宇宙戦艦ヤマトⅢ ReBoot!〜銀河中心部の混迷〜   作:箕理 田米李

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前回の続き、≪ラジェンドラ≫はどうなるのか⁉︎≪ヤマト≫はどうなるのか⁉︎あ、それと『3199』第二章観て来ました。『マリグナント・メモリー』も読んだしますます盛り上がってますねヤマト界隈で何より。


第5話『三つ巴の第11番惑星宙域!』

第11番惑星...20世紀末にその存在が確認され22世紀に人類が到達した太陽系最果ての惑星。地球のように大気や水は存在しないが、未だ解明されていない古代文明の遺跡があり観光スポットとしても有名だった。今から4年前の「ガトランティス戦役(2201年)」では辺境警備に当たっていた空間騎兵隊が同星に侵攻を始めた【白色彗星帝国】前衛艦隊と戦闘が行われた場所でその後、彗星帝国は同惑星を兵站基地として利用し戦役終結後は彗星帝国残党軍艦隊を支援していたため地球連邦防衛軍は「雷王作戦」を発動してこれを無力化した。そして現在、西暦2205年での第11番惑星基地には早期警戒レーダー基地が建てられ日夜地球圏外縁に目を光らせている。

そして今、その惑星のある宙域では【地球連邦】×【ガルマン帝国】×【バース共和国(ボラー連邦衛星国)】による三つ巴の攻防戦が展開されている。【地球連邦】に助けを求め制限付きで了承され、海王星のドックで修理を終えたバース旗艦艦隊の≪ラジェンドラ≫とB型戦列装甲艦の2隻は僚艦のA型艦隊装甲艦1隻を彼らを追って太陽系にワープアウトしてきた【ガルマン帝国】東部方面軍 ダゴン将軍麾下の第18装甲師団の攻撃で失い、さらにワープによる太陽系離脱を阻止すべくメインエンジンを集中的に狙っての情け容赦ない攻撃を浴びせていた。【地球連邦】の領域内での交戦を始めた【ガルマン】側に対し≪ラジェンドラ≫らを護衛していた≪ヤマト≫率いる第1特別派遣調査隊は警告するも無視され逆に攻撃される。【ガルマン】と【ボラー】間の戦争には介入しないことを藤堂長官とは協議の上で決めたことだが、領域内で戦闘を始めたことと警告を無視し攻撃してきた場合は反撃してよしとの了解を得ていた為≪ヤマト≫らはこれに介入。≪ヤマト≫航空隊は≪ラジェンドラ≫艦隊の援護、≪ヤマト≫は周りを取り囲む【ガルマン】18装甲師団 軽戦闘中隊を相手に数による不利を物ともしないような反撃振りを見せていたのだった。

 

第1特別派遣調査隊

新型汎用駆逐艦≪すずつき≫(陣形左舷位置)

第1艦橋

 

戦闘班長「艦長!敵の激しい砲火が‼︎」

藤田「怯まないで!相手は手数の勝負でこっちを驚かせてるだけよ!波動エネルギーバリアのお陰で本艦自体は守れてます!バリアを左舷に集中!≪ヤマト≫に集中してる火線をこちらに引きつけ確実に仕留めてください‼︎」

戦闘班長「りょ、了解!」

藤田「航海班長!≪ヤマト≫の砲撃のタイミングと同調させ≪ヤマト≫が砲撃しやすいよう回避運動も忘れずにお願いします‼︎」

航海班長「了解、スロットル前進と減速に注意!」

 

同・≪ふゆづき≫(陣形右舷位置)

第1艦橋

 

レーダー/通信班長「艦長。≪すずつき≫凄いですね。全く隙がありません。」

水谷「気合い過ぎていなければいいんだがな...(ボソッ)。」

レーダー/通信班長「は?」

水谷「ん?いやなんでもない。左舷の守りが堅いと見て敵はこちらに迂回しようするかもしれん。レーダーから目を離さないように。」

レーダー・通信班長「了解です!」

水谷「戦闘班長。敵艦のどこでもいい、確実に当てれるところで撃て。この艦の主砲ならどこでも抜ける筈だ。」

戦闘班長「は!」

 

高速戦闘支援艦≪まみや≫(陣形中央最後方)

第1艦橋

 

堀江「敵の攻撃は≪ヤマト≫の両舷に集中してるな...それを上手く≪すずつき≫と≪ふゆづき≫がカバーしてる...流石だな〜。」

副長「艦長。見惚れてる場合では...(汗)。」

堀江「おっとっと失礼!こちらも敵艦を減らすぞ!各砲塔自由射撃‼︎」

副長「各砲塔!射程に入った艦から狙え‼︎」

 

戦闘空母≪たいほう≫(陣形中央中心)

第1艦橋

 

能登「航空隊!波状攻撃が緩いわ!制空権はこっちのもの!力を見せて‼︎練度なら≪ヤマト≫航空隊にだって負けてない貴方達ならできるわ‼︎」

≪たいほう≫所属航空隊隊長(無線)『りょ、了解!」

能登「(それにしても...【ガルマン】艦隊はなんで≪ヤマト≫にばかり攻撃するのかしら...?単に旗艦だから...?いえ、同じく艦載機を持ってるとはいえ数ならこっちの方が載せてる空母の本艦や補給担当の≪まみや≫など重要な目標が2隻もいるのに...。)」

 

能登は航空隊が≪ヤマト≫航空隊よりも攻撃に積極性が欠けているからと「練度では負けてないし敵機もいないんだから確実に仕留めろ!」と檄(げき)を飛ばしながらも、【ガルマン】第18装甲師団が依然≪ヤマト≫ばかり狙っていることを不自然に感じていた。確かに敵艦隊の旗艦を沈めるのは戦術として理に適ってはいるが、制空権を確保している艦載機隊を保有する空母や艦隊の補給を司(つかさど)る補給艦などの最重要目標(ハイバリューユニット)がいる場合はそれらを先に潰すのが定石(セオリー)である。しかし【ガルマン】側はそれを無視して≪ヤマト≫とそれを守る≪すずつき≫と≪ふゆづき≫ばかりに攻撃を集中していることに違和感しかなかった。しかし今は敵の考えなど気にしている場合ではないと、これを上手く利用して≪ヤマト≫らに群がってくる敵艦隊が後ろを見せてくれるのでそこを狙い艦載機隊と主砲で潰す戦術で≪まみや≫と共に確実に数を減らしていく。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

太田「前方は≪いすず≫が、後方から回り込む敵艦隊は≪たいほう≫と≪まみや≫がそれぞれ抑えてくれていますが、損傷した艦が下がり代わりに後続がさらに左右から圧力を掛けて来てます!」

土門「艦長!このままではキリがありません!確実に撃沈して数を減らしましょう‼︎」

古代「我々の任務は敵の殲滅じゃない!≪ラジェンドラ≫艦隊の方に敵を向かわせないこと、そして【ガルマン】艦隊の戦闘意欲を挫(くじ)くことにあるんだぞ‼︎」

土門「りょ...了解...。」

島「しかし艦長。このままじゃキリがないのは土門の言う通りだぞ!」

古代「仕方ないな...北野!多少の被弾は構わない!≪ラジェンドラ≫艦隊へ向けさらに前進!速度を上げろ‼︎」

北野「了解、スロットル前進!」

 

一方の≪ヤマト≫航空隊は≪ラジェンドラ≫とB型戦列装甲艦を守るべく群がる【ガルマン】18装甲師団の軽型戦闘艦らに猛烈な航空攻撃を浴びせていた。ただし、長期戦になると見越してミサイルの使用を一艦一発に控え確実にダメージが入る箇所にのみ集中して攻撃している。ミサイルで与えた破損箇所には機首のパルスレーザー機関砲を浴びせ"傷口に塩を塗る"をする。

 

揚羽「よしやった!トドメを...」

椎名「待って揚羽君!」

揚羽「先輩?」

椎名「あの艦はもういいわ、次の艦を攻撃して!」

揚羽「ですが、あと少しで...」

坂本「そうだぜ!一隻でも減らした方が後の為だろ?」

山本「バカ!敵の様子をよく見てみろよ。」

揚羽「ッ!」

 

山本が無線で指示を出した方向を見ると被弾し黒煙を上げている軽型戦闘艦が無傷の方の軽型戦闘艦に守られながら後退する様子があった。

 

山本「撃沈に拘らなくて良い理由はあれだ。わざと手負いを増やしてやればあんな風に相手は損傷した味方艦のサポートに戦力を割かなきゃいかなくなるってわけだ。今回の任務は殲滅じゃない。それにミサイルや機関砲の弾には限りがある。全部相手してたらキリがないってことさ。」

揚羽「な、なるほど...。」

山本「さぁ〜ってと、お勉強タイムはここで終わりだ!次の敵艦をやりに行くぞ!続けェ‼︎」

坂本「よぉ〜っし!んじゃ隊長、椎名おっ先で〜!」

山本「ヤロー!」

椎名「相変わらずの遠慮知らずのお調子者ね...行くわよ!揚羽君‼︎」

揚羽「は、はい!」

 

≪ヤマト≫航空隊が制空権を確保するその下では旗艦≪ラジェンドラ≫率いるバース艦隊がエンジンをやられワープができずの状態ながらもなんとか応戦していた。がしかし、限られた時間で僅かに修理された兵装だけでは心許なく2隻しかいない艦隊では数の劣勢を覆すことはできず当然と言うべきか追い詰められる。≪ラジェンドラ≫の最後の僚艦(とも)であったB型戦列装甲艦が奮戦するも遂に沈められる。≪ラジェンドラ≫が「おのれよくも!」と言わんばかりに艦橋後方の煙突型副砲が反撃し仇を討つ。しかし直後に艦橋付近に被弾、艦橋内部は炎を上げ地獄絵図と化す。計器類は割れたり火を吹きオペレーター達は倒れ、艦長であるラムも席から転げ落ちる。

 

艦隊指揮装甲艦≪ラジェンドラ≫

艦橋

 

副長「か、艦長!」

ラム「わ、私は大丈夫...だ...。被害は...どうなっている...?」

副長「≪B-117≫(B型戦列装甲艦)が轟沈...本艦はエンジンは航行可能ですがワープ機能を損傷...復旧はもはや...。」

ラム「そうか...我々もここまでのようだな...副長、届くかどうか分からないが本国に通信を打ってくれ。「≪ラジェンドラ≫、武運尽きたり...バースに栄光あれ」とな。」

副長「ッ!...艦長それでは...!」

ラム「本艦はこれより反転し、【ガルマン】18装甲師団と対峙する!」

副長「りょ、了解致しました!私も最後までお供させて頂きます‼︎」

オペレーターA「我々も共に!」

同B「バースの底力、見せてやりましょうよ‼︎」

ラム「...すまない、そしてありがとう副長...同志乗員(クルー)諸君...。」

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

森雪「ッ!艦長!大変よ!≪ラジェンドラ≫が‼︎」

古代「なに⁉︎どうしたんだ雪⁉︎」

森雪「≪ラジェンドラ≫が反転して【ガルマン】艦隊に突っ込んで行くわ!」

太田「≪ラジェンドラ≫にエネルギー反応!砲門を開いたもようです!」

古代「ッ!真田さん⁉︎」

真田「まさか...ワープで逃げられなくなったから特攻を図る気だ!」

島「あんな損傷具合で⁉︎いや、あまりにも無茶だ‼︎」

 

≪ラジェンドラ≫の反転に驚く≪ヤマト≫クルーの一同。そこにピピーッ!×2と電子音が響き「艦長!≪ラジェンドラ≫から映像通信が!」と相原が言うと「メインパネルに!」と即答える古代。メインパネルに映し出されたのは炎で真っ赤となり黒煙を上げている≪ラジェンドラ≫の艦橋内の様子だった。

 

古代「ラム艦長!」

 

ラム(映像通信)『古代艦長...≪ヤマト≫と艦隊の皆さん...我が艦はもうワープで撤退することができない...。無理を言って修理して頂いただけでなく...我々の戦いに巻き込んでしまい...誠に申し訳...ない...』

 

古代「ラム艦長...!」

 

ラム『そんな我々ができること...は...最後の力を振りし...ぼり...うっ!...敵艦を...1隻でも...多く...道連れに...』

 

古代「ラ、ラム艦長!早まってはダメです!我々が向かいます!どうか思いとどまってください‼︎」

 

ラム『あ、ありがとう古代艦長...その気持ちだけで充分...だ...最後に...我々の勇姿を目に焼き付けて...くれ...!」

 

ピュルゥゥンッ!(メインパネルが切れる音)

 

古代「ラム艦長!」

 

古代はラム艦長に突撃を思いとどまるよう言うが説得できず映像が切れ「くっ...!」と強く拳を握り締める。その様子を横で見ていた副長の島が北野に「全速だ北野!≪ラジェンドラ≫へ急行するんだ‼︎」と命じるも「そうしたいですが...【ガルマン】艦隊が塞いでるんです!そうそう前には...‼︎」と返す。第1特派隊の最前方に位置するパトロール艦≪いすず≫もそれは同じだった。軽型戦闘艦は後方の武装が回転砲塔一基のため反撃が少ないのが救いでパトロール艦の主砲でなんなく処理できるが数が多くキリがない。

 

パトロール艦≪いすず≫(陣形最前方)

第1艦橋

 

井口「なんとか前に行けねぇのか⁉︎」

戦闘班長「ダメです!ほとんどが≪ラジェンドラ≫の方に集まって向いていて、こちらの進行を阻むかの様に壁になってます!」

井口「クソッ!ケツばかりこっちに見せつけてきやがって...!≪ヤマト≫航空隊の連中も手一杯かよ‼︎」

レーダー/通信班長「艦長!≪ラジェンドラ≫が...‼︎」

井口「ッ!」

 

≪ラジェンドラ≫

艦橋

 

ラム「使用可能な火器を全門開け!【バース共和国】旗艦艦隊≪ラジェンドラ≫の全てを込めて応戦せよ‼︎」

 

逃げるのをやめ反転した≪ラジェンドラ≫は残された格納固定式平板型の第1主砲とまだ健在の後部煙突型副砲を開き全力で【ガルマン】第18装甲師団に向かう。しかし既に傷付いている艦体での応戦には限界があり、そしてその僅かな抵抗を掻き消すかのごとく18師団の反撃は情け容赦がなかった。第1主砲は瞬く間に消し飛ばされ艦首も無数の穴が開き装甲がヒシャげる。≪ラジェンドラ≫が旗艦級の装甲艦でなければとうに轟沈していたことだろう。

 

ラム「バース...バンザイ...ッ‼︎」

 

武装を失った≪ラジェンドラ≫はそれでも沈まずダゴン乗艦の第18装甲師団の旗艦≪ダーゴルンⅢ≫に向けて体当たりを敢行しようとする。ダゴンは恐怖な顔を浮かべながら「回避!面舵だ‼︎」と操舵手に命じる。≪ダーゴルンⅢ≫の右舷手前にはちょうど軽型戦闘艦がおりその影に隠れる様に回避する。≪ラジェンドラ≫はその軽型戦闘艦に思い切り体当たりし爆散し眩しい一閃の光となって暗黒の宇宙を照らしそして消えていった。【バース共和国】旗艦艦隊≪ラジェンドラ≫が今、ここ太陽系近傍に沈んだのである。近くを飛行していた≪ヤマト≫航空隊、そして≪ヤマト≫ら第1特派隊の面々もそれを確認した。宇宙の武人の死を...だ。「ぐぅ...うぅぁぅ...!ラム...艦長...‼︎」と悔し混じりの声を出し瞼(まぶた)を閉じさらに強く握り締めた両手拳をバンッ!と叩く古代。それを心配そうに見つめる雪。「古代...今は悲しむ時じゃない...次の命令をみんな待ってる...。」と宥める島に少し間をおいてから「...そうだな...相原、山本達に「任務ご苦労、≪ヤマト≫防空任務に着けと伝えろ...」と良い「了解」と相原が静かに答えた。

一方の【ガルマン】第18装甲師団のダゴンは追い続けた敵をようやく倒したことで意気揚々だった。

 

【ガルマン帝国】第18装甲師団

旗艦≪ダーゴルンⅢ≫

艦橋

 

ダゴン「... ...ハ、ハーッハハハハ!これで【バース共和国】の戦意も失せる...攻略も時間の問題だ!全艦反転!攻撃目標を≪ヤマト≫に変え挟み撃つのだ!ついでにあの目障りな田舎戦艦を屠(ほふ)り、そのまま地球へ侵攻するぞ‼︎」

 

【ガルマン】艦隊上空の≪ヤマト≫航空隊

 

坂本「隊長!奴ら反転しています!」

椎名「今度は≪ヤマト≫を狙う気ね...!させはしないわよ‼︎」

山本「全機へ!弾薬もエネルギーパックも心許ないが≪ヤマト≫のピンチだ!足止めぐらいして隙を作るぞ!続けぇッ‼︎」

揚羽「よし!やってやる!ラム艦長達の仇だ‼︎」

 

ダゴンは目的である≪ラジェンドラ≫を撃沈したに飽き足らず≪ヤマト≫を仕留め、その後は地球まで侵攻すると言い乗艦を含む艦隊を反転させ艦首を≪ヤマト≫に向ける。【ガルマン】側の意図を察した≪ヤマト≫航空隊は消耗しているが自分達の家のピンチとあっては駆け付けない訳にはいかないぜ!と≪ラジェンドラ≫らの仇を打ってやる!と士気旺盛(しきおうせい)で襲い掛かる。

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

森雪「≪ラジェンドラ≫への攻撃を行っていた【ガルマン】艦隊がこちらに向かってきます!」

太田「航空隊が足止めしていますが、このまま行けば包囲され挟み撃ちにされてしまいますよ!」

真田「それだけじゃない、波動エネルギーバリアも損耗率が73%を超えた!次に総攻撃を受ければ耐えられんかもしれんぞ‼︎」

古代「、、、ッ!」

 

≪ラジェンドラ≫を沈めた次の矛先が≪ヤマト≫に向き取り囲まれ袋叩きにされるのも時間の問題とさらに苦境に立たされることになると古代はどう切り抜けてやるべきかと悩む...そんな≪ヤマト≫に一通の電文が届く。

 

ピピーッ!×2(電子音)

相原「ッ!艦長!電文が!防衛軍のコードでです‼︎」

古代「なに⁉︎読んでくれ相原!」

相原「『カウントダウン10ノ合図デ艦隊ヲ上昇サセヨ』...以上です。」

島「カウントダウン...?一体何をしようと言うんだ...?」

古代「考えてる暇はなさそうだ...相原、全艦と航空隊に急上昇に備えるよう指示してくれ。島、頼むぞ!」

相原「了解です!」

島「分かった。北野、10秒前だ!」

北野「了解!10...9...8...7...6...」

 

【ガルマン】第18装甲師団

旗艦≪ダーゴルンⅢ≫

艦橋

 

オペレーターA「全艦、≪ヤマト≫と艦隊の包囲完了!」

ダゴン「よぉ〜し、全艦"高圧エネルギー直撃砲"発射用意!≪ヤマト≫にトドメを刺してやれ‼︎」

オペレーターB「はっ!高圧エネルギー直撃砲、発射用意‼︎」

 

ダゴンがそう指示すると主力中型戦闘艦の≪ダーゴルンⅢ≫をはじめ軽型戦闘艦らが艦首格納型の決戦兵器「高圧エネルギー直撃砲」を迫り出し発射用意の為のエネルギー充填を始める。【ボラー連邦】の決戦兵器「ボラー砲」と並ぶ高エネルギー砲兵器が≪ヤマト≫を狙っている!

 

北野「5...4...3...2...1...!」

古代「全艦急速上昇!」

島「北野!」

北野「急速上昇!」

 

≪ヤマト≫航空隊

山本「全機!上昇だ‼︎≪ヤマト≫達に続いて上がれぇッ‼︎」

 

北野が操舵レバーを思い切り引き、≪ヤマト≫は艦首をグッと持ち上げ急上昇する。第1特派隊の僚艦達さらに展開中の航空隊もそれに続いて【ガルマン】18装甲師団の包囲陣からの離脱を図る。≪ヤマト≫では土門、航空隊では坂本がそれぞれ初めての強烈な急上昇の衝撃を受け潰されまいとなんとか踏ん張る。椎名は多少慣れているものの胸の痛みに響いて苦しむ。しかし持ち前の精神力で持ち堪えている。≪ヤマト≫らの急な上昇を見たダゴンは「なに⁉︎上昇だと!追え!逃すな‼︎」と命じた矢先、「司令!右舷より高エネルギー反応が‼︎」とオペレーターの1人から方向が入った瞬間、≪ヤマト≫を近くで包囲していた軽型戦闘艦二個中隊が青白い高エネルギーの束が迫ったと思ったら花びらが開いた花の如く、誕生日を祝うクラッカーが音を鳴らして中身が飛び出すが如く複数本の束に襲われた飲み込まれ消失する。その光景に一際戦慄し驚くダゴン、上方に脱出した≪ヤマト≫ら第1特派隊の面々も同様に驚いてはいたが、第18装甲師団を襲ったエネルギーの束の正体が何かは皆分かっていた。「拡散波動砲」...対艦隊戦向けに調整された波動砲だ。

 

【地球連邦】防衛宇宙軍

防衛軍技術開発試験隊(司令部直属)

旗艦:主力戦艦改級/統合次世代試験型≪ヴァンガード≫

第2艦橋(戦闘指揮艦橋)

 

艦長「こちら防衛軍司令部直属 技術開発試験隊 旗艦≪ヴァンガード≫!藤堂長官の指令により第1特派隊の救援に馳せ参じた!貴艦隊を援護する。指示を頼む‼︎」

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

相原「ッ!長官は動いてくれていたんですね...!」

南部「しかも来たのは次世代試験用の最新鋭艦ですよ!」

古代「こちら第1特別派遣調査隊の旗艦≪ヤマト≫、艦長の古代です。本艦と航空隊はこれより反転降下し敵艦隊を正面から叩きます。≪ヴァンガード≫艦隊もそこから突撃し敵を追いやり戦意を挫(くじ)いて敵艦隊を撤退に持ち込ませます。」

土門「ッ!古代艦長⁉︎」

古代「いいんだ土門。我々の目的は敵の殲滅じゃない。」

土門「りょ...了解...。」

 

≪ヴァンガード≫艦長(映像通信)『了解した。太陽系に踏み入っただけでなく≪ヤマト≫に手を出した事を後悔させてやりましょう。』

 

古代「お願いします!よぉしみんな!これから切り込むぞ!いいか⁉︎あくまで敵の全滅ではなく撤退を促す様にやるんだ!いいな‼︎」

艦橋クルー全員「了解!」

 

≪ダーゴルンⅢ≫

艦橋

 

ダゴン「な...なんだぁ...あの兵器は...⁉︎」

副長「お、恐らくボラー砲に似たエネルギー収束砲の類(たぐい)かと...!しかしあまりにも威力が桁違い過ぎます!」

オペレーター「師団の約47%が消滅!混乱が生じています‼︎あッ!≪ヤマト≫艦隊と増援艦隊が側面から突っ込んできます‼︎」

ダゴン「な、なんだとぉぉぉッ‼︎」

 

≪いすず≫

第1艦橋

 

井口「よっしゃあ!突撃だ突撃ィィィ!主砲外すな!魚雷無駄にするな!だが派手にばら撒けぇッ‼︎」

 

≪たいほう≫

第1艦橋

 

副長「我々は艦長?」

能登「航空隊を収容するわ。≪ヤマト≫の方は≪まみや≫に一時的に収容させてとの古代艦長の命令よ。」

副長「了解しました。通信班長...」

 

そこからはほぼ一方的な戦いだった。旗艦≪ダーゴルンⅢ≫は健在だったが、突然の地球側の増援による拡散波動砲攻撃はそれまで破竹の勢いの無敵の進撃を続けていた第18装甲師団にとってはとてつもない動揺と混乱を齎(もたら)した。【ボラー連邦】本国艦隊や属する衛星国、ましてやそれらに与しない如何なる惑星国家にもこれほどの破壊力を持った兵器は見た事がなかったからだ。ダゴンは狼狽える部下をなんとか制すべく指揮を執ろうとするも収まらず、≪ヤマト≫ら第1特派隊の面々と側面から迫る≪ヴァンガード≫ら技術開発試験隊らの攻撃に更なる混乱を来たす。

 

ダゴン「ぜ、全艦に指令!撤退だ!」

副長「は...?」

ダゴン「≪ラジェンドラ号≫を沈めラム艦長は始末した...とりあえず【バース】侵攻作戦上の目的の一つを達した今は戦力を温存しなければ...地球侵攻はまたの機会にしてやる...!」

 

≪ヤマト≫

第1艦橋

 

森雪「ッ!敵艦隊、転進していきます。恐らくワープで撤退していくものと思われます。」

島「なんとか逃げてってくれるか...。」

真田「いや...まだ油断できんぞ...。」

太田「ッ!敵艦隊の一部がこちらに向かってきます‼︎その隙に旗艦は反転、複数隻と共にワープで撤退しました。」

南部「ダゴンめ!味方を盾にして自分だけ逃げやがったのか‼︎」

古代「領域を破って≪ラジェンドラ≫を仕留めただけに飽き足らず≪ヤマト≫を沈めようとした相手だ...味方を盾にするまでやるとはな...!」

土門「どうしますか艦長⁉︎」

古代「落ち着け土門!来てる敵の数は少ない、連携して対応すればいい!」

土門「りょ、了解!」

 

慌てる土門を落ち着かせ「冷静にやればいい」と言う古代。言う通り残存艦は5隻もいない...数はこちらのが上なので対処は簡単だった。しかし相手もただではやられないようだった。黒煙を吐き損傷している1隻の軽型戦闘艦が艦首ミサイルを≪いすず≫に向けて放つ。それを≪ヤマト≫の左舷を守る≪すずつき≫が済んでで主砲で撃破する。しかしそれは囮でその艦はその隙に≪ヤマト≫に向かって体当たりを敢行しようと接近していた。

 

≪すずつき≫

第1艦橋

 

藤田「(あの距離じゃ迎撃は間に合わない...!)エンジン全速!≪ヤマト≫と敵艦の間に入って‼︎」

副長「艦長⁉︎」

藤田「体当たりには体当たりで止めます!波動エネルギーバリア、左舷に集中して出力最大‼︎」

副長「りょ、了解!全速!左舷波動バリア最大集中展開‼︎」

 

エンジンを噴かし速力を生かして≪ヤマト≫の盾の務めを果たさんとする≪すずつき≫。それは≪ヤマト≫の艦橋からも見えており森雪が艦長の古代に報告していた。「っ!藤田艦長...‼︎」と言う古代、割って入るに間に合った≪すずつき≫は最大稼働の波動エネルギーバリアに覆われた左舷艦首で敵軽型戦闘艦の艦首に突っ込み、そのままいなすようにして滑らせ舷側同士をガコンッ!と激突させ同航する形となる。≪すずつき≫は左舷に旋回させた連装主砲とミサイルランチャーで敵より先に攻撃し艦橋と上部甲板の回転砲塔を削り取り破壊する。それから左舷姿勢制御スラスターを噴かし離れ舷側に四基ある格納式四連装無砲身型対空パルスレーザー砲でダメ押しとばかりに敵の艦体を蜂の巣にし爆沈させた。黒煙に包まれた≪すずつき≫を心配する≪ヤマト≫他の艦...そこから出て来た時、その健在に全艦のクルーが歓声を上げた。

戦闘はそこで終結した...【ガルマン帝国】第18装甲師団は撤退し、ラム艦長の≪ラジェンドラ≫率いる【バース共和国】旗艦艦隊はここ11番惑星宙域で全滅した。≪ヤマト≫たち第1特派隊は態勢を立て直し≪ヴァンガード≫の艦隊と共に救命機を派遣したものの生存者は【ガルマン】、【バース】双方とも1人も発見できなかった...。≪ラジェンドラ≫とその僚艦達の残骸の側を通った両艦隊は敬礼を送り通り過ぎた。その後、古代は事の詳細を防衛軍司令部の藤堂長官に通信で報告した。「銀河中心部で何が起きているのかとりあえずは分かったが、≪ヤマト≫の任務に変更はない。今後もどちらの勢力にも加担せず戦闘は極力回避し、地球に似た環境の惑星を捜索してくれたまえ」と命じられ第1特派隊は任務を継続する事となった。しかし、海王星ドックで待機していた民間所属の調査船である≪そうや≫には帰還命令が出され地球までは先の戦いで救援に駆け付けてくれた主力戦艦≪ヴァンガード≫の艦隊がちょうど地球への帰路に着くところだった為、≪そうや≫の護衛を任せ別れた。第1特派隊は6隻編成となり遂には太陽系の外へと飛び出した。

 

≪ヤマト≫

艦内通路

 

揚羽「ふぅ〜う〜。」

 

戦闘を終えた揚羽の姿は≪ヤマト≫艦内通路にあった。ベンチに深くもたれグテッとしている。初めての実戦のこともあってか今日は色々あり過ぎてその疲れも来ている。そんな揚羽の下に椎名が通り掛かる。

 

椎名「揚羽くん!」

揚羽「あ、先輩(立ち上がってヤマト式敬礼)!」

椎名「敬礼はいいわ。それより初めての実戦、良かったわよ。」

揚羽「ッ!ホントですか⁉︎」

椎名「えぇ、対艦攻撃の基本も波状攻撃のタイミングもバッチリだったわね。訓練の成果、出てたと思うわ。」

揚羽「ッ!あ、ありがとうございます‼︎」

椎名「その調子で頑張って。」

 

そう労いの言葉を言い終え去ろうした時、椎名はガクッと力が抜けたように足がもつれ壁に寄り掛かる。それを見た揚羽は急いで椎名の側に駆け寄り肩を持って支える。

 

揚羽「ッ!先輩!大丈夫ですか⁉︎」

椎名「え、えぇ...ありがとう大丈夫よ...私も疲れが出たのかもしれないわね...部屋に戻って休むわ。じゃあね。」

揚羽「は、はい...。」

 

そう言ってまた歩き始める椎名の背中を見る揚羽。自分よりも体力や経験もある先輩が...と少し心配になる。そんな風に思っていると「ん?揚羽か?」と後ろから声が聞こえる。振り向くと隊長の山本がいた。

 

山本「椎名、何かあったのか?」

揚羽「えぇ、急に力が抜けたみたいにガクッとして壁に寄り掛かったんです。先輩は疲れただけと言っていましたが...。」

山本「そうか...坂本の奴もなんかそれらしい事を話していたが...。」

揚羽「やはり気になりますか?その..."恋人"ととして...?」

山本「ッ!///バ、バカ野郎!新米が一丁前にそんなこと言うんじゃねぇ‼︎だ、だいたい椎名はな..."大事な仲間"だから心配なんだ!ただそれだけだ‼︎///」

揚羽「え、あ、はい...なんかすみませんでした...(すごい動揺してる...明らかに図星じゃないですか隊長...(汗))。」

山本「とにかく、今アイツの近くにいるのは後輩であるお前だ。何かあったり気づいたことがあったら言ってくれ。」

揚羽「は、はい。」

 

 

同・中央作戦室

 

真田「皆集まったな?では解析の結果を発表するぞ。」

 

中央作戦室に集められた≪ヤマト≫艦橋クルーそしてホログラム映像通信で参加の第1特派隊各艦長達。真田率いる技術班が先の戦闘で回収した【ガルマン帝国】軽型戦闘艦の残骸の解析を終えた為、その結果報告をすると言う。足元の巨大モニターに残骸とそこから得られた各種データのパラメーターが表示される。

 

真田「これが先の戦闘で撃破した【ガルマン帝国】駆逐艦級(軽型戦闘艦)の残骸の解析結果だ。」

南部「...ッ!ちょっと待ってください技師長!このデータ...見覚えがある箇所が...‼︎」

真田「あぁ、装甲の材質、放射エネルギーパターンなどの一部が【ガミラス帝国】の艦船の物と極めて酷似していることが分かったんだ...。」

古代「ッ!...【ガミラス】に...ッ⁉︎」

 

その場に居る者たち全員が動揺する。「【ガルマン帝国】が【ガミラス帝国】の後継国家なのではないか?」...と誰もが頭にそう浮かばせる。

 

真田「うん...微妙な差異ではあるが、装甲はガミラチタニウム...放射エネルギーパターンはガミラス製波動エンジンのデータと物凄く近い数値なんだ...。」

島「偶然にしては出来過ぎですね...。」

山崎「しかし、それにしては艦容がそれまでの【ガミラス】の艦艇群とは一線を画しているようですな。」

真田「うん、山崎さんの指摘した通り。こいつは従来のガミラス艦とは全く違う...。ブロック工法を用いた生産性と整備性に優れた艦体に【白色彗星帝国】式の回転砲塔を装備している。回転砲塔に関してはデスラーが彗星帝国と組んでいた事もある...その際にデータを貰っていてもおかしくはない。」

 

堀江(ホログラム映像通信)『駆逐艦級に関しては確かにガミラス艦特有の目玉やトサカの様な物は見受けられませんね...しかしダゴンが乗っていた旗艦は≪ヤマト≫が過去に対峙した冥王星基地所属艦隊やコルサック艦隊の指揮戦艦級戦闘艦に似ています。もしかしたら発展型かも...。』

 

話が進む中、古代は浮かない表情だった。敵対した相手がかつては宿敵、そこから絆を育み友情を築いた筈の【ガミラス】の偉大なる総統 デスラーがガミラス民族復興を成し遂げ新たに建国した国家でそれと戦ってしまったのではないか...雪の話から「≪ヤマト≫への恨みは消えた」と言い≪ヤマト≫と地球への執着や未練はなくなった筈のデスラーがまた地球へ侵攻しに来たのではないか?という考えが頭を過(よぎ)る。

そんな中、≪ふゆづき≫艦長の水谷が右手を挙げる。

 

水谷(ホログラム映像通信)『少し良いかな?』

 

真田「ん?水谷艦長、どうぞ...。」

 

水谷『仮に【ガルマン帝国】が【ガミラス帝国】の後継国家だとしたら、なぜ我々を攻撃して来たのでしょう?

≪ヤマト≫...そして地球の事を知っているデスラー総統がもし今でも君主として君臨しているならそんなことはしないと思うのだが...?』

 

能登(ホログラム映像通信)『その通りだわ。だとすると先のダゴン艦隊の言動との辻褄が合わないわね。まるで私達とは初対面で侵略すべき相手としか見ていないような感じだったわ。』

 

藤田(ホログラム映像通信)『情報が少ないから推測になってしまうけど、艦のデータがあくまで"酷似しているだけ"で"完全に一致しているわけではない"とするなら「単によく似た国家」というだけという線もありえると思います。』

 

井口(ホログラム映像通信)『まぁ宇宙は広いからな〜"そっくりさん"な国家が一つや二つあっても不自然でもないかもしれねぇな...。』

 

真田「各艦長達の意見もご最もです。現状「限りなく【ガミラス】に近い国家」という点では皆の見解は概(おおむ)ね一致しているだろう。本来ならデスラーに直接聞くのが早いが、残念ながら今彼がどこで何をしているのか?そもそも生きているのかも分からん...。まぁあの男がそう簡単にくたばるとは思えんがな...。」

古代「... ... ...。」

島「古代、いや艦長。今は深く考え過ぎるべきじゃないかもだぞ?」

古代「あぁ、そうだな。すまない...相手が何者であれ≪ヤマト≫の任務は「第二の地球探し」だ。このまま銀河中心方向へ進めば【ガルマン】と【ボラー】の星間戦争に巻き込まれるかもしれんが、我々はどちらにも与しない。それだけは変わらないさ。」

真田「あぁ、それともう一つ。【ガルマン】の正体については判明しなかったが、これだけはハッキリしたことがある。」

古代「なんです...真田さん?」

真田「うん、地球へ飛来して来たあの巨大ミサイルの残骸のデータと今回回収した駆逐艦級のデータの部品の構成や用いられた素材の一部が一致した。」

古代「ッ!つまり...それは...。」

真田「そうだ。あの巨大ミサイルは【ガルマン帝国】の物だと言う事だ。」

会議参加の一同「なっ...!」

土門「ッ!...ッ‼︎」

 

その事実を聞いて土門は両親が乗ってきた観光船を吹っ飛ばした仇が【ガルマン】であることが判明し一同も驚愕しているが、土門の場合は特段の反応を示し拳をギュッと強く握り締め怒り混じりの悔しい表情を見せる。古代はそれに気付き、土門を心配する。

中央作戦室での会議を終えた後、土門の姿は≪ヤマト≫の左舷展望室にあった。窓の外のどこまでも広がり果てが見えない漆黒の宇宙を見つめるその顔は真剣だが、どこかやるせない気持ちも匂わせるそんな雰囲気が背中でも語られている。その姿が目に留まった古代は土門の側に寄る。

 

古代「土門。」

土門「あ、艦長...。」

古代「ご両親の事を考えていたんだろ...?」

土門「...はい...やはり分かりますか...?」

古代「あぁ、俺も【ガミラス】の遊星爆弾で両親や親戚は皆死んだからな...。」

土門「ッ!...そうでしたか... ...艦長?」

古代「ん?」

土門「僕は...あのミサイルを飛ばして来た奴が...あの【ガルマン帝国】だって分かっていたら...もっと叩いてやるべきだったと思います...!悔しいんです...少しでも仇を討てたのに...!艦長が≪ラジェンドラ≫を助けるのを第一で命令を下したのも理解はできます。でも...。」

古代「土門、俺も同じ気持ちだったよ。」

土門「えっ?」

古代「最初の航海の時、俺も今のお前と同じで両親やその時は死んだと思っていた兄さんの仇を討つことばかり考えていた。敵を目の前にして他のことは考えず敵を撃つばかりに固執して命令違反も度々起こして、その度に沖田艦長にもしょっちゅう怒られたし、島と航路のことで喧嘩したりと迷惑ばかり掛けていたよ。そして学んだのは戦闘班長の俺1人だけが突っ走っても艦は動かせない...その為に指揮系統と艦の皆がいるんだ...ってな。」

土門「艦長...。」

古代「もしまた【ガルマン】が目の前に現れても...土門、すぐに戦おうとする前に一旦考えるようにしてみてくれ...「今この行動が≪ヤマト≫にとって、地球にとって、正しいことなのかどうか...?」をな。」

 

そう土門を諭した古代は静かに去って行く。艦長が自分と同じ境遇にいた事に驚くと同時に、「自分は艦長みたいに敵を目の前にして冷静でいられるのか?」「敵を許せるのか?」と感じる土門であった。




読了ありがとうございました。残念ながら≪ラジェンドラ≫は原作通り沈んでしまいましたね。原作第6話に相当しますが、所々展開が異なるので見比べて見て下さい。≪ラジェンドラ≫が離脱せずに留まった理由の変更や藤堂長官が現場に判断を投げっぱする、『2』の時のように【ガルマン】の艦を解析すれば早く正体が【ガミラス】に気付けたのにしない不自然さなどを可能な限り無くしました。戦闘描写だけでなくドラマパートも充実させてたらまた13,000字を超えしてしまいました。なかなかキリよく書くのは難しいようです。さて話は一旦これで区切って次からは設定集になります。もしかしたらこれが本作の今年最後の投稿になるかもです。その場合はまた来年お会いしましょう。ではまた。
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