深紅の武人がダンジョンに居るのは間違っているだろうか? 作:真紅の旗
「まったく! 【疾風】を逃がすし、これだけの眷族を
顎の脂肪をブルブル震わせる叫ぶのは、ギルド長ロイマン。今日オラリオに訪れたばかりの新たな冒険者が、そのまま
「お前も、たとえ知らずに入り、悪行を行っていないとしても、虚偽報告で罰金は取らせてもらうぞ!」
「……………虚偽?」
コテン、と首を傾げる少女。リョフ・ホーセンと名乗った少女はロイマンの言葉に不思議そうな顔をしていた。
「レンは、嘘ついてない」
「なんだと?」
「その通りだロイマン。この地に訪れた彼女はたしかに恩恵を刻まれておらず、今のレベルも1。それも、アビリティはオール0」
つまり駆け出しも駆け出し。ロイマンはそんな馬鹿な、と言わんばかりに口を開く。
金にがめつい彼は、【ガネーシャ・ファミリア】から賠償金、
「だ、だがこの小娘は、【疾風】と渡り合ったのだろう!?」
「恩恵無しの中にも、冒険者と渡り合えるものはいる。まあLv.1相手だが………とはいえ、武神など見ればわかるように上級冒険者と渡り合うのも、不可能ではない」
もっとも、彼女は技術のみならず身体能力も常軌を逸しているが。それこそ、精霊と契約しないままモンスターを屠った昔日の英雄達の如く。
「ひひひ。こぉんなおもしれえガキをよぉ、他の神に渡せるかってんだ」
「神様、レン悪い事はしない」
「そ〜かそ〜か。じゃ、他の屑どもの命で俺とレンを見逃してくれ。これからは正規派閥として働いてやるよ」
どの道、一年経たないと神は変えられない。彼女は1年間はキュウキの眷族でいなくてはならない。だが……
「信用できるか!」
「御身を送還し、信頼出来る神に預けたほうが確実だ」
シャクティの言うように、神が送還されれば恩恵が封印されるが、別の神と契約が可能になる。
【ロキ】か、それこそ【ガネーシャ】が預かった方が確実だ。
「レ〜ン。此奴等、俺虐めてくる〜! レンは俺の眷族のままがいいよな?」
「別に………」
門前払い受け続けたところを拾ってくれた恩、なんてものもないたまたま出会っただけの神。彼女からすれば、どの神が恩恵を与えても同じ。
「【デメテル・ファミリア】とか、ご飯美味しそう」
「レ〜ン!」
「………先程から呼ばれているレン、とは?」
「レンの、真名。リョフは、村人達がつけた」
「リョフ………それは」
妹が英雄譚が好きだったシャクティは、少しばかり英雄譚に詳しい。リョフといえば英雄に打倒された悪党の名前のはず。
「気にしてない。強そうで、気に入ってる」
「………そうか」
村人達にそのように呼ばれる強き少女。悪党の名をつけられてる時点で、その扱いなど想像も付く。
未だ存在する下界のモンスターからの用心棒。ただしその力は恐れている。そんなところだろう。
「ではレン………」
「…………………」
「リョフ…」
「……(コク)」
本当にリョフと言う名が気に入ってる? いや、キュウキに呼ばせているのを見るに、親しい相手には呼ぼせているのだろう。一応主神だし。
「リョフ。現状お前は特に裁かれることもしていない。払わなくてはならない金もない」
「な、何を勝手に!」
「黙れ。ならば、彼女がギルドに金を払わねばならぬ理由を言ってみろ」
「ぐぬぅ………!」
シャクティに睨まれロイマンは押し黙る。これ以上はロイマンに分が悪すぎる。逆に金を払う必要が出るやも。と言うか
「本当なのでしょうな、神ガネーシャ!」
「ガネーシャ嘘つかない!」
ムキッとポーズを取り叫ぶガネーシャ。
「リョフ。お前は強い。Lv.1の冒険者として扱えぬ程に」
「………(コク)」
「そして、知らなかったとはいえ
「え〜? じゃあ俺そいつの従属神になるからさあ」
「神キュウキ。貴方にそんな信用はない」
とはいえ、【キュウキ・ファミリア】は
「1年は恩恵を更新できないと思ってくれ」
「………(コク)」
つまりはリョフは残っていいということ。と言うかLv.1で第二級冒険者に匹敵する戦力を放置する方がおかしい。
「【デメテル・ファミリア】を希望とのことだが、まずは3ヶ月、監視させてもらう」
「………わかった」
その頃オラリオの外。
2匹の犬を連れた
「レン殿は既にオラリオに向かった。お前達の鼻が頼りなのです。 街へ入ったら、探すのです! セキト、チョウチョウ!」
「ワン!」
「バフ!」