ウサギとのイタチごっこ   作:鎌鼬ごっこ

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姉御してるミルコとミルコ好みの生意気なショタが描きたかった。


ウサギとイタチ

 

 ことの始まりは中国の某所、発光する赤子が生まれたところから始まり、次々と異常な子供が世界各地で生まれるようになった。

 

 異常はどんどんと人々の中に溶け込み、日常へと変化していっていた。

 

 やがて、世界人口の約八割が何らかの特異体質、個性を持つ超人社会となった現代。

 

 そこでは、誰もが憧れていた存在が職業としてが脚光を浴びていた。

 

 ヒーローと呼ばれる、憧れの存在が……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()が訓練用に保持している広島県のとある山中の一角。木々の生え揃うその土地で、ある激しい戦いが行われていた。

 

 一方は褐色肌に白い髪を伸ばし頭にウサギ耳を長く伸ばし、バニースーツの様なコスチュームに身を纏った、いかにも勝ち気な女性――世間を賑わすラビットヒーローミルコだ。

 

 方や、ミルコよりも十歳ほど年の離れてる、頭に生えた丸っこい耳が特徴的な少年……しかし、その少年も150cm無い小柄な体格てありながら、ミルコに負けぬほどの鋭い目つきを放っている。

 

「デリャッ!!」

「ッッッ!!!」

 

 少年は、ミルコの足蹴りをもろに喰らい大きく後方にぶっ飛ばされ木に背中をぶつけると、ズルズルと力なく倒れる。

 

 少年は歯を食いしばりながら痛みに耐えていると、ミルコが声を荒げて少年を鼓舞する。

 

「おいッ!もう終わりか()()ァッ!腐りきっても私の弟子名乗ろうとしてる奴が、こんな所で終わりかァッ!?」

 

 阿熊――そう呼ばれた少年は、蹴られ木に打ち付けられ、痛む体を必死に起こしてから、その獣の様な体毛と鉤爪の宿った拳を握りしめる。

 

 そして、痛みに耐えながらも、一切死んでいないその鋭い目つきをミルコへと見せつけるように顔を上げると、立ち上がりこれまた声を荒げる。

 

「あぁ……?終わるわきゃねぇーだろ。まだまだ行くぞォォォッッッ!!」

 

 そう言って、少年――鼬谷 阿熊(イタチヤ アグマ)は、背にあった木を足場にして、ミルコへと飛びかかりその牙と爪を剥き出しにして襲いかかる。

 

 ミルコは咄嗟に大きく回し蹴りをして鼬谷を迎え撃とうとするが、鼬谷はそんなミルコの足をかいくぐってから背後へと回り腕を振り下ろす。

 

 しかしミルコもプロヒーロー。そんな小手先の技は直ぐに対処できる。ミルコはほぼノーモーションで背後へと足を回して、鼬谷を蹴り倒す。

 

 鼬谷は地面に転がるが直ぐに立ち上がる……ミルコの頰に、鼬谷の鉤爪により浅いが血が出ほどには深いキズが付けられた。

 

 ミルコはそんなキズ口を手で拭うと、未だ臨戦状態の鼬谷を見て嬉しそうに声を上げる。

 

「いいなッ!良い感じに生意気だなァッ!」

 

 ミルコもこれには満足げだ……しかし、相対する鼬谷は未だに満足できていない……あの程度では傷を付けたの内には入らない。

 

 ミルコも以前全力ではあるが、本気は出していない。まだまだ鼬谷の納得する勝負には到底届かない。鼬谷はより鉤爪を鋭く尖らせてまるで小さな鎌のようにみえてくる、ミルコへより挑戦的な視線とそんな拳を向ける。

 

「まだだァッ!!俺はまだやれる……!!さらに向こうへ行ける……!()()ォ!アンタより強くなれるッ!」

 

 その挑戦的な発言を聞いて、ミルコはさらに目元を尖らせてさらに口角を上げる。

 

「良いなァッ!まだ生意気になるかァッ!?ならその鼻っ柱圧し折ってやるッ!」

「来いよッ!ウサギはイタチにゃ勝てないって事教えてやるぜッ!!」

 

 そうして、二人はまたその木々立ち並ぶ山の中でお互いに拳と蹴りをぶつけ合わせのだった。

 

 

 

***

 

 数時間後……ミルコの自宅で全身に青あざをつけながら座る鼬谷と、そんな鼬谷にシップや絆創膏を貼る私服姿のミルコ――兎山ルミの姿があった。

 

 鼬谷はミルコに湿布や絆創膏を貼ってもらうたびに痛たたたと声を上げてしまう。

 

「ルミの姉御ォ……もっと優しくお願い出来ませんか?」

「あぁっ?しょうがねぇだろアタシはこう言うの苦手なんだ。やってやってるだけでも感謝しろ……ほら、終わりっ!」

 

 そう言ってルミは最後の絆創膏を貼り終えると、鼬谷の背中をバンっと叩く……鼬谷は「いっでぇっ!?」と苦悶の声を上げると、ルミは何でもなさそうに悪ぃとだけ返した。

 

 すると、ルミは鼬谷を見て一つ問い掛ける。

 

「そんでぇ?お前は進路、決めてんのか?」

「あぁ……雄英に挑戦するつもりだ。どうせならとことん上を目指してぇ……」

 

 そう言って、鼬谷は手をぎゅっと握りしめる。すると、ルミはその気概良しと言わんばかりの表情で鼬谷の頭を撫でる。

 

「ったく……今もチビだが、昔はもっとチビだった奴がこんなになるとはなぁ!」

「チビって言うんじゃねぇ!……確かに150cmくらいしか無いケド……俺成長期だかんな!?アンタ超えるくらいには伸びるさ!……多分」

 

 尚、鼬谷の一族は代々低身長である……それには彼の個性が関係しているのかも知れないが、それはまた今度お話する事にしよう。

 

 ルミは、鼬の事は生まれたときから知っている。家が近所で2人の両親も年が少々離れているのに仲が良く、よく一緒に遊んだものだ。

 

 そんな、良く知る……謂わば年の離れた弟のような存在が、ここまでルミ好みな生意気な子に育つとは、思ってもみなかった。

 

 さらには、ヒーローを目指し自身の弟子を名乗ろうとしているとは、しかも鼻から師匠サマを超える気満々と来た。

 

 ルミはらしくもないがこれからの未来は明るいと考える。いつの間にかこんな事考えてしまうほどに年を食った事に嫌気がしながらも、こんな奴の成長が見られるのなら悪くないなと、ルミは思う。

 

「さて、そうと決まったら次は勉強だ!私が教えてやる。」

「姉御ぉ…………………関数お願いします!!」

「そんな頭下げて……さっきまでの生意気さは何処に行ったんだか。」

 

 ルミはそう言ってからかいながらも、ノートと参考書と過去問を出して勉強に向き合おうとする鼬谷に付き添ってやるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




鼬谷阿熊
個性『イタチ』
イタチやイタチ科に出来る事は大抵何でもできる。
身長150cm……童顔も相まって見た目はほぼショタ。
頭に生えた丸い耳と長い尻尾と手足の鉤爪とフワフワな毛が特徴。
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