スキル《花粉症》で無双を目指す 作:杉野檜
『ご愁傷様です』
この一言の通り俺は死んだ。
そしてトントン拍子で神様が異世界に転生させてくれる所までは良かった。まぁ、何番煎じだって話だけどそれは置いとこう。
問題はスキルだ。どうやらこの神様は0から1を作り出す事が苦手らしく。元である俺の身体から使えそうな物を抜粋して、俺のスキルにする事になった。
頭が良い訳でも無く、かと言って運動神経が良いわけでも無い。特別器用でも無く、特段優れた物は無かった俺は……ひたすら消去していった結果残ったのが最近発症した花粉症だった。
使えるのか?コレ。とも思ったが、転生する世界は異世界ファンタジーだと聞いて何とかなりそうだとも思い、このスキルにする事にした。
転生してから数年。俺は冒険者としてパーティーを組み、活動していたが誰も長続きしなかった。何故なら俺の
ただ、俺の目がすぐにでも眼球を取って水洗いしたいほど痒くなり、クシャミと鼻水が止まらなくなるだけだ。モンスターよりも俺の方が被害が甚大である。
そのせいで遂に俺はギルドからの信頼が無くなり、パーティー紹介の資格が無くなってしまった。コレからどうするかなぁと思いながら酒場でヤケ酒をしていると、周りから面白い話が聞こえた。
どうやら、最近近隣の国々が騒がしいらしい。その理由は魔王の復活らしく、何処の国でも我が国が勇者を召喚すると躍起になっているらしい。
魔王か。強いんだろうな、魔族の王なんだろうし。……無職になったし、目標にしてみるか。何もしないよりはマシだと思った俺は魔王越えの強さを目指す事にした。
まずは……スキルの強化か。こんなジワジワとしたボディーブローじゃ、俺の寿命が先に終わる。強化出来るのなら強化したい。
「なぁ、マスター。腕が立つ魔法使いに心当たりは無いか?出来れば弟子を取ってくれる奴が良いんだが」
『そうだなぁ、王都にいるアイツなら最強だと思うが。……まぁ、会ってみれば分かるだろ』
名前と住所を教えて貰った俺は早速王都に行く事にした。
『弟子はとらん。帰れ』
徒歩で何日も掛かって漸く辿り着いた所で、この対応だった。あまりにも悔しかったので何度も交渉に次ぐ、交渉をしてダメだったので。
一時的に花粉症にして脅した。分かってはいたが、花粉症はこの世界では珍しい物らしく滅茶苦茶驚いていた。