聖少女暴君   作:うお座の運命に忠実な男

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4-15 負けちゃったからお姫さまのお嫁さんになる

【村雨初音 視点】

 

 ライトノベル原作の格闘ゲーム『メディウム・オブ・ダークネス』によるコトジョ女子天文部と鳳女子茶道部との対抗試合もクライマックス。

 

 お姉さまこと姫川天音VS二ノ宮恋ちゃん第二ラウンド。開始と同時に恋ちゃんが攻める。リスクの少ない低空ジャンプキックからコンボを狙う。

 

 そのとき画面が暗転した。

 お姉さまの2Pアストリアの超必殺技『不死鬼(ふしき)覚醒』が発動する。

 

 一定時間無敵の攻撃判定とともにコンボが発動!

 『不死鬼覚醒』は全一○段の連続入力技。難易度の高い入力をお姉さまは難なく極めていく。

 

「にゃにゃにゃにゃー!」

 恋ちゃんはしっぽを踏まれたネコのようだ。

 

 恋ちゃんも超必殺技を発動したが流れはお姉さまだった。

 

 恋ちゃんが放った超必殺技発動のため画面が暗転する。するともう一度画面が暗転⁉

 

 お姉さまがタイミングを遅らせて超必殺技を発動したのだ。

 超必殺技同士の打ち合いはお姉さまの勝利だった。

 

 吹っ飛んだ1Pアストリアは悪あがきのように技を連打したが、お姉さまは相手にしない。距離を取る。

 

「恋ちゃん、攻めないとタイムアウトになりますわ」

 鳳女子茶道部部長、九条さんの鶴の一声で恋ちゃんは攻勢に転じた。

 

 ダッシュで近づき開幕と同じように低空ジャンプする。お姉さまが身構える。それはフェイントだった。

 

 技をださずに着地した1Pアストリアの地上からのコンボが2Pアストリアにヒットする。だが三段技の最後の技をPディフェンスされてその隙に2Pアストリアのコンボが極まる。

 

 お姉さまのストレート勝ちだ。

 恋ちゃんは涙目になった。

 

「負けちゃったからお姫さまのお嫁さんになる」

 

「恋ちゃん。これが大人の世界よ。レディは結婚するなんて気安くいっちゃだめ」

 

 お姉さまは新しいロリポップキャンディをふたつ取りだし、ひとつを恋ちゃんのお口に運ぶ。もうひとつは自らのお口にくわえた。

 

「ちょっと待ちなさい。ヒメが結婚してって頼み込んだからこんなことになったんでしょうが!」

 折笠さんの鋭い突っ込み。

 

「持病の記憶喪失が……」お姉さまはごまかした。

 

「またはじまったよ。ビョーキが」

 

 折笠さんは皮肉を言いながら口角が上がっていた。

 

「いまという瞬間に生きているあたしにとって過去は無意味なもの。固いこと言いっこなし‼ 詩乃の仇取ったよ!」

 

 折笠詩乃さんとお姉さまはハイタッチした。

 

「んん? ココアどこ? 和菓子は誰?」

 

 鳴海さんが意味不明なことを言いながら気絶から目覚めた。

 

「姫川さんの試合、終わっちゃったの⁉」

 彼女は目を丸くしている。

 

「対戦成績はお互いに二勝二敗ですわね。もっと時間があれば白黒はっきりできたのですが、それはまたの機会に」

 鳳女子茶道部のリーダーである九条さんは対抗試合を振りかえった。

 

 

「さ~て、そろそろ天体観測と行きましょーか」

 お姉さまの掛け声に一同気合いを入れて返事した。

 

次回はおまちかねの天体観測です!

 

 

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