第十六話 超越のデュエル
ミュージアムに行った二日後、午前11時丁度。
私達は、相変わらず旅館の一室にいた。
充電中でスリープしているワイドさんの横に、私とそばかす娘は対面する。
本来なら既に街へ帰る予定だったのだけれど、件の事件を恐れお師匠達はもう暫くこの「キンコウ村」に滞在する事を決めた。
幸い、暴徒たちが暴れているのは都市部周辺だけで、この村には感染者はいないみたい。
とは言え、むやみやたらに外へ出るのも危険だから、旅館の中でズッとダラダラと過ごす生活を続けていた。
つまるところ、暇。そして、いつだって「暇」を潰せるのは「デュエル」だけ。
お嬢「「カメンレオン」召喚で、「タービュランス」を特殊召喚。そしてそのままS召喚!!レベル8のシンクロモンスター!「クリムゾン・ブレーダー」!!」
そばかす娘「炎属性で戦士とかカッケ!!欲しい!」
お嬢「最近安くなったからおすすめよ。バトル、攻撃力2800で「BKグラスジョー」を攻撃!効果で自壊しなさい!そしてダイレクトアタックで切り刻んであげるわ!」
そばかす娘「へへ、掛かったな!!罠発動、「バーバリアン・ハウリング」!!クリムゾンブレーダーの攻撃力分の2800のダメージを受けろ!!」
お嬢「!!嘘!!負けた!」
お嬢のライフ 1200-2800=-1600
Win そばかす娘 Lose お嬢
そばかす娘「よっしゃああ!!はじめて!アンタに勝った!!」
お嬢「そんなカードを入れていたなんて。予想外だったわ。悔しいけれど、私の負けね。」
そばかす娘「へへ!!これがあたしの全力。一昨日だって変人アイドルに勝ったし、絶好調だぜ。もうお嬢になんか負けない。ふふーん。」
お嬢「へえ。それじゃあ。リベンジマッチを申し込もうかしら。」
そばかす娘「いいぜ。今のノリならあたし、探偵さんだってフルボッコに出来るし。」
お嬢「・・・クククククク。」
・・・
お嬢「アルトスの効果で貴女の手札ランダムに1枚ハンデスね。」
お嬢「そしてアルトスをコストに「葵」発動。手札を赤裸々大公開しなさい。・・・「BKスイッチヒッター」を墓地へ捨てて頂戴。」
お嬢「そして今アルトスが墓地に送られたことで・・・ノンノン、「クリスティア」ではないわ。「墓地天使四体」じゃなくて、「墓地水属性五体」になったわ。現れなさい、「氷霊神ムーラングレイス」を特殊召喚よ。特殊召喚成功時、手札をランダムに2枚ハンデスよ。これで貴女の手札は「0」。クククククク!!」
お嬢「墓地の「瀑征竜-タイダル」を蘇生させて、バトルよ」
・・・
そばかす娘「負けたぁぁぁぁぁ!!!何この執拗なハンデス!!泣きたい!!酷い!下衆!!」
お嬢「ククク。イイ反応ね。お師匠への宿題の回答、その4。「ハンデス特化雲魔物」。プロトタイプだけれどそれなりに上手く回ったわね。」
そばかす娘「もうアンタとデュエルしたくねェ・・・」
お嬢「さっきまであんなに勝ち誇っていたのは誰よ。・・・けれど、このデッキはダメね。勿体ないけれど、崩そう。」
そばかす娘「え?何で?十分ウザ強いじゃん?」
お嬢「そうね。けど、単に運が良かっただけだわ。・・・本来、ハンデス特化は相手に動かれる前に仕留めなければいけないのに、パーツが揃う速度が足りないわ。」
そばかす娘「安定性とかって事か。」
お嬢「そうゆう事。・・・ふう。宿題の回答は沢山揃えたのに、実際に使うとなると難しいわ。」
そばかす娘「アンタのデッキ、出来る事が多すぎて逆に絞り切れないんだろ。その点、あたしの「BK」は簡単だぜ。細かい部分は違っても、大筋は「殴りきれ」、だからさ。」
お嬢「貴女の場合それが合ってるわ。別に皮肉じゃなくて、本当に性格と一致しているというか。」
そばかす娘「いや、その皮肉の方でも合っているよ。あたしバカだからシンプルな方が気楽でいいさ。」
お嬢「シンプルな方が強いモノよ。奇を衒うのは弱者の戦略。弱いから策を練る必要がある。どんなに観客を驚かせて興奮させても、試合に負けちゃ意味ないし。」
そばかす娘「じゃあ、雲魔物使うの辞めろよ・・・ってツッコんだ方がイイか?」
お嬢「あら、気が利くわね。そう言われたならば私はいつだって、こう答える。「NO」。強いだけのデュエルに誰が見て憧れる?「力」無いデッキに意味がないのと同じ様に、「魅力」無きデッキも無価値だわ。」
そばかす娘「そのフレーズ、有名になった後インタビューで使うつもりだろ。」
お嬢「キャ、ハズカシー、バレチャッター。」
そばかす娘「棒読み棒読み。アンタ、相当なバカだよ。というか、恥知らず?」
お嬢「じゃなきゃ、デュエルで世界に立つなんて言わないわ。でも、・・・どうしようかしら。「融合」ギミックと、「ハンデス」特化は無しにするべきか・・・「ターンホイザーゲート」と「未来皇」は邪魔にならないし、問題ない筈なのだけれど・・・。はあ。」
そばかす娘「珍しく弱気だな。」
お嬢「そうね・・・。」
そばかす娘「TVで暴徒たちを見たからから?」
お嬢「貴女の割に鋭いじゃない。・・・絶対にあんな連中に負けれない。絶対にこの事件を止めなきゃ。そう思ったら、デッキをいじる手が止まらないのよ。」
そばかす娘「あたしも。・・・何処のどいつだか知らないけれど、こんな事したやつ、絶対にぶん殴らなきゃ。」
探偵「・・・その事なんだがな。」
お嬢「お師匠!!いつの間に帰っていたの?」
探偵「丁度お嬢さんのデュエルが終わった時だな。」
お嬢「気が付かなかったわ。それで、「デュエルドラッグ」に関して新しい情報は・・・?」
探偵「ああ。知り合いのセキュリティから状況を聞いてきた。シティの暴徒の一部分はセキュリティが抑えたけれど、大部分は相変わらず暴れまわっている様だ。しかも、タチが悪いのが、暴徒に敗れた数名に「デュエルドラッグ」が感染したらしい。」
そばかす娘「それ、ゾンビじゃねえかよ!」
お嬢「感染経路の一つはやはり「ジャンキーとのデュエルに敗北」なのね。」
探偵「ああ。ただし、全ての敗北者がそうなっては無いから、負けたからと言って必ず感染する様な絶対の方法では無い。まあ、それでも脅威だが。あと、もう一つ厄介な事が起きた。」
お嬢「なによ?」
探偵「丁度一日前に、都市部以外の比較的田舎地域でも暴徒が現れたそうだ。街の大きさに関わらず、だ。」
お嬢「ッ!!」
そばかす娘「まじかよ!」
探偵「段々と都市部から田舎の方へ感染している。なぜかは分からんが、どの感染者が出た地域もほぼキッチリ「12時」だ。そして細かい差はあれど、殆どの地区の人口約1割が「感染者」になるらしい。」
お嬢「どんな方法なのよ!全国的に10%も感染者を出す何て、何かしらの大々的なトリックがあるはずだわ!他に何か情報はないのかしら?」
探偵「何か君の方が「探偵」ぽくなってないか?しかも安楽椅子系な。・・・そうだな、「感染者は世帯ごとが多い」とか。それから、「サラリーマンは比較的少ない…子供、女性、若者」「若干だけれど、老人よりも若い人の方が感染率は高い」、こんな傾向があるらしいな。」
そばかす娘「全然分からない!!意味が分からないよ!!」
お嬢「・・・」
探偵「何か、思う事があるのか?」
お嬢「・・・いえ。でも、もしも。「ドラッグ」が都会から田舎へ田舎へと向かっているなら。この地域が今日の「12時」に感染者が出る可能性があるじゃないかしら?」
探偵「そうだな。お嬢さんもそばかす娘もいつでも逃げられる様に荷物まとめておけ。それから、例の「PCメガネ」も常時かけて。」
そばかす娘「わかった!」
お嬢「アイドルさんにもこの事伝えないと。今はどこに?」
探偵「裏でタバコ吸っているよ。」
そばかす娘「あいつ吸うのかよ!」
お嬢「ちょっと、アイドルさんをアイツ呼ばわりしないで頂戴。それにアイドルが喫煙して何が悪いのよ?」
そばかす娘「ああもう、あたしが悪いござんした!呼んでくるよ!!」たっ
お嬢「・・・何だかんだ、アイドルさんの事、心配しちゃって。本当に素直じゃないのだから。ククク。」
探偵「そういや、アイツ仕事大丈夫なのか・・・?旅行を長引かせちゃったけれど。」
お嬢「大丈夫みたいよ。昨日「暫く仕事入れないから大丈V テラこの社会からの卒業www」とおっしゃっていたから。」
探偵「真面目な顔でアイツの声真似するのは辞めてくれ。・・・アイツもやっぱり仕事辞めたいのか。」
お嬢「さあ。私としてはまだ引退しないでほしいのだけれど。こればっかりはファンが口出しできる問題じゃあないし。誰かが彼女に口出しできるとしたら、それは貴方だけよ。お師匠。」
探偵「またそっちの方面にいくのか。辞め辞め。さっさと荷物かたづけるぞ。」
お嬢「ククク。冷やかすのは楽しいわ。」
探偵「こっちはちっとも楽しくはない・・・ったく。アイツ、本当荷物散らかしやがって。三十路前がやっていい事じゃないぞ・・・スケジュール表までほったらかしか・・・。」
アイドルさんのほったらかしにした手帳を開いたお師匠は、急に黙り始める。
そして、何かを考えた後。不意に立ち上がった。
探偵「・・・悪い。ちょっと例のミュージアムに行ってくる。」
お嬢「え?いいけれど、大丈夫?急にどうしたの?」
探偵「確かめなきゃいけない事が出来た。すぐに戻る。」
だっ
お嬢「ちょっと!・・・なんなのよ。全く。」
お嬢「・・・アイドルさんの手帳、なのよね・・・フフフ、今後のライブ予定、誰よりも先にゲットしちゃおうかしら・・・?」
お嬢「なんだ。白紙じゃない。・・・え。」
・・・宿の外。
アイドル「・・・ふう。」
そばかす娘「いたか。」
アイドル「・・・お。チミかww」
そばかす娘「アンタさあ。本当にアイドルなのか?タバコ吸っているとイメージ悪くなるんじゃ。」
アイドル「ところがどっこい。そんな位で辞めるような軟弱なファンはいないだなぁwむしろ差し入れに地酒とタバコがよく入ってくるww」
そばかす娘「はあ~。あたしにはよくわからない世界だよ。」
アイドル「だろうねwwお勧めはしないぜ。ロクな事が起きねえベww」
そばかす娘「ま、まくら営業とか?」
アイドル「それはwないwけどwwそんな発想するなんてヤァねえwwwいよ、スケベェちゃん!」
そばかす娘「ちげえよ!やめろよ!・・・緒事情あって、それに近い事されかけた事あったから、心配しただけだよ。」
アイドル「お。おう。なんというか、チミも中々、「何時見ても波乱銀河万丈」な人生送ってるんじゃあないか。そして、そのピンチを、救ったのが我が親友、探偵チン、と。」
そばかす娘「そうだよ。だから、あたしは。探偵さんに恩義を返さなきゃいけない。どんな形でもな。」
アイドル「チミは。本当にいい娘だ。・・・彼の事を、よろしく頼むゼ。」
そばかす娘「はああ!?なに言っているんだよ?アンタ?」
アイドル「何でもないアルよ~wwそれで何か用事かい?」
そばかす娘「ああそうだ。例のデュエルジャンキーが増え続けているみたいだから、12時までにはここを出るって探偵さんが。アンタの荷物散らかっているから、片づけてほしいって。」
アイドル「了解了解www・・・う・・・すまねェ、トイレ行ってからでもいいかなァ?また吐きそう・・・www」
そばかす娘「まだ酔ってるのかよ!?本当ダメな大人だな。分かった。部屋にいるからな。」たったたたっ
アイドル「サンクス・・・うう。本当に、吐き気がしそうだ・・・キモチワルイ・・・。」
・・・56分後。部屋。
お嬢「二人とも戻ってこないじゃない!!!」
そばかす娘「本当にダメな大人共だな!どうすんだよ。適当にもうアイドルの荷物だけは片づけちゃったけれど。」
お嬢「・・・いつでも出れるようにしなくちゃね。後4分で12時よ。もし異変があればTVで速報が出ると思うからそれをチェックして・・・・・・・・」
そばかす娘「どうした?」
お嬢「・・・TV。そう、TVだわ。それなら、ある程度辻褄があう。けれど、それじゃあ誰が・・・まさか局全体が・・・?そんなワケない・・・?」
そばかす娘「おいおいおい。大丈夫かよおー。・・・ワイドさんも起動しないとな。ボタン押してっと。」ぽち
ヴぃーん
ワイド「―――――おはようございます。機皇帝ワイゼル∞およびその中核統率AI、ワイドです。」
そばかす娘「うん知ってる。そろそろ帰るみたいだぜ。」
ワイド「了解しました。御主人とアイドル様は?」
そばかす娘「探偵さんはミュージアムに何か調べ物があるみたいで、アイドルは便所に引きこもってる。」
ワイド「了解しました。――――御嬢様?」
お嬢「・・・。ワイドさん、貴女、インターネットとかの情報も検索できるのよね?それと計算も。」
ワイド「肯定です。」
お嬢「お願い。三日前の大規模に出てきたデュエルドラック患者。%で示すとどの位になる?そして、「9.7%」との誤差範囲、教えて頂戴。」
そばかす娘「おいおい、何聞いているんだよ。1割ってTVで言ってただろう?9.7も1も大差ないだろ。それにどこから出てきたんだよ、その「9.7%」って。」
お嬢「貴女は黙っていて!お願いよ、ワイドさん。」
ワイド「了解しました。ただし、少々時間がかかりますのでご了承を。」
お嬢「ええ。私も。」pi
そばかす娘「そっちはタブレットで何を調べているんだよ?」
お嬢「昨日広まったエリアっていうのが具体的にはどこかっていうのと、放送日を照らし合わせているのよ。」
そばかす娘「はァ?あたしには何が何だかサッパリわかんない!どゆこと?」
お嬢「確証がはっきりしたら教えるわ・・・。それより、今、ジャストもう12時よ。・・・いい加減アイドルさんを連れ戻さなきゃ・・・いけないのだけれど。」・・・
そばかす娘「んじゃあたしがまた探してくるよ。どーせロビーの便所とかに。」
とん。とん。とん。
そばかす娘「噂をすればカゲトカゲ?」
お嬢「「影を刺す」。」
そばかす娘「冗談だよ流石に。」
「104室の探偵様いらっしゃいますかァ?ご注文をお届けしました。」
そばかす娘「なんだ、仲居さんか。なんか頼んだか?」
お嬢「いいえ。特に何も。」
そばかす娘「なんだ間違えか?出るぜェ。」
お嬢「・・・!!待って。」
そばかす娘「へ?」
ぎいいいいい。
仲居「お客様。ご注文は、」
「決闘ですか?」
そばかす娘「!?」
お嬢「!!既にジャンキーが!!逃げるわよ!!」
そばかす娘「!!!え、でも、え、アイドル」
お嬢「っち!混乱してるなら!はあ!!」しゅっ!
かっちゃん!!
勢いよく投げたアンカーがそばかす娘の右手を捉える!
そばかす娘「え!?デュエルアンカー!?」
お嬢「ワイドさん‼全速力で窓から逃げる!!ガラスを!!」
ワイド「肯定。」
お嬢「全て壊すんだ!!!」
ワイド「肯定!」
全速力でワイドさんが回転し、庭へ続く窓へ突撃!!!
そして私は、アンカーを力任せに引っ張って、まだ混乱しているそばかす娘を無理やり引き寄せる‼
そのまま窓からジャンプ!!!逃走経路は庭!!
お嬢「いたあああああいいいいい!!足じーんっと来たーァァァァ!!!けどダッシュ!!」
そばかす娘「ちょ、待て!待て!自分で走る走る!!恥ずかしいから抱えるのやめて!!」
お嬢「はいはい。ひとまず。ミュージアムにいるお師匠と合流するわよ!」
そばかす娘「けど!アイドルの奴は!」
お嬢「・・・大丈夫よ。私の予想が正しければ、きっと・・・」
PIPIP!!
そばかす娘「電話!」
お嬢「はい!・・・はい。大丈夫でしたか!・・・ええ。ミュージアムで。そこで、会いましょう。はい。切ります。」
PI!
そばかす娘「誰?」
お嬢「アイドルさん。どうにか脱出して、別ルートでミュージアムに向かうって。」
そばかす娘「ほっ。良かったな。」
お嬢「・・・ええ。」
ワイド「御嬢様。先ほど言っていた調査。終了しました。」
お嬢「どう?」
ワイド「―――――。大まかな数字で、「9.62%」であります。そして全ての地域において御嬢様の仰った「9.7%」から±0.3の範囲での発症割合が観測されます。」
お嬢「・・・ありがとう。・・・この事。お師匠も気づいているかしら・・・?」
「こ~んな辺鄙な村に留めやがって!!くそオカンにオヤジ!!俺は!シティに行くんだよおお。邪魔する奴はデュエルをしろおおお!」
「都会からくる連中めェェえええ!オラらをバカにしやがってェェえ!!」
そばかす娘「!!遠くでもうジャンキーが暴れてる!」
お嬢「急ぎましょう。こっちにまで巻き込まれる前に・・・。」
・・・・・・・・同時刻 ミュージアム地下。秘密の部屋。
柩の上に置いた黒いカードを手に触れながら、黒コートの探偵は全てを理解していた。
探偵「・・・「彼女」を封印した電子カード。偽物に摩り替えていたか・・・。」
呟きながら自嘲的に笑う。
探偵「バカだな、俺。なんでもっと早く気付かなかったんだろう・・・。」
探偵「・・・だが。まだ、間に合う。いや。間に合わせなければいけないんだ。それが、残された俺の責任。未来へ向かうためのケジメ。・・・俺が止めるんだ・・・。」
柩の中の少女に、目を落とす。相も変らぬ美しさだった。誰がもう何と言ったとしても。例えこれが呪いだとしても。この場所は自分の戻るべき場所なんだ。そんな歪んだ安心に身を任せようとしたけれど・・・そんな安息は上の階から響く大声が打ち破る。
「げへへへ!!もーう育児何てやってられるかよおおおおおおデュエルしろってのおおお!!」
「なんだ君は!?暴れるな!っく!セキュリティを呼ば、ぐわああああああああ!!」
探偵「・・・ウォーミングアップを始めよう。心を温めなければ。これから闘う奴には届かない。」
・・・30分後。ミュージアム前。
お嬢「はあはあ。」
そばかす娘「あの!坂!キツイ!走る!べき!場所!じゃない!」はあはあ
お嬢「切れキレにも程あるわ・・・」はあはあ。
ワイド「―――――生体反応確認。そして濃厚なデュエルエナジーを観測。」
お嬢「!」
ミュージアムの中から怒号が響いた。
「げへへへへへへへへへ!!あたしの場の「シンクロ殺し」の「天刑王ブラック・ハイランダー」がいる限り!オーナー得意のS召喚は二度と出来まい!そしてあたしの勝ちだァァ!」
「・・・君は。何が不満なんだ?」
「勿論そりゃ子供の世話よおォ!働きながら子供の世話!義母からの嫌味!ザッケローニ!こんな疲れだらけの生活嫌だあああ!!だからデュエルでスカッとするぜえええええ!」
「・・・君を倒した後、このミュージアムスタッフにも育児休暇制度を付けるようにしよう。だから。少しだけ待っていろよ。」
「はあ!?オーナー!アンタはもうS召喚出来ない!そんな状況じゃスクラップは機能しないだろうが!げへへへへ。」
「・・・実験的に入れてみたカードだが。運がいいな。魔法カード「ミラクルシンクロフュージョン」。」
「んん!?」
「墓地の、スクラップ・ドラゴンとスクラップ・デスデーモンの二体の地属性Sモンスターを融合させ!エクストラデッキから豪誕せよ!「ナチュル・ガイアストライオ」!!!」
ナチュル・ガイアストライオ 融合・効果モンスター
星10/地属性/岩石族/攻3200/守2100 地属性Sモンスター×2
(1):フィールドのカード1枚のみを対象とす魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚墓地へ送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。
「バトルだ!「ガイオストライオ」で「天刑王ブラック・ハイランダー」を攻撃!超過ダメージで御仕舞だ。」
「げへへえええええええええええ!!!」
下衆な声をあげながら和服を着た受付スタッフのお姉さんが、ガラスを破ってミュージアムから吹っ飛んだ!
受付スタッフ「げ。げへへへ。」
お嬢「この様子。ドラッグジャンキーね・・・そしてその相手は。」
「当然。俺だ。」
淡々と足音を立てながら、ミュージアムからお師匠が出てくる。
探偵「・・・悪いな。状況がここまで悪化するとは思ってなく、戻るのが遅れた。」
お嬢「というか、戻ってないわよね。」
そばかす娘「心配したんだよ。全くさァ。」
ワイド「全て御主人が悪いです。」
探偵「・・・なにこのアウェー感は・・・。アイドルは?」
そばかす娘「こっちに向かっ」
「今着いたゼ。」
一同「「「!?」」」
ぶんんん!とエンジンが回り、轟音響き!
モクモクと土煙を上げ、一世代前の真っ赤なD‐ホイールがドリフト、停車する!
アイドル「ふうう。着いた着いたwww」
お嬢「・・・」
そばかす娘「アンタも!遅いったらアリャしない!無事でよかったな。」
アイドル「ぬへへwww漏れッチもなめるんじゃあ・・・?どした探偵チン?」
探偵「・・・この辺りには、デュエルジャンキーはいなさそうか?」
アイドル「そだね。爆走した間見た感じだけ、人いないな。」
探偵「そっか。なら。」
お嬢「・・・」
次の瞬間。宙を走る二つの鎖がアイドルの右手と左足を捉える・・・!
アイドル「!!?」
そばかす娘「はあ!?」
右手を封じる赤いデュエルアンカーの主の探偵は、意外そうにもう一つアンカーの主を顔を伺う。
左足を捉えた青いアンカー・・・それを投げた少女、お嬢は悲しそうに憧れの人、アイドルを見つめる。
アイドル「!?!?!?」
そばかす娘「え?え?」
探偵「・・・いつだ?」
お嬢「さっき。お師匠は?」
探偵「奇遇だな。確証はさっきだ。まあ、何となく、関係はしていると思っていたが。」
そばかす娘「まさか、2人ともデュエルドラッグに感染しちゃっているの!?」
アイドル「!!ッ!漏れたちでどうにか打破できるか!?」
「「もう、姑息な芝居はいらない。」」
アイドル「・・・!?」
「「この一連のデュエルドラッグ事件の実行者、それは。」」
「貴女ですよね?」「お前だな?」
「「アイドル」」
・・・
・・・
空気を切り裂く言葉がある。脳を一瞬麻痺させてシャットダウンさせてしまう様な、呪詛。
そばかす娘「な、なにを。」
アイドル「・・・」
探偵「・・・説明は必要だ、な。俺が言いたい事は単純明快。お前、旅行終ってからのスケジュール、何で真っ白なんだ?まるで、もう仕事をする気がないとでも?」
アイドル「・・・えええwwwなに勝手にアチシの手帳見てるのよwwwそだよ、漏れッチ、実はもう芸能界から引退するんだぜェwwwとかwww」
お嬢「そう。とてもファンとして悲しいわ。けれど、アイドルさん。もう、ネタは上がっているわ。公私混同じゃないのかしら?自分出演の生放送番組に、電子ドラッグを流すなんて。」
アイドル「www何を言ってwww」
お嬢「6日前の、「このデュエリストを見よ」。最高に面白かったです。ゲストが各々の昔のVTRやホームビデオを持ってきて流す、そんな企画でしたよね?貴女は。そのコーナーでその自分の持ってきたビデオにドラッグを流した。」
お嬢「あの番組の視聴率、とても高かったって言いましたよね?「9.7%」ワイドさんが教えてくれたわ。感染者全員を%で見ると、1割ないし9.6%前後。
こんな大がかりな感染経路そうそう簡単には作れるはずないけれど、ゴールデンタイムの視聴者にそのまま移せるのなら話が早い。
・・・最も、私達みたいに「PC用メガネ」の様な一定の電波を遮断する器具を身に着けていたり、そのシーンを見ていない人もいたのだろうけれど。」
お嬢「最初の放送日・・・私たちが旅準備をした日と、暴徒が出始めた一昨日から考えると、ドラッグを目にした三日後に発症。
そして、段々と都市部から地方へ広がっていったのは。単純に地方での放送日が、都市部に比べて遅かったから。この地域での番組の放送は、私達が到着した日。つまり三日前。だから今この地域で出てきている。」
―――――――――
お嬢「そんなことないです//あ!そうです!一昨日の「この決闘者を見よ!」見ました!!」
・・・
探偵「お前マジでそのノリやめろよ・・・本当イタイわ。昨日の番組も酷かったぞ・・・」
アイドル「こぽいwww見てくれてるとか超うれしすwwwツンデレ乙www」
探偵「うるせえよ。というか「デビューしたての頃に撮った自己紹介VTR暴露で恥ずかしい!」な企画なのに、AV風のインタビューみたいなの流しているんだよ。」
・・・
お嬢「田舎だから放送が遅いのよ。局も違うし。ほら、アイドルさんが出てた一昨日の生放送の「この決闘者を見よ」がやってるわ。一緒に見たでしょう?」
そばかす娘「あ~。」
お嬢「勿論全部見ましたアイドルさん!視聴率9.7%おめでとうございます!そして今夜もう一回見ます!」
・・・
アイドル「・・・追いつめられた犯人の様な事を言いたくないのだけれどwwwそれっても漏れ以外だってできるよね?www本当に漏れのVTRに入ってるって言えるのカイwww」
お嬢「確かにそうだわ。そんな事、まだ私たちは確証できない。けれど、その辺りはお師匠。貴方が知っているのじゃあないの?」
探偵「・・・。推理もくそッたれもない。ミュージアムに置いていた「彼女」の意識を封じ込めた「電子カード」。偽物にすり替えられていた。「彼女」と「カード」が眠る場所。その秘密を知っているのは、俺とお前だけ。そうだな?」
アイドル「wwwだねwww」
お嬢「・・・そういえば、この前入った時も。やたら手慣れたわね。パスワード入れるのが。」
そばかす娘「待て!なんでそこで、「グリムロの女」が出てくるんだよ!何も関係ないじゃないか!」
探偵「大アリだった。前に言ったな。「デュエルドラッグのシステムは分かった。けれど、そのシステムを動かすだけの強力なエネルギー、原動力が分からない」と・・・。」
探偵「そのエネルギーこそが、「彼女」だった。封印されたとはいえ、一度精霊になりかけた強大な力は封印されたまま。そして、もしも。彼女があの時望んだ「願い」を精霊のエネルギーが歪んだ形で作ろうとしているなら。彼女が最後に願った事は・・・!!」
「「貴方とのデュエルが。永遠に続くのならばいいのになぁ。」・・・封印されようともその願望が「決闘本能を揺さぶる膨大なエネルギー」としてカードから溢れ出ていた。・・・全く。はた迷惑な願望だ。」
探偵「ッ。」
お嬢「・・・!!」
そばかす娘「え?」
冷徹だった。普段の余計なモノを全て削ぎ落とされた、抑揚のない鋭い言葉。
そして軽薄な笑みという無駄な化粧を流し切った麗人は、「敵」として顔を向けた。
「秘密がバレてしまった」という恐れもなければ、「三人に囲まれようが自分は逃げ切れる」という傲慢さもない。ただ自然な真顔で一同を見渡す。
アイドル「そうだよ。ボクだ。ボクだよ。君達の言う通りだ。」
アイドル「ようやく、辿り着いたね。ボクに。」
お嬢「なんで。なんで貴女がそんなバカなことを・・・。」
そばかす娘「てめえ!どういう事だ!!ふざけんなよ!」
少女2人には目も当てず、ただ、目前の親友へ顔を向ける。
アイドル「黙って。これは、君達の関わるべき事じゃないんだ。・・・騒ぐのは後にしてくれ。」
探偵「本当に。お前が。」
アイドル「そうだと言っているじゃないか。はあ。これで気づいてくれなかったらどうしようかと思っていたさ。」
探偵「その口ぶりだと。そもそもこの旅行そのものが。」
アイドル「そう。探偵。君に気づいてもらうためさ。君の鈍感さ・・・いや、意気地なしか。昔から知っているさ。例え疑惑を抱いても、それが身内なら、真に疑う何て事は君には出来ない。ここまで露骨にしなければ、問い詰める勇気は出ないだろうってね。ボク、大正解じゃないか。」
探偵「いいや。疑ってはいたさ。この時期に急に誘いをかけてくるんだ。それも、「デュエルドラッグ」の情報まで抱えて。疑うに決まっている。
・・・本当は、ミュージアムに行った日の夜、問いただそうとしていた。最も・・・お前が何かトラブルに「巻き込まれている」んじゃないか、ってレベルだったがな。」
アイドル「そうか。流石に「疑う」事は出来るか。君もボクも、もう大人なんだな。」
探偵「何がしたい?何故ワザワザ自分から疑わせた?「悪事に手を染めようとする自分の犯行を誰かに止めてほしかった」とか、しょうもないサスペンス映画のような事は言わないよな?」
アイドル「そんな事いうワケ・・・いや。言っていたかもね。ボクはほら。冗談が好きだから。でもそうじゃない。今はとってもクレーバーだよ。」
探偵「ふざけるな!」
お嬢「!」びく
探偵が、これまでで一番大きな声をあげる。あの歪みきった過去の日や、
部長に心を乱された時でさえ見せなかった純粋な怒りを露わにする。
そのド直球な怒りの前でもアイドルの顔は悲しそうに彼を見つめる。
探偵「なんでだ!なんでこんな下らない事をした!何を狙っている!」
アイドル「そうだね。本当に下らない事をしているね。ボクだって、そう思うよ。けど、これしかなかったんだ。君もボクも、両方が納得できるためには、さ。」
探偵「・・・俺のせいか?「あの時」の事にお前を巻き込んだから、なのか?」
アイドル「そうやって、すぐに責任の一端を自分に見出そうとするのは君の悪い癖だけど。まあ、正解だ。確かに遠因は君だ。けれど、君が気にする事じゃない。ボクの極めて個人的な「エゴ」のためだから。君が悩む必要はない。」
探偵「ちゃんと答えろ!!」
アイドル「そうはいかないな。この問答を終わらせたければ、手段は一つ。そうだろう?「親友」?」
アイドルが青いアンカーをタッチする。
「「デュエルモード、スタンバイ」」
いつも聞きなれたデュエルの開始を告げる機械音声が、無情に探偵とアイドルのディスクから響いた。
同時に、アイドルに繋がる赤いデュエルアンカーが自然に剥がれていった。
お嬢「!!デュエルアンカーが外れた!?何で!?」
そばかす娘「・・・複数以上アンカー繋がっていても、どちらかのアンカーの主とデュエルが始まった場合は外れるんだ。前に試した事ある。」
お嬢「それじゃあ、つまり。」
探偵「・・・俺と。デュエルをする気か・・・?」
アイドル「ああ。そうだ。君が勝ったなら、どうとでもするがいいさ。セキュリティを呼んでボクを豚小屋に入れればいい。動機だって話そう。それにドラッグを解除する方法だって教えてやる。」
探偵「ッ。お前が何をしちまったのかは分からないけど、止めてみせる。このデュエルでな。ワイド!」
ワイド「肯定。全力でいきましょう。」
アイドル「ここからが峠。祈るよ神様。」
「「デュエル!」」
アイドル VS 探偵
お嬢「・・・気を付けてお師匠。あの人は、何かお師匠に勝つ確信を持っている。だから。」
探偵「分かっている。」
アイドル「先行はボクだ。手札から「ヴェルズ・カストル」を召喚する。」
光ある世界から堕落した、気高き戦士が現れる!
ヴェルズ・カストル 効果モンスター 星4/闇属性/戦士族/攻1750/守 550
このカードが召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を召喚できる。
アイドル「「ヴェルズ・カストル」の効果によってボクはこのターン、もう一度「ヴェルズ」を召喚することが出来る。」
探偵「・・・ッ!」
アイドル「キミはもう十分に聞きなれているだろうけど一応言うよ。「「インヴェルズ」も「ヴェルズ」に含まれる」。出でよ。「インヴェルズを呼ぶ者」を召喚。」
インヴェルズを呼ぶ者 効果モンスター 星4/闇属性/悪魔族/攻1700/守 0
このカードをリリースして「インヴェルズ」と名のついたモンスターのアドバンス召喚に成功した時、デッキからレベル4以下の「インヴェルズ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。
そばかす娘「なにこの動き!?アイツのデッキは「アドバンス召喚」を主軸にしたデッキだろう!?レベル4のモンスターが二体並べるなんてエクシーズの戦略じゃないか?」
お嬢「そうよ・・・。あの人の狙いはまさにそれ。不味いわ。「ヴェルズ」ならば、狙うべき当然のXモンスターがいる・・・!」
アイドル「二体のレベル4「ヴェルズ」モンスターでオーバーレイネットワークを構築。X召喚・・・!」
「漆黒の絶対零度。三千世界を草も生やさぬ永久氷土。」
「エクシーズ召喚…「ウェルズ・オピオン」…ここに」
ヴェルズ・オピオン エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2550/守1650「ヴェルズ」と名のついたレベル4モンスター×2
エクシーズ素材を持っているこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから「侵略の」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える。
邪悪なる尊厳に満ちた氷龍、「ヴェルズ・オピオン」の絶対零度がフィールドを支配する・・・!
探偵「・・・」
お嬢「っく!アイツは!お師匠のデッキにとって最悪の存在!」
そばかす娘「?そんなになのか?」
お嬢「ええ・・・あのモンスターがいる限り、お互いはレベル5以上のモンスターの特殊召喚が出来なくなってしまうのよ。」
そばかす娘「それじゃあ、スクラップ・ドラゴンは!」
お嬢「当然出せないわ。ハッキリ言ってS召喚の戦略は壊滅よ・・・そうね。あのカードがアイドルさんにとっての「揺るぎない勝因」・・・!」
アイドル「ヴェルズ・オピオンの効果発動。ユニットの「インヴェルズを呼ぶもの」を墓地に送り、デッキから「侵略の」と名の付いた魔法・罠を手札に加える。ボクは「侵略の波紋」を手札に入れる。そしてカードを二枚伏せてターンエンドだ。」
お嬢「!「波紋」を入れるその意味は・・・。」
アイドルのフィールド ヴェルズ・オピオン 伏せカード3枚 手札1枚
オピオンの効果によりレベル5以上のモンスターが特殊召喚不可。
探偵「ドロー。・・・少し、安心したよ。」
アイドル「何が言いたいの?」
探偵「いつかの様に、あの時の「グリムロ」の様に、お前が「別の生物になりつつある」のなら本気で潰す覚悟を決めなければいけなかったが。お前は俺の知る友人、「アイドル」の様だ。・・・その、しょうもない手筋を見れて良かった。」
アイドル「?」
探偵「装備魔法発動。「ビックバンシュート」。こいつをオピオンに装着させる。」
お嬢「!!ダメ!「汎発感染」で無効にされちゃう!」
探偵「いいや。問題はない。そうだよな?」
アイドル「・・・ああ。そうだ。」
探偵「お前の悪い癖だ。「ヴェルズ・オピオン」の効果のサーチの際に、本来の定跡手で「ヴェルズモンスター」を魔法、罠から守ることが出来る「侵略の汎発感染」を選ばずに、インヴェルズサポート用の他のカードを選択する悪手。「「侵略の汎発感染」をサーチしない⇒サーチする前から既に「侵略の汎発感染」を手札に持っているのでは?」とハッタリをかまし相手を困惑させるのが好きなんだよな。お前は。」
探偵「だけど。そんな小細工。俺が知らないワケないだろ。怯むと、思ったかぁ!?速攻魔法発動。「サイクロン」!自分の「ビックバンシュート」を破壊する!そして「ビックバンシュート」が破壊されたことで、装備していた「ヴェルズ・オピオン」を除外だ。」
アイドル「ッく。」
ヴェルズ・オピオン⇒除外。
お嬢「良かった。このデュエル。ここでオピオンを対処出来なければ、そのまま負けていた!けどオピオンさえいなければ、本調子をブチかませれる。」
探偵「フィールド魔法「スクラップ・ファクトリー」を発動。加えて、スクラップ・ビーストを召喚。スクラップモンスターがいる事で、手札から「スクラップ・オルトロス」を特殊召喚する。」
そばかす娘「よっしゃ!完全にペース掴んだ!」
探偵「「スクラップ・オルトロス」の効果発動。特殊召喚後、場のスクラップモンスターを一枚破壊する。「スクラップ・ビースト」を選択し、破壊。そして「スクラップ」が効果破壊された事で、フィールド魔法「スクラップ・ファクトリー」が稼働。デッキからスクラップ・ゴーレムをデッキから運搬だ。」
スクラップ・ゴーレム⇒特殊召喚
スクラップ・ビースト⇒破壊
探偵「スクラップ・ゴーレムの効果発動。墓地よりスクラップ・ビーストを蘇生させる。覚悟、できているか!」
アイドル「そんなモノは既に。さっさと見せてよ。キミの十八番を、全力を。そうじゃなきゃ、報われないのさ、ボクは!」
探偵「レベル5のゴーレムに、レベル4チューナー「スクラップ・オルトロス」をチューニング!!S召喚!!出でよレベル9!「スクラップ・ツイン・ドラゴン」!!!」
スクラップ・ツイン・ドラゴン⇒S召喚
探偵「ツイン・ドラゴンの効果発動!フィールドのスクラップ・ビーストを破壊し、お前の場のセットカード二枚を手札へ戻す!喰らえ!」
アイドルセットカード 2枚⇒手札へ
スクラップ・ビースト⇒破壊
探偵「追加効果。ビーストが「スクラップ」の効果で破壊されたことにより、墓地の「ビースト」以外のスクラップモンスターを手札へ加える!戻ってこい「スクラップ・オルトロス」!」
スクラップ・オルトロス⇒手札へ
探偵「これで、お前の場はがら空きだ。バトル!!ツイン・ドラゴンでダイレクトアタック!!」
アイドル「ッ!!ぐああああああああああああああああ!!!!」
スクラップ・ツイン・ドラゴンの攻撃力3200
アイドル残りライフ 800!
お嬢「・・・ライフを一気に削った!これなら、かなり安全地帯に入った・・・!」
そばかす娘「安全地帯・・?」
お嬢「アイドルさんが主に使うリリース一体の「上級インヴェルズ」は3種類。1枚を墓地送りにする「ギラファ」。2枚をバウンズする「モース」。墓地からインヴェルズを蘇生させる効果の「マティス」。けれど、そのうちの「モース」と「マティス」は効果を発するのに1000のライフを要求するのよ。つまり、反撃の手段はかなり限定される!!」
アイドル「はあはあ。」
探偵「これでターンエンドだ。呆気ないぞ。お前。これならいつもの草生やしている方がまだ強かった。」
アイドル「・・・そうゆう君は、いつもと全く変わらないね。親友たるボクがこうして悪へ身を堕としているというのに。相変わらずの、意志の弱いデュエルだ・・・!!」
探偵「何だと?何が言いたい。」
アイドル「今の攻撃。スクラップ・ツイン・ドラゴンの効果の弾を「スクラップ・ビースト」などにせず「スクラップ・ファクトリー」にしていれば、ダイレクトアタックで4000を削り切れたというに。」
探偵「お前には、伏せた「侵略の波紋」が、ツインの効果でバウンズされず、まだあるかもしれない。ソレがある以上このターンでの勝ちは見込めない。それだけだ。」
アイドル「そこで強く攻め込めない。「勝てるかもしれない、勝てなくても「侵略の波紋」を消耗させれる賭け」よりも「次のターン確実に次のスクラップ・ドラゴンを呼ぶためにファクトリーをとっておく確実性」を重視してしまうのが。君のもうどうしようもない悪癖だ。それこそが、僕たちをここまで下らない人生に追い込んでしまったんだ・・・!!ドロー!!」
探偵 フィールド スクラップ・ツイン・ドラゴン スクラップ・ファクトリー ライフ4000 手札2枚
アイドル フィールド セットカード1枚 手札4枚 ライフ800
アイドル「ボクは!カードを2枚セット!これでターンエンドだ!」
探偵「なに!?」
お嬢「え!?」
そばかす娘「何を狙っているんだよ!?てっきり、「魔細胞」でも使うと・・・?分かる?この構え・・・?」
お嬢「いいえ。TVで何回も彼女のデュエルを見てきたファンの私も分からないわ。・・・それどころか、アイドルさんと一蓮托生のお師匠もきっと読めていないわ。」
アイドル「はあ。はあ。さあ。早く引いて。何年も待っていたんだ、このデュエルを。・・キミを喰らってやる。」
お嬢「けど。これだけは言えるわ。あのセットカードの束は、単なる時間稼ぎや誤魔化しじゃなくて、本気で勝ちを狙う、攻める為のもの。」
探偵「・・・そんなブラフ、俺には通用しない。どうせ、ロクでもないカードなのだろうが、押し潰す。俺のターン、ドロー!」
アイドル「この瞬間、2枚のリバースカード、発動!」
探偵「このタイミングで・・・!?」
アイドル「この牙の名は!「帝王の烈旋」!!更に侵略の波紋!ライフを500払い、インヴェルズを呼ぶものを蘇生させる!!」
探偵「ッ!?本当に!!お前は意味の分からない奴だよ!!」
インヴェルズを呼ぶもの⇒蘇生
アイドルライフ⇒残り300
アイドル「はは。楽しくなってきたじゃないか、探偵?どうするだい?」
探偵「どうするも、こうするもない。どんな「最悪」をお前が潜ませていようが、攻略するだけだ。「スクラップ・キマイラ」召喚!!効果で墓地の「スクラップ・ビースト」を吊り上げてやる!!」
スクラップ・キマイラ⇒召喚
スクラップ・ビースト⇒特殊召喚
探偵「このまま、スクラップ・ドラゴンに雪崩込み、お前の姑息な守りを暴いてやる」
お嬢「・・・「帝王」・・・!!!いけない!!!お師匠!!その一手は!!」
アイドル「「姑息な守り?」君はまだ分かってくれないんだね。攻撃されるのは君だという事を。」
探偵「!?」
アイドル「君の人生は、君だけのモノでないように!君のターンは君だけのターンではない!!スクラップ・ビーストの特殊召喚時に!!セットカードを発動!この一撃の名は、永続罠「連撃の帝王」!!」
探偵「!!」
探偵「何をする気だ!!」
アイドル「いいぞその表情!君の想像を崩せるときが来た!謝肉祭を始めよう。「インヴェルズ・ギラファ」!!。」
探偵「バカな!何を考えている!今はいつだと思っているんだ!!」
お嬢「お師匠!!ダメよ!最初に発動したのは!!」
アイドル「嬉しいよ!ボクとの対決がここまで君を動揺させれるなんて!それこそが、ボクと君の友情の証!!だから、ボクは行く!」
アイドル「「連撃の帝王」の効果を発動!!こいつの力で、相手のメインフェイズ中のアドバンス召喚を可能にする!!」
探偵「な!!まさか!」
アイドル「そうだ!生贄は、ボクの「インヴェルズを呼ぶもの」!!!そして!!「スクラップ・ツイン・ドラゴン」!!
探偵「なに!?何をバカな事・・・!!忘れていたッ。「クロスソウル」と同じ効果か!あの魔法は!!」
アイドル「そう!!初めに使った「帝王の烈旋」は!そのターンの生贄素材を相手に肩代わりさせる!!闇に飲まれよ!!ツインドラゴン!!そして!!」
「アドバンス召喚!現れよ、古代の捕食者、「インヴェルズ・ギラファ」!!」
全く予期していなかったタイミングの「侵略」に嘶くスクラップ・ツイン・ドラゴンと、怨念の斬り切り声をあげる古代鈴虫を、一瞬で飲み込む悪意のクワガタ・・・!!
連撃の帝王 永続罠
(1):1ターンに1度、相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにこの効果を発動できる。モンスター1体をアドバンス召喚する。
帝王の烈旋 速攻魔法
「帝王の烈旋」は1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。
(1):このターン、アドバンス召喚のために自分のモンスターをリリースする場合に1度だけ、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。
インヴェルズ・ギラファ 効果モンスター 星7/闇属性/悪魔族/攻2600/守 0
このカードは「インヴェルズ」と名のついたモンスター1体をリリースして表側攻撃表示でアドバンス召喚できる。「インヴェルズ」と名のついたモンスターをリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した時、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。
選択した相手のカードを墓地へ送り自分は1000ライフポイント回復する。
スクラップ・ツイン・ドラゴン インヴェルズを呼ぶもの ⇒リリース
インヴェルズ・ギラファ⇒アドバンス召喚!!
探偵「ッ!!」
アイドル「インヴェルズ・ギラファの効果を発動!!アドバンス召喚成功時、相手のカード1枚を墓地に送り、1000ライフに変えて吸収する!!消えろ、「スクラップ・ファクトリー」!更にリリースされた「インヴェルズを呼ぶもの」の効果でデッキから新たな「インヴェルズを呼ぶもの」を攻撃表示で特殊召喚!!」
スクラップ・ファクトリー⇒墓地へ
インヴェルズを呼ぶもの⇒特殊召喚
アイドルライフ 1300へ
「アドバンス召喚を行うのは自分のターン」「アドバンス召喚のリリースは自分のモンスター」。そんな守りべき秩序をゴミクズの様に踏みねじる!!
探偵「お前ェ!!」
そばかす娘「探偵のターンだっていうのに!全部喰われちまった!!」
アイドル「We…Are 「Steelswarm」。侵略とは、相手の「権利」をねじ伏せ、目的を遂げる蛇の道の事。侵略者が、「相手のターン」などという「権利」を尊重するとでも?さあ、さっさとデュエルを続けようじゃないか!!」
探偵「・・・ああ。」
お嬢「・・・「ギラファ」は本来「インヴェルズ一体」でもアドバンス召喚出来るモンスター。それを「あえて」軽減効果を使わずに2体のリリースを必要とすることで無理やり「ツインドラゴン」を処理するなんて・・・。それに「ファクトリー」が無いと、新たなスクラップは呼び寄せれない・・・!!」
アイドル「ずっと、待ち望んでいたよ。君を打ち負かし、サヨナラを言う時を。」
探偵「・・・」はあはあ
アイドル「今がその時なんだ。ねェ、お願い。諦めて。もう君に残っているのは三枚の手札だけ。このまま喰らい尽くしてやる。」
探偵「・・・お前は、俺に勝ったらどこかへ行くというのか・・・?」
アイドル「そうだ。遠い遠い悠久へ。もう二度と会わないであろう場所へ。」
探偵「・・・だったら。やっぱり俺は負けるわけにはいかない・・・!」
アイドル「?」
探偵「恥を忍んで言うが、これ以上、友人を失いたくはない。親友であるお前を失いたくはないッ!例えどんな大罪を起こそうともな!!」
アイドル「・・・本当に、君はボクの心を掻き回してくれるなァ!」
探偵「そんな程度の侵略で、怯むと思っているのか!?お前の小細工も!世の中をゴチャゴチャの混沌にするだけの情熱がある事は分かった!!だけれど、足りない!!以前変わりなく、シンクロ召喚は可能だ!スクラップ・キマイラとスクラップ・ビースト!!レベル4の2体でS召喚、出でよ、「スクラップ・ドラゴン」!!」
アイドル「ッく!そりゃそうだよな・・・。」
スクラップ・ドラゴン⇒S召喚。
探偵「そしてスクラップ・オルトロスを特殊召喚し、自身を破壊。その際の効果で、墓地の「スクラップ・キマイラ」を手札へ加える!!!」
スクラップ・オルトロス⇒破壊
スクラップ・キマイラ⇒手札へ
そばかす娘「けど!スクラップ・ドラゴンだけしかフィールドにいない!これじゃあ効果の弾がない!」
探偵「バトルだ!!スクラップ・ドラゴンで攻撃表示の「インヴェルズを呼ぶもの」を攻撃!!」
アイドル「ぐおおおおおおおおおお!!!」
インヴェルズを呼ぶもの⇒破壊
アイドルライフ 1300ー1100=200
探偵「メイン2!スクラップ・ドラゴンの効果を発動!自身と「インヴェルズ・ギラファ」を破壊する!!」
お嬢「!?」
インヴェルズ・ギラファ⇒破壊
スクラップ・ドラゴン⇒破壊
アイドル「ッ!来るのかよ!全開・・・!!」
探偵「行くぞォおお!!WIDEおおおおお!!!」
ワイド「肯定。」
無残に散ったガラクタの中から、蒼白き「人の帝」が出撃する!!!
機皇帝ワイゼル∞ ⇒攻撃表示で特殊召喚!!!
アイドル「があ!!何でだ!何で!こうなってしまうの!なんぜここで!!こんなにも高い壁が立ちはだかる!!」
探偵「やはり、お前の最後の手札の1枚の正体。「悪夢再び」、だな?」
アイドル「!!」
探偵「舐めるな。お前が如何に戦略、やり口を変えようとも、その根本にある筋を俺は十二分に知っているんだ。ならば、それを全力で封じ込める!お前を負かし、助ける為に!」
アイドル「だから、なんでこう何もかもが上手くいかないんだ・・・!!ボクだって。ボクだって君の為だというのに・・・!!」
お嬢「・・・アイドルさん。ひどく動揺している。・・・お師匠も場にはワイゼル1枚しかいないけれど、手札にスクラップ・キマイラを既に準備している。それはつまり戦略をアイドルさんがしようと、次のターンには再びスクラップ・ドラゴンの確定って事。アイドルさんのカードは、「連撃の帝王」。そしてもう1枚の「何か」が本当に「悪夢再び」なら。魔法を無効に出来るワイゼルがいる限り、死に札。・・・次のドロー1枚勝負。そんなの無理ね。」
アイドル「はあ。なんで。なんでボクの時ばかり。あの娘の一味は十全に事を終えたというのに。なんで、ボクは上手くいかないんだ。」ぽろ・・・
探偵「・・・俺の勝ちだ。なあ。何がお前を追いつめてしまったのか俺には分からない。けど、どうせ俺が何かやらかしたんだろう。だから、俺が一生を持って償う。」
アイドル「・・・!!!」
そばかす娘「!!・・・それは・・・」
探偵「頼むから、泣くな。遠くに行くな。お前にいなくなられたら。俺は、困る。」
空気を切り裂く言葉がある。
脳を一瞬で麻痺させてシャットダウンさせてしまう様な、言葉。
一生を賭けた、真剣に真剣を重ねた言葉。有りっ丈の誠意と感情を爆発させて、そばかす娘の顔を通り魔的に赤く染めさせる様なその言葉は、確かに「言葉通り」、アイドルの流れる涙をせき止めさせた。
けれど。
どこまでも行っても、「どうせ」の男はカラ回る。
激情の導火線に探偵がかけたものは、優しい水ではなくて。
アイドル「・・・それだ。それなんだよ。」
探偵「?」
アイドル「ボクは。君をもう困らせたり、迷わせるような事になって欲しくない。」
探偵「なら、俺、」
アイドル「そうだ。だから、だから。ボクは君の優しささえも喰らうんだ・・・。他の誰でもない、ボクの為に・・・!」
探偵「!?」
けれど。
どこまでも行っても、「どうせ」の男はカラ回る。
激情の導火線に探偵がかけたものは、優しい水ではなくて。
油。
再び立ち上がり目前の親友へと睨み付けるアイドル。それはボロボロなのに、何もかもを威圧する修羅の気迫・・・!!
お嬢「もうやめて!アイドルさん!!デュエルディスクを構えないで!!」
そばかす娘「おい!!」
アイドル「・・・この1枚が、訣別の1枚。ドローォォォォォォォ!!!!」
デュエルの神はいつだって、世界を超越しようとする者のみに微笑む!!
そこに善き悪しき、貴賤無し!!ただただ意志貫かんとするものへ!!
尻尾はボロボロ、ひっかき傷すら残る奇妙なカメレオンが、激情を刻む!!!
カメンレオン チューナー・効果モンスター 星4/地属性/爬虫類族/攻1600/守1100
このカードは自分フィールドにレベル5以上のモンスターが存在しない場合のみ召喚できる。このカードの効果を発動するターン、自分はエクストラデッキからの特殊召喚及びこのカードの効果でしか特殊召喚できない。(1):このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の守備力0のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
アイドル「カメンレオンの効果発動!墓地の、守備力0のモンスターを1枚釣り上げる!!ボクが選択するのは、「インヴェルズを呼ぶもの」だァ!響けェェ!」
インヴェルズを呼ぶもの⇒蘇生
お嬢「何をするの!?」
探偵「やめろ!そんな1枚では全てをひっくり返す事は出来ない!!ライフ300のお前に、・・・ッ、まさか!!!」
アイドル「そう。やっと気が付いたか!ワザワザ、君のターンの攻防で、「インヴェルズを呼ぶもの」を危険な攻撃表示で出していた、その意味が!!攻撃を誘い、極限までボクの命を削る為のギャンブルッ!カメンレオンとインヴェルズを呼ぶもの、2体のレベル4でオーバーレイ!!X召喚ッ!!!」
アイドル「希望を司るのは、君だけではない!No.39 希望皇ホープ!!!」
かつての少年に最後の希望をもたらし、探偵を黄昏の世界へ誘ったその戦士。今、「絶望の皇帝」と対峙する!!!
探偵「これは・・・!!」
お嬢「!!!」
そばかす娘「気をつけろ!!何かヤバい!!!」
アイドル「もう遅い。こうやって、そうやって、此処に境界線を引く!愛なんて只の混沌!!カオス・エクシーズ・チェンジ。現れろおおおおおおお!!」
「CNo.39 希望皇ホープレイ!!!」
CNo.39 希望皇ホープレイ エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2500/守2000
光属性レベル4モンスター×3
このカードは自分フィールド上の「No.39 希望皇ホープ」の上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。自分のライフポイントが1000以下の場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、エンドフェイズ時までこのカードの攻撃力を500ポイントアップして相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。
アイドル「ホープレイの効果を発動ォォ!ライフが1000以下の時、オーバーレイユニットを一つ開放する事で、ホープレイの攻撃力を500を上げ、相手のモンスターの攻撃力を1000下げる!!三枚解放、昇れ希望の皇!沈め絶望の帝!」
CNo.39 希望皇ホープレイ⇒攻撃力4000
機皇帝ワイゼル∞⇒0
お嬢「そんな!!攻撃力4000!!」
そばかす娘「探偵!!逃げてえ!」
探偵「・・・ッ!!ワイドォ。後の事は、」
ワイド「―――――肯定。全て私にお任せください。」
探偵「ああ。安心したよ。・・・来い。アイドル!!お前の混沌、飲み干してやる!!!」
アイドル「この一撃は決別の国境。この一閃はこれより向かう修羅との境界線ッ!!ホープレイで機皇帝ワイゼル∞を攻撃ィ!「カオス・ホープ・ブレード」!!!」
三本の膨れ上がった大剣がワイゼルに迫り、叩き斬るッ!!
無残、人の帝は胴体を切断され、爆破と共に吹っ飛んだッ!!!
探偵「ぐあああああああああああああ!!!!!」
ワイド「――――――機能停止。」
4000の戦闘ダメージにより、探偵のライフは0!!
乾坤一擲の決闘、勝ったのはアイドル…ッ!!!
WIN アイドル ― LOSE 探偵
・・・
「嘘。お師匠が」
気が付いたら零れていた私の言葉。茫然と。
誰だって負ける事はある。そんなの私は十分に知っている。
けれど何故だろう。私はこの状況を現実として受け入れられなかった。
探偵「ぐ。はあはあ。負け・・・たのか。俺は・・・」
アイドル「ああ。ボクの勝ちだ・・・!この勝負に負けたからには。君にも味わってもらうよ。修羅の世界を!!」
お嬢「!!まさか!第二の感染経路、「デュエルの敗者への感染」!!お師匠をドラッグに落すつもり!!」
そばかす娘「マジかよ!!逃げてェ!!」
必死で探偵へ近寄ろうとする私達を、諦めたように探偵は横に首を振った。
探偵「近寄るな!巻き込まれるぞ!!ワイド!!ミスるなよ、」
言葉を言い切るよりも前に、アイドルのデュエルディスクから紫色の閃光が探偵へ放たれた!!
そばかす娘「探偵さんンン!!!」
探偵「・・・!!!」
ばたんと、眠るように地へ伏せるお師匠。その瞳は力なく天空の太陽を写すだけ。
アイドル「はあ。はあ!これで、ここにいる君も見捨てずに済んだ・・・!!救うことが出来た、か。だとすれば、もうここにいる必要はない。」
そばかす娘「ッ!させるかよ!今度はあたしが相手だ!!敵を討つ!!」
お嬢「・・・今だって貴女の事は尊敬しているわ。けれど、だからといって。お師匠を倒してまで悪へ堕ちる貴女を見逃すほど、私は優しくない!!」
アイドル「・・・君たちの様な子が、あの頃にいてくれたら、探偵もボクも救われたんだろうな。けど、もう時間だ。」
・・・バタバタバタバタ!!
段々と近づいて来る機械音!!
その音に気が付いたときには、既に烈風が襲い始めていた。
その正体は、高速飛行する緑の小型ヘリコプター・・・!!アイドルさんの真上にホバリングし、パイロットがロープを投げ下ろす。
お嬢「ッ!!ヘリ!?」
そばかす娘「仲間かよ!!ちくしょ!!逃げるな!!!」
いくら責め立てられ様とアイドルさんはただ悲しそうな顔を向けるだけだった。そして、頭の中で推敲し選び抜いた別れの言葉を私達へ送る。
アイドル「巻き込んでしまってゴメンね。キミたちは早くどこか外国にでも逃げ去ってくれ。ソレだけしか言えない。・・・じゃあな、探偵。ボクの親友よ。幸せになってくれ。」
ロープを掴むとそのままヘリは上昇・・・!!探偵が倒れてからものの1分で、初めからここに居なかったかのように事件の首謀者たる彼女は姿を消した。
そばかす娘「ッ!!どうしよ!!探偵さんが!探偵さんが!!」
ワイド「落ち着いてください。御主人は死んだわけではありません。まずはこの村から脱出します。―――――御嬢様?」
・・・師匠の敗北と、夢のきっかけたるアイドルさんの裏切りというパニック状態の中で、私の思考は二つの疑問を反駁し続ける。
あの人は、なんで姿をくらます最後の瞬間まで、一切の「敵意」を見せずなかったのか?
そして、彼女の必死さの前で、この自分が何をできるのかと。
茫然と。ただ考える。
・・・真昼の太陽に陰りがかかる。嵐の前のどこか温い風が吹いた。
第十六話 超越のデュエル エンド
次章予告
暴かれた決闘ドラッグの背景と、倒れた探偵。
仮面神父「いよいよですねぇ。この世全てがデュエルに沈む修羅になる。」
どん底に追いつめられても、決闘者達はカードを手放さない・・・!
探偵「・・・デュエル。デュエルをしなくては・・・」
恩讐渦巻くこの街で、総てを清算するために。
アイドル「全て、取り戻すために。それだけの為に世の中を侵略する。」
集う新たなデュエリスト、新たな力。大義を貫くその覚悟。
ワイド「――――――――オペレーション。「天・地・人」」
地獄の沙汰も決闘次第、心眠る激情燃やし!!
お嬢「辿り着くまで、負けるんじゃないわよ。」
そばかす娘「そっちこそ!!何が立ちはだかろうと、全て殴り抜けるッ!!」
「「推して参る!!」」
次章 決闘探偵第4章 「相棒」
結論 フラグをちゃんと書ける書き手さんを本当に尊敬する。
お知らせ1
少々現実の事情が忙しくなったため、1か月前後更新を休ませてもらいます。楽しみにして頂いている方には本当に申し訳ございません。
どうかご理解をお願いします。
お知らせ2
タッグフォースSP発売記念として、本ssに登場するキャラクターのデッキを活動報告に載せます。
あくまで完全再現ではないですが、一定の実用性のあるデッキですので是非、タッグフォースでお試しください。
・・・「化石融合」楽しみだなー。