中央歴1639年9月17日 ロデニウス連合首都ノヴァ・ロデニア、政府庁舎会議室
ロデニウス連合の主要な政治家と軍事指導者が集まる会議室は、フェン王国からの招待状について話し合うためにざわめいていた。
「本日は、フェン王国から届いた軍祭の招待状について議論します」
会議室の議長を務める外務大臣が、厳かに宣言した。
「フェン王国の軍祭……確か、5年に一度行われるという、自国の軍事力を披露する祭典でしたよね?」
「はい、その通りです。各国の代表が自国の軍事力を披露し、交流を深めるものです」
「我々も新たに再編成したロデニウス国防軍の力を示すべきです。バイヤー島から提供された装備のデモンストレーションも良い機会となるでしょう」
「確かに、その通りです」
ロデニウス国防軍の総司令官となったラウル・カリスが力強く発言した。
「フェン王国の軍祭には、多くの文明圏外国家が参加します。我々はこの機会を利用して、他の国々との友好関係を築くことができます。また、パーパルディア皇国への対抗意識を持つ国々との連携を強化することもできます」
「では、賛成ということでよろしいですかな?」
外務大臣が確認すると、全員が大きく頷いた。
こうして、フェン王国軍祭への参加が決定し、準備に取り掛かったのである。
◆◆◆
フェン王国首都アマノキ、フェン王城。
フェン王国の王城は壮麗な装飾に彩られ、歴史と威厳を感じさせる空間だった。
ロデニウス連合の外交官らが到着し、国王シハンに謁見するために案内された。
「ようこそ、ロデニウス連合の皆様」
謁見の間の奥にある玉座には、フェン王国国王シハンが座っていた。彼は穏やかな笑みを浮かべており、その物腰からは紳士的な印象を受ける。
しかし、その笑みとは反対に、彼からは圧倒的強者というようなオーラが放たれていた。まるで、周囲の空気を支配するかのような存在感を放っているのだ。
フェン王国国王シハンはロデニウス連合の外交官と挨拶を交わす。
「軍際に招待いただき、感謝いたします」
ロデニウス連合の主席外交官が丁寧に一礼する。
「我々もこの機会を大いに楽しみにしております」
「ははは、私も皆さんのような国とお近づきになれて嬉しく思いますな」
シハンは友好的な笑顔を浮かべた。
あいさつが済むと、外交官らは一本の刀を献上した。
「ご挨拶として、我が国のお土産をご用意しました」
外交官が刀を差し出すと、シハンは嬉しそうに受け取った。
「これは素晴らしい。我が国も刀を生産しておりますが、ここまでの逸品はなかなかお目にかかれませんな」
フェン王国の刀は非常に見事な出来であり、一目見ただけでその価値の高さが分かるほどだった。
シハンは刀を持ち上げ、優雅な曲線のある刀身を指でなぞる。
「なんと見事な……」
思わず感嘆の声が漏れる。
そして、シハンは刀を鞘に収めた。
会談は和やかな雰囲気で進み、互いの友好的な関係を確認することができた。
◆◆◆
ロデニウス連合首都ノヴァ・ロデニア、国防軍司令部会議室
ロデニウス連合の主要な軍事指導者と政府高官が集まる会議室は、軍祭への参加準備についての議論で活気に満ちていた。
「フェン王国の軍祭に参加する部隊と指揮官について、本日最終決定を行います」
総司令官ラウル・カリスが会議を開いた。
「参加部隊としては、精鋭の歩兵部隊、海軍、海軍航空隊を派遣する予定です」
軍の参謀長が資料を広げながら説明した。
「指揮官については、我々の中で最も優れた人物を選出する必要があります」
「そこで、カイザー提督を指名したいと考えています」
ラウルはそう提案した。
「確かに、彼は非常に優秀な指揮官です」
「賛成します。カイザー提督なら適任でしょう」
出席者たちは賛同の意を示した。
こうして、フェン王国軍祭の指揮官にはラウル・カリスの推薦により、カイザーが任命された。
◆◆◆
第二文明圏、ムー国、統括軍総司令部。
首都オタハイトにほど近い統括軍総司令部。
その建物の一角に位置する情報通信部では、国家の安全を守るため、日夜活動している。
情報局の最高責任者であるアレクシス・カルトンは、部下たちを前にしていた。
彼の前には、ロデニウス連合とフェン王国の軍祭についての報告書が積み重なっている。
「我々は新たな大陸勢力について深く知る必要がある」
カルトンは静かに話し始めた。無論、ロデニウス連合のことである。
「フェン王国で開催される軍祭にロデニウス連合が参加するという情報が入った。これは我々にとって、彼らの軍事力と技術を観察する絶好の機会だ」
カルトンは部下たちを見回した。皆真剣な顔つきだ。
「我々は諜報員を派遣し、ロデニウス連合の力を探れ」
「了解」
部下たちは一斉に敬礼した。
◆◆◆
ところ変わって第三文明圏の列強、パーパルディア皇国。
皇都エストシラントにある第3外務局。
建物の一角に、国家監察軍の司令部がある。
ここでは、フェン王国に対する懲罰攻撃の最終準備が進められていた。
「フェン王国が我々の要求を断った以上、見せしめにするしかない」
「うむ、そうだな」
幹部たちが頷き合う。
彼らはフェン王国に対する懲罰攻撃作戦を練り上げていた。
「軍祭の日に攻撃を仕掛けることで、他の国々にも我々の力を知らしめることができる」
第3外務局局長カイオスは、作戦計画書を幹部たちに示しながら言った。
「この作戦が成功すれば、フェン王国は完全に屈服し、我が国に服従するだろう」
「確かに、そうなれば他の蛮族どもも我々に逆らうことはできないだろう」
国家監察軍に所属する将軍たちは自信ありげに答えた。
「では、作戦開始は軍祭の日だ」
第3外務局長カイオスは宣言するように言った。
そして、軍祭の当日を迎えたのである……。