聖少女暴君   作:うお座の運命に忠実な男

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6-9 ズヴィズダーVS呉敘雅

 決勝トーナメント第三試合。

 ズヴィズダーVS呉敘雅(オソア)

 

 ズヴィズダーはロシア語で星を意味するそうだ。彼は三十代の格闘ゲーマーで日本人。職業はなんと薬剤師らしい。

 

 呉敘雅さんは韓国出身のモデル&プロゲーマー。朴銀優(パクウヌ)さんと同じ大学出身だとか。

 

 ズヴィズダーさんは隠しキャラクターのシャフト卿を操作キャラクターに選んだ。ガチで勝ちにきている。

 

 対する呉さんはソードマスタ―・シオン。原作では最強クラスで主人公であるアストリアより強い女剣士であり、神剣創竜刀の使い手である。このゲームでも上位クラスに位置する。

 

 第一ラウンド。

 シャフト卿は必殺技『黒の波動』を連射した。

 

 九条さんがわたしに使った戦法と同じだが、マネしたわけではない。

 ゲーマーには認知されているテクニックらしい。

 

 呉敘雅さんは一枚上手だった。

 一発一発をPディフェンスしながら接近していく。そして短距離のダッシュからジャンプ! 黒の波動を大きく飛び越した。

 

 ダッシュ中にジャンプすると慣性で飛距離が大幅に伸びるのだ。着地と同時にシオンの必殺技『神威(かむい)一刀流奥義・無双刃』が極まる。

 

 無数の太刀筋が発生! シャフト卿を斬り刻む。

 シャフト卿は武器である天魔刀を抜き放ちシオンに斬りかかる。

 相殺が発生した。

 

 天魔刀と創竜刀が激しくつばぜり合いする。奇しくも原作の一シーンが再現された。

 

 連打で勝ったのは呉敘雅さん。シオンがシャフト卿をはじく。大きな隙が生まれた。

 

 シオンの立ちBからしゃがみB、そこから立ちCをキャンセルして必殺技につなぐ。

 

『神威一刀流奥義・月華刃』がヒット! それだけでは終わらない。技の終了間際をバーストで強制停止してまた通常技につなぐ。その連係攻撃たるや総計二二ヒットコンボ! いつ終わるのかわからないくらいコンボがつづく。

 

 シャフト卿のライフは残り数目盛り。押しきられてKOされた。

 一戦目は呉敘雅(オソア)さんの勝利。超必殺技が両者とも一度も発動しない地味にも見える試合だが、超高度な戦術がモニタ上に展開されていた。

 

 

 第二ラウンド。

 シャフト卿は攻勢にでた。

 接近戦に持ち込み技を連打する。お互いにライフが減っていく。シャフト卿が『天魔刀・乱舞の太刀』をEXキャンセルして超必殺技『真・天魔刀解放』につなぐ。画面が暗転する。

 

 タイミングをずらしてシオンが超必殺技『神剣創竜刀・疾風怒濤』が発動! 画面暗転を繰りかえす。一方的にシオンが打ち勝ち、派手なエフェクトとともにシャフト卿がKOされた。

 

 ナレーターと解説員の声が響いた。

『いまのはどういうことでしょう? 解説のジョバンニさん』

 

『超必殺技には無敵時間がありますが、発動した瞬間に相手がガードしていなければ一○○パーセントヒットする属性を持っているものをクリティカル属性といいます。

 真・天魔刀解放にはクリティカル属性がありません。神剣創竜刀・疾風怒濤にはクリティカル属性があります。技の性能として疾風怒濤のほうが上です。

 お互いに超必殺技を発動した場合、クリティカル属性を持っている技が一方的に打ち勝ちます』

 

『そうだったんですね。恐るべし韓国勢! 呉敘雅準決勝進出! このまま勝ち進めば決勝は韓国人同士のワン・ツーフィニッシュになります!』

 

 

 わたしはアナウンスを聞いてつばを呑んだ。

 決勝で姫川さんとあたるためにはわたしも姫川さんも韓国の人に勝たなければならない。彼らは連続技の精度が半端じゃない。

 気味の悪い汗がわきの下を流れた。

 

 呉敘雅(オソア) 準決勝進出。

 

 

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