第五話 憧憬
唐突なフラッシュバック。意識世界3秒の出来事の話。
でも、誰にでも、たったの数秒間で、鮮やかに思い出せる世界がある。
そう、あたし「お嬢」には、憧れた決闘がある。
ショタ君位の年の頃、と言っても今から5年程度前に過ぎない、ちょっと前のころまで、
あたしは非常に「可愛くない」子供だった。今?当然可愛くて美しい女子中学生。文句ある?
あたしの家はこの地域で一番の資産家で、交通インフラのいくつかを運営し、何より多くの土地を持つブルジョア。小さいころからラーメン屋の60歳店主も、駅前のビジネスビルを本拠地とするやり手ベンチャー企業の社長も、大企業「デュエルカンパニーゼーション」の事務所室長も、この町の役所の人、昔から住む商工会議所の人たちも、多かれ少なかれ土地持ちの私たちの家に敬意を払い、見え透いた打算と共に媚びへつらってきた。それこそ、あたしはこの地域の人にとって「領主の姫」だったのであろう。
けれど、家に帰ると毎日、野心を持った誰かがヘラヘラお愛想を小学生のあたしに言ってきたり、失敗をした誰かが父や叔母に向けて融通を求め土下座をする光景を見て、歪まない子供が世の中にいるのだろうか?
あたしの中で、「人」は「より強い立場の者に媚を売って生きる生物」だと学習されるには、多くの時間はいらなかった。
「大きくなったら何になりたい?」なんて小学校の中で聞かれても、あたしは「何になったとしても結局は媚びへつらうには変わらない」と思っていた。
それで「あたしは生まれながらの強者」とでも錯覚すればまだ良かったものを。そうすればただの勘違いした間抜けな王女になれたのに。
あたしの王国であるこの郊外の街は、それなりに大きく価値はあるとはいえ、あくまでもただの一観光土地でしかないことも、既に知っていた。我が家の持つ交通会社の車両が、TVで見た都心を走る大型車両や、海外の大陸を横断する豪華特急(中にデュエルスペース付き!)比べてあまりにも小さて古いことに気が付いてしまったからか。
結局のところ、あたしの王国ですらより大きなものと比較していけば大したものではない。この町に、もしそんな大きくて豪華で速い車両を持つ「財閥」なり「企業」なりが強硬な手段で侵攻した場合、あたしだって「ルール」にしたがって媚びへつらうだけの存在になるだけ、と確信してしまったのだ。
そんな事ばかりが胸を縛り、あたしは何をしても何をされても冷めた態度をとる子供になっていた。
友達はいた。けど、家に遊びに行ったことはない。行けばその家の大人にゴマを擦られるから。
習い事に空手や塾には行っていた。悪くなくその道場や塾で一番の結果を出していた。けど、気持よくなれたことはない。あたしよりももっと強くて賢い同世代の子供たちが世の中に何万人といることも知っていたから。
・・・そんな、冷めた、世の中に対して諦観ばかりだった、のだ、けれど。
それは8歳のヒンヤリじめじめな人生に慣れてきたある時。
TVの中の景色。
確かそれは土曜日のゴールデンタイムに見ていたバラエティーだった。話題合わせ程度に見ていた。のだと思う。その日は生放送スペシャルでいつもよりテンポは悪かった。
その日は、プロデュエリストがゲストに招いてプロリーグの裏側に密着!といった内容だった。ゲストのプロデュエリストは前年学生リーグ1位の新進気鋭の若手イケメン(重要)。今では国内ランカー2位の名人だ。
MCや芸人、女性アイドルグループなどと交え、トークが進み、最後にプロと参加者のデュエル!と言う企画になった。デュエルディスクを手にしたのはアイドルグループの1人の女性。ボーイッシュでカワイイ顔立ちだけれど、だからといってお茶の間の誰もが知っている名前ではなく、大勢が所属するアイドルグループの名前が無ければ一般人と見分けがつかない。そんな女性だった。
プロ「そんな緊張しなくていいんですよ。」
アイドル「は、はい!!」
芸人「アイドルちゃん超緊張してるやんwww」
HAHAHAHAHAHAHAHAHAH!! HAHAHAHAHAHAHAHAHAH!!
そんな、イベントとしての見え透いたデュエルが始まった。単に「プロさんやっぱ強ェ!!」っていう流れのソレのハズ、だった。
プロ「では、デュエル!!」
アイドル「デュえッ!!」
プロデュエリスト VS アイドル
プロ「僕は、ヴェルズ・カストルを召喚。」
ヴェルズ・カストル
効果モンスター 星4/闇属性/戦士族/攻1750/守 550
このカードが召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を召喚できる。
プロ「カストルがいるときは、もう一回だけ「ヴェルズ」を出すことできます!!出でよ!! 「ヴェルズ・ヘリオロープ」!!」
プロ「そして皆さんお待ちかね!!レベル4のヴェルズ2体で、オーバーレイ・ネットワークを構築!!!エクシーズ召喚!!」
アイドル「ひえ!!」
一同「おおおおおう!!!」
「闇と闇重なる時!!盲目の蛇となりて、星蝕の力がここに生まれる!!!」
「エクシーズ召喚!!現れよ!!ヴェルズ・オピオン!!!」
ヴェルズ・オピオン エクシーズ・効果モンスター(制限カード)
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2550/守1650 「ヴェルズ」と名のついたレベル4モンスター×2
エクシーズ素材を持っているこのカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから「侵略の」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える。
アイドル2「かっこいい!!」
芸人「またごっついのが出て来たな!?」
プロ「オピオンがいる限り、レベル5以上のモンスターを特殊召喚する事は出来ません。故にシンクロや高レベルのモンスターを出すデッキを封殺できる強力なモンスターなのです。」
おおおおおおおおおおおおお!!
プロ「僕はオピオンの効果を発動!!デッキから「侵略の」と名のついた魔法・罠を手札にサーチします!!加えるのは「侵略の汎発感染」」
侵略の汎発感染
速攻魔法 自分フィールド上の全ての「ヴェルズ」と名のついたモンスターは、このターンこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。
プロ「これで、僕のオピオンは魔法罠に対しても耐性を得たも同然です。僕は、カードを2枚セット。アイドルさんの番ですよ。」ウィンク☆
アイドル「は、はい!!」
…………やはり、プロデュエリストは違う。単にオピオンを出したことではなくて。歌うかのような美声のエクシーズ口上や、その効果の説明やカメラへのアピール。TVという人に魅せるべき場面でもその義務を果たしている。しかも出す戦法そのものはガチガチの真剣。プロとして、負ける気が盲目ないと、矜持を見せる。
当時の私はそう思っていた。空気を圧倒的に支配し、引きつける。それこそがプロ。それは絶対の媚びられる側。ま、そうだよね。そう。「だった」。そこまでは。
TVの中でも「やっぱりプロさんはスゴイナー」と根拠のあるような無い様な空気が流れ始めた。その時。
「フフ…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
芸人「ちょ、誰笑ってるんだよww・・・え・・・え?」
突然あがる、狂気的な笑い声。明らかにTVではあってはいけない類の声。例えるなら、昼休みのドッジボールで男子が投げつけられたボールをキャッチして、投げた相手に小走りに迫るときのような、途方のない興奮。
「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
放送事故?一瞬何があったのか分からず出演者全員がフリーズする。ただ一人、笑い声の主、デュエリストのアイドルだけが、笑いとともにドローした。
「ひゃはははははwwwきたきたきたwwwwそうコレだよwwwやっべ超滾るwww」
ターン2
アイドル「あたしは、「インヴェルズの魔細胞」を特殊召喚ww。自分フィールドにモンスターがいない時特殊召喚できるっすよwwwこれwww」
インヴェルズの魔細胞
効果モンスター 星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
このカードは「インヴェルズ」と名のついたモンスターのアドバンス召喚以外のためにはリリースできず、シンクロ素材にもできない。
現れたのは、およそ爽やかボーイッシュイメージを売り出してるアイドルが出してはいけないモンスター。
悪意と敵意のテントウムシ。
他のアイドルが「デッキが違う」だとか「ガスタのハズだったのに」だとか、そんな事を驚きと共に声にする。ザワザワとするセットの中で、ただ一人、プロだけは少し笑みを浮かべる。TV的に「想定外」が起きていると、子供ながらに理解した。
アイドル「そしてwww。「インヴェルズの魔細胞」をリリースしてーのwww手札の「インヴェルズ・ギラファ」を召喚するww!!」
魔細胞を一口で噛み千切る。こだまする喰われる側の怨念の声。
古代の絶対捕食者。インヴェルズの中でも最も獰猛な蟲・・・インヴェルズ・ギラファッ‼‼‼
インヴェルズ・ギラファ
効果モンスター 星7/闇属性/悪魔族/攻2600/守 0
このカードは「インヴェルズ」と名のついたモンスター1体をリリースして表側攻撃表示でアドバンス召喚できる。「インヴェルズ」と名のついたモンスターをリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した時、
相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。選択した相手のカードを墓地へ送り、自分は1000ライフポイント回復する。
アイドル「さあwww悲鳴を挙げろwww」
プロ「これは…面白い!!」
MC「うっひゃあああああ。プレデターみたいだな。」
アイドル2「いやああああああああああああああ‼?」
アイドル3「キャああ!?なによこのグロモンスター!!!」
芸人「ちょっと、ちょっとちょっと!!レベル5以上は特殊召喚できなくなってるんじゃないですか!!」
プロ「はい。ですが。このモンスターは「アドバンス召喚」。召喚権に基づく召喚であり、オピオンの効果に引っかからないカードです。しかも、」
アイドル「レベル7だけどインヴェルズをリリースした時は1体で済むwwwさあ捕食るぜwww」
プロ「はっは!!!ただのユルーいバラィティーゲストだと思ってきたけれど。アイドルさん。随分と面白い趣向を凝らしますね。僕が「ヴェルズ」の達人と知っていて、「インヴェルズ」で挑むとは…!!!」
アイドル「でしょwwwどっちがより悪い奴か、喰らい合いましょうやwww」
プロ「やっぱりか。アイドルさん。君本気でこのプロを喰らうつもりか!!!面白い!!!」
MC「こ、ここで一旦CMに、」
プロ「やめろ!!」
MC「ええ!?」
プロ「想定外が起きたから一旦放送を止めるつもりなんだろうけど。デュエルが始まったなら、誰に止められない。お偉い様も広告も神だって止められないんだ。そんなことをしたら二度と僕はこの局に協力をしなくなるでしょう。」
MC「ひいい!?」
アイドル「やっべwwwやっぱかっけえプロはwww超憧れるわwww」
プロ「はっは。本気で勝とうとしてる娘の台詞じゃないよね?。」
アイドル「ひひwww決闘(やる)からには勝ちを狙うのが礼儀でしょwwwそれこそ相手がプロだろうと神だろうとwww召喚に成功したギラファの効果発動wwバックの右側セットカードを墓地に送るよwww」
プロ「ほう、そっちを割りに来たか。だがその指定したセットカードを発動。「激流葬」!!!召喚時に全てのモンスターを破壊する!!」
アイドル「!!!www」にやり
MC「味方諸共!?」
芸人「バッカ!プロがさっきサーチしたカード!!」
MC「…???」
プロ「芸人さん。正解です…!!リバースカード発…!!」
プロ「…まさかアイドルちゃん。「アレ」か。「アレ」なのか。まじなのか?」
アイドル「・・・www気づきましたか?プロさんwww」にやにや
プロ「…ッフ。本当に面白い事をしてくれますね。ならばここはチェーン無視して、いい絵を撮りましょうか?」
アイドル「賛成wwwカメラさんこっち二人にフォーカスwww」
MC「何を言って…?」
プロ「いくよ!」アイドル「いいですともwww」
「リバースカード発動!!!」「手札より発動!!!」
「「侵略の汎発感染!!!」!!!」
「「これにより、わたしのモンスターは激流葬では破壊されない!!!!!」」
侵略の汎発感染 速攻魔法
自分フィールド上の全ての「ヴェルズ」と名のついたモンスターは、このターンこのカード以外の魔法・罠カードの効果を受けない。
同一のカード。「あ、「インヴェルズ」も「ヴェルズ」なんだ」なんて一瞬脳内によぎるけれど、そんな事はどうでもよかった。そんな事がどうでもいいと思うほど、気づいたら。
幼お嬢「ウォおおおおおお!!!かけええええええええッ!!!何これェェェェ!!!!!!」
…叫んでいた。ただただ興奮していた。そしてそれはTVの中の一般席のお客さん達も同じだった。
ウォおおおおおおおおおおおお!!!! コンビ芸かよwwww おおおおおお!!!!なんだアレ!!! 同じカード!! やるねえ!!! 完全にハモってるwww かっけええ!!!熱いな!!! いいぞアイドル!!!プロ負かしちまえ!!! プロさんそんな女に負けないでェ!!! ゥわああおおなんだよアレ!!!!! アイドルたんかっこよすwww ヴェルズ最高!!! イイぞおおおおおお!!! かっけええええええええええええええええええええええええええええ!!!
ゥおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!ぅウォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
プロ「うーん。まさに、汎発感染(パンデミック)。プロになるために何千回何億回とデュエルはしてきたけど、こんなシーンは初めて見たよ。快感だね。」
アイドル「そりゃどうもwwwけどけどwwwプロさん、貴方の情勢ピンチですからねwww」
プロ「ふふ。なら喰らってみて下さい。」ギリッ
アイドル「…流石プロwwwすっげえ迫力www絶対負けないってかwww」
プロ「当然です。プロですから。ただただたーだ、ひたすらに「負けない」を繰り返して、そこでようやく奨励会を抜け出て。この国のアマチュア決闘者人口数十億人の羊やヤギの群れ全員を喰えると確信されたからこそ、「プロ」を名乗れる。勝つことが当たり前。100%勝つ事だけを目指して生きている。それが「プロ」。その名に喧嘩を売ったのだから当然。お代は高いよ?」
アイドル「うっひょwwwやっべやっべwwwけどね、TVの前のファンと皆様の為ならヤギがガチの悪魔に化けるのがアイドルの仕事なんでねwwwそんなお代払ってやるものかよwwwバトルwwwギラファでオピオンを攻撃www」
プロ「っく!!!」
ギラファ攻撃力 2600 オピオン 攻撃力2550
オピオン→破壊 プロライフ 3950
アイドル「カード1枚伏せてターンエンドwwwさあさ誰もかれもが手を叩けwww決闘はここからなんでしょうwww」
プロ「当然。ドローォ!!」
ターン3 手札3
プロ「僕は、「ヴェルズ・ケルキオン」を召喚!!!その効果は正に場を切り返すッ!!」
ヴェルズ・ケルキオン 効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1600/守1550 自分の墓地の「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、自分の墓地の「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。「ヴェルズ・ケルキオン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、この効果を適用したターンのメインフェイズ時に1度だけ発動できる。「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を召喚する。このカードが墓地へ送られたターンに1度だけ、「ヴェルズ」と名のついたモンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくする事ができる。
アイドル「うひょwww・・・やべ」
プロ「今更遅い。効果発動。墓地のオピオンを除外し、手札にヴェルズ・カストルを回収!!そしてケルキオンの効果により増えた召喚権利で回収したカストルを召喚。」
アイドル「おwwもう一体カストルで出してウロボロスっちゃうかwww」
プロ「知ったかぶっちゃって。安い誘導は結構。僕は!!!カストルとケルキオンでオーバーレイネットワークを構築!!!」
憎悪よ!!!執着よ!!!切望よ!!!僕に勝利と味方を寄越せ!!!
現れよッ!!! ヴェルズ・バハムートッ!!!
ヴェルズ・バハムート エクシーズ・効果モンスター
ランク4/闇属性/ドラゴン族/攻2350/守1350 「ヴェルズ」と名のついたレベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。手札から「ヴェルズ」と名のついたモンスター1体を捨て、選択した相手モンスターのコントロールを得る。
ウォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
バハムートキタ――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
ゥおおおおおお!!!いいぞおおおおおおおおおおおおおお!!!
新しいエクシーズモンスター!!! やべえアレ出たらアイドルちゃんオワタwwww ヴェーラー!!ヴェーラー!!
芸人「うお!!これはエゲツないなプロさん~~~。一気に詰みだ、アイドルちゃん。」
MC「…えっと。このカッコいいドラゴンはどんな効果なんですかね。攻撃力はアイドルちゃんの気持ち悪いモンスターより低いよね?」
芸人「え。ネタじゃなくてガチのやつっすか?えっと。簡単に言うとモンスターを奪えるですよ」
芸人「ギラファが渡れば、その攻撃力2600とバハムートの攻撃力2350のダイレクトアタックで、アイドルちゃんはライフ0って寸法ですよ。」
MC「え!?じゃあピンチじゃん!!」
芸人「だからそう言ってるじゃないっすか!?」怒っ!!
プロ「そう。そのギラファを奪う!!しっかり詰まさせてもらうぞ!!効果発動!!素材のケルキオンを送り、手札の「ヴェルズ・サンダーバード」を墓地に送る!!さあ来い!!インヴェルズ・ギラファ!!!」
アイドル「・・・終わらせない…」ぼそ
アイドル「祭りはまだ終わらせないwww!!!リバースカードオープン!!!「侵略の一手」!!」
プロ「そう来たか!!」
アイドル「フィールドの「インヴェルズ・ギラファ」を手札に戻し!!ドロー!!!これにより!!奪われるはずだった「ギラファ」はいない!!強奪阻止ッ!!!」
芸人「サクリファイズ・エスケープもどきか!!!」
侵略の一手 速攻魔法
自分フィールド上のアドバンス召喚した「インヴェルズ」と名のついたモンスター1体を持ち主の手札に戻して発動できる。デッキからカードを1枚ドローする。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
まだ終わらいないぞこれェええええ!!
やるぅウゥゥゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥぅウぅウゥゥゥゥゥゥゥウ!!!
くっそあのクソ女!!!うぜえええええええええええええええええええええええええ!!!
アイドル2「アイドルっちめ。目立ってる…」
MC「今のどういう事なの!?どっちが勝ってるの?」
芸人「うるせえ聞くなあ!!ゥおおおお!いいぞいいぞ!!粘れ粘れ!!!」
アイドル「早々には終わらせないの」
プロ「…ッフ。口、除草ですか?」
アイドル「…wwwこりゃ失礼wwwさあドンとこいwww」
プロ「当然。ヴェルズ・バハムートでダイレクトアタック!!」
アイドル「クゥゥゥゥゥゥゥウ!wwwwwww」
アイドル ライフ 4000―2350=1650
プロ「カードを一枚伏せてターンエンド!!来い!!決闘アイドル!!」
アイドル「おおイイですねそのヒビキwww「決闘アイドル」‼‼‼頂きましたwww ドロー!!!」
アイドル「さあ魅せてやるwww」
アイドル「僕っちは、終末の騎士を召喚www効果により、墓地へインヴェルズ・ギラファを送るwww」
終末の騎士 効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻1400/守1200
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る事ができる。
「インヴェルズ・ギラファ」→墓地へ
プロ「そんな事が何になる!!」
アイドル「まだまだwww魔法カード「二重召喚」を発動wwwこのターンもう一度の召喚を可能とするwww」
アイドル「漏れが出すのは…」
「カメンレオン!!!」
プロ「!!!まだそんな一手を魅せるのか!!!」
アイドル「それが仕事なんでねwwwカメンレオンの効果発動www墓地の守備力0のモンスターを蘇生させるwww」
カメンレオン チューナー(効果モンスター) 星4/地属性/爬虫類族/攻1600/守1100
このカードは自分フィールド上にレベル5以上のモンスターが存在しない場合のみ召喚できる。
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の守備力0のモンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。 この効果を発動するターン、自分はエクストラデッキ以外からモンスターを特殊召喚できない。
インヴェルズ・ギラファ→蘇生
アイドル3「きゃあああ!!またあの悪魔が出てきたァ!?」
アイドル2「そのための終末の騎士だったの…?」
アイドル「さあ魅て頂戴、感じて頂戴。首尾は上々、お代は結構。レベル7のギラファにレベル4のカメンレオンをチューニング!!シンクロ召喚!!!」
「君といるのが好きで あとは殆ど嫌いで まわりの色に馴染まない…♪…www!!!」
レベル11!!! 星態龍!!!
星態龍 シンクロ・効果モンスター 星11/光属性/ドラゴン族/攻3200/守2800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。このカードのシンクロ召喚は無効化されず、
このカードがシンクロ召喚に成功した時、魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
また、このカードが攻撃する場合、このカードはダメージステップ終了時まで、このカード以外のカードの効果を受けない。
誰にでも心に刻む瞬間がある。言葉や理解を越えて、残る一瞬だ。私にとってそれは、この時。
卑しい悪魔とお世辞にも見栄えはよくないカメンレオンが光と共に消え、現れたのは、輝かしい、ひたすらに「カッコいい」星喰らう龍。
幼お嬢「何これすっげェ!!!すっげ!!!かっこいい!!!」
お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
うひゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!
プロ負けないでえええええええええええええええええええええええええええええええ
アイドルやるじゃんんん!!!!
シンクロきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
アイドル2「やれえええええええええええ!!後の事気にせず勝てええええ!!アイドル!!!」
アイドル3「あのキモイ悪魔がカッコ良くなったァ!?!?!?!?!?!?!?!?!!?」
芸人「そりゃズルいぜえええええええええええ!!!そりゃズルいだろォおお!!かっチョ良いイイ!!!」
MC「なんだかわからないけどうおおおおおおえええええええええええええええええええええええええ!!!」
アイドル「うっひょwww熱い声援ありがとうwww」
プロ「っは。何回スコール降らせば気が済むのかい?アイドルちゃん。そりゃ幸せだぜ。こんなにも多くの人を引き付けるデュエルが出来れば、プロ決闘者の本懐だよ。」
アイドル「うひょwwwあたしも幸せだよ。この瞬間が。ぶっちゃけプロもアイドルも関係ねえ今の今がwwwさあバトルwww星態龍でヴェルズ・バハムートを攻撃!!」
ヴェルズ・バハムート →破壊
3200-2350=850ダメージ!!
プロ「グオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおお!!」
アイドル「更に終末の騎士でダイレクトアタック!!!」
1400ダメージ
プロ ライフ 3950-(850+1400)=1700!!!
アイドル「ターンエンドwww」
プロ「…」
幼お嬢「このままだと圧倒的にプロが不利だけど…手札0だし…」
観客「プロさん…負けちゃうの…?」
ファン「そんな…そんな…」
スタッフ「まずいぞ…これ。プロ負けたらガチのガチの放送事故だぞ…うわあああああ」
プロ「ッフ」ニコ
一同「!!!」
プロ「みなさん。大丈夫です。僕はプロ。何億回も勝ち、何万回も負けて、ここに「プロ」の名を背負っている。その意味は。少なくとも棒立ちのまま終わる事だけはなかったことの証。このまま負ける事だけはない。だから「プロ」なんだ。」
プロ「さあ。共に全力でいこう。デッキよ…ドローォ!!!」
プロ「…当然。僕は。「レスキューラビット」を召喚!!!」
アイドル「wwwやっぱすげえなおいwww」
レスキューラビット 効果モンスター(準制限カード)
星4/地属性/獣族/攻 300/守 100
このカードはデッキから特殊召喚する事はできない。自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードをゲームから除外して発動する。自分のデッキからレベル4以下の同名通常モンスター2体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。「レスキューラビット」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
プロ「レスキューラビットの効果発動!!!ラビットを除外し、デッキから通常モンスター「ヴェルズ・ヘリオロープ」を二体特殊召喚する!!!」
ヴェルズ・ヘリオロープ
ヴェルズ・ヘリオロープ →特殊召喚
プロ「悪いね。全力の全力だ。行くぞ。二体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!!!」
「我ら切実なる修羅の申し子。その思いを受け止め浮上せよ!!!」
「No.101 S・H・Ark Knight!!!」
No.101 S・H・Ark Knight エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/水族/攻2100/守1000 レベル4モンスター×2
このカードのエクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。
「No.101 S・H・Ark Knight」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
また、フィールド上のこのカードが破壊される場合、代わりにこのカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事ができる。
観客「うひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
芸人「流石プロやなァ~~~あの状況から引き返せるなんて。」
アイドル「まじかよwww…ゲロヤバ」
プロ「効果発動!!!オーバーレイユニットを二枚送り!!星態龍をS・H・Ark Knightのオーバーレイユニットとする!!!」
アイドル「やっべwww」
S・H・Ark Knight→星態龍 オーバーレイユニットに。
プロ「バトル!!! S・H・Ark Knightで終末の騎士を攻撃!!」
アイドル「!!!」
終末の騎士→破壊
2100-1400=700
アイドル ライフ 1650-700=950
プロ「ターンエンド!!今度はそっちの番だ。僕は引けた。君の「引き」次第。」
アイドル「・・・いいね。逆算すれば明らかだから言うけれど、あたしの手札は「インヴェルズ・ギラファ」。このままじゃ何も機能しない上級モンスター。デッキにゃこの状況で機能しない上級モンスターがウロウロと。そんな状況で1ドロー勝負。イカしてるwwwこのコッテリな泥仕合、最高の気分だよwww」
プロ「来い!!!決闘アイドル!!!引いてみろ‼‼‼」
アイドル「そう。あたしは決闘アイドルwww一瞬の興奮の為なら奇跡を何億回だって起こす、それがアイドルwwwドロー!!!」
…
一同「ごく…」
アイドル「…wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!!!」
声にならない声。言葉にならない言葉。腹の底から起きる激情と共に彼女は滲んだ手のひらの上にカードを魅せつける!!!
「インヴェルズの魔細胞」→特殊召喚
プロ「!!グゥゥゥゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
アイドル「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!!!」
インヴェルズの魔細胞→リリース
インヴェルズ・ギラファ アドバンス召喚!!!!
アイドル「wwwwwwwww!!!!! No.101 S・H・Ark Knightへ!!」
ギラファの効果→No.101 S・H・Ark Knight 墓地送り
アイドル ライフ 1000回復 1950へ
アイドル「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww!!!終わりィっ!!!!!!!!!!!!!」
プロ「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
インヴェルズ・ギラファ ダイレクトアタック
プロ ライフ 1700-2600=-900
WIN 決闘アイドル LOSE プロデュエリスト
一同「お。おお。おお?」
プロ「…ちょっと失礼。当然。はい。うん。本当皆様。失礼するよ。音量、下げた方がいいよ。うん当然。失礼。」
一同「?」
プロ「すうううううう。はあああ…」
プロ「グああああああああああああァああああああァああああああああァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ゥおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!グオオオオオオオオオオオオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!悔シイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ負けたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああ悔しいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!」
プロ「いいいいいいい・・あああ・・・ああ。あああ」‥ばたん
アイドル「・・・ぶっちゃけこっちもwwwへへwwちと疲れた…」………ばたん
・
・
・
幼お嬢「ゥおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああおおおおおおおおおおおおスゲエえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!勝ったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
アイドル2「うひゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
アイドル3「やったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
MC「ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥうあわあああがははっははははっはははっははああああああああああああああああああああああああああああ天晴!!!」
芸人「最高ゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!なんだコレ!!なんだこれ!!なんだよコレ!!!ゥへえええええええええ!!!最高ウぅウぅ!!!」
観客「うっひゃあああああああああァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
うえええええええあああああああああああああああァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!
…臨時ニュースです…
………………これが、後にTVデュエル三大放送事故として挙げられる「ヴェルズ合戦」。
リアルタイムで見たあたしは、ひたすらに興奮していた。空気が熱くて。血が騒いで。なんだかもう叫ばずにはいられなかった。
この後、生中継で予定を無視したアイドルはかなりのクレームや業界的ピンチを受けるが、それすらもはや「勲章」。策略家なプロデュ―サーによって「決闘アイドル」として羽ばたき、更にはその話題性から女優としても認知され、活躍していく。
一方、負けた方のプロデュエリストも、一時はプロ失格と誹謗中傷を受けるも、当時のリーグを全勝。最年少での「名人」となりそんな声を黙らせる。そもそも負けたデュエルすら、プロリーグへの注目を高める結果だったそうだ。「大デュエル時代」と呼ばれて久しいけれど、私は誰が何と言おうとこの放送事故の決闘こそが、その切っ掛けだったと確信している。
余談だけれども、名人となったプロとアイドルのリベンジマッチを組もうとする流れがあったらしいが、両方拒否。プロは「まだ、タイトルをすべてとった後で」。アイドルは「名人になった方にアマチュアがそう容易く決闘をしてはいけなwwwあの時の勝利は本当の偶然であるだけwww漏れって超常識派www」だ、そうだ。
そして私は…この時の興奮がなんだったのか。あの時の何で叫ばずにはいられなかったのか。それだけを考えていた。
媚も家も金も関係ない。身分も全ていらない。なんなんだ。今のあれは。
あたしの知ってる「ルール」じゃない。決まりじゃない。只々カッコいい。
そして…この時だった。初めて「あんな風になりたい」と思ったのだ。「人を響かせるデュエルをしたい」「人を喜ばす、心を「激」しく「動」かす、決闘者でありたい。」。そう願ったのだ。確固たる「夢」の芽生えだった。
だからあたしは、「世界一のデュエリスト」になるのだ。
そんな私の運命を決めた、憧憬。その張本人こそが…
アイドル「よお探偵www」
探偵「マジで何しに来たんだよ。はあ。」
実家に帰ってきた兄妹かのように、さも当然と、目の前にいた。
お嬢「キャアああああああああああああああああああああああ!!!!」ばたんっ!!
探偵「!?」
アイドル「?」
ワイド「お嬢様が倒れました。」
探偵「すぐに水を‼‼‼‼」
第五話 憧憬 エンド
インヴェルズは私の最も好きなカテゴリーです。
アニメで出てXセイバーやジェムナイトよろしく新規強化しないかなぁ。
というかあんなグロモンに襲われ捕食されるマスミンが見たい(マジキチ)