年(!毎回違うデッキか。って事は。強いデッキだけじゃなくて弱いデッキも出てくるのか・・・?チャンスはいくらでも・・・いや。そんな可能性は分からない。早くここを抜け出してグリムロとボーイッシュを助ける。タイムリミットは五日後なんだ・・・その為にも、このデュエルで勝つんだ・・・!)

 

 

 

・・・・・

 

幻影「シューティング・クェーサー・ドラゴンでダイレクトアタック。詰み。」

少年「ぐうううううううううううううう!!!」

 

WIN幻影 LOSE少年

 

少年「・・・次!!」

 

決闘!!!

 

 

 

・・・

 

幻影「デッキから発動した装備魔法。「遺言の仮面」の効果でお前の場のスクラップデスデーモンのコントロールを得る。そのままダイレクトアタック。詰み。」

少年「っく!!!」

 

 

・・・

 

 

幻影「スクラップドラゴンでダイレクトアタック。詰み」

少年「強制転移だと・・・。」

 

 

・・・

 

幻影「ヴェルズ・オピオンで攻撃。詰み。」

少年「何もできない・・・!!くそ!!!」

 

・・・

 

幻影「おじゃまカントリーの効果で攻守逆転。天穹覇龍ドラゴアセンションでスクラップドラゴンを攻撃。詰み。」

少年「攻撃力3000+おじゃマジックで集めた手札3枚×800の5400だと!?くうううううう!!!!」

 

 

・・・

幻影「機皇帝グランエル∞の効果により、スクラップドラゴンを吸収。ダイレクトアタック。」

少年「あと。あとライフ200削れば勝ちだったのに・・・くそが。」

 

少年「今度こそ追いつめた・・・!お前のライフは1200!!手札もフィールドもカードゼロ!!こっちにはスクラップドラゴンがいる!!」

 

幻影「ドロー。開示。「RUM七皇の剣」発動。墓地より「No.101 S・H・Ark Knight」を特殊召喚、「CNo.101 S・H・Dark Knight」へランクアップ。効果発動。スクラップ・ドラゴンをエクシーズ素材にする。ダイレクトアタック。詰み。」

 

少年「そんなあああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

 

・・・

 

少年(よし!!良い手札来た!!)

幻影「エクゾディア完成」

 

・・・

 

幻影「我はゼラを儀式召喚。バトル。」

 

少年「っく!!バトルフェーダーを手札から・・・!!」

 

幻影「無駄。儀式魔人リリーサーをコストにだしたこのゼラがいる限り特殊召喚は出来ない。詰み。」

 

少年「ぐあああああああああああああああああああ!!!」

 

「詰み」

「詰み」

「詰み」

「詰み」

「詰み」

「詰み」

「詰み」

「詰み」

 

 

・・・3時間後・・・

 

幻影「連弾の魔術師の効果により、500のバーンダメージを与える。詰み」

 

少年「・・・くう。」

 

WIN 幻影 LOSE少年

 

少年(これで33回負けた・・・まだだ。まだチャンスは死ぬほどある。)

 

少年「デュエル!!!」

 

正しい。事実、少年には明確な勝ち筋があった。しかし、しかしだが。闇の決闘がそんな甘く、優しいワケがない。

自らが信じる希望が、あまりにも甘かった事を少年はすぐに理解する・・・

 

ゲーム開始から「既に」18時間後。196敗北目

 

少年(やっと。いや、違う。まだ200回!!負け続けるが、必ず)がく

 

少年(・・・まだだ。まだあ。負けながらでも考えるんだ!)

 

幻影「デュエルしろ。」

 

少年「はあ、はあ・・・デュエル!!」

 

少年(考えろ、考えるんだ。まだいける。まだ・・・まだ。)

 

 

「幻獣機ドラゴサックでダイレクトアタック。詰み。」

「ナイトメアシャークでダイレクトアタック。詰み。」

「シャドール・ネフェリムでワイゼルを攻撃。超過ダメージで詰み。」

「愚鈍の斧を装備したバルバロスでスクラップドラゴンを攻撃。詰み。」

 

「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」

「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」

「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」

「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」

「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」「詰み」

 

 

・・・現実の世・・・

 

喪服「・・・」

 

少年「まだ。まだチャンスは死ぬほど・・・ある。」ぶつぶつ

 

喪服(消耗し始めたな・・・いつも通りだ。絶対に勝てない幻を相手にしているのだ。)

 

 

 

喪服の女が施した「闇の決闘」、「呪い」。

 

その正体は「絶対に勝てないデュエルを続けなければいけない」という地獄。

 

呪いを受けた者がいかなるプレイングをしようと、絶対に勝つことは出来ない。全て始めから勝敗の決まっている茶番をただ繰り返す。幻影との決闘はどんな手札が来ようと必ず負ける様に、「仕組まれている」。

 

では一方的な虐殺であるのか?

 

否。それがゲームである以上、必ず「勝ち」と「負け」が存在する。

 

挑戦者の唯一の勝利方法。それは。

 

千回負ける事。

 

屈辱に耐え。耐えに耐え。耐え難きに耐え。ただ負け続けるそれしかないのだ。

 

となれば、只そのまま続けていけばあっさりと勝つことの出来るゲームというと、大きな間違いである。

 

まず挑戦者が真の勝利方法を知る事は決してない。「一回のデュエルでの勝利」が勝利と信じる挑戦者は無情に続く敗北の中で、段々と誇りと気概を削られて。300回を越える頃には既にドローすら恐れだす。

 

そして何より・・・

 

 

少年「・・・負けた」ブツブツ

 

少年(・・・まだ。まだ頑張れる・・・だから・・・)

 

ガクッ

 

少年「痛い」ブツブツ

 

少年(あれ。なんで倒れているんだ。・・・眠たい・・・いや・・・腹減ってきた・・・)

 

少年(頭が痛い・・・目がしばしばする・・・・・・砂糖がほしい。頭のガソリンが・・・足りない・・・砂糖)

 

少年(焼けるようにのどが痛い。乾いている。ひょっとして・・・死ぬ・・・?俺・・・?)

 

そう、この闇のゲーム中は一切の食事、睡眠、排泄、その他諸々殆どの自由が奪われる。

 

1回の決闘を仮に5分とするならば、1時間に12回「負ける」事が出来る。

1000回に至るには83時間と33分。日数にして3日と半日。勿論、5分というのは最も短い場合である。実際は更なる時間が必要である。

 

その長い時間の間を挑戦者は三時間に一度飲まされる水だけで過ごさなければならない。

 

飢え、眠気、疲労。

 

この、あまりにも切実な蝕みの前に、

 

人は折れる事を選ぶ。

 

 

そして決闘を選ばれなくなったその瞬間。希望を捨てて、勝利を選ばなくなった瞬間。精神力が絶望により「零」へと至るその一瞬で。

 

挑戦者の敗北が決定される。

 

それが喪服の女の闇の遊戯。

 

「深海」

 

ゆるやかな溺死。滴る牙。残酷なる咀嚼。

 

この闇の決闘を攻落出来たものはたったの二人。

 

一人は喪服の女がかつて選んだ、今は亡き夫。

もう一人は少年が今、求める女、「グリムロ」。

 

それ以外の者は全て、死の忘却を迎い入れるか、運が良くても二度とカードに触れられない深いトラウマを持ち、堕落していくこととなる。

 

 

だが…

 

 

更に6時間後。闇の決闘を開始から「遂に」。否、「やっと」24時間が経過。

 

 

少年「・・・負け。次」ひゅーひゅーひゅー

 

少年「ドロー。召喚、スクラップ・キマイラ」ひゅー

 

少年「トラップ。「スキル・プリズナ―」。エフェクトヴェーラ―の妨害を妨害・・・そのまま、釣り上げ・・・」ひゅーひゅー

 

少年「・・・激流葬・・・くそ。そのままか。詰みなのか・・・いや。まだ。」

 

少年「・・・っち。負けた。けど、まだ、750回近くある。ある。次。」ぼそぼそ

 

喪服(既に253戦目。思っていたよりもやるな。1/4を切るころには残りのチャンスがある事を「まだ「あって」嬉しい」でなく、「まだこんなにも「あって」苦しい」と思うようになる。だがな。強がりはすぐに本音に押し潰される。ここが墓場。ここよりが地獄だ。)

 

 

少年「」ひゅー。ひゅー。ひゅー。

 

呼吸もままらない。関節を意味不明な疲労と痛みが襲う。カードの効果を読むたびに頭痛がする。

 

だが。だが。しかし。

 

 

 

開始から、35時間と2分。400敗北突破…ッ!!

 

少年「ひゅーひゅー。ひゅー。…ドロー!!」

 

喪服「・・・粘る。この莫迦者は。ただの男子学生が。何故ここまで?訓練された、決闘の名人程でなければここまで潜る事は出来ぬ。何を考える?」

 

少年「トラップ発動・・・くそ。神宣かよ・・・負け・・・」

 

少年「つぎ・・・どろー・・・ひゅー。ひゅー。ひゅー。」

 

少年が考えるもの。それは殆ど走馬灯。

 

途方もないストレスと疲労の中で少年の心と脳みそは既に別々に動き始めていた。正確に言うならば、脳みそと反射神経と肉体は「決闘」へと向かい。心と海馬は「思い出」へ向かっていた。

 

 

暗闇の空間の中で少年は孤独であった。

機械の様に人間味を持たない幻影との会話は、孤独を癒すことはない。

だからこそ少年には幻聴であろうと、己を励ます声が。幻覚であろうと己を支える姿が必要だった。

 

 

 

少年は思い出す。決して自信を持つ事が出来なかった人生を。

恵まれた環境に生まれたはいいが、自身の内気さと壮大な猜疑心、実がつかないまま形だけ育った自尊心に翻弄されていた人生を。

 

幼稚園の頃のいつかの日。駆けっこで負けて悔しかった日を。どうしてもこの世で自分には勝てない相手があまりに多くいると理解した日を。

 

小学生の頃のいつかの日。バレーボールのサーブが入らず消えてなくたってしまいたいと思う日を。自分の行動が周りへの迷惑、失望、嘲笑を買う事を知ってしまった日を。

 

中学生の頃のいつかの日。どうしても自分の事を話せず、周りのクラスメイトの視線に怯えていた日を。正直に優しく生きようとする自分より、要領のいい誰かが幸せになれるのだと合点がいった日を。

 

いつからか、「どうせ自分なんて」「どうせ上手くいかない」。それが口癖になっていた人生を。今にも首を吊りそうな顔をしていると言われた自分を。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

「ねえ!デュエルしよ!!」にこにこ

「君と会えて、あたし。本当に幸せだなぁ。嬉しいなぁ。」ニコニコ

「凄い!でもあたしはもっとイく!!「裁きの龍」特殊召喚!!!」

「デュエルって、あたし大好き。けどね。君と一緒にやるデュエルって、もっともっと好き。」にこ

 

「また、デュエルしたいなぁ。」

 

「さようなら。」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・!!!

 

 

 

 

・・・ちがう。そうじゃない。それだけじゃない。そうじゃないだろ、僕は。

 

小学5年生の時の7月の20何日か。地縁で出た葬式の中で出会った生涯の友予定のアイツに会った。

確かあの時はアイツ、泣いていたんだよな。

だから、一緒にマンガ読もうなんて変な誘い方して笑われたっけ。あの時はちゃんと美少女していたのに、中学であったときは何故か男装しているしさ。ワケが分からなかったなぁ。やたらウザったい喋り方になっているし。しかもデッキもあんなグロイ「インヴェルズ」なんてなってるし。

 

それでアイツとは一応、親友になったのか。そうだよな?それでいいよな?一応聞くけど。

 

で、一緒にデュエル専門高校に受験して、入学。・・・ってまだ今年じゃないか。

 

そっかぁ、まだ今年だったんだな。

 

この一年がたまらなく楽しかったなぁ。

 

運命の出会いが二つもあった。

 

一人は、カードの精霊。ワイド。

昔からワイゼルが好きだった。壊れた後だからこそ登場できるのが、後ろめたい僕にとってカッコよかったからか。何で僕なんかの元に、なんて今はよそう。この闇の決闘には連れて来なかったけど。きっと僕と一緒に闘っていてくれる。相棒でヒーローなんだ。

 

もう一人は、当たり前。こうなっている全ての原因。・・・グリムロさん。

 

結局僕は彼女の事が分からないままだった。「呪術師の生まれ」?「化け物」?「生贄として生まれた」?何だよそれは。ワケ分からないよ。そうだよ。いつだって彼女はニコニコと笑っていて、それでいてちゃんと説明はしてくれなかった。ふざけんなよ。なんで助けてって言わなかったんだよ。ちくしょうだけど、僕じゃなくてもいい。警察でもなんでもいいじゃないか。どれだけ諦めているんだ。僕よりもネガティブなんじゃないか!?

 

 

そうだ。あの入学式の日に彼女に一目惚れしたけれど。だからって、僕が彼女に怒っちゃいけない理由はない。そうだよな?

 

僕は、いつでも幸せそうにニコニコ笑っている貴女が羨ましかった。だからこそ、惚れてしまった。ネガティブで自信のない僕はそこに憧れていた、んだけどさ!

「地球は今週一杯で破滅するから好き勝手して楽しもうぜ。ひゃはーニッコリ」なんてものじゃ意味ないだろう!?

実際はもっと色々あるんだろうけれど。ずっと家の中だけで生きていたから俗世が楽しかったのもあるんだろうけど。そんな「期間限定観光旅行」な楽しみはいらないだろ!

 

いいよ畜生。どうせ俺みたいなヘタレが彼女の横にいられなくたっていい・・・いや出来ればいたい。でも、いい。そんな事はどうでもいい。けど、こんなところでそんなポジティブに見せかけたネガティブの極みみたいなまま人生終わられてたまるか。俺はまだ、君といたい。最低限、高校生活あと二年間!!

 

そうだ。この一年間は本当に楽しかったんだ。それはワイドや貴女。ボーイッシュ。それからクラスメイト達と全力だったから。

 

GWには不良集団と戦ったなぁ。

夏には謎のデュエル合宿をしたな。

秋は試験勉強まじで頑張ったな。

 

それはみんなと一緒にいたから。貴女と一緒だったから。どうせ月並みな言葉だけど。

 

だから、グリムロさん。

だから。だから。だから。

 

どうせ今目の前に見える貴女は幻覚なんですよね?

意識が壊れつつある僕の妄想なんですよね?

 

でもいいです。どうせ、今の死にそうな僕にとっては、現実も妄想も大して変わりません。

 

僕は、貴女が見えるから。

 

まだ戦える。

 

・・・

 

幻影「ビックアイでスクラップ・ゴブリンを奪う。嵐征龍テンペストでダイレクトアタック。詰み。」

 

少年「だから。まだ、まだ。まだ。ドロー。」

 

・・・既に、この時、峠である500敗北を迎えていた。

 

 

 

・・・開始より、60時間。三日目に入り、639戦目。

 

少年「ひゅーひゅーひゅー。ドロー・・・」

 

ばたん。

 

す、

 

ばたん。

 

たっ

 

ばたん。

 

たっ

 

喪服「立っては倒れ。立ってはドロー。・・・懸命だな。だがな。」

 

ばたん

 

・・・

 

少年「」ぶつぶつ

 

喪服「既に限界は超えていた。もういい。立つな。貴様は本当によくやった。二日間連続の決闘。十分だ。だから諦めてくれ。頼む。立つな。」

 

少年「」ひゅーひゅーひゅー

 

 

喪服「貴様の強さ。思いは伝わった。だが。それだけで呪いは解けない。私の呪いも。あの化け物の呪いもな。だから立つな。命が枯れ果てる。」

 

少年「・・・」

 

すっ

 

 

喪服「!!」

 

 

・・・ばたん。

 

少年「」ひゅー。

 

喪服「・・・最後の最期だったのか。見届けたぞ。貴様の命の燃焼。」

 

 

――――――そう最後です。マスターの体力は正に0です―――――

 

喪服「!?誰だ!?」

 

―――――私はそこのボロ雑巾のような男の精霊、「機皇帝ワイゼル∞」。及び、その戦闘支援AI、「WIDE」です。二日前、少しだけお会いしました。

 

喪服「!!あの時のか!闇の決闘に飲み込まれていたのではなかったのか!?」

 

――――否定。飲み込まれる瞬間。御主人は私に離れるように指示しました。流石です。マイナスの方面での予想はいいように当たります――――――

 

かっ!!勇ましい青の光が少年にスポットライトの様に照らされる!

 

 

喪服「!?なんだこの光は!?」

 

ワイド「私のエネルギーと、発見したコレを受け取りなさい。御主人。御武運を。」

 

 

 

・・・意識世界

 

少年「」ひゅーひゅーひゅー。

 

少年「もう。立てないの、か?…心臓が・・・止まる。」

 

幻影「デュエルしろ。」

 

少年「諦めて・・・たま・・・後まだ、400回近くチャンスは。あるんだ・・・」

 

ずる

 

少年「・・・もう。たて。た、てな。あきらめ・・・たくない。でももう。うごかない・・・」

 

かっ!!!

 

少年「な・・・に?・・・ヒカリがまとわりついて・・・すこし。・・・!少しだけ、スタミナが。う・・・うお?戻ってきた・・・?」

 

 

ごおごごごごごごご!!!

 

少年「こんどは・・・デッキが唸りをあげて・・・!!デュエル・・・!ドロー!」

 

少年「手札・・・!!!」ばっ

 

 

!!!

 

 

「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」「時読みの魔術師」「星読みの魔術師」。

 

少年「なんだこのカードは・・・!?見た事のない緑色のモンスター・・・そうか。やっぱり一緒に闘ってくれているのか。ワイド。」

 

少年「これは、お前がこの屋敷の中から見つけ出して、俺に送ってくれたんだな?この体力も、お前がくれたんだな?」

 

少年「もう少し。いや、まだいける・・・!!!彼女に辿り着くまで。まだ。まだ。」

 

 

・・・

 

喪服「!!呪術で模造した、「振り子」の札!あの精霊め、どこかから見つけ出して、この莫迦に送ったのか。・・・不味い。」

 

少年「ふへ。なんだ。これ。何だよこのカード・・・一斉に手札が・・・」ひゅー

 

 

喪服(決闘者にとって、山札に新しい「仕組み」を及ぼす札は、百の富よりも得難い至福・・・!!これでこの莫迦はまだ諦めない・・・心を活かす理由が出来てしまった・・・!!)

 

 

少年は、呟く。

 

僕は、もう。苦しまないし、壊れもしない。疲れも、無駄もせず。

何にでも降参なんてしない。始まったあの日の出会いが終わるまで。終わりの時、始まりの出会いを懐かしむまでで、諦めたりなんかしない。

それで、新しい日へと、彼女と、彼女たちと放たれるんだ・・・!

 

 

この時、初めて喪服は明確に、敗北を意識する。

 

 

少年は半死の状態で。時に倒れ。時に意識を失いつつも。ゆっくりと、ゆっくりと。新たなカードと共に「敗北」していく。そのいずれの決闘にも少年は、死ぬ気で勝とうと挑み、敗北しても次のチャンスに望みを託した。

 

自分の汗を舐めてどうにか塩を取り。自分の顔をたたき、殴り、唇の皮が剥がれる程に噛みしめながら。

その滴る血すらも飲みながら。ゆっくりと潜水艦の様に決闘の深海へ潜っていく。

 

その塵の山の様な敗北達は次第に少年の中の細胞へと、「敗北の恐怖」ではなく「勝利への執着」と「あらゆるデッキの動かし方の知識」を書き込んでいく。

 

そして、

 

 

開始から4日目。開始より100時間。既に950戦目・・・ッ!!

 

少年「くそ。あと。あと・・・50回・・・まずい。まずい。勝たないと。勝つんだ。絶対に。後もう少ししかない。くっそ。」ひゅーひゅー

 

喪服「あと。50回だと。何なんだ。何なんだこれは!?可笑しい。あってはならない。あってはならないのだ!」

 

2人ともが勝てないと焦る奇妙な場面。

 

喪服の女は、まるで二日前の少年の様に考える。

何故、こんなちっぽけな男子高生に自分は追いつめられているのか?

 

考える。自身の人生を。

 

斜陽に傾き呪術の力が衰え続けていたこの家に、本来の生贄として生まれた、初めから歪んでいた人生を。

 

その数年後、自分よりも才能に恵まれた従妹。「グリムロ」が生まれ、生まれる意味を奪われた人生を。

 

呪術師の家として、時世代の当主を作り、育てる事だけを目標にした、従うだけの人生を。

 

10歳の時、家を飛び出し、一人の男性と出会うことが出来た奇跡の様な記憶を。

 

その男と心の底から結ばれることが出来た幸福な記憶を。

 

その最愛の夫こそを家の者の策略により自身の呪術で手にかけた、逃れなれなかった人生を。

 

家に戻った日。ここからはもう余生だと。光り亡き世に沈む浮船だと。己に関わったがため命を落とした夫の喪に服す人生だと決め、喪服に裾を通した日の事を。

 

 

呪われた自分の人生を考える。

 

 

そんな呪われて自分を捨ててまで、この呪術の家を守る事を決めたのに。決めざるを得なかったのに。

その人生をかけた呪いを、こんな若造に破られるだと・・・!?攻略される?

 

ふざけるな。あってたまるか。どんな手段を使ってでも勝つ。

どんな手段を使っても。例えこの身に呪いが降りかかろうとしても・・・!!

 

 

喪服「・・・認めよう。私の負けであろうこと。だが・・・!」

 

 

・・・開始から110時間。遂に999戦目の敗北を終える。

 

 

 

意識世界

 

少年「・・・次で・・・勝たないと・・・すべては終わる・・・だが。だけど。奇跡は・・・ある・・・のか」ひゅう

 

 

ボわん・・・

 

 

少年「・・・お前は・・・」

 

 

不意に現れた、闇と同化したような漆黒の、

 

 

喪服「最後の千戦目。相手をするのは私だ。直々に地獄へ送ってやる・・・っう!!」

 

じゅううううう、と肉が焼ける音がした。

 

その顔は苦痛にゆがむ。それもその筈、既に右手は焼けただれ、今にも肉が落ちそうになっている。

 

少年「・・・大丈・・・夫なのか?」

 

喪服「貴様が・・・!心配する事ではない。こんな右手、くれてやる・・・!決闘だ。札を持て。」

 

喪服(この右手は決闘が終わる前に失われるだろう。だが、一度決めた「千回の敗北をもって勝ちとする」闇の決闘の流儀を、強引に「千回目の決闘での勝敗をもって勝ちとする」という流儀へと変えたのだ。不正に対する正当な対価。むしろ、こんな右手で済むのなら・・・!!!この小僧を止められるのであれば!!!)

 

喪服「来い小僧ォ!!。」

 

少年「1000回め・・・最後のチャンスだ。最期!最後の一回!負けれるかぁ!!」

 

 

少年 喪服「「決闘!!!」」

 

第十一話 後半 「STRENGTH」 エンド




今回の展開や設定は色々ものから拝借しました。
呪術師の設定は、ネットホラーの傑作のアレです。ぜひ読んでみてください。そのまんまです。
後はハチワンダイバーの名勝負の影響も強し。





+αエクストラターン 新制限やフラゲに反応を受ける人々編

探偵「「クリアウィングシンクロドラゴン」・・・一見スクラップに刺さりそうだけれど、「破壊」ならスクラップ・ドラゴンの蘇生効果対応だから、大して影響はないか。むしろ復活した「エンペラードラゴン」の対処としてヴェーラー系統を増やすべきか・・・」⇒割と余裕な人

ワイド「「クリアウィングシンクロドラゴン」。私の効果で吸収しようとすると破壊されてしまいます。悔しい、と述べます。----エラッタ祭りをするのなら、「ラーの翼神龍」も直すべきです。」⇒本音はその流れで「マシニクル」のエラッタを狙っている。

お嬢「「大嵐」禁止とは予想外過ぎるわ。そして「ハーピィーの羽箒」はOKなんて。konmaiの「エラッタ祭り」の犠牲じゃない・・・「おジャマトリオ」の制限解除は案外ユニークなデッキを補助するかもしれないわね。ククク」⇒汎用カード以外は音沙汰なしの人。

そばかす娘「そんな!!事より!!「神竜騎士フェルグラント」や「レスキューラビット」!「ブレイクスルー・スキル」に「簡易融合」!!こいつらが全部「レアリティコレクション」入るのかよ!!皆!お金は持ったか!!」
元カード強盗団一同「「「「おう!!」」」」
⇒現金な人々

アイドル「ふぇええ・・・オピオンが解除されたよおwww嬉しいよww」⇒ぶっちゃけインヴェルズで三体もオピオンだす暇はないのは分かってるけれど形式上喜ぶ人。どちらかといえば、「レアリティコレクション」に「ヘルウェイ・パトロール」を入れてくれた方が嬉しい。

仮面神父「おお、神よ!!何故我らを見捨てるのですか!!こんな事は奇跡的に間違っている!!」
サフィラ「どう考えてもネグロスのせいに決まっておるじゃのう。まあこれで、わらわも仕事をせずに済むという事。良きかな良きかな。」
⇒「儀式の準備」「マンジュ&センジュ・ゴッド」を規制されて荒れ狂う人。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。