樹side
どうしてなのはがここにいるんだ!? 確かに夕食の後どこかに出かけてはいたけど、まさか公園にいるとは……俺は混乱したままとりあえずなのはに話を聞こうと思い、意を決して口を開いた。
「なのは! 」
「樹君! 」
「…………」
「…………」
お互い気まずい無言。うん、何かお見合いとかによくありそうな空気感がする……どうしてそんなベストタイミングでなのはも話しかけようとするんだ? 狙ってるのか? しかもなのはの顔が若干赤くなり始めているのはなぜ? とにかくこのままじゃ埒が明かない……しかもこの空気をがらりと変えるだけの話題を持っていない! とここまで考え、ふと閃いた
。話ができないのなら、念話を使えばいいじゃん! と。
『なのは、聞こえてるか? 』
『ふぇっ……樹君。どうしてバリアジャケットなんか着ているの? それに、その膨大な魔力量……どうして? 』
いきなり物事の核心を突かれると説明のしようがないな……いきなり神様に殺されて、この世界に送られたとか言えない。かといっていい嘘も思いつかない……よし。
『これか? これは落ちている腕輪を拾ったら、その腕輪が喋って。びっくりしたまま言うことを聞いてたらこうなってた』
これくらいでいいだろ。実際なのはも納得したみたいだし。……というかあれで納得できるのな。俺はあらかじめアルテミスから聞いていた方法でバリアジャケットを解除する。それを見たのか、なのはもバリアジャケットを解除して俺に歩み寄って来た。そして……
「その腕輪のことについて、もっとO☆HA☆NA☆SHIしたいの」
そして、自分からは率先して触れようとは思わない物事の核心へ臆することなく踏み込んでくるなのはは、芯の強い子なんだと思った。……そう思ったんだけど、何だろう。この目の前のなのから感じる凄まじいプレッシャーは。
なのはside
遠目に見えた魔導師を最初私は敵かと思って、危うくディバインバスターを打ち込むところだった。でも振り返った顔が樹君で……さっきまで顔を合わせていた樹君なんだけれど、いつもと違う感じでとてもかっこよく見えた。バリアジャケットと雰囲気もあったかもだけど、とてもかっこよく見えてしまった。とりあえず話しかけなきゃ、お話しなきゃと思って私は声を掛けることを決意して、近づいていき声をかけたけど……
「樹君! 」
「なのは! 」
「…………」
「…………」
被ってしまった。そうしている間にも私は恥ずかしさと、なんかよくわからない思いとで顔が赤くなっていくのを感じた。ふぇえええ目の前の樹君が勅旨できないよ……そうして私が混乱していると、いきなり樹君が念話で話しかけてきた。
『なのは、聞こえてるか? 』
『ふぇっ……樹君。どうしてバリアジャケットなんか着ているの? それに、その膨大な魔力量……どうして? 』
びっくりしたと思うよりも先に、聞きたいことを聞いてしまった。その疑問に樹君は少し言いにくそうにしながらも、こう答えを返してきた。
『これか? これは落ちている腕輪を拾ったら、その腕輪が喋って。びっくりしたまま言うことを聞いてたらこうなってた』
樹君からの答えを聞いて、私が初めて魔法に触れたときと似てるんだなと思った。私も怪我をしているユーノ君を見つけなければ、助けてあげなければ魔法なんて知らなかったし、フェイトちゃんやクロノ君、エイミィさんやリンディ提督と知り合うことはできなかった。そう思うとどこか納得するようで、もっと話を聞きたいようで、でも最初の樹君の少し考えたような、言い難そうな答えを聞いて、これ以上訊いていいのか……頭の中がぐちゃぐちゃになってしまった。そんなことを考えているうちに、樹君はバリアジャケットを解除していたので、私もバリアジャケットを解除して樹君に歩み寄って、やっぱりフェイトちゃんのときのように、たとえ拒否されてもお話しなきゃって思ったから、
「その腕輪のことについて、もっとO☆HA☆NA☆SHIしたいの」
お話してお互いを理解するということの大切さを、教えてあげようと思った。え、教える方法を聞かせてほしいって? 好奇心はあなたの身を滅ぼすの。
同時刻・宇宙船アースラ 管理局side
僕は海鳴市に突然現れたなのはとは異なる巨大な魔力反応について、ユーノから報告を聞いていた。ここにいるのは、母さん、フェイト、エイミィ、そして僕の四人。
「以上で報告は終わりだよ、クロノ。いまはなのはと(いろんな意味)でお話しているところ」
『お話』という単語の前に、隠された単語があるような気がしてならないのだが……まあそこには気づかなかったことにして、僕はユーノにいくつかの質問をする。
「そっか。彼は味方になってくれそうか? 」
「今はまだなんとも言えない。ただ……」
「ただ、なんだ? 」
「管理局に連れて行くことはできるかもしれない。だから、そのときにクロノが説得すればいい」
「そっか……ならなるべく早いうちに頼む。今はまだなのはに任せよう」
「うん。じゃあ」
その言葉を最後に通信は切れ、僕は嫌な予感を感じながらもそれが杞憂であってほしいと願っていた。
鈴音「第三話~」
樹「なぜこの時間?珍しい」
鈴音「ふっふっふ、何時までも深夜にばかり投稿しないのだよ」
樹「そうか……あまりにも暇で、寝れないから更新したと」
鈴音「それをいわんでぇ~」