宇宙戦艦ヤマトⅢ ReBoot!〜銀河中心部の混迷〜   作:箕理 田米李

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最近『Ⅲ』を見直しててずっと思っていた不自然でモヤモヤした部分を「こうしたら面白いんじゃないかな?」というのを形にしようと小説として書いていこうと思いました。現在連載中の『ヤマト外伝BBB』のリメイクシリーズとは違い本作は旧作の香りをお楽しみください。それではどうぞ↓


第一章『渦中への出撃』
第1話『銀河中心大戦の飛び火!ヤマトの新たなる旅立ち‼︎』


無限に広がる大宇宙...この無数の星々の煌きの中に様々な生命の営みがある...そしてその息吹は時に宇宙の平和を乱す時がある...

暗黒星団帝国との戦いから3年という歳月が流れても、宇宙は何も変わらない...が、その銀河系の中心部で新たな争いの炎が燃えていた。時に西暦2205年...

広大な銀河系のその中心部...新興国家【ガルマン帝国】と銀河を二分する巨大星間国家【ボラー連邦】の対立が激化していた。

 

銀河系中心部・某宙域

【バース共和国(【ボラー連邦】衛星加盟国)】

所属 母艦戦闘中隊

旗艦/ボラー戦闘母艦

艦橋

 

レーダー手「前方!【ガルマン】の艦隊確認!」

艦長「先手は貰う!攻撃始め‼︎」

 

【ボラー】の戦闘母艦型艦長の号令の下、格納式平板型主砲から緑色のビームが発射され麾下のA型艦隊装甲艦とB型戦列装甲艦が後に続いて攻撃を加える。機先を制された【ガルマン】側が遅れて発砲。互いに正面からの撃ち合いとなる。

 

【ガルマン帝国】

第18装甲師団

旗艦/主力中型戦闘艦≪ダーゴルンⅢ≫

艦橋

 

ダゴン中将/第18装甲師団司令「艦載機を失った空母艦隊如きに何を手こずっているか⁉︎」

艦長「申し訳ありません。兵達の疲弊が...」

ダゴン「言い訳はいい!軽戦闘艦中隊は後退!戦術プロトンミサイル母艦前へ!後方の惑星ごと吹き飛ばしてしまえい‼︎」

 

怒れるダゴン将軍の命により前方で交戦していた軽型戦闘艦(大型駆逐艦級)が応戦しつつ後退し後方に控えていた戦術プロトンミサイル母艦が前に出る。【ガルマン】の破竹の勢いたる進撃は同時に兵達の疲弊も招いており明らかに自分達より小規模且つ艦載機を全損した空母部隊にさえ手こずっていた。その状況を打破すべくダゴンは切り札のミサイル母艦を出す。母艦自体は軽型戦闘艦の流用だがその下部には小ぶりな船体に似つかわしくない巨大なミサイル「戦術プロトンミサイル」が懸架されている。ダゴンの「撃てぇ!」の号令の下、ピュピューン!×2とサイレンが鳴った後に発射される。迎撃するバース共和国艦隊。砲が旋回できず前方火力しかないA型装甲艦はその不利さを必死に浴びせるも何隻かはミサイルに激突し轟沈。A型装甲艦の弱点を補い側面火力も重視しペアで運用するコンセプトのB型は突破してきたプロトンミサイルに側面火力を浴びせるも致命傷は与えられない。迎撃叶わずバース艦隊をすり抜けたプロトンミサイル二基は無人の惑星に命中し核融合を増進させ崩壊へと誘う。木っ端微塵に吹き飛んだ惑星の破片と衝撃波はバース星艦隊を襲い壊滅させる。

 

レーダー手「中将。プロトンミサイル一基が命中せず未だ飛翔中です。いかがしますか?」

ダゴン「放っておけ。どうせこれから侵攻する方向だ。1発や2発どこぞの星を吹き飛ばそうが構わん!」

 

三基放たれた内の一基は惑星や小惑星に当たることもなく、自爆処置もされることなくただひたすら何かに当たるか燃料が尽きるまでひたすら宇宙の虚空をひた走り続けるのだった。

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宇宙観光船≪ミルキーロード≫

 

客席

♪ポォ~ン(電子音)

船内アナウンス「ご搭乗の皆様にお知らせいたします。当船はまもなく第11番惑星〜第11番惑星にワープアウト致します。シートベルトはそのままにして座席から離れないようお願い致します。」

 

土門 恵子「あなた、もうすぐ着きますよ。」

土門 耕司「ん?そうか楽しみだな。」

 

操縦席

船長「もうすぐ11番惑星に出るぞ。副長、計器類に異常無いな?」

副長「えぇ、何もなし。機関系もご機嫌もご機嫌。辺鄙(へんぴ)星ツアーなんかとっとと終わらせて休暇に入りたいですよ。」

船長「月のリゾート地か?いいよな〜安月給じゃとても縁遠いよ。」

 

我々地球人が住む太陽系の遥か彼方にある最外縁。第11番惑星。4年前の「ガトランティス戦役」において戦場となった場所なのは戦史マニアでなくとも一般的によく知られているが古代文明の遺跡があり観光名所としても有名だ。この宇宙観光船≪ミルキーロード≫号は今まさにそこに向かってワープの異空間を進んでおり間も無くそこから離脱、即ちワープアウトする。

 

プープープー!(警告音)

副長「ん?」

船長「どうした?」

副長「ワープアウト先に障害物反応です!変だな、入る前はなかったのに...。」

船長「強制ワープアウトするぞ!クルーの皆んなにも座らせてシートベルトせせろ!」

 

と船長がシートベルトの表示を点灯させるスイッチ押したのと同じタイミングで強制ワープアウトする。その目の前に現れた"障害物"に驚きリアクションを取り絶叫を上げる暇(いとま)もなく激突し観光船は木っ端微塵に宇宙の塵(ちり)と化した。その"障害物"はそう、【ガルマン帝国】の18装甲師団が放った戦術プロトンミサイルであった。

 

一週間後...同じ第11番惑星宙域...

 

太陽系外周艦隊 第3哨戒戦隊

旗艦:パトロール艦≪ゆうなぎ≫

艦橋

 

レーダー員「来ました!例のミサイル!数2(ふた)!」

古代 進/≪ゆうなぎ≫艦長「また来たか!相原!待機中の無人艦隊並びに≪ネメシス≫艦隊に打電、「定期便来たる」だ!」

相原 義一/同・通信長「了解。」

南部 康雄/同・砲雷長「チクショオ!≪ヤマト≫の主砲ならあんなガタイだけのミサイルなんかに...!」

古代「落ち着け南部、これも任務だ。」

 

≪ヤマト≫艦長代理を「ガミラス戦争」から「ガトランティス戦役」まで務め、「デザリアム戦役」では兄である古代守が急遽二代目艦長を拝命した際に副長を務めその功績の大きさから地球人類でもはや知らない者など皆無な時の人、古代進と通信長の相原、砲術長の南部は現在太陽系外周艦隊に属するパトロール艦≪ゆうなぎ≫に勤務し監視任務に就いていた。

 

相原「これで13発目の飛来です。多くなりましたね。」

南部「『ミルキーロード事件』からだろ?」

古代「酷い事故だった...。あの後ミサイルは小惑星に激突して11番惑星と基地への被害はなかったそうだが、あれが地球に当たっていたかもしれないと思うと...正直ゾッとするよ。」

相原・南部「、、、、、、。」

 

『ミルキーロード事件』と呼ばれた観光船の衝突事故以来、ミサイルの流れ弾は不定期に飛来し地球の脅威となっていた。古代達≪ゆうなぎ≫戦隊の任務はそのミサイルの接近を監視し後方の無人艦隊及びアンドロメダ級≪ネメシス≫率いる防衛軍艦隊に報告し対処させることだ。

 

ピピーッ!×2(通信音)

相原「ッ!艦長。第6哨戒戦隊の≪うずしお≫からです。」

古代「読んでくれ。」

相原「はい。『監視・警戒任務ご苦労。貴艦≪ゆうなぎ≫は防衛軍長官よりの直々の帰還命令を受けている。≪ゆうなぎ≫は直ちに帰還に就かれたし、なお第3の僚艦の指揮は本艦が受け持つ」以上です。」

南部「藤堂長官から直々にお呼びだって?一体なんなんでしょうね古代さん?」

古代「分からん。相原、とりあえず了解と伝えろ。本艦は直ちに地球に向かう。」

 

防衛軍司令部の藤堂長官からの直々の帰還命令を受けた古代達のパトロール艦≪ゆうなぎ≫。ワープを繰り返し地球へ帰還した古代はそのままの足で防衛軍司令部に向かう。

 

地球防衛軍司令部・長官室

コンコンッ!(ノック音)

古代「古代進、入ります。」

藤堂平九郎/防衛軍司令長官「入りたまえ。」

 

ドアやノックして入室する古代。外の様子を見ていた藤堂長官が振り返り古代はヤマト式敬礼で応対する。

 

藤堂「古代、監視の任務ご苦労だった。」

古代「長官、それでなぜ私の艦だけに帰還命令を?」

藤堂「うむ、早速だが君に辞令を言い渡す。古代進、宇宙戦艦≪ヤマト≫艦長の任を正式に言い渡す。」

古代「わ、私が艦長に?」

 

突然の艦長就任に驚く古代。

 

藤堂「君は長らく艦長代理として立派に艦を指揮してきた。これまで正式に任命していなかったことをすまないと思っている。許してくれたまえ。」

古代「い、いえ。長官。まさかとは思いますがそれだけの為に...?」

藤堂「いや、本題はこれからだ。君は例の事件の現場に急行し、惨状を見て来たそうだね?」

古代「はい...生存者は...1人も...。」

藤堂「観光船を吹き飛ばした不定期に飛んでくる謎の巨大ミサイル...あれを見て君はどう思った?」

古代「はい。宇宙のどこかでまた争いが起こり、その飛び火がこの太陽系に来ているのだと思います。」

藤堂「そうだ。【ガミラス】...【白色彗星帝国】そして【暗黒星団帝国】と地球は度々侵略と滅亡の危機に晒されてきた。今回もまたその時と同じ様な物を感じる。次にそれらの様な大規模な侵略や破壊行為が起きれば地球と地球人類はどうなってしまうか...考えただけでも恐ろしい。そこで≪ヤマト≫に艦隊を率い銀河系外の調査と人類の居住可能な惑星の探査任務を命じたい。」

古代「ッ!調査と探査...でありますか⁉︎」

 

艦長就任でもびっくりだが、銀河系外の調査と居住可能惑星の探査という二つのスケールの大きな任務の内容に驚く古代。

 

藤堂「無論、≪ヤマト≫だけでなく他の管区にも働きかけ調査艦隊を派遣する。≪ヤマト ≫と艦隊はその一部宙域を担ってもらう。君を含む旧≪ヤマト≫乗組員達にも召集を掛け、さらには宇宙戦士訓練学校の成績優秀者達の卒業を繰り上げさせ乗艦させることも決めた。この後さっそく君は≪ヤマト≫に行って貰いたい。」

古代「分かりました。古代進、≪ヤマト≫艦長と艦隊指揮及び調査・探査任務に就きます!」

藤堂「頼んだぞ、古代。」

 

古代の肩に両手をバンッ!と起き期待の言葉を掛ける長官。古代にはその言葉だけでなくその手も重く感じていた。

その後、古代は長官に少し時間を貰い「英雄の丘」にイスカンダルへの旅から今日まで共に歩んできた≪ヤマト≫の仲間であり婚約者でもある森雪と共に足を運んだ。古代はまっすぐ沖田艦長の石像を見つめている。

 

古代「(沖田艦長...僕は遂に≪ヤマト≫の艦長になりました。先の戦いで守兄さんは立派に貴方の意志を継ぎ任務を全うしました。自分もやり遂げられるよう努力します。)」

森雪/元≪ヤマト≫生活班長「古代君?」

古代「あ、なんだい雪?」

森雪「少し顔が怖いわ。任務の重さが重さなだけに仕方ないかもだけど、少し肩の力を抜かないとこの後の航海に差し支えるわよ?」

古代「そうだな、すまない。」

 

艦長の拝命、重大な任務が2つの重責がのしかかり怖い表情を見せる古代に雪が優しく諭す。2人は向かい合って抱き合う。そこに「お〜い!」と声が聞こえ2人が振り返ると久々に見る馴染みの顔が2人やって来た。

 

古代「島!真田さんも!」

島大介/元≪ヤマト≫航海長兼操舵手「しばらくだな古代。」(握手)

真田志郎/元≪ヤマト≫技師長「艦長就任おめでとう。」 

古代「ありがとうごさいます。なんだか今更重みを実感している変な気分ですよ。」

真田「ハッハハ、そうだろうな。なにしろ"代理"とはいえ実質沖田艦長以外で艦長役を長くやっているのはお前だものな。」

島「そんなお前を支える為にやってきたぞ。」

古代「というと?」

島「≪ヤマト≫の副長に俺が任命されたんだよ。航海班長との兼任になる。」

古代「そうだったのか!...?じゃあ操舵手は誰がやるんだ?」

島「北野の奴だよ。」

古代「えぇ!」

雪「北野君が⁉︎」

 

北野 哲(きたの てつ)。4年前に行われた地球圏外縁に潜む【白色彗星帝国】の残党を一掃を目的とする「雷王作戦」の原案を書いた秀才でありその作戦で≪ヤマト≫に新乗組員として乗艦。道中で起きた【暗黒星団帝国】先遣艦隊による【ガミラス】本星の消滅と【イスカンダル】への侵攻事件。通称「サンザー事変」にも参加し逞しく成長した。西暦2202年の「デザリアム戦役」では【暗黒星団帝国】地球侵攻軍に対しパルチザンとして参加しゲリラ作戦を指揮した男だ。

 

真田「あいつこの任務の話を聞いて自ら志願したらしいぞ。」

古代「そうか...北野も加わってくれるなら安心だな。」

 

頼れる仲間達が新たな責を負った自分を支えてくれる。その事実と友情に古代の表情は明るくなり心も少し軽くなるのだった。

それから少し時間を経て古代達の姿は防衛軍地下ドックにあった。そこには≪ヤマト≫の麾下に加わる防衛軍艦艇が横に並んでいる。

古代「パトロール艦≪いすず≫、主力戦艦改級戦闘母艦≪たいほう≫、宇宙空母改級高速戦闘支援母艦≪まみや≫...ん?駆逐艦か?見ない型だな...。」

真田「あぁ、≪すずつき≫と≪ふゆづき≫..."新型汎用駆逐艦"だよ。従来の駆逐艦級に護衛艦級の汎用性を持たせ外宇宙での航海に耐えられるよう船体を大型化させている。」

島「これまでの艦とは随分違う印象の艦ですね。駆逐艦にしてはとても頼り甲斐のあるどっしりとした艦容だ。」

真田「うん。先の【暗黒星団帝国】との戦いから防衛軍の艦の運用思想が変わった結果だよ。≪春藍(しゅんらん≫麾下の第7艦隊の遠征記録、そして度重なる地球の危機から長官は「長期・超長距離航海に耐える艦が必要」と見越し、従来の葉巻型第二世代艦から一新した艦を作らせるよう働きかけていた結果がこの2隻だ。我々≪ヤマト≫と同じく調査及び探査任務で旗艦を務める"護衛戦艦"も長官の計画内で生み出された艦艇群なんだ。」

 

相変わらずの分かりやすい真田さんの解説に一同が「ほぉへ〜」と感心しながら歩いて聞いていると皆が目の前に入ってきた物に対し足を止める。そう我らが"地球の英雄"がそこに鎮座していたからだ。

 

古代「≪ヤマト≫...!」

島「戻ってきたんだな...俺たちは。」

 

約3年ぶりに対面した≪ヤマト≫は静かに戦友(クルー)達を迎える。古代の緊張はここに来てまた再発するも、過剰なものではなく実家に帰ってきた様な安心感もそこには同居していたのだった。




読了ありがとうございました。冒頭部分は第1話を概ね踏襲していますが...

・メカニックや戦闘描写それぞれをゲーム版名称と設定アレンジ、深掘り補足説明し書く(例:戦略兵器だと思ってた惑星破壊ミサイルを別にあの場面で使わなくても勝てる筈なのにポンポン使っていたので、核兵器で例えるとあれは「戦略ミサイル」ではなく「戦術ミサイル」の様な物だったのでは?と解釈・考察)
・太陽系にあれほどのミサイルが来ているのに防衛軍やレーダーくらいあるはずの(原作では)太陽観光船が気付かない不自然さを解消しちゃんと事件後の対策をしている(土門の両親に名前がなかったので担当声優さんの名前から拝借している)
・プロトンミサイルが太陽に命中せず原作のような太陽危機は起きないが、「銀河中心部の異変の調査」という名目で≪ヤマト≫が航海に出る
・『二重銀河の崩壊』の続編があったら?を意識して書いている為、ゲーム版の世界観や設定を踏襲しているが、一部リメイクシリーズ要素を旧作準拠にして入れている
・新型汎用駆逐艦もとい『完結編』駆逐艦が先行登場

などなど初っ端から内容が大きく異なります。『Ⅲ』は良い意味でも悪い意味でも原点回帰なとこや打ち切りになったので仕方ないが後半の急展開や「この話なんだったん?」ってのが多く一部の設定やテーマ等が上手く機能していなかった様な気がしているのでそれらを大幅に直す!という意気込みを込めて改変しました。気に入っていただけたら幸いです。ではまた次回をお楽しみに。
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