本家版も上記設定自体はあるんで2000文字くらいの短いやつで明日にでも上げれたらいいなー。
IF1.後日談、空の探検隊ベース
アルセウス。そうぞうポケモン。
原初の混沌より生じたタマゴから現れた最初の者。時間と空間を司る分身と、三つの生命を生み出した事で宇宙に物と心が溢れるきっかけを作ったと創造神。
この宇宙を含む数多の宇宙を創造し、それら全ての世界に生きるポケモンと人を見続けているとされる伝説の存在。
「そして戯れに人を誘拐してゲームに巻き込んだり自分の分身をポケモンとして授けたり一部の人間の愚行にキレで人類滅ぼすとか拡大解釈しちゃったりする傍迷惑な邪神でーっす!」
オッス、俺、アルセウス(分身)。ニックネームはオレセウス。
普通のサラリーマンとして日々を過ごしていたアラフォーの人間だったが、ある日になって目が覚めたらアルセウスになっていた!
そしてアルセウスになった俺が見上げるほどに大きなアルセウスから、新たな世界の創造を命じられてしまう。そこからは馬車馬の如く働く日々が始まった。
とはいえアラフォーサラリーマンの経験を活かして様々な問題を乗り越え、なんとか無事に世界の創造を終える事ができた。
だが、俺を待っていたのは休息でも、労いでもなく、更なる試練だったのだ。
人間がおとぎ話の存在とされるほどに珍しい、ポケモンだけが暮らす世界。
そこに迫る滅亡の危機。しかしその脅威を認識している者は余りにも少なく、解決に動ける者はいないに等しかった。
この未曾有の危機を解決できるのは、事件を未然に防げるのは、
そんな
数日過ごしてみて、割と緩い大らかなポケモン達が暮らしていると実感したこの世界。何やら大いなる危機が迫っているらしいのだが、幸か不幸か空の探検隊履修済なので内容は把握している。
この世界が俺じゃない別のアルセウスが創造した世界なら、原因が大きく変わる事もないだろう。
ディアルガとか叩けば直るだろ、余裕、余裕。その後で『ときのはぐるま』を創造して元に戻したら終わりでしょ。ついでに未来も並行世界扱いで存続を保証して、後は元凶をきれいなダークライになるまでぶん殴れば完遂。
そんな楽観を抱く俺だったが、この世界は俺にそんな真似はさせまいとばかりに、いっそ休む暇さえ与えてくれなかった。与えてくれたのは……仕事だ。
「オレセウスさん! ビッパから救援依頼が! 『いそのどうくつ』7階です!」
「またか! パートナー連れてけって言ってるんだけどなぁ!」
「オレセウスさん! 『キザキのもり』にいるキルリアのところまで連れてって下さい!」
「それ野生のポケモンじゃないよな? 仕方ない、先走るなよ」
「オレセウスさん! 『リンゴのもり』10階にいる父ちゃんにこのリンゴを届けてよ!」
「ちくしょう現地調達しろってツッコミたいのにできねぇんだよなぁ、あの場所! わかった行くよ!」
「アノ……」
「はいはい『おたずねもの』だろ? 情報くれ」
こんな感じに、何故かギルドを通さずに依頼が俺に直接持ち込まれるのである。
稀に依頼の達成場所にまで追い付いてきて新規の依頼していくのどうなってんの? ゲームの仕様にはなかったよな? ていうかここ『かくされたいせき』の22階ぞ? ここまで来られるなら『みどりのそうげん』とか踏破余裕だろお前が直接救助行けよ。強いことがバレると萎縮されそうで怖い? 乙女心なら仕方ない。引き受けよう。
ちなみにおおよそ空の探検隊ベースなこの世界、俺の来訪と同時期にゲームの原作主人公も過去へ来ており、そちら側でストーリー部分は絶賛解決中だったりする。
これには持ち込まれた仕事に忙殺されていた面もあるが、主人公とパートナーの種族に複数の候補があり判別が難しい事や、主人公として選べる種族もトレジャータウンを普通に出入りしてるせいで原作開始時期を見誤ったのが大きい。珍しい足跡とは何だったのか。
気付けばヨノワールが主人公達と接触していて、介入のタイミングを失っていた。
俺は色違いだったせいもあって、周りからは自分をアルセウスだと思ってる頭のおかしい一般ポケモンだと認識されてしまっているのも困った点だ。
仮に高名な探検家として名前の売れてるヨノワールの正体を俺が告げたところで、提示できる証拠もないし、信用される事はなかっただろう。名誉毀損でこちらが損をする可能性が非常に高い。
そもそも持ち込み案件をひたすら消化する毎日を送ってたので、未だに全く介入できていないし今後もできない予感がひしひしと。ワニノコがんばえー、ロコンもがんばえー。
いや、うん。あとは時間停止とかの影響を受けないアルセウスボディが悪い方向に働いたんじゃないですかね。ディアルガも俺が創造したのと別個体だから、既に異常を起こしてるはずの現状でも正常異常がよくわからん。
それと、どうにもこの世界はゲーム補正が働きにくいらしく、依頼を放置して救助等が遅れると最悪対象が亡くなるケースもある。
プレイヤーなら同行依頼で嫌になるほど思い知っているだろうが、同行者は弱い。そして救助対象のポケモンもまた同行者と同じ一般市民の場合が多く、ぶっちゃけるまでもなく死にやすい虚弱ポケモンなのだ。
そんな理由から、こちらから希望したわけでもない持ち込み案件だろうと手を抜くわけにもいかない事情もあったりする。自業自得と見捨てるのは簡単だが、子供のような純真さを持った住民達を死なせるのは忍びない。
俺がこの世界に来てから実際にそういった事故が起きたんだが、それにしては予防策の提案も自粛の呼び掛けもない。実力不足のままいけると思いダンジョンに突っ込んでしまうポケモンが多数いる現状について苦言を呈するキャラも見ない。
社会を築こうとポケモンの基本スタンスは弱肉強食で自己責任な部分もあるんだろうが、もう少しなんとかならないものかと思わずにはいられない。
ちょっと勝手に創造し直しちゃダメだろうか。もしくはこのポケダン世界の創造を担当した
(そういやお邪魔してるのに挨拶してないじゃん。お土産に『セカイイチ』でも持って凸するか?)
空の探検隊には実装されていないアイテムだったので見付けた時はテンションが上がったが、食べた感想としては「すげーおいしいけど腹にたまるリンゴだなー」だった。
前世で食べた世界一って品種とはまた違っていて、これはアルセウス化に伴う味覚の変化なのだろうか。謎だ。
野生種でありながら人の手で丹念込めて育てられた製品やフィクションに足を突っ込んでる『おうごんのリンゴ』に迫るポテンシャルだと考えれば十分にすごいが、どちらかと言えば贈答用だと思う。
「大変だよ〜保安官のジバコイルさんが手配犯に人質に取られちゃった♪」
「ギルドの方で処理しといて下さい」
「ええっ!? そ、そんな事言わずにさぁ。友達でしょ?」
「……この『セカイイチ』あげるから代わりに対処しといて」
「えっ、いいの? やったー!」
「ちゃんと保安官の件を処理しろよー」
戸棚から『セカイイチ』を取り出したら秒とまではいかなかったが分で来たぞ、あの
というか『セカイイチ』が実装されてたら持ち帰ってもギルド長権限で回収とかされそうだし、探検隊では実装しなくて正解だったのではなかろうか。
何しろプクリンのギルドは依頼料の九割をピンハネするブラック体制なのだ。好物の独占くらい当たり前にやりかねん凄みがある。
「あ、お土産なくなったじゃん。どーすっかな」
「勝ぉぉぉ負だ、オレセウスゥゥゥ! 今日こそリベンジしてやるぜぇぇぇぇ!」
「『
「あぎゃぁぁぁぁぁっ!!」
しかし『セカイイチ』を渡してしまったら、アルセウス用に使えそうなお土産が手元になくなってしまった。
街でカクレオンの店を当たって目ぼしいものがないなら、今日はお土産探しにダンジョンへ潜るかね。
「オレセウスさん! うちの子供が『せかいのおおあな』に行ったっきり帰ってこないんです!」
「どこまで探検に出かけてんのケムッソォ!?」
この『草の大陸』は、冒険心に溢れているポケモンが非常に多い。
飽きないという点では、それなりに優れていると思わざるを得ない場所だった。
多分適当にストーリーの進捗を確認しながら依頼をこなすついでに伝説ポケに会ったり、ストーリー終了後にようやく主人公達と会話したり、超が始まって石化したりする。