ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ 作:天野ミラ
▼シノ視点
朝から忙しかったが今日はまだ始まったばかりだ
どうやら、今日の模試の結果は
ーーー合格ーーーー
阿慈谷ヒフミ 66点
ーーー不合格ーーー
白洲アズサ 58点
花江コハル 49点
浦和ハナコ 8点
アズサちゃんもコハルちゃんも惜しい所まで来ている
ただ、ヒフミ自身が他へのフォローに集中しすぎて点数が怪しい
もう少し自分の事に集中できるようにこちらでフォローする必要があるだろう
そして・・・
「は・・・8点・・・ハナコちゃんは・・・。」
「大丈夫ですよ、最初が2点、次が4点、今回は8点ですよ?」
「後3回受ければ、きっと64点・・・合格できますよ~」
「それだと4回目のテストは128点になっちゃうじゃないですか!?」
「んっん。とはいえ、このままなら合格も目前かもしれません・・・!」
”本当によく頑張っているね、皆。”
そんな話をしていると、唐突に聞こえる爆発音
方角は玄関の方で・・・
「きゃ、きゃあああああ!?」
「侵入者だな・・・そちらに逃げたいだろうが・・・」
連鎖する爆発音、キヴォトス人なら無事だろうが・・・
「当然そのことも織り込み済みだ。」
「な、何の音ですか!?」
「ブービートラップだ。誰かの侵入を感知して起爆するようにしてある。」
「あ、アズサちゃん!?」
部屋に入ってくきたのは、真っ黒く煤けたオレンジ色の髪のシスター服の女の子
「な、なんでこんな事に・・・?うぅ・・・」
「きょ、今日も皆様に・・・平和と安寧がありますように・・・。」
そう言ってパタリと倒れる
息はあるし、大事はなさそうだが
「まず、自分の安寧を心配してください!?」
『アズサちゃん・・・?』
「す、すまない・・・。」
「あらあら、マリーちゃん。こんな所までどうされたのですか?」
「うっ、ハナコさん・・・」
”と、とりあえず座って水でも飲んで・・・。”
少しふらふらしていたので、補習室の椅子に座らせる
第一印象はとても優しそうな娘だと思ったが
何と言うか、シスターさんって感じがする
・・・シスターフッドとは大違いだな
「ふ、ふぅ・・・びっくりしました。入ってきた瞬間何かが作動して・・・。」
「う、す・・・すまない。てっきり襲撃かと思ったんだ。」
「それで、シスターフッドの方がどうしてこちらに?」
「こちらに補習授業部の白洲アズサさんを訪ねてきたのですが・・・ハナコさんがいるとは思っていませんでした。」
「えぇ、私も成績が良くないので。」
「・・・私にか?」
「先日のアズサさんが助けてくださった生徒の方から、感謝をお伝えしたいと・・・」
「彼女自身で伝えることが難しい状況だったので、代わりにですね。」
「えっと、クラスメイトの方々から・・・その、いじめをうけていた方がいらっしゃって・・・」
”・・・それは”
『先生、ストップです。話の腰を折らないでください。気持ちは分かりますが。』
「トリニティではよくある事ですよ、陰湿に裏でやるので表面化し辛いですが。」
結局、第三者が表面的に解決しても、次の日にはああして行われていたあたり
根本的な解決が必要ではあるが・・・少なくともその瞬間だけは彼女も救われたのだろう
人々が皆無視して通り過ぎる中、アズサだけが手法はともあれ、手を差し伸べてくれたのだから
「その方が、校舎の裏に呼び出されてしまったそうなのですが・・・その時に丁度通り過ぎたアズサさんが助けてくださったとの事で。」
「その事をよく思わなかった加害者が正義実現委員会に間違った情報を連絡した結果、正実とアズサさんとの抗争に発展してしまったとか・・・」
「そんなこともあった、まあ・・・弱者を寄ってたかって虐げる行為が目障りだっただけだ。」
「それに、本人も虐げられているだけじゃなくて、虚しくても抵抗し続けるべきだった。」
「そ、それってあんたあの時の・・・!」
「特に理由もなく、催涙弾を使ってテロを起こしたわけじゃなかったんですね!」
「いや、それでも催涙弾を使ってテロはだめじゃない・・・?」
ユメ先輩、その常識をどうか捨てないで育ってくださいね・・・
「お礼をお伝えするだけのはずが、随分と長く居座ってしまいましたね。」
「お茶とお菓子まで用意していただいて、ありがとうございました。シスターフッドにお越しの際は精一杯おもてなしさせていただきますね!」
「それと、ハナコさんは・・・」
「ふふふ、玄関まで送りますね?マリーちゃん。一緒に行きましょう?」
「あ、はい・・・。それでは皆さんお邪魔しました、またお会いしましょう。」
「まったね~!」
その日も、夜遅くまで勉強していた補習授業部の皆
きっと、きっと次の試験は合格できるだろう・・・唯一の懸念点はハナコだが
先生とヒフミがどうにか解決に導いてくれるだろう、二人を信じよう
その日の夜、何やら先生の部屋が騒がしいので様子を見に行くことにしたわけだが
「せ、先生とハナコさんってそういう・・・っ!水着でなんて・・・!」
「ヒフミちゃんと先生は昨日の昨晩ナニをしていたんですか!?」
とんでもない事になっているな・・・
面倒くさいし、このまま
”シノ!?どうせいるんでしょ?た、助けて・・・!”
『いや、長くなりそうなのでコーヒーを入れてきます。帰ってくるまでに何とかしてください。』
”ちょ、ちょっと待って!シノ!?本当に行っちゃったの?おーい!”
帰ってくると顔を真っ赤にしたヒフミとニヤニヤしている何故か水着のハナコ
そして疲れ果てた顔の先生がいた
『私の事はいないものとして扱ってもらってください。』
”なんで話を聞く前提で座ってるの?というか私の椅子ないんだけど・・・”
『私も、手段を選んでいられる状況でなくなってきたので。』
「それで、話なんですけど・・・」
”あ、本当に始めるんだ。ハナコはそれでいいの?”
「ある意味、ここにいる三人に聞いてほしい内容なので。」
「話は、アズサちゃんについてです。夜にちゃんと眠っているところを見た覚えがありません。」
「毎晩、どこかへ出かけて夜明けまで戻ってこないんです。」
「アズサちゃんが何をしているのかはわかりませんが、このままでは身体を壊してしまいます。」
「アズサちゃん・・・いつもどこか不安そうで、何とか軽減してあげられれば良いんですが。」
当然、ハナコは気づいているか
何処に行っているかは知らないようだが
「睡眠不足という点では、言うべきことがあります。昨日の睡眠時間を教えてください。」
”私は・・・6時間寝てるよ?”
「昨日お部屋の電気が4時までついていたのを見てますよ。」
”うっ・・・えっと、3時間くらいかな。”
『寝てないです。』
「あはは、えっと。私も3時間くらいでしょうか・・・」
「しっかり寝ないとダメです。試験も大事ですが身体の方が大事です。」
「試験に落ちても死ぬわけじゃないんですから・・・また来年頑張れば良いじゃないですか。」
”それは・・・”
「「普通」だったらそうかもしれませんね。今回の試験は事情が違って・・・」
「残り2回の試験に不合格だったら・・・」
「ヒフミちゃん?不合格だったらどうなるんですか・・・?」
「た、退学・・・なんです。私達はトリニティを去らないと・・・いけないんです!」
事情を話し終わった後、ハナコは難しそうな顔で何やら呟いていたが
疑問が解けたかのように頷いていていた
やはり頭の回転は早い方なのだろう、だとしたら何故こんな事を
「確かにシャーレの権限を用いれば・・・えぇ、そう言う事ですか。」
「と言う事は、私はヒフミさん達を、退学させてしまうところだったんですね。」
「知らなかったとはいえ、許されることではありません。本当にごめんなさい。」
「ハ・・・ハナコちゃんは本当は成績が良いって聞きました!わざと・・・なんですよね?」
「おっしゃるとおりです。理由は・・・言えません。」
「ですが、皆さんが退学にならないよう、今後の試験は頑張りますので。」
”ありがとう、ハナコ。”
「いえ、本来は初めから頑張っていなければいけなかったので、感謝していただくような事ではありません・・・」
「それにしても、誰が・・・いえ。ナギサちゃんですね?先生?」
「ティーパーティーでこんなことを考えそうなのはあの子くらいしかいませんから。」
「先生は・・・「成績を振るわない生徒を助ける」という善意を利用されて、この箱の蓋として、機能として。シャーレの権限を悪用される形になったのですね。」
「エデン条約の邪魔をしようとしている疑いのある、容疑者を集めた・・・この箱に。」
『先生?顔に出すぎじゃないですか?』
”う、うっ・・・シノも人の事言えないよね?
「その反応が返ってくるという事は私の推測は当たっていたんですね・・・」
「本題がそれてしまいましたが、私の方からはアズサちゃんについて少しお話してみた方が良いと思います・・・シノさんは何か知っているようですが。」
『自分が隠してるのに、人がそうだと許せないって訳じゃないですよね?』
「えっと、それはつまり・・・ここで服を脱いで露わにしろって事ですか!?随分大胆なんですね♡」
『いや、やめてくださいよ。ヒフミちゃんの教育に悪いじゃないですか。』
上手くはぶらかされる、どうやらそう簡単には教えてはくれなさそうである
私の事も気遣ってくれる辺り、嫌われている訳ではなさそうだが
どうしても知られたくないようなのだろうか
まあ、本人がああ言っている以上、余計な詮索はするべきではないだろう
次の日の翌朝、雨が降りしきっていたので洗濯物を取り込むために皆で外へ走る
天気予報では、晴れの予報だったのだが・・・
更に、運の悪い事に落雷による停電で館内の電源も落ちてしまったらしい
『これは・・・全滅ですね。』
「すいません・・・私がどうせなら一緒にやれば効率的だなんて言ったばかりに・・・」
「まあ、ハナコが気に病む必要は無いんじゃない?事故みたいなもんでしょ。」
「まあまあ、コハルちゃんが優しいです~そんなに優しくされても裸しか出ませんよ?」
「最ッ低!変態!・・・くしゅん!」
『このままじゃ風邪をひいちゃいますし・・・一旦シャワーにしましょうか・・・』
「風邪をひくとまずいので、皆で入っちゃいましょうか♡」
「入るわけないでしょ!?何考えてるの!?変態!」
「あはは・・・とりあえず室内に入りませんか?」
結局皆でシャワーに入る事にはなった
凄く狭かったが、まあ風邪をひくよりはましだと思う
未だに心臓が跳ねている、少し私には刺激が強すぎた
着替え終わって、体育館に集まる
まあ、この暗さでは確かに勉強はできないだろうから
休憩にする判断は正しいのだろう
「それで、なんで着替えが水着になるのよ・・・いや・・・まあそれは置いておくとして?」
まあ、他の服は全滅で水着しかないなら致し方ないのかもしれない
「なんでシノとユメは水着じゃないのよ!?」
「えっとね、コハルちゃん室内で水着を着るのはちょっとニッチだよ?」
「そう言う事じゃない!!!そうだけど!そうじゃなくて!なんであんたたちだけ替えの服があるのよ!?」
『転ばぬ先の杖と言いますからね・・・』
私達の分は、もう一着だけ予備があったのだ
体操服だが、十分だろう。
「・・・本当に、いいんですか?」
少しハナコの圧が怖い
『と言うと。』
「お二人はお手伝いとしてここにきている・・・ですが、今朝の件は洗濯物を取り込むのを失敗してしまったともとれるのではないでしょうか・・・つまり。」
『責任を取る必要があると。成程・・・一理ありますが。』
『ええ、そうしましょうか。ただしそれなら・・・』
「ちょっと、シノちゃん!?」
『この服を誰かに譲ってもいい、そう言う事ですよね?』
『体格が合うのは・・・コハルちゃん位でしょうか?』
「・・・っ!?それは!」
「いえ、コハルちゃん・・・本当にいいんですか?」
「何よ、私着れるなら着たいんだけど。」
「未だ、シノさんの体温が残る肌着と言う布一枚だけを隔てた着用済みの体操服・・・」
「その体温も残ったままの衣服を着る・・・服からするシノさんの匂いにまるで包まれているかのよう・・・」
「これってすっごく・・・」
「すっごくエッチじゃない!危ない・・・騙されるところだったわ・・・」
『私の負けです、負けでいいのでこれ以上話をややこしくしないでください。』
”あの、えっと・・・水着になるか、ならないかってだけの話だよね?”
そうして真っ暗な体育館で始まった水着パーティ
何故か渋っていた先生も当然剥がした
当たり前だ、ここまで来たら道連れだろう
”あの、シノ?ハナコ?なんかテンションおかしくない?”
「ふふっ♡こういうこと・・・すっごくしてみたかったんです!」
『どうせ照明がなければ勉強も厳しいので、「全員」のメンタルケアの方が優先です。』
『ユメ先輩?どうしたんですかそんな隅の方に小さくなって。』
「ひ、ひぃん・・・恥ずかしくない?私がおかしいの?」
『いや、普通だと思います。ほらホシノ先輩に写真送るんでポーズ決めてください。』
「えっ、ええっ!?こ・・・こう?」
『いいですよ、すっごくいい感じです。今度はこっちを見て・・・』
「じゃーん、ど、どうかな?」
『完璧です、その調子でっ』
後頭部に軽い衝撃が走る。どうやら先生は少しお怒りの様子だが
”シノ?謀ったね?”
『何のことですか、ほら先生もポーズしてください。』
”わ、私は良いからっ!ちょ、やめて!お腹周りとか気になる!”
『良い表情をしますね先生、シロコちゃんもきっと喜びますよ。』
”ま、まさかアビドスのやる気を上げる為にっ・・・!ここまでするとは・・・!”
本気で嫌がったらやめようと思ったが意外と乗り気だったのは
本人の尊厳の為に言わないでおこう
シロコ「ホシノ先輩。」
ホシノ「ん?どうしたのシロコちゃん。」
シロコ「携帯を見て。大変。」
ホシノ「ん・・・う、うへへ~水着の女の子が一杯・・・これは眼福だぁ・・・うへへへ。」
ホシノ「んで、どうしてこうなったの?私も今からトリニティ行けば間に合う?」
ノノミ「多分間に合いませんから、今度アビドスでもやってみましょう~☆」
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