マキマさん顔で行く、進撃の巨人   作:トロマグロ将軍

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作者は文才、投稿経験共にNotingです。読みづらいと感じる部分もあると思います。
それでもよければ見て行ってください。


Prologue YOU ARE (NOT) REINCARNATED.
1:犬と巨人


 

「貴様の正体はなんだァッ!」

 

 

駐屯兵団隊長、ヴェールマンは問う。

 

 

「人間です!!」

 

 

この騒ぎ起こした主犯はそれに対し真摯に答えた。

 

いや、そう答えざる負えなかった。それ以外に答えを持ち合わせていないから。

 

 

「そうか……悪く思うな。仕方ないことだ。誰も自分が悪魔じゃないことを証明できないのだから……」

 

 

しかし隊長の男の返答は無情だった。

 

『理解できない』だから、危うきは滅せよ。

 

 

 

 彼は榴弾による殲滅を命令した。

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォォォォォォォォンン

 

 

 

 

 

 結果は......

 

 

「あ……ッ、あぁぁ……、こ、これは……」

 

 

ここにいる駐屯兵、訓練兵、すべての兵が目を剥くことになる。

 

 

「生きてる……」

 

 

「ヴェールマン隊長!!」

 

 

「よ……様子を見ろ。近づくのは危険すぎる!」

 

 

砲弾が放たれた刹那、巨人化した上半身が現れたのだ。

 

 

 皆が泡を食うこの状況。

 

 

だがしかし、真っすぐ騒ぎの場所へ向かってくる人影が一つ。

 

 

コツ、コツ、コツ、コツ……

 

 

兵団支給のブーツが規則的な歩調により小気味よい音をたてる。

 

 

 

 しかし半身の巨人を囲む兵士たちは、後ろから来るその音に、目の前が夢中で気づかない。

 

 

彼らが追い越されるまで……

 

 

 

「は? お……おい! 貴様、何をしている! 近づくなと言ったはずだ! 危険だぞ!」

 

 

それでも彼女は歩みを止めない。

 

 

「止まれ! これは命令だ!」

 

 

ヴェールマンは唾を飛ばして怒鳴った。

 

 

 

 するとようやく彼女は立ち止まる。だが前を向いたままで振り返らない。

 

 

だがその後ろ姿を見て、一人がヴェールマンに待ったをかけた。

 

 

「あ! 隊長! か、彼女は公安です。我々に命令権はありません! 見て下さい、背中の紋章を」

 

 

「か……仮面の紋章だと」

 

 

「……憲兵団、公安情報調査課。それがなぜここに」

 

 

【挿絵表示】

 

 

段々と皆の視線が巨人から彼女の後ろ姿へと移っていくが、それでも彼女は立ち尽くしている。

 

 

だが当の人物はというと……

 

 

「リコちゃん、久しぶりだね」

 

 

彼女は最初に自分のことを気づいてくれた知人に、頭を半目だけ振り返って言った。

 

後ろで結われた赤毛の三つ編みが少し揺れる。

 

 

 

「お……おまえ」

 

 

こんな状況なのにも関わらず、町でばたりとあった時のような挨拶を交わしてくる、彼女にリコは唖然とする。

 

黄色の瞳がリコとチラリと邂逅するが、彼女の感情はうかがえない。

 

巨人が出した蒸気が前から伝って流れていく中で彼女の赤色の後頭部だけがはっきり色を主張する。

 

 

「どういうつもりだ!」

 

 

ついに空気を読まない乱入者に対し、ヴェールマンがしびれを切らし問い詰める。

 

それに対して彼女は淡々と一言。

 

 

「命令です。黙って見ていなさい」

 

 

「ま……まて!」

 

 

赤髪の彼女はそれだけを残して再び前に進んで行ってしまうのだった。

 

 

********************************************

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ……、あ……あぁ、何だこりゃ......」

 

 

 エレン・イェーガーは自身が起こした事象に驚きと戸惑いが隠せない。

 

それは彼によって守られた二人もまた同様である。

 

 

「ほ……砲声が聞こえたところまでは覚えてる。その後はすさまじい音と衝撃と熱……。今僕たち巨大な骨格の……」

 

 

「エレンが私たちを守った。今はそれだけ理解できればいい」

 

 

ミカサは状況が状況だけに自身だけはパニックに陥らぬよう理性を必死に働かせていた。

 

 

しかし……

 

 

 

コツ、コツ、コツ、コツ……

 

 

 

「誰か来る!」

 

 

 

アルミンが叫んだ。

 

一人の人間が巨人化したという衝撃で、ずっと腰が抜け日和っていたはずの駐屯兵たちだったが、ついに白兵戦を仕掛けに来たのか。

 

 

未だ巨人の蒸気で状況の全容が把握できない。

 

 

「足音からすると一人。大丈夫。一人ならエレンを護……」

 

 

 それは赤髪の女性兵士だった。かっちりと黒いネクタイを締めた真っ白のYシャツ。その上に兵団の茶色いブレザーを着ている。戦場にも関わらず綺麗な顔と相まって非常に()()()()()

そしてこんな状況であるのに、近所を散歩するような端正なすまし顔を連れて、歩いてくる。

 

 

 ミカサはその人物へ飛び出す前に顔を見て、驚愕し思わず止まってしまった。

先程の本部奪還戦において、士気が崩壊していた訓練兵を導き、彼らの一番前で巨人から道を切り開いてくれた人。上官や補給兵に見捨てられたみんな、彼女に神のごとく尊敬と感謝をした。

 

そんな凄腕の女性が立体機動を付けた完全武装でこちらに歩いて来ていたのだ。

 

いくら駐屯兵が白兵戦をしかけてきてもミカサにはエレンを護れる自信があった。

ただ……

 

(そうだこの戦場にはこの人がいたんだった)

 

自分よりも強いと思える人がいるところにはいると。世界は広いことを先ほどの戦いでミカサは知った。

 

(……クッ。あの人は、あの人だけは……ム、ムリかもしれない。あの人は私よりも手練れ。

……この人のお陰で訓練兵は補給することができた。

通りすがった彼女のお陰で何人の訓練兵が助かっただろう。

彼女の戦いぶりを見た。彼女の身のこなしを見た。……勝てる気がしない)

 

 アルミンも同じだ。エレンを護るという観点で見れば、一番来てほしくない人が来てしまったと考えた。

 

(よりにもよってこの人に見つかってしまった。ダ……ダメだ、エレンは殺される。逃げられない。……この人なら、巨人化したエレンでさえ容易く屠ってしまうだろう)

 

 

 件の女兵士は立ち止まり、巨人の首元を凝視している。

すぐ近くにアルミンやミカサがいるのに、何も聞かず、何も言わず、ただエレンのいる場所をじっと見つめているのだ。

 

彼女の何気ない顔。だが若干口角が上がっている……ように見える。

それはまるで、長年待ち望んだご馳走様を前にしたような・・・・・・

それがミカサたちにとって不気味だった。

 

そうとしか考えられない。

 

少しでも状況が変化した時、どのようにエレンの首を獲るか、算段を立てているとしか……

 

 

 ミカサの頭の中に、エレンが彼女によって容赦なく切り捨てられる映像が浮かんだ。

悪党に殺された両親のように……物言わぬ躯となったエレンの姿が……。

 

 

「……ダメ。……ヤぁダ。い……イヤ。そんなのいや。……ゼッタイヤラセナイ。……諦めない!」

 

 

ミカサは先ほど駐屯兵へ威嚇として装着していたブレードを、砲撃からエレンを担いで逃れようと身軽になるために、取り外していた。

 

それを再び着剣する。

ミカサは立体機動装置の柄を握る手に精一杯力を入れた。

 

 そしてその意味が分からぬアルミンではない。

 

 

「やめるんだ、ミカサ!!」

 

 

アルミンが必死にミカサを止めようとするが、猫より早くミカサは襲い掛かかった。

 

 だがしかし……

 

 

パキンッ

 

 

「言ったよね。上官に刃を向けちゃだめだって」

 

 

キィンと音がなった。ミカサのブレードが折られ、その破片が地面に突き刺さった。

 

完全に死角だったはずの襲撃を一振りであしらわれた。

 

恐ろしく速い抜剣。彼女の振るう刃はミカサの持つブレードを二つとも折って、ミカサの首筋に当てられていた。

 

 

「あ……あぁ……」

 

 

呆然とするミカサ。

 

 

「も……申し訳ありませんでした! 彼女は錯乱しているんです。どうか許してください!!」

 

 

 物凄い形相でアルミンが走り寄って赤髪の兵士の元へ跪く。ミカサの側で青い顔になって土下座しているのだ。

だって上官に刃を向けたのだ。一度目は事故だったが今回は明らかに故意だ。

今回はそのまま処断されても何らおかしいことはない。

 

であるが……

 

 

「うん、怒ってないよ」

 

 

 彼女は何事もなかったかのようにブレードをしまった。そしてミカサやアルミンなど眼中にないかのように、視線を元に戻す。そうして呟くのだった。

 

 

「少しここで待っててね」

 

 

すると彼女は、ピョンピョンと巨人の体を足蹴にして行ってしまう。

簡単にうなじまで辿り着いた。

 

 

 一方すべての元凶のエレンは、未だ自身が作った巨人に上半身を生やしたまま、急に湧いてきた昔の記憶のことなんかもあったせいで混乱の途上にいたのだが、、、

 

急に知らぬ女性が隣に現れたため驚く。

 

 女性は観察するように巨人の頭部やエレンの周囲を見渡す。彼女は興味深そうにエレンと巨人の体の繋がる場所を見ている。

 

そして驚いているエレンに向かって言った。

 

 

「ふぅん……、キミ変わった匂いがするね。人でも巨人でもない匂い」

 

 

女性はどうみても足場が悪いだろう、巨人の首元に真っすぐ立ちながら、妙な事を言う。

 

 

「これ、キミがやったの?」

 

 

所々骨が見えているが、巨人が大砲に向けて片腕をあげている。そして先ほどの爆発音。推察される状況を彼女は確かめたかったのか。それともたまたまエレンが巨人の体内に埋め込まれたというのか。彼女の考えていることが表情からは分からない。黄色のぐるぐるの瞳がじっとエレンの奥底まで覗き見るように交差する。

 

 

「あ……ああ、はい。き、気づいたら、巨人を作ってて……おれもホントよくわかんないっていうか……」

 

 

「とりあえず降りようか。ミカサちゃんやアルミン君が心配してるよ」

 

 

「は、はい」

 

 

「大丈夫? 一人で降りれる?」

 

 

「大丈夫ですッ、こうやって引っ張れば抜け出せ……るッ」

 

 

エレンは自分の体に力を入れて、巨人の体から引っこ抜く。

 

ブチブチと肉の繊維が千切れる音とともにエレンの体が外に出される。

 

だがそれと共に勢い余ってエレンは巨人の体から転び落ちそうになってしまった。

 

 

「おっと」

 

 

エレンは女性の体に抱き留められたのを理解した。

 

 

「す、すいません。ちょっと体がふらつくみたいで……」

 

 

「下まで連れて行ってあげる」

 

 

そのままエレンは抱きかかえられる。

 

 

「ええ! ちょっ!」

 

 

エレンが抗議の声をあげる前に女性はエレンを抱えたままスルスルと巨人の体を下りていく。

 

 

(なんだこの状況!! この人は誰だ! どうなってる?)

 

 

 エレンは抱きかかえられる――――いわゆるお姫様抱っこされてる状況やら、謎の女性から香る甘い匂いだったりに困惑を隠せない。

 

 駐屯兵には化け物だと怖がられて恐れられて砲弾まで浴びせられて、それが初めてミカサやアルミン以外の人から優しくされた。現に目の前に現れた巨人は自分が作り出したものだ。どんな肝の据わった兵士だってこれを見たら驚愕し、恐怖するだろう。そして自分の存在もだ。未知とは人の恐怖の根源だ。自分でさえ自らのことが恐ろしい。冷静に考えれば、頭がどうにかなってしまいそうだ。恐怖しない方がおかしい。

 

自分を気遣い、抱きかかえる女性。その美しい顔には何の憂いも感じられない。エレンにはそれが信じられなかった。自分の異常性を自分が一番分かっているから。

 

 

 

(なんで正体不明の俺にこんな距離で優しくできるんだ!? いつ巨人化するかも分からないのに)

 

 

 

(でもこの人なら……、この人なら、この状況をどうにかできるかもしれない)

 

 

 

「「エレン!」」

 

 

 下に着くと心底安心したミカサやアルミンがいた。アルミンたちもこの状況やら、彼女のことやらで不安と混乱を抱えていたようだ。エレンはとりあえず会話できる状況を作るために、真っ先に発言した。

 

 

「聞きたいことがあると思いますが、とりあえず後にしてもらえませんか。巨人の体から離れた方がいいです。こいつは巨人の死体と同じで蒸発する」

 

 

エレンの提言で崩れかかっている巨人の体から離れた四人。崩れ落ちる巨人の体で蒸気の煙幕ができる。移動する間にも、ミカサやアルミンは上官である女性の顔を伺うような雰囲気があった。女性はそれを察してか話し出した。

 

 

「さて、私は憲兵団公安情報調査課。憲兵団というけど実際は王政直属の組織の人間なんだ。それで君の処遇なんだけど……」

 

 

自身の役職階級と所属を伝えた後、改めてエレンを眺める素振りを見せる彼女。

 

 

「エレンは人間、です! あなたも見たはず。エレンの巨人が先ほどの戦いではたくさんの巨人を殺した。エレンはわたしたちの味方! お願いします! どうかエレンを助けて!!」

 

 

「俺も人間であるつもりです! こんなもんを見せて説得力がないのはわかります!

でも一つだけ思い出したんです。俺の家の地下室!

そこで俺がこうなった原因も巨人の正体もすべて分かるんです。

俺の親父がそう言っていた事をついさっき思い出したんです!」

 

 

「巨人化したエレンは巨人に捕食されそうになりました! 

これは先程の彼の戦果も含め彼は味方であることを示唆しており、

彼の巨人は戦術的に高い可能性を秘めてると考えます!」

 

 

 思い思いに三人がしゃべる。その必死さは仕方がない。話の分かりそうな上官が蜘蛛の糸のごとく降ってわいたのだから。彼女の現時点の考えは全く不明だが、会話が成り立たず砲弾をぶち込んでくる駐屯兵より断然マシだ。

 

だが赤髪の女性は片腕をあげて三人が話すのを制止させた。

 

 

「だいたいの状況は分かった。……でも正直エレン君の正体が人間か巨人かはどうでもいいかな」

 

 

 そう言って驚きに固まるミカサやアルミンを脇目に、エレンだけに視線を向け顔を近づける。

 

彼女は終始優しそうな表情をしているが、エレンは向けられた輪廻する瞳に自身がまるで巻き込まれてしまうような錯覚を感じた。

 

 

「君の選択肢は二つ。……巨人として私に殺されるか、人として私に飼われるか。飼うならちゃんと餌はあげるよ」

 

 

エレンの目には、口角が緩く上がっているためだろう、彼女が優しく問いかけるように見える。

 

そして魂をつかまれるようなしっとりとした含みのある声がエレンの耳に流れて行った。

 

 

 この赤髪のイレギュラーな人物。本来の『進撃の巨人』の世界には存在しない彼女。

 

この物語はそんな彼女の物語。

 

その始まりを語る上でとりあえずは十二年前にさかのぼるべきであろう。

 




チェンソーマン第一部のラスボス系ヒロイン、マキマ。
最強に可愛くて、最強にミステリアスで、最強に恐ろしいマキマさん。
未だに謎が多くて読み返すと、新たな発見があったりしますよね。

ここのマキマさんの視線ヤバッ、怖ッ、とか、、、
よくよく読んだら、ここのマキマさんの表情、めっちゃ意味深いじゃんとか、、、

そういう一見普通だけど、よぉーく見ると、謎の笑みを浮かべてる系(含み持たせちゃう)ヒロインを『進撃の巨人』にブッ混んだら、最強に面白くなるんじゃねぇぇかぁぁぁ!!

といった作者の思い付きの元、見た目はマキマさん、フィジカルはキング・ブラットレイ並み、お供にエヴァ四号機+α、原作知識一部あり
――――以上のニンニク増し増し主人公を『進撃の巨人』の世界で泳がせます!

お楽しみあれ!!
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