ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ   作:天野ミラ

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人狼はだぁれ?


補習授業部

▼シノ視点

 

『えっと、つまり・・・』

 

「ペロロ様のゲリラ公演に参加するためにテストをさぼっちゃったってこと・・・?」

 

「け・・・結果的に見ればそうなんですけど!ち、違うんです!サボるつもりはなくて・・・!」

 

”ヒフミ・・・”

 

「そ、そんな可哀そうな子を見るような目で見ないでくださいぃ!手違いなんです、本当に!」

「あの、反省してます・・・ごめんなさい・・・。」

 

そうはならないだろう、普通・・・

いや、実際になっている訳だが

どうやらヒフミという生徒、ペロロが絡むと結構とんでもない事をするらしい

 

「その、それだけじゃなくて・・・先生の補佐をするよう、ナギサ様から頼まれていてですね。」

「一応、私が部長という形になるのですが・・・」

 

「補習授業部のほかのメンバーにはお会いになりましたか?」

 

”ううん、まだだね。”

 

「メンバーは名簿を見ると四人のようなので、とりあえず会いに行きましょうか。」

「この補習授業部の成り立ちについて等は向かう道すがらお話ししますね。」

 

「それで、シノさんとユメさんは先生の秘書?って事でしたっけ。」

 

『うん、補佐的な扱いだから基本的には先生が行うことになるね。』

『どちらかというと先生の身の回りとか、備品等の補充を担当する事になるとは思う。』

 

「そうなんですね、これからよろしくお願いしますね!」

 

「うん、よろしくね、ヒフミちゃん!」

 

”それじゃあヒフミについていこうか。”

 

 

場所を移して、ここは・・・

正義実現委員会、通称正実

つまるところ他の学校における風紀委員にあたる委員会で

この学校における治安維持を司る組織の部室にいた

 

「うぅ・・・本当はここにはあんまり来たくはないんですけど・・・」

「すいませ~ん!誰かいらっしゃいませんか~?」

 

脛に疵を持つ人じゃなければ、そんなに治安維持組織を恐れる必要は無いのでは・・・?

そんな私の疑問はさておき、彼女の声に呼ばれてかピンク色の髪の少女が姿を現す

 

が、何も喋らずにこちらをじっと警戒するかのように見つめている

 

「あ、あの~・・・」

 

「・・・何?」

 

「そのぉ・・・人を探してて・・・」

 

「正義実現委員会は、何でも屋じゃないんだけど?」

 

随分と刺々しい反応だが、反応から緊張が見て取れる

 

「せ、先生~!私、何か気に障る事をしてしまったんでしょうか・・・。」

 

”知らない人が来て、どう対応したらいいか分からないだけだと思うよ。”

 

「そ、それって!私の事人見知りって言いたいわけ!?」

「正義実現委員会として知らない人物は警戒してるだけなんだけど!?」

 

”でも、ヒフミはトリニティの生徒だよ。”

”トリニティの生徒を全員警戒するのも無理があるんじゃないかな。”

 

「それは・・・!そうだけど・・・」

 

 

「その、それでですね。探してる人は・・・ここに「閉じ込められている」って聞いて。」

 

「そ、それってもしかして・・・」

 

「私のこと、でしょうか?」

 

ゆっくりと、気配を殺すようにヒフミの後ろにきた彼女

それも、何故か室内だというのに水着を着ている

しかも、身体のラインがはっきりわかるような・・・

 

「なんで!?牢屋の鍵はしっかり閉めたはずなのに!どうやって出てきたのよ!?」

 

「いえいえ、「初めから開いていました」よ?」

「私の事を探しているようだったので、ご挨拶に参りました。」

 

「そんなわけっ・・・せめて服を着なさいよ!」

 

「まあ、下江さんは水着の上に服を着せるのが好みなのですか・・・?」

 

「ち、違っ!?」

 

「見えそうで見えない、そんなスカートの裏から覗くのは、只の水着。」

「ですが、それは果たして水着と言えるのでしょうか・・・服の下にあるそれはもはや・・・」

 

「だっ、ダメッ!それ以上口を開かないで!」

 

「まあ、その上で口枷を御所望なんて・・・水着に口枷・・・随分と良い趣味をして・・・」

 

「違うから!エッチなのは・・・ダメっ!!早く戻ってなさい!先輩たちが戻ってくるでしょ!」

 

「はぁい。先生達、またお会いしましょうね?」

 

彼女がひらひらと手を振る、その仕草すら何処か妖艶で

 

”うん、またねハナコ。”

 

「はぁ、はぁ・・・・ふぅ・・・つ、疲れる・・・!」

「そ、それで・・・えっと・・・ッ!」

 

ふと我に返ったようにピンク髪の彼女が辺りを見回す

私達が見ているのを忘れていたようで

今にも顔から湯気が出そうな程、赤く染まっている

 

「ち、違くて・・・」

 

”あの、えっと、人の趣味はそれぞれだと、思う・・・よ?”

 

「違うからぁぁぁ!変態!死んで!!!」

 

 

あの後、”比較的”落ち着いた彼女から話を聞いたところによると

 

・彼女は真昼間に水着で広場のど真ん中を歩き回ったらしい

・彼女の身柄は正実で監禁中(できているとは言っていない)

・彼女の罪状は、エッチすぎるので死刑

 

最後の一つにしては疑問が残るが、大体の理由は分かった

ユメ先輩がどこか顔を赤くしている、私も心当たり(室内水着事件)がある。

 

「ね、ねえ、シノちゃん・・・水着は下着じゃないよね?」

 

『何真に受けてるんですか、水着は水着ですよ・・・。多分。』

 

「多分って何!?」

 

 

そんな話をしていると、ドアがガチャリと開く

黒髪の少女たちに、ガスマスクをした少女が連行されている

室内には「シュコーシュコー」と言う、ガスマスク特有の呼吸音が響く

 

既に少しだけ、嫌な予感がしてきた

 

「こっちだ、白洲アズサ」

 

「あと少し、弾薬とグレネードが足りていれば一網打尽だったのに。」

 

「白洲アズサって・・・えっ!?えぇぇ!?」

 

”今から会いに行こうとしてたけど、あっちから来てくれたみたいだね。”

 

露出犯の次はテロリストらしい

テロリストか・・・戦争と何か関係がありそうだが

今の所、何の情報もない

 

白髪の彼女は、白洲アズサ

校内で暴力行為を働いた後、1トンの催涙弾とブービートラップやIED*1等のトラップを用いて

3時間もの間、籠城とゲリラ戦を仕掛けた・・・らしい

 

力や神秘自体はそこまで強いように見えないが、戦局の把握が特異なのだろう

何せ、3時間で相当な被害を生んだと聞き及んでいる

 

「私はそう簡単には口を割らない。拷問を耐えるための訓練は受けている。」

 

”さ、流石にそんなことはしないと思うよ!?”

 

さて、ここまでで狂信者・露出犯・テロリストと錚々たる面子が揃っている訳だが

最後の一人はどんな人物なのだろうか

正直普通の人間が来てくれると非常に助かる

 

 

「えっと、その・・・凶悪犯罪者を連れて行っちゃうのは・・・ティーパーティから・・・」

「シャーレ?へのせいしきな依頼だから・・・問題ないって事?」

 

「その通りです、よく聞いていますね、コハル。」

 

「はい、ハスミ先輩!」

 

「でも、正直清々したわ!直ぐ抜け出そうとするし!エッチだし!」

「もう一人の方もとんでもない凶悪犯罪者なんでしょ?」

「それに普通に頑張っていれば、補習なんてかかりようがないのに、バッカみたい!」

 

「コハル・・・大変言い辛いのですが、貴方に伝えておかなければいけないことがあります。」

 

「何ですか、ハスミ先輩?」

 

「補習授業部の、四人目は・・・貴方です。」

 

「え・・・えっ!?私っ!?」

 

どうやら最後の一人は単純に学力不足での補習らしい

裏があるようにも見えないし

単純に警戒する対象が減ったとみてもいいだろう

まあ、最低限の警戒は怠らないが

安心からか自然と言葉が漏れていた

 

『ありがとう・・・本当に・・・』

 

「な、なんでよ!?ていうか、なんでそんな変なお面つけてるの・・・?」

 

どうやらペロロはお気に召さなかったらしい

 

 

場所を空き教室に移して、お互いに自己紹介をしようという運びになった

 

「阿慈谷ヒフミです~えっと、その・・・よろしくお願いします!」

 

「改めまして、浦和ハナコです。これから「色々と」よろしくお願いしますね?」

 

「白洲アズサ。課せられた以上、このミッションもこなしてみせる。」

 

「・・・下江コハルよ!言っとくけど慣れ合うつもりはないから!」

 

随分と個性的な面子が揃った補習授業部

 

”私はシャーレから来た先生だよ。補習授業部の担任として頑張っていくからよろしくね。”

”こっちは私の仕事を手伝ってくれる・・・”

 

『シノです。皆さん、身の回りで困ったことがあれば気軽にどうぞ。』

「梔子ユメです!よろしくね~!」

 

「あら・・・」

 

”どうしたの?ハナコ?知り合い?”

 

「いえ、その・・・ユメさん。とっても「立派なもの」をお持ちだとは思いませんか?先生?」

 

”えっ、それはその・・・”

 

『ユメ先輩を邪な目で見ないでください、先生。』

 

「大人なのに生徒をエッチな目で見るなんて最低!死刑!」

 

”見てないよ!?”

 

 

先ほどの反応、浦和ハナコと名乗った彼女は二年生だったはずだが・・・

アビドスについても調べているような素振り、結構な情報通なのだろうか

 

 

「にしても、本当最悪っ・・・!私は正実のエリートだし!」

「こんな凶悪犯罪者たちといつまでも一緒にいられないわ!」

「あんたたちを先輩なんて絶対に呼んでやんないから!」

 

「それは、ちゃん付けで呼びたいって事でしょうか?」

「ふふふ、コハルちゃんは距離を詰めるのが上手ですね?」

 

「ち、違うっ!」

 

「確かに、先輩をつけると、名前を呼ぶときに4文字も多い。有事の際には致命的だ。」

 

「あはは、えっと、その、あうぅ・・・」

 

「私は次回の試験では余裕の合格だから!精々犯罪者同士頑張ることね!」

 

「コハルちゃん・・・皆合格しないと、補習授業部は卒業にはならないんですよ・・・」

 

「な、なんで!?」

 

 

一旦、本日の所は解散の運びとなった

私達と先生は、今は使ってない寮を好きに使ってもいいそうだ

随分と太っ腹である

 

情報収集の為にも、私たちとしてはこちらに泊まりたかったので

今日の所は、明日の準備や先生の体調が良くないこと(寝不足)を理由に言いくるめて、泊らせていただく事にした

*1
即席の仕掛け爆弾の事




シノ『コハルちゃん、ちょっと棘のある所も可愛いですね。』
ユメ「慌てると猫目になるのも可愛いねぇ・・・」
ハナコ「反応もわかりやすくて、可愛いですよねぇ。」
ユメ「ね~!あんな後輩がいたら目一杯可愛がっちゃう!」

シノ『あの、ここ・・・私達の部屋なんですけど。どちらから来たんですか?』
ハナコ「「大事なところ」が・・・開きっぱなしになってましたよ?」

↓正直この小説に求めてるものって↓

  • ストーリー(シリアス)
  • 日常
  • バランス
  • その他(コメントまでどうぞ)
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