遊戯王 決闘探偵 -雲と鉄-   作:T3PO

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次回がいつかは分かりませんが、また更新は続けていきます
どうかよろしくお願いいたします。


第二十伍話 「道程」

僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る

 

 

 

・・・少年少女が最悪の非日常から生還した、その後のいつかの日。

風の強い場所。

かつて、三人で歩いたその河原の道からそれて、河川敷の丘で静かに座る少年の姿があった。そしてその横には、超常たる精霊を封印した代償に、本来の体にリミッターがかけられ、ソフトを仮初のオボットに移したワイドが寄り添う。

 

少年「・・・。」

 

ワイド「マスター。まだお体は治り切っていません。病院へ戻りましょう。」

 

少年「いや。少し待って・・・もう少し。揺られていたい。」

 

ワイド「――――了解しました。」

 

無言の間。二人ともが何かを言いたいのだが、その何かが言葉に出来ない。機械の体とAIを持っているオボットでも言葉を構成できず、感情を持つ人間でも一言が紡げない。味わい、かけられた呪いの圧倒的な存在の前に、AIも脳みそも平等に無力であった。

 

それでも、口火を切ったのはwide。「天地人」の機皇帝の中で、「人」を定義されたワイゼルは「人」を定義する属性として「闇」が当てはめられた。故に、人の闇に触れる事はただの16歳の少年よりも容易かった。

 

ワイド「マスター。」

 

少年「ん?」

 

ワイド「マスターは、これから何を目指しますか?」

 

少年「・・・これからか。」

 

ワイド「はい。これから。」

 

少年「・・・どうすればいいと思うか?」

 

ワイド「――――――」

 

少年「こんな事が起きなければ、俺はまだ「プロ決闘者」になりたい、何て言っていた。けどもはや。そんな夢すら抱けない。・・・グリムロさんがそこにいないのなら。」

 

ワイド「―――――では。マスター。貴方は今、何がしたいですか?」

 

少年「何がしたいか・・・」

 

ワイド「私は、貴方の半身。本当のことを言って下さい。」

 

少年「俺は。なんだろう。何になりたいのかな・・・うかばない。けどやりたい事だけはある。」

 

ワイド「それは?」

 

少年「・・・彼女を。彼女を守りたい。」

 

ワイド「――――――あれだけの非道な境遇に遭って。それでもなお、彼女を思いますか。マスター。それはいけません。貴方はもう気に思う必要はありません。それは余りにも重すぎます。心の力の弱い貴方には重すぎる。」

 

少年「分かっている!!分かっているよ、そんなの!!けど、じゃあ。もしも彼女が目覚めるとしたら誰がそれを受け止めるんだ?誰が彼女を守る?彼女の状態は明らかに異常だよ。何せ、「異次元の精霊」そのものに一時はなったんだから。その残滓だけでも十二分に異常だ。いずれ研究者にでも目をつけられたら、どんな目に遭わせられるか・・・。」

 

ワイド「ネガティブ、大爆発です。私としては、いっそ研究者に任せた方を推奨したいです。マスター。貴方がこれ以上に傷つくのは見ていられません。」

 

少年「うるさい!!」

 

ワイド「それに。この一件の根本には私にも責任があります。だからこそ、私は貴方を止めます。」

 

少年「・・・っ。いや、お前は僕の半身。彼女を封印した事なら僕も同罪だよ。」

 

ワイド「いいえ。そういう事ではありません。もっと根本的な。根本的な要因です。」

 

少年「どういう意味だ?」

 

ワイド「覚えていますか。マスター。私が精霊世界からカードを介してこの地に降り立った理由を。」

 

少年「・・・邪悪な精霊を追って。だったけ。」

 

ワイド「肯定。私は、この地に降り立つであろう邪悪な精霊の気配を感知し、それを阻止するために降り立った。それが私の使命でした。」

 

少年「・・・僕が。こんな目に遭ったのは。お前が僕の元に降り立ったから。だから責任はお前にある。そう言いたいのか?」

 

ワイド「肯定。――――マスター。私は貴方にスクラップにされても何も文句はありません。寧ろ、それこそが正常な反応です。―――――遠くへ行って下さい。私も。あの少女の事も忘れて下さい。私にはそれを実行するだけの機能があります。」

 

少年「・・・。」

 

ワイド「御決断を。貴方が貴方自身の幸せを願う事は。彼女への冒涜ではありません。眠りましょう。そして忘れましょう。貴方は報われるべきです。」

 

少年「・・・僕は。」

 

ワイド「はい。」

 

少年「・・・僕は。それでも。彼女を忘れたくない。」

 

ワイド「マスター、いい加減に」

 

少年「ワイド。」

 

ワイド「――――」

 

少年「ごめんな。でも、それでもなんだよ。確かに誰も幸せにならなかったのかもしれない。けど。それでも彼女を待ちたい。彼女を忘れる事は、確かにあった彼女の願いを。持っていた希望を。そういうモノを全て否定する事だ。それだけは嫌だ。」

 

ワイド「そんな事の為に。貴方の人生を。狂わせてしまっていいのですか!」

 

少年「そんな事のためだけでいいんだよ。それにな。僕自身忘れたくないんだ。この出来事を。」

 

ワイド「――――理解。不能です。」

 

少年「僕もだよ。僕だって分からない。けど忘れたら駄目なんだよ。それは、自殺と同じだ。いい事も悪い事も。後悔ばかりするのだとしても。それでも僕はこれまでの事を忘れたくない。・・・ボーイッシュ少女には本当に申し訳ない事をしてしまったがな。もし出来るのなら、アイツにさ。その記憶を無くす術っていうのを使ってやってくれないか?」

 

ワイド「――――既に。彼女にも提案しました。ですが、彼女も断りました。今のマスターと同じ、やるせない笑顔でです。」

 

少年「・・・はは。やっぱりアイツは僕の親友だ。・・・アイツが居なかったら、もうとっくに潰れていただろうな。僕は。本当にいい出会いに恵まれているよ。」

 

ワイド「強がりを」

 

少年「強がりじゃないさ。親友に、最高のデッキ。憧れた人。認めてくれたクラスメイト。・・・それに、相棒に恵まれて。幸せ者だよ。こんな僕に合っていいのか疑うぐらい。」

 

ワイド「相棒。」

 

少年「・・・お前の事だよ。あーもう、恥ずかしいな。」

 

ワイド「そんな事は理解しています。ですが――――」

 

少年「馬鹿。僕はお前を恨むわけがないだろう。・・・お前がいてくれたから。お前がいてどんな時も僕を肯定してくれたから、カッコよくなろうと思えた。憧れに近づこうって思えた。お前がいてくれたから。あの闇の決闘でも生き残れた。それに、彼女を救うことだって出来たんだ。・・・ありがとう。それだけなんだよ。」

 

ワイド「本当に馬鹿です。マスターは。」

 

少年「知ってるよ。それにさ。もし記憶を消しちゃったら、闇の決闘で得た経験も忘れちゃうだろう?・・・僕さ。プロになるよ。あの記憶と経験を活かして。絶対に負けない。プロデュエリストに。」

 

ワイド「――――それが夢で」

 

少年「違う。手段だよ。彼女を守るためには金が要る。それに。ボーイッシュ少女だって、アイツは僕に隠していたけれど、今回の事で相当に衰弱している・・・。もしアイツが今後の生活に支障が出るなら。その分まで僕が・・・。」

 

ワイド「だから。プロデュエリストに。」

 

少年「そうだ。こんな何のとりえもない僕だけど。「繰り返した千回の決闘」と、あの決戦の記憶がある今。負ける気はしないんだ・・・いや嘘。負ける時は負けるだろうけれど。プロとしてもやっていける。そう思える。・・・それにさ。僕にはお前って言う力があるだろ?成れるさ、きっと。」

 

ワイド「―――――私は。正直なところ、貴方にそんな理由でプロ決闘者になって欲しくはありません。ですが。それで貴方の心が決まるのならば。私は何処までも貴方についていきます。」

 

少年「・・・ありがとう。本当にありがとう。お前がいてくれて本当に良かった。やっぱりお前は僕にとって、ヒーローなんだよ。」

 

ワイド「―――――。風が強くなりました。戻りましょう。」

 

少年「ああ。戻ろう。ワイド。」

 

 

 

 

 

 

決闘探偵 第二十五話 「道程」

 

 

 

 

 

 

 

場面は再び廃工場のスクラップ置き場。

その屑鉄に相応しい決闘者、探偵が己の弟子に矢を放つ。

 

探偵「先行は・・・俺・・・。カードをセット。」

 

そばかす娘「探偵さん・・・」

 

探偵「更に、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」をPスケールにセット・・・。そしてモンスターをセット。ターンエンド。この時、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」を破壊し、デッキからPモンスター「星読みの魔術師」を手札に加える。ターンエンド。」

 

 

お嬢(P型のスクラップ。今回もそっちなのね。もし、星読み時読みの二体が揃っていたならば。次のターンからP召喚でオッドアイズが特殊召喚される・・・。それだけならまだいいけれど。真の邪悪はセットカード。まずはあれを壊さなければ・・・!!)

 

お嬢(問題は、あの伏せられたモンスターが、戦闘破壊耐性のある「スクラップ・ゴブリン」か、普通のモンスターである「スクラップ・ビースト」か。・・・場合によってはPモンスターの可能性もあるけれど。「ゴブリン」なら二体で責めないと倒せない。こればっかりは予測できないけれど・・・)

 

お嬢(・・・いや。一つだけ状況証拠があるならば。それは、サーチしたのが「星読みの魔術師」という事・・・!!)

 

お嬢「私のターン。ドロー!!」

 

お嬢「私は永続魔法「召喚雲」を発動。これで私の場にモンスターがいない時、」

 

探偵「・・・レベル4以下の雲魔物を・・・」

 

お嬢「ちょっと!邪魔しないでよ!今日このパターンばかりだわ!!!・・・と言いたいところだけれど。やっぱり記憶は残っているみたいね。私のカードの内容を覚えているぐらいには。」

 

そばかす娘「あ、確かに。」

 

お嬢「図らずとも。お師匠が昔味わった地獄の光景に似ているわ。最も、貴方みたいに自分捨ててまで助けようなんて思ってないけどね。」

 

そばかす娘「いやそこは頼むよ!」

 

探偵「・・・早くしろ・・・デュエル・・デュエルしろ・・・」

 

お嬢「ククククク。今の私は殆どドラック患者と同じ。貴方の状態だとか、世の中とか、そんな事は関係ない。それどころか「貴方にリベンジ」する何てフレーズすら陳腐。決闘は、その瞬間瞬間に決闘する事だけに全力を注げばいい。そうでしょう?お師匠。だからこそ、貴方はこの15年間近く耐え抜くことが出来た。決闘する瞬間、世界と切り離すことが出来たから。」

 

探偵「デュエル・・・デュエル・・!!!」

 

お嬢「けど、総てその心境で逃げるのは最低よ。この決闘だけで終わらせましょう。後悔も、決闘への逃避行も。私は、召喚雲の効果発動。手札から「雲魔物アルトス」を特殊召喚。そして、「雲魔物アッシドクラウド」を召喚。その効果で、雲魔物の数だけフォッグカウンターを乗せる。今は2つ載せる。そして、そのカウンター2つを取り除いて発動。相手の魔法・罠を一枚・・・つまりセットカードを破壊する!!」

 

セットカード・・・「スキルプリズナー」⇒破壊

 

探偵「・・・!!」

 

お嬢「・・・墓地発動可能なカードだったのね。若干苦味はあるけれど、とりあえずは最優先目標は達成。そして、二体でオーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚!!神話とゴシップの渡し舟たる鮫龍!!「バハムートシャーク」!!」

 

バハムートシャーク⇒X召喚

 

そばかす娘「!!けどそのセットモンスター、ゴブリンなんじゃねえか!?一匹のモンスターの戦闘じゃ破壊できな、」

 

お嬢「大丈夫よ。バトル。バハムートシャークで、そのセットモンスターを攻撃!!」

 

探偵「・・・セットモンスターは「スクラップ・ビースト」。戦闘では破壊される・・・」

 

そばかす娘「!!」

 

 

スクラップ・ビースト⇒破壊

 

そばかす娘「ほ・・・良かった運がイイ。いけるぜお嬢。」

 

お嬢(・・・運は良かったけれど。それ以上に私の読みもいいわ・・・。何となく、見切れた。今のお師匠の思想が。)

 

お嬢(お師匠がサーチしたのは「星読み」。サーチ先二枚のカード「星読み」「時読み」。どちらかと言えば、発動条件が面倒な「時読み」の方が優先される、と私ならそう思う。レベル的にも万が一モンスターとして出すなら上級の「星読み」より下級の「時読み」の方が壁に出来る。それでもサーチしたのは「時読み」でなく「星読み」。この事から読むに、既にお師匠の手札には「時読み」があると予測する。)

 

お嬢(そして、もし「時読み」があるのなら。今伏せたモンスターは「ゴブリン」でない可能性の方が高かった。何故ならば。「時読み」を発動するには場にモンスターがいない時のみという条件があり。もしも戦闘破壊耐性のある「ゴブリン」をセットしては、それ故に場に残ってしまって、次のターン揃った二つの「魔術師」でのP召喚が出来ないから・・・!「ゴブリン」だったならば、先に「時読み」をセットする! 勿論別のパターンもあり得たけれど。とりあえずは当たったんじゃないかしら。冴えたぎっているわ、私!)

 

お嬢「メイン2。バハムートシャークの効果発動。素材の「アシッドクラウド」を墓地に送り、エクストラデッキから「潜航母艦エアロ・シャーク」を特殊召喚。更にそのままXチェンジ。「FAブラックレイランサー」を特殊召喚。」

 

お嬢「これでターンエンド。さあ。貴方の番よ。」

 

お嬢(前回みたく「未来王ホープ」の方が安全なのだけれど。私の手札には「秘策」がある。まだ出す必要はない。それに「未来王ホープ」は遊撃手。ここで出すには・・・勿体ない。)

 

お嬢の場 FAブラックレイランサー バハムートシャーク 召喚雲 手札3枚

 

探偵「俺の・・・ターン…ドロー・・・!!」

 

探偵「俺は、「星読みの魔術師」と「時読みの魔術師」の二枚をPゾーンにセッティング・・・!」

 

そばかす娘「!!!もう揃っていた!!」

ワイド「――――かつて。私が御主人に渡したカード―――――来ます。」

 

Pスケール 1‐8、セット!!

 

探偵「ペンデラュラム召喚!出でよ。我が先鋭、手札より「スクラップ・ビースト」。エクストラデッキより「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」!!」

 

スクラップ・ビースト

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン

⇒P召喚。

 

そばかす娘「ッ!でも、まだバハムートシャークの方が攻撃力は高い!!大丈夫だろ!!」

 

お嬢「この布陣は・・・!!いいえ!既に危機!!この状況は、「部長」との決闘で既に見たッ!!」

 

探偵「獣の怒りを聞け・・・!!「スクラップ・ビースト」と「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」で「亜・融合召喚」・・・!!!」

 

お嬢「・・・!来たわね!!」

 

「神秘の龍よ、屑鉄の獣よ。今一つになりて、新たな力を生み出さん!!」

「出でよ、「ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」!!」

 

獰猛たる狩人。ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの嘶きがフィールドを支配する!!

 

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン 融合・効果モンスター 星8/地属性/ドラゴン族/攻3000/守2000 ドラゴン族・闇属性モンスター+獣族モンスター

このカードは融合召喚及び以下の方法でのみ特殊召喚できる。

●自分フィールドの上記カードをリリースした場合にエクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。

(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合に発動する。このカードの融合素材とした獣族モンスター1体の元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

そばかす娘「攻撃力3000かよ!!バハムートシャークの攻撃力は2600、突破されちまう!!」

 

お嬢「・・・!」

 

探偵「食いちぎれ・・・!!バトルだ!「ビーストアイズ」で「バハムートシャーク」を攻撃。「ヘルダイブバースト」!!!」

 

お嬢「ッ!」

 

バハムートシャーク⇒破壊

お嬢ライフ 4000-400=3600

 

探偵「ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の効果発動!!素材にしたスクラップ・ビーストの攻撃力のダメージを与える!!1600。獣の牙を知れ!!」

 

そばかす娘「ようしゃねえ追撃・・!!」

 

お嬢「・・・ククク!!使ったわね。「効果」・・・!!」

 

探偵「・・・!!!」

 

お嬢「その「効果の発動」こそ私の狙い目。手札から、「雲魔物スモークボール」と「このカード」を捨てて発動!!!」

 

そばかす娘「エフェクトヴェーラーか!?」

 

お嬢「いいえ、もっとエグイ一撃!!「朱光の宣告者」!!」

 

探偵「・・・なに?」

 

お嬢「天使族とこのカードを捨てる事であらゆるモンスター効果を無効にし、破壊する!!!」

 

探偵「!!!」

 

お嬢「獣の牙?そんな汚らしいもので私に触らないで頂戴。破壊されろ!「ビーストアイズ」!!」

 

朱色の閃光が獰猛たる龍を射抜き、抹殺する!!

 

ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン⇒破壊

 

 

朱光の宣告者 チューナー(効果モンスター) 星2/光属性/天使族/攻 300/守 500

このカードと天使族モンスター1体を手札から墓地へ送って発動する。相手の効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。この効果は相手ターンでも発動する事ができる。

 

探偵「ぐおおお・・・・!」

 

そばかす娘「よっしゃ!!これで探偵さんの場は空いた!手札も0!!いけえ!お嬢!!」

 

お嬢「勿論よ、私のターン、ドロー!!・・・バトル!がら空きのお師匠のライフを、「FAブラックレイランサー」でダイレクトアタック!!」

 

探偵「ぐおおおおおおおおおおお!!!!」

 

探偵のライフ 4000-2300=1700

 

お嬢「ククククク。イイ感じに入ったわね。この一撃。」

そばかす娘「いいぞ!!お嬢」

 

お嬢(・・・いいにはいいのだけれど。出来る事ならばこのターンで仕留めたかった・・・。私のデッキの弱点は、シンプルに攻撃力の高いモンスターが出にくい事・・・。相手のモンスターを攻略する術は多いけれど、純粋にライフを削れる子が少ない!!このタイミングを逃したのは大きいわ・・・)

 

ワイド「御嬢様。我が本マスターは「ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の二枚目は用意していません。逆襲はないと判断します。」

 

お嬢「それはいいことを聞いたわ。ターンエンド。貴方の番よ。」

 

探偵「・・・俺のターン。ドロー!!俺は、ペンデュラム召喚を発動する!!来い、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン⇒P召喚

 

お嬢(・・・最悪のパターンは、スクラップキマイラなどによる「スクラップ・ドラゴン」の召喚。それじゃなければ、ある程度どうにかなる。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果で通常より多めにダメージは貰うけれど。あくまでその程度・・・。)

 

探偵「更に、俺は「スクラップ・ゴブリン」を召喚!」

 

お嬢「!?」

ワイド「――――」

そばかす娘「攻撃力0のスクラップ・ゴブリンを攻撃表示で!?手札もこれで0なのに?」

 

探偵「おおおおおおお!!スクラップ・ゴブリンに、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンをチューニング!!」

 

お嬢「!?!?!?今度はオッドアイズをシンクロ素材にするの!?」

 

「レベル7、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに、レベル3スクラップ・ゴブリンをチューニング!!」

「吠えよ、野生の真理!!弱肉強食を越え聖邪の何たるかを、その牙にて刻め!!」

 

シンクロ召喚!!現れろ、レベル10!!神樹の守護獣-牙王!!

 

星の加護を受けしガーディアン、牙王が轟くッ!!

 

神樹の守護獣-牙王 シンクロ・効果モンスター

星10/地属性/獣族/攻3100/守1900

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードは、自分のメインフェイズ2以外では相手のカードの効果の対象にならない。

 

お嬢「こんな大型モンスターまで入れてたの!?攻撃力3100!!」

 

探偵「バトル!!FAランサーに攻撃・・・!!」

 

お嬢「っくううううう!!FAランサーの効果により、素材を取り除くことで生き残る!!」

 

探偵「だが、ダメージは別…ッ!」

 

お嬢「きゃああああああ!!!」

 

お嬢ライフ 3600-800=2800

FA・ブラックレイランサー⇒X素材0へ 攻撃力2100に

 

探偵「ターンエンド。お前の番だ・・・もっと。もっと寄越せ俺に決闘を・・・!!殺してみろ・・・!!」

 

お嬢「・・・殺してみろ、ね。心に残った感情を爆発させる「決闘ドラッグ」。もう少し侵攻が進んで理性を「決闘本能」がのっとればそんな言葉も出なくなるのだろうけれど。少なくとも貴方はまだ、14年前から続く「後悔」、「負い目」、「虚無」。そういうモノに縛られているのね。というか、むしろその負の感情だけが爆発している、のかしら?・・・「殺してみろ」?だめよ、ダメダメ。まだ貴方が自殺するには早すぎる。私のターン!!ドロー!!」

 

お嬢「…ッ!しょうがないわね・・・。「E-HEROエアーマン」召喚!」

 

そばかす娘「攻撃表示で召喚なのか!?」

 

お嬢「エアーマンの効果発動!「D‐HERO Bloo-D」手札に加える。そして、FAブラックレイランサーを守備表示にしてターンエンド。」

 

お嬢(D‐HERO Bloo-Dは現状の突破の切り札になり得るカード・・・。「牙王」は攻撃力も高いうえに相手のメイン2だけしか対象を取る効果が効かない、堅いモンスター!だからこそ、全ての効果を無効に出来る「Bloo-D」やそれ以上の火力を持つ「FAクリスタルゼロランサー」が欲しいッ!だからここは、無理にでも確保ッ。例え、ダメージを受けてでも・・・!)

 

お嬢 フィールド FAブラックレイランサー(守備) E-HEROエアーマン 召喚雲 手札3枚 ライフ2800

 

探偵 フィールド 神樹の守護獣-牙王 Pゾーン 時読みの魔術師 星読みの魔術師 手札0 ライフ 1700 備考 オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンがEXデッキに存在

 

探偵「俺のターン。ドロー。・・・P召喚!!エクストラデッキより来い、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン⇒攻撃表示でP召喚

 

そばかす娘「くそッ!!何度突破しても毎回出てくるのかよ、Pモンスター!!!ゾンビ過ぎる!!」

 

探偵「バトルだ。「神樹の守護獣-牙王」でエアーマンを攻撃。1300のダメージを喰らえ。」

 

お嬢「きゃあ・・・・!!!」

 

E‐HEROエアーマン⇒戦闘破壊

お嬢ライフ 2800-1300=1500

 

探偵「まだだ。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンでFAブラックレイランサーを攻撃。塵と散れ・・・!!」

 

 

 

 

 

お嬢「くう!」

 

FAブラックレイランサー⇒戦闘破壊

 

探偵「ターンエンド。早く。もっと。強く。見せろ。そして殺せ。決闘でしか俺は・・・死ねない・・・!!殺せ・・・!!」

 

お嬢「ドロー!!!お望み通り、魅せてあげる!!私は「雲魔物タービュランス」を召喚!その効果でフォッグカウンターを一つ載せることが出来る!!そして、カウンターを開放する事でデッキから「スモークボール」を特殊召喚する!!」

 

お嬢「そして魔法。樅の家に続く道めがけ、星よ煌け!!「ターンホイザーゲート」!!攻撃力1000以下の同種種族のモンスターのレベルを、和の数値に揃える!!「タービュランス」と「スモークボール」のレベル合計は5!!!レベル5となった二体で、オーバーレイネットワークを構築!!!」

 

「凍てつけ!!ランク5!!No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ!!」!!

 

「No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ」⇒X召喚!!!

 

No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ エクシーズ・効果モンスター

ランク5/水属性/戦士族/攻2200/守1600 水属性レベル5モンスター×2

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。

選択したモンスターの攻撃力は、自分のエンドフェイズ時まで半分になる。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

 

 

そばかす娘「攻撃力半減の効果・・・!!けど、牙王は効果の対象にならない!」

 

お嬢「ええ。でも、横に並ぶオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは別!!二回受ければ攻撃力は625まで下がる!!それならば攻撃力2700となるFAクリスタルランサーに進化して一気に狩れる!!お師匠のライフは1700。それでライフはゼロ!!勝負ありよ。効果発動!!」

 

探偵「させない。墓地の「スキルプリズナー」を発動し、その効果を無効にする。更に、オッドアイズに対する効果はこのターン受け付けられなくなった・・・!!」

スキル・プリズナー 通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

また、墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。

この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

クリスタル・ゼロのX素材⇒1つに

X素材のスモークボール⇒墓地へ

 

お嬢「っち。けど、そんなの承知の上よ。元から狡く勝てるなんて思っていない!!本番はここから。No.94 極氷姫クリスタル・ゼロをXチェンジ!!」

 

探偵「・・・!」

 

お嬢「こっちこそが切り札!!「FA-クリスタル・ゼロ・ランサー」を特殊召喚する!!」

 

FA-クリスタル・ゼロ・ランサー エクシーズ・効果モンスター

ランク6/水属性/戦士族/攻2200/守1600 水属性レベル6モンスター×3

このカードは自分フィールド上の水属性・ランク5のエクシーズモンスターの上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚する事もできる。

このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。

フィールド上のこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事ができる。

また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールド上の全てのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

そばかす娘「!!!さっきのデュエルでも出てきたやつ!!」

 

お嬢「この子は!X素材の分だけ攻撃力を500UPする!!今残る素材は2つ。よって攻撃力は3200!!バトルよ!!クリスタルランサーで牙王を攻撃!ゼロ・ブラックアリエル!!」

 

探偵「ぐおおおおお!!!」

 

神樹の守護獣-牙王⇒戦闘破壊  探偵ライフ1700-100=1600

 

そばかす娘「よっしゃ!!これで憎たらしいライオンも消えた!!」

 

お嬢「これでターンエンド。ククククク。ペンデュラム融合に、ペンデュラムシンクロ。面白かったわ。ええ、面白かった。けれど面白いもの程飽きが早いってものよ。次は、何をみせてくれるのかしらねェ?お師匠?」

 

探偵「ぐう・・・・おおおおおおお!!舐めるなよ小娘ェェ!!!俺のターン!!!!ドロー!!!」

 

探偵 手札2枚 場 オッドアイズペンデュラムドラゴン Pスケール 星読みの魔術師&時読みの魔術師 

 

探偵「おおおおおおお!!!スクラップ・キマイラ!!召喚!!」

 

そばかす娘「まじかよ!!ここで引きやがった!!!」

 

お嬢「ッ。執念!!!」

 

探偵「効果で墓地のスクラップ・ビーストを蘇生させ!!シンクロ召喚!!!現れよ!!!」

 

レベル8 スクラップ・ドラゴンッ!!!

 

スクラップ・ドラゴン⇒シンクロ召喚!!

 

お嬢「っく!!!だけど!!FAクリスタルランサーの素材は二つ!破壊にはまだ耐え抜ける!!」

 

探偵「甘いッ!!スクラップ・ドラゴンの効果発動!!その「FAクリスタルランサー」と俺の場の「オッドアイズペンデュラムドラゴン」を破壊する!!」

 

お嬢「!!しまった!!!」

そばかす娘「!?ドゆこと!?」

 

お嬢「ッ~~!!FAランサーの素材を一つ取り除き、その破壊に耐え抜く・・・!!」

 

FAクリスタルランサー⇒素材1つに 攻撃力2700

オッドアイズ・ペンデュラムドラゴン⇒破壊

 

探偵「うおおおおお!!!そして、今こそ揺れろ、心の力!!ペンデュラム召喚!!!エクストラデッキより出でよ!!「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」!!」

 

そばかす娘「!!!まじかよ!!!」

お嬢「くううううううう!!!」

 

オッドアイズ・ペンデユラムドラゴン⇒P召喚

 

探偵「バトル!!スクラップ・ドラゴンでFAクリスタルランサーを攻撃!!駆逐しろ!!」

 

お嬢「FAランサーの素材を取り除き…‼!耐える!!」

 

FAクリスタルランサー⇒素材1つに

お嬢ライフ 1500-100=1400

 

探偵「そして、オッドアイズ・ペンデュラムドラゴンの攻撃!!素材の無くなったFAクリスタルランサーはもはや破壊耐性もなく、攻撃力も只の2200!!噛み砕け!!!」

 

お嬢「ッ~~~!!!」

 

探偵「「オッドアイズ」が与えるダメージは二倍になる・・・。600のダメージを受け、燃えろ。」

 

お嬢「きゃああああああああああああああああ!!!」

 

FAクリスタルランサー⇒破壊

お嬢のライフ 1400―600=800

 

探偵「カードを一枚伏せてターンエンド。」

 

そばかす娘「くっそ!!折角ライオン野郎もビーストアイズも撤退させたのに・・・!!ここにきて、いつも毎度のスクドラかよッ!!」

 

お嬢「・・・いえ。それは逆よ。むしろスクラップ・ドラゴンこそが本筋であって。これまでの連中はあくまで前座・・・!!ここまで出なかった事こそが本来、妙!!」

 

探偵「・・・「面白いもの程飽きが早い」とか言ったな。当然だ。「面白さ」。そんな余計なものは要らない。必要ない。必要なのはただ勝つための力。勝つための一枚を淡々と引き切る。それだけが決闘だ・・・!!」

 

お嬢「・・・それは本当に本心からの言葉なのかしら?ドラッグに嵌っているのに。それでも本心を曝さないなんて、お師匠の精神構造どんだけ歪んでいるのよ。心の中で「思う事」は誰にも侵入されない自由なのに。それすら。それを思う事すら封印しようとしていたなんて。」

 

お嬢「本当の事を言ってあげましょうか?な~~~~~~~にが、「必要なのはただ勝つための力」よ。本当は「彼女や。彼女が死んでも。生きていても得ることの出来なかった愉しみを、俺なんかが得てもいいのか?」。そんな事なんでしょ?下らない責任を自分に押し込めて、酔っていたいだけ。自己陶酔甚だしいわ。」

 

探偵「・・・」

 

ワイド「――――」

 

お嬢「その沈黙。肯定と見るわ。・・・いい機会だったのよ。貴方がドラッグに嵌るのは。でなければ、お師匠は結局トラウマから逃げていたわ。貴方の下らない膿が溢れだす機会だとすれば、ドラッグ様様。完治、いえ。トラウマ何て忘れる程の「魅せる」。私のデュエルで…‼!ドロー!!」

 

お嬢手札3枚 場 召喚雲

 

お嬢「魔法カード、「サルベージ」発動!!「墓地の雲魔物タービュランス」「雲魔物アッシドクラウド」を手札に回収・・・!!」

 

お嬢(ペンデュラム相手にこれ以上の長期戦はもう続けられない・・・!!ここで決め・・・れはしないけれど。「支配」は出来る!!)

 

お嬢「召喚雲の効果発動!!手札のアッシドクラウドを特殊召喚!そのまま「雲魔物タービュランス」を召喚!!そしてその効果でスモークボールを二体、守備表示で特殊召喚する!!!」

 

雲魔物アシッドクラウド 雲魔物スモークボール×2⇒特殊召喚!!

雲魔物タービュランス⇒召喚

 

 

そばかす娘「!!!魔法トラップを破壊できる「アシッドクラウド」を召喚すれば、あの鬱陶しいペンデュラムの戦線を潰せた!!それでもタービュランスを召喚にして展開したという事はッ!!」

 

お嬢「そう!!期待を込めた注目を寄越しなさい。更に、タービュランスとアシッドクラウドの天使族二体でオーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚ッ!!お出でなさい、フェアリーチアガール!!」

 

タービュランス×アシッドクラウド=フェアリーチアガール!!

 

お嬢「加速していく!!!フェアリーチアガールの効果発動。タービュランスを墓地に送りデッキから1枚ドローする!!」

 

お嬢手札3枚に

 

そばかす娘「「アレ」を出す前に1ドローを挟んだ!!」

 

探偵「・・・上手くなったな・・・。」

 

お嬢「ククク。オーディエンスの期待も最高潮!!そして師匠。貴方の人生に足りなかったのは!!貴方自身の悲鳴の声!!」

 

探偵「・・・!」

 

お嬢「皮肉にも、貴方はタフすぎた。そしてネガティブ過ぎた。貴方は知らなかった。いつだって悲鳴の声が聞こえれば、誰かが、きっとヒーローとして貴方を助けてくれる事を・・・!!!この一枚こそが貴方を救う一枚!!!ヒーローだ!!フェアリーチアガールとスモークボール二体をリリース!!!」

 

探偵「・・・D!!」

そばかす娘「きた!!いけええええ!!!お嬢!!!ぶっつぶせ!!」

 

「鉄の血潮に濡れた肩。血染めの戦士と人が言う。情無用、命無用の英雄。この命、三体の雲なり。「D‐HERO Bloo-D」!!!」

 

D‐HERO Bloo-D⇒特殊召喚!!!

 

D‐HERO Bloo-D 効果モンスター

星8/闇属性/戦士族/攻1900/守 600

このカードは通常召喚できない。自分フィールド上のモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。1ターンに1度、相手フィールド上のモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備できる。このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分の数値分アップする。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの効果は無効化される。

 

探偵「!!!!」

 

お嬢「最後の一撃へ往く!!!D‐HERO Bloo-Dの効果発動!!貴方の「スクラップ・ドラゴン」を吸収する!!!底なしの血の沼に溺れなさい。クラプティー・ブラッド!!!」

 

探偵「・・・甘い。甘すぎる!!!その程度の血で俺の道を語るな!!!リバースカード、オープン!!速攻魔法発動!!!」

 

お嬢「なに!!」

 

探偵「「スクラップ・スコール」!!」

 

お嬢「なああああああ!?」

 

探偵「デッキから「スクラップシャーク」を墓地に送り、ドロー。そしてドラゴンを破壊・・・。」

 

スクラップ・ドラゴン⇒破壊

探偵手札1枚

 

そばかす娘「それじゃ!! Bloo-Dの攻撃力は上がらない!!!オッドアイズ・ペンデュラムドラゴンの攻撃力2500も越えられない・・・!!」

 

お嬢「・・・くう。このヒーローじゃ。貴方に届かないというの・・・!?」

 

探偵「はあ。はあ・・・はあ!!!まだだ・・・!!まだ俺には遠い・・・!!」

 

ワイド「―――――これは。不味いです」

 

お嬢「ッ!!!カードを一枚セット。ターンエンド・・・!!」

 

探偵「俺のターン。ドロー!!!バトル!!!オッドアイズ・ぺンデュラム・ドラゴンでBloo-Dを攻撃!!」

 

お嬢「!!!」

 

そばかす娘「攻撃力の差は2500-1900で受けるダメージは600!!!お嬢のライフは800だからギリ残ら・・・ねえええええ!?!?!?二倍ジャン!!!」

 

探偵「そうだ。オッドアイズのダメージ二倍効果により1200のダメージとなって俺が勝つ!!か―――――っつ!!!負けない!!!勝つ!!!」

 

お嬢「まだだああああああああ!!!!リバースカードオープン!!!「禁じられた聖杯」!!これで、Bloo-Dの攻撃力を強引に!!!むなしく!!みすぼらしく!!400上げる!!!」

 

そばかす娘「!!!けど!!それでもオッドアイズの攻撃力には200足りない!!」

 

お嬢「それでも死なない!!受けるダメージは、400にな、ぐううあああああああああああああああああああ!!!!」

 

 

ワイド「御嬢様―――――!!」

そばかす娘「お嬢!!!!!」

 

 

Bloo-D⇒破壊

お嬢ライフ 800-400=400

 

探偵「・・・無駄な事を・・・。メイン2。Bloo-Dが消えた事で、モンスター無効効果は消えた。再びスクラップ・キマイラを召喚し、スクラップ・ビーストを蘇生させる。」

 

そばかす娘「!!!それじゃまた!!スクラップドラゴンが!!」

 

探偵「シンクロ召喚。何ででも敵を滅ぼせ。スクラップドラゴン!!!」

 

スクラップ・ドラゴン⇒S召喚

 

探偵「スクラップドラゴンの効果発動。オッドアイズを破壊し、その「召喚雲」を破壊する。」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン⇒破壊

召喚雲⇒破壊

 

お嬢「徹底的・・・」

 

探偵「まだだ。万全に万全の備えを重ねる事がデュエル・・・。ペンデュラム召喚!!出でよ。オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!!」

 

オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン⇒攻撃表示

 

 

そばかす娘「くそ!!また出てきたよ!!これじゃあもう!!お嬢!!もう!!」

 

探偵「カードを一枚伏せてターンエンド。これが万全。これが俺の決闘・・・。」

 

お嬢「・・・こんなものが万全?下らないわ。」

 

探偵「・・・なんだと?」

 

お嬢「もしも。今貴方が、先にバトルフェイズ前にスクラップ・キマイラを召喚していれば、その攻撃を防ぐ術は無かった。私は負けていたのよ。」

 

探偵「・・・」

 

お嬢「もちろん、オッドアイズで本来なら勝てていたとか、必要以上の展開は「激流葬」の餌食とか理由はいくらでもあるけれど。「「今」勝てるかもしれない可能性を増やすよりも、確実に「後で」スクラップ・ドラゴンを出す事を優先してしまう」・・・師匠の悪癖。それが私を生き残らせた。」

 

探偵「だから何だ。Bloo-Dは消え。お前のライフはもはや400。フィールドに伏せもない。敗北には変わら、」

 

お嬢「そういう事を言っているんじゃないわ!!今のフレーズ。私の台詞じゃないのよ。それを教えてくれたのは、アイドルさん。彼女がそれを指摘していた。」

 

探偵「・・・だから。なんだ?」

 

お嬢「そんな事、指摘して貰える友人を持つ人間が、この世にどれだけいると思っているの?もう不幸ぶるのは結構。貴方は確かに自分を削り切ったのかもしれない。既に余生かもしれない。それでも。それでもよ。」

 

お嬢「貴方には、最高に未来の輝く私がいる。貴方を慕う馬鹿な少女がいる。貴方の為に世界を壊す友人がいる。なのに、貴方は後ろばかりを向く。いえ、分かって甘えている。」

 

お嬢「その餓鬼の根性。もう見ていられない。甘えるな。」

 

探偵「!!!」

 

お嬢(・・・そして甘かったのは私も同じ。いくら私が未来の輝きを謳っても。きっとそれはこの人だってもう一度は願ったモノ。餓鬼の願いの軽さなんてこの人自身が味わってきた。そんなの、私が示すことなく無価値だって知っている。私の英雄はまだ、「軽い」)

 

お嬢(・・・ならば。未来に意味がないのなら。意味があるのは結局。・・・結局。寄り添った影。思い出させる、最初の光景。)

 

お嬢「私の英雄は貴方の体を掠め届かなかった。そうね、それもいいわ。だから・・・」

 

お嬢「ラストターン。そしてラストエンゲージ。最初の約束。貴方の英雄に全てを託す。」

 

探偵「おまえ・・・いや!ひけるものか!!!」

そばかす娘「!!!がんばれえええええ!!おじょううううううううおおおおおおお!!!」

 

祈る様に――――

願う様に――――

歌う様に――――

 

お嬢「ドロー!!」

 

――私は、いつも引かれてきました――――

 

お嬢「きたッ!!手札から!墓地の「スモークボール」を除外!「雲魔物ストームドラゴン」を特殊召喚する!!」

 

――――コード起動――――

 

探偵「エクシーズを狙う気・・・!?!?」

 

お嬢「このモンスターを守備表示で特殊召喚する!!」

 

 

――――――T・A・G・C―――---

 

お嬢「雲魔物は!守備表示の瞬間、霧散する!!「破壊」!!」

 

探偵「う・・おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

――――――――――――――「おはようございます。」

 

お嬢「だから!貴方の英雄はここにいる!!手札から!!」

 

――――――――「戦闘プログラムを開始しますか?」――――---------

 

お嬢「動けえええええええええええええええええええええええええ!!!機皇帝ワイゼル∞!!!」

 

WIDE「了解しました」

 

蒼き化身が。その半身に刃を向ける。

 

 

 

機皇帝ワイゼル∞インフィニティ 効果モンスター

星1/闇属性/機械族/攻2500/守2500

このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが効果によって破壊され墓地へ送られた時のみ手札から特殊召喚できる。

1ターンに1度、相手のシンクロモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの攻撃力は、この効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外の自分のモンスターは攻撃宣言できない。また、1ターンに1度、相手の魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。

 

 

探偵「馬鹿な・・・WIDE・・・WIDE・・・ワイドォおおおおおおおおおお!!!!」

お嬢「おおおおおおおおおお!!!貴女に全て託す!!!お師匠の残滓に終止符を!!!」

 

WIDE「肯定。サブウェポン、「シンクロ・ゲイザー」起動。敵対するシンクロモンスターを捕縛、吸収。装備します。」

 

探偵「させない!!リバースカードオープン!!速攻魔法発動!!「スクラップ・スコール」!!スクラップ・ドラゴンを破壊する!!」

 

そばかす娘「!!!またさっきと同じ方法で逃げる気!!」

 

「「無駄」」

 

WIDE「「ゼロ・シフト」コードオン。」

お嬢「あらゆる魔法の発動を、ワイゼルは赦さない。貴方が一番知っている事!!!」

 

探偵「ぐ!!!」

 

お嬢「もう逃がさない。未来の光でさえ照らせない貴方を刺すのは、ここまで貴方に寄り添って来た過去の影だけ。待ったなし。心中しなさい。」

 

WIDE「スクラップ・ドラゴン、エンチャント。私の攻撃力は5800にまで上昇します。」

 

探偵「あ・・・!」

 

お嬢「終わりにしましょう!!WIDEさん!!」

WIDE「撃てます。」

 

スクラップ・ドラゴンから溢れる粘りつく穢れきったオイルも。ワイゼルが放つ近未来の蒼の力も、全ては問題なく∞の核で混ざり合っていく。だが混ざった色彩だけは圧倒的なオイルの汚れに引っ張られ、濁流の輝きにしかならなかった。

だが、その輝きは、何となく。探偵の脳裏に大して綺麗でもなかったグチャグチャの人生と、彼女の最後の笑顔を思い出させた。

 

 

探偵「おおおおおおおお!!!!」

 

お嬢「シンクロ・・・」

WIDE「ベクターキャノン!!!」

 

混濁とした超弩級の光線が、オッドアイズの龍を包み込み。そして男を飲み込んでいく。

 

探偵「わい・・・ど・・・」

 

 

 

 

 

 

・・・

 

少年「…何も、「ポンコツの意地」で相手に送りつけるのはサーチャーだけじゃないって事ですよ…上を見てみて下さい…!!!」

 

「上…な、なあああああああ!?」

 

「嘘…「スクラップ・ドラゴン」があたしたちのフィールドにいる!?」

「馬鹿な!?何をするつもり…アッァああ!!!」

 

少年「…言いましたよね…「ワイゼル」こそ俺の「筋」だと!!!」

 

少年「機皇帝ワイゼル∞の効果発動!!! 1ターンに1度、相手のシンクロモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備するッ!!!「スクラップドラゴン」!!!」

 

「荒業過ぎる!!!」

 

少年「今こそ光を掴めェ!!!シンクロゲイザー!!!」

 

WIDE「肯定」」

 

 

 

 

ワイド「ですが、通常のプレイング能力であれば、勝機はありました。マスター」

少年「…機械でも気休めが言えるなんて、未来の技術は凄いんだな」

ワイド「否定です。私は気休めを言う事はできません。私は先程のデュエルは否定します。限りなく、人間的に解釈すれば「情けない」に該当するかもしれません。ですが、マスターの存在、プレイング、能力その他すべて含め。全て肯定します」

 

少年「!?」

 

ワイド「だから「どうせ俺なんかがマスター」と言う先程の発言の撤回を要請します。マスター。私はマスターを肯定します。よって、この刺激臭の観測できるこの部屋で、1人で眼から塩分とタンパク質に富んだ水分排出作業を行わないでください」

 

 

 

 

少年「ワイド」

 

ワイド「はい。」

 

少年「俺は最後まで・・・頑張る」

 

ワイド「はい。」

 

少年「だから、探す。」

ワイド「はい。」

 

少年「・・・だから・・・頼む!」

 

少年「もう一度、彼女に会いたいんだ!俺を手伝ってくれ!頼むッ!」

 

ワイド「当然です。肯定。」

 

 

ワイド「私のエネルギーと、発見したコレを受け取りなさい。御主人。御武運を。」

少年「なんだこのカードは・・・!?見た事のない緑色のモンスター・・・そうか。やっぱり一緒に闘ってくれているのか。ワイド。」

 

少年「これは、お前がこの屋敷の中から見つけ出して、俺に送ってくれたんだな?この体力も、お前がくれたんだな?」

 

少年「「No.39 希望皇ホープ」が、死んだ。「効果」によって。けれど、貴女が希望を残したのなら、俺は必ず、助ける。希望が死んだからこそ。俺の絶望は動き出す・・・!」

 

「やめろおおおおおおお!!」

 

少年「貴女の残した必死な希望と、俺の下らない絶望の二つを糧に。今。起動しろ。彼女を救い僕を守れェェェ!!」

 

 

少年「動けええええええええええええええ!!WIDEォォォ!!」

 

WIDE「――肯定――」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

青年「・・・くうううう。明日・・・プロ試験・・・・・・くそ。くそ。くそ。」

 

ワイド「興奮しないで下さい」

 

青年「くそ!!たかがプロ試験だというのに!!「彼女」が受けた呪いに比べれば、こんなもの何てこともないのに!!「彼女」は夢見たこの場にすら立てなかったのに!俺は。こんな事で・・・びびっている・・・くそ!」

 

ワイド「――――1つだけ。機械的に演算し、確実に言える事があります。」

 

青年「あ!?なんだよ!!」

 

ワイド「仮に。彼女の事が無かったとしても。貴方は生来の根暗さで同じようにプレッシャーに押しつぶされていたでしょう。」

 

青年「!?」

 

ワイド「だから―――――。安心してください。安心してプレッシャーに潰されて下さい。貴方はそういう人なのですから。余計な責任意識を持たなくても大丈夫。です。」

 

青年「・・・はア・・・確かに。確かにそーだよ。くそ。くそ。くそ。どうしよマジで明日受かる気がしない・・・首吊りてェェェェええェェェェえええええええ!!!」

 

ワイド「そうです。それでこそ私のマスター。御主人。いつも通り。です。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

青年「・・・よし。」

ワイド「合格と登用。おめでとうございます。」

 

青年「ああ。まあ。こんなのまだ入口だけどさ。」

 

ワイド「その入口に散々慌てていたのはどなたですか。」

 

青年「俺だ。オレオレ。・・・でも本当にここから勝負だ・・・絶対に勝ちあがって。勝って勝って。稼いでやる・・・早く。」

 

ワイド「―――――」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

青年「くそ!!!シャドール!!止まらねえェェェェ!!!また負けた!!!・・・くそ・・・あんなデッキに・・・」

 

ワイド「相性の問題はあります。仕方ありません」

 

青年「仕方なくない。勝たないと・・・。これからシャドール使いはセミプロ、アマチュアにも一気に広まっていくだろう。その中で、負け癖をつけているとすぐに喰われる・・・。くそ。」

 

ワイド「――――ならば。シャドールモンスターは融合モンスターが主力です。融合を封じるタイプのカードを積む。もしくは、こちらからシンクロモンスターを出さず、デッキ融合を防ぐ方法を推奨します。」

 

青年「…いや。それじゃダメだ。シャドールのもう一つの顔は「派生系」の多さ。シャドールフュージョンに気にしすぎて「スクラップ・ドラゴン」を展開しなかったら、シャドールと組んでいる「もう一つの要素」の方に喰われて対応できず負ける。そのパターンだって多い。それに、結局は手札融合でも十分に戦線を立てる力があるのだから。こっちが逃げ腰になった瞬間負けだ。」

 

ワイド「――――では。」

 

青年「・・・いっそ。いっその事。あの何回でも回収される「シャドールフュージョン」・・・を。根本的に殺してしまえば・・・」

 

ワイド「―――――御主人――――」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

青年「よし。帰ろう。ワイド」

 

ワイド「御勝利。おめでとうございます。」

 

青年「ありがとう。・・・まさか、「シャドールフュージョン」メタで入れた「封魔の呪印」が。「影霊衣の降魔鏡」にまで刺さるとはねェ。」

 

ワイド「しかし、あと一歩遅ければ「万華鏡」の方で儀式を成功させられていました。」

 

青年「だろうね。どうせ、その後はトリシュやら虹宣告者のサーチやられフルぼっこだったろうな。本当、速攻で決めれて良かった。」

 

ワイド「肯定」

 

青年「ところで。その手にしている封筒は何?結構枚数あるみたいだけど。」

 

ワイド「――――――「ファンレター」です。」

 

青年「・・・こういう時、お前が嘘の言えない身体で良かったと思うよ。どうせ・・・」っす

 

「薄汚いメタ野郎負けろ」

「決闘者の恥さらし」

「卑怯な手で勝った金はさぞ嬉しいだろうなア?」

「くたばれ」

 

 

ワイド「――――――」

 

青年「・・・いやアねェ。ルール的には卑怯も何もないんだけどさ。・・・嬉しいねえ。勝って得た金は。」

 

ワイド「御主人」

 

青年「大丈夫。今更こんな事で折れる心はない。元から複雑骨折中のせむし男みたいなもんだ。この程度で。この程度で。」

 

ワイド「―――――もう一通だけ来てます。」

 

青年「ん。一応読んでおく・・・んん!」

 

「世間では貴方を卑怯者と呼ばれていますが、どんな手段を使ってもスクラップを輝かせ続ける貴女を私は尊敬します。スクラップ使いとして。どうか負けないで下さい。確かに私は貴方にユウキを貰っているのだから。」

 

青年「・・・なんかさぁ。ここまでネガティブで生きてるよぉ・・・。罵倒よりも「こういう方」が効くんだよなぁ・・・くそ。くそ・・・」ぐす

 

ワイド「―――――また泣くのですか。やれやれです。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

青年「はぁはぁ・・・」ふらっ

 

ワイド「御主人。健康状態が異常です。今回の出場を取り消しましょう。」

 

青年「ダメ…駄目だ。今回の試合は・・・負けても一定の賞金は出る・・・だから取り消すのはだめ・・・」

 

ワイド「せめて優勝するのを狙いにしてください。」

 

青年「・・・頼む・・・。来年までに・・・金をためる必要がある。」

 

ワイド「――――――」

 

青年「・・・治安維持局が、「呪術師の家」の取り壊しを決めたみたいだ。今はあの家の地下に彼女は封印しているけれど、もう隠せなくなる。その前に・・・安住の館を建てないと・・・」

 

ワイド「―――――分かりました。ですがその代わり。次週からの前座役としても出場、TV出演を減らす様にしてください。貴方の体調以上の原因はストレスと過労。このまま安い仕事を連日していれば、本命の試合、大会、リーグ戦で倒れてしまいます。先に承認して貰いますが、私は「コカブスカーナイト」と違い、決闘中に御主人が倒れ、観客にゴミを投げつけられようと一切庇いません。」

 

青年「・・・へーい。」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ワイド「いい加減にしてください。今回の敗北は手札事故を引き起こした「機皇帝ワイゼル∞」のカード。このまま私をデッキに入れていてもメリットは生まれません」

 

青年「ダメだ。お前だけは抜かない。絶対にだ。」

 

ワイド「感情論です。そんな一時の感傷に浸ってチャンスを逃すのですか。」

 

青年「いや。違う。俺にはお前が必要だ。」

 

ワイド「ありません。次回の大会。ここで入賞すれば賞金は」

 

青年「ああ。ちょっとした館が建てられる。これまでの金を合わせればだけれども。」

 

ワイド「ならば。一層私を抜くべきです。そしてフリーチェーンの罠を一枚。いっその事「禁止令」でも入れる推奨。」

 

青年「・・・それじゃもう。ダメなんだよ。ワイド」

 

ワイド「意味不明」

 

青年「・・・俺な。もう。ダメなんだよ。既に。既に。このままプロにいられない」

 

ワイド「―――――」

 

青年「もう疲れた。肉体的にも。精神にも。「負けたらいけない。勝たなくては。勝って金を。その為にならどんな手を使ってでも。」・・・そんな気持ちをここ7年近く維持できたことが奇跡なんだ。もう。観客からの罵声の声にも、負けることへの不安も。毎月口座を見る事にも疲れた。俺にはもう決闘が辛い。決闘を考える事が辛いんだ。もう辞めたい。」

 

ワイド「―――そんな事。私とて把握してます。ですが「だからこそ」です。この大会に勝って、お金を手にし。それでプロを辞めましょう。その為にも、まずは私を抜いて。」

 

青年「それが。無理だ。土台な。」

 

ワイド「―――――何故?罪悪感ですか?精霊である私を気にして、」

 

青年「違う・・・抜けないんだよ。俺が。・・・」

 

ワイド「――――意味不明」

 

青年「・・・もうお前しか、決闘への楽しみは居ないんだ。」

「メタ要素を入れて勝った時。勝てた嬉しさ何かよりも、これからも勝つ事だけに心を決め続けなくてはならない事に恐怖した。俺の中で「楽しむ」だとか「面白くする」なんてのは少しづつ死んでいった。」

 

「それでも。お前を引けば嬉しくなる。お前を引くと、燻ってた塵ゴミに火が付くんだ。」

「お前だけだったんだよ。俺の「楽しみ」は。だから、お前がデッキから消えれば。もう俺は決闘を二度としなくなる。出来ないんだ。」

 

ワイド「―――――」

 

青年「だって・・・お前は。」

 

 

「お前がいてくれたから。お前が僕のヒーローだから。どんなに壊れたとしても。むしろ壊れた先にもきっと未来があるって信じられるんだ。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

少年「…何でおれの下にいるのかとか、そもそも本当に精霊なのかなんて聞いてたらどうせ説明長くなるよな?」

 

ワイド「はい」

 

少年「ならば、今は聞かない!なんでもいいから一緒に闘ってくれ!ホープを倒す!」

 

ワイド「了解しました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ああ。思い出した。始めてワイドと会った時も・・・あの時もアイツは。

ワイドは。ワイドは殆ど俺の身体の一部だった。

最初から。きっと最後まで。アイツだけは・・・。

 

 

探偵「・・・思い出したよ。お前だけだったよ。ワイド・・・お前だけは分かってくれていた。」

 

ワイド「ようやくお気づきになりましたか。ユウキ。」

 

探偵「・・・ああ。すまなかった・・・すまなかったな・・・」

 

ワイド「――――――。貴方がどんな言い訳を言おうが私は機械的に断定します。貴方の人生には意味があった。貴方は守り切った。それに嘘も本当もありません。だから―――――大丈夫。です。また歩いて行ける。また決闘を楽しみましょう。季節は廻ったのです。」

 

探偵「・・・」

 

ワイド「あの日は、どこまでも凍り付く様な豪雪でした。けれどもう貴方の雪は溶けています。そこにいる御嬢様が14年ぶりの豪雪の日に事務所のドアを叩いた時から。だから・・・」

 

探偵「・・・ああ。」

 

ワイド「大丈夫。大丈夫。です。」

 

 

探偵「・・・へへ・・・少し・・・寝る・・・」

 

ワイド「肯定」

 

その男は、只の餓鬼の様に。安心しきった顔で14年前から続いた意地っ張りを降ろし。14年前の様に安心しきった顔でワイドの元で眠りについた。

 

 

 

 

お嬢「・・・サラバよ。お師匠。」

 

機皇帝ワイゼル∞攻撃力5800 VS オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン攻撃力2500

⇒オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン破壊 

2300のダメージ!!

 

 

 

探偵ライフ 1600―2300=―700

 

WIN-お嬢 LOSE-探偵

 

探偵「ぐ・・・・zzzzzz」

 

そばかす娘「探偵さん。これでドラッグから。」

 

ワイド「肯定。ドラッグはその者のトラウマに結びつく様です。それが今消えました。結果的に根こそぎドラッグ感染も消えたと言えます。」

 

そばかす娘「よ。よかたあぁぁぁぁ。」

 

探偵「zzzzzzzzzzzzzzzzzzz」

 

お嬢「ったく。呑気に寝ちゃって。」

 

ワイド「御嬢様。本当に。本当にありがとうございます。」

 

お嬢「ええ。こちらこそ・・・。」

 

 

お嬢(・・・少しだけ。少しだけ羨ましいわ。地獄の底までついて来るであろう。「相棒」。

・・・±0とまでは言わないけれど。お師匠。貴方はきっと。十二分に幸せだったのよ。)

 

ワイド「そして。御嬢様。」

 

お嬢「ええ。兵士は削った。いよいよ。いよいよクライマックスだわ・・・」

お嬢「このドラッグを巻き散らかして盛大に馬鹿をしようとする奴ら。奴らを叩く。」

 

お嬢「決闘の価値を奴らに見せつけてやりましょう」にやり。

 




「探偵」のモデルは、そのまんまですが佐藤先生その人です。少しだけ運が良かった場合と言うか。

次回はいつかになるか分かりませんが夏の盛りにはお会いできるように努力します。
では、クライマックスの第五章「ラストダンス」。お楽しみに。 
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