ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ 作:天野ミラ
▼アビドスのオアシス
ぷかぷかと浮き輪の上で揺蕩っている
強い日差しのお陰で、冷たい水が気持ち良い
遠くの方では、シロコちゃんがクロールをしている
フォームがガチっぽい
陸では先生がビーチパラソルを出して常夏を満喫している
毎回毎回、何処から持ってきてるんですかね
ドリンクホルダーからコーヒーを取り出して口に含む
『ふぅ・・・天気が良くて良かったです。』
それにしても、炎天下にコーヒーは普通に合わない
後で水かジュースにしておこう
「ヒフミ、見てくれ!砂の要塞だ・・・!」
「わぁ~凄いですね・・・でもやけに本格的と言うか・・・」
「不用意に触らないほうがいい。侵入者を想定したトラップが・・・」
「アズサちゃん!?そういうのは先に・・・!いや、仕掛けないでくださいっ!」
『今日も平和だな・・・』
どこからか、私を呼ぶ声がする
あれは、セリカちゃんか
「シノ先輩~こっちこっち!」
『どしたんですか、セリカちゃん。』
足をバタバタとさせて、対岸の方に浮き輪を進める
丁度飲み物のおかわりもしたかった所だった
「お昼の食材来てたんだけど・・・何処置いとけばいいの?」
『あ~ありがとうございます。仮設テントにクーラーボックスあるので・・・』
『一緒に持っていきましょっか。』
「私も手伝いますよ~☆」
『ありがとうございます、ノノミちゃん。』
食品の入った段ボールをテントまで運ぶ
少し砂が熱いから、ビーチサンダルを履くことにした
水に浸かってると日差しがちょうどよかったけど
働くとやっぱり熱いな・・・
「お昼は何にするんですか~?」
『それはお昼までのお楽しみ・・・って奴です。』
ノノミちゃんは、黄色いタイサイドタイプのビキニ
セリカちゃんは可愛らしい黒いフリルの水着を着ている
『2人とも良く似合ってますね、水着。』
「そう?褒めてくれるのは・・・悪い気はしないけど。」
「ちょっと大胆過ぎたかなぁ・・・なんて。」
『セリカちゃんのすらっとした脚が、非常によく映えてかなりいい感じです。』
「そっ・・・そこまで具体的に褒めろとは言ってないんだけど!?」
「・・・私の水着はどうでしょう~?」
『文句なしの100点ですね・・・!アクセントカラーもノノミちゃんのイメージに合っててとても良いです・・・!』
「ありがとうございます~シノちゃんも、とっても可愛いですよ♧」
「でも、シノ先輩にしては結構大胆よね。もっと大人しいの着ると思ってた。」
「水色のリボンデザインのビキニ・・・似合ってると思いますよ~」
「ユメ先輩と、おそろいですよね?」
「や、安かったんですよ・・・その・・・セット割で。」
「何のセットだったの?」
『・・・・・・親子でおそろいセットです。』
「・・・なんかごめんなさい。」
「お金と言えば・・・凄い準備よね。本当に大丈夫なの?」
『実は、ここを観光地化とまではいかなくても。』
『お祭りを開けるかどうかの、試金石も兼ねてるんですよ。』
『なので、これは投資みたいなものなんです。お金は気にしなくていいですよ。』
「なんか意外・・・シノ先輩ってそう言う事もするんだ。」
『運営とかは手伝ってもらいたいので、もし採算が立ったらまたお話ししますね。』
廃校対策委員会としての仕事という形にすれば
出た利益も自分たちで受け取ってくれるだろう
荷物を置き終わって、一息ついたところで
「えいっ♡」
『わぶっ・・・』
「どうですか、涼しくていい感じじゃないですか?」
勢いよくホースから水が飛んでくる・・・ホース?
ハナコちゃ・・・ハナコちゃん???
『なんで白ワイシャツなんですか・・・!?』
「大丈夫です、中には水着を着てますよ♡」
ハナコちゃんは白ワイシャツに水着とホースという異端のスタイルで・・・
どうしてこうなったんですか?
『質問の答えに・・・なってない・・・』
「元気そうでよかったです~水着、似合ってますね♡」
『ええ、ありがとうございます、ハナコちゃんも似合ってますね。』
「実はビーチバレーをやることにしたんですけど・・・あと一人足りなくて~」
『良いですよ、折角なので遊びましょうか。』
厳正なるくじ引きの結果、私のペアは・・・コハルちゃんか
黒いリオンタイプの水着を着ているが、少し恥ずかしいようで
所在なさげにモジモジしているところが凄く可愛い
「シノじゃん。ふふっ、私が一緒で心強いでしょ?」
『頼りにしてますよ、コハルちゃん。楽しみましょうね。』
「その・・・えっと。」
『水着とっても可愛いですね。コハルちゃんに似合っててすっごくエッチです。』
「ぴぃっ!?エッチってどういう事よ!」
『すいません、つい本音が・・・』
「私・・・つっこまないからね!」
『で、対戦相手は・・・うわっ。』
砂の城を立てている二人組が一回戦の相手らしい
アズサちゃんとシロコちゃん・・・優勝候補じゃないだろうか
「ん。この城・・・防衛力は十分だけど。」
「こちらから打って出るには火力が足りない・・・確かにその通りだ。」
「だから、これ。ドローンに爆弾を積んである。」
「集合地点を攻撃して砦と挟み撃ち・・・確かに合理的だ。」
「となると、あえて隠れられるようにフェイクの塹壕を作って・・・」
「そこを時限爆弾で、ドカン。一網打尽。」
『あの、人のオアシスに物騒なものを立てないでください。』
共鳴しないでほしい、ある種最悪の組み合わせとも言える
”それじゃあ一回戦を始めるよ~両チーム頑張ってね!”
先制サーブは・・・私
高く、球を放って・・・放つ
「シロコ、いける?」
「ん、見えてる。」
2回のトスの後、シロコちゃんの鋭いアタックが来るが・・・
「こうっ・・・!」
コハルちゃんが上手く捕ってくれた
『ナイスです、コハルちゃん!』
そのままトスして、繋げる・・・!
『決めてください、コハルちゃん!』
「う、うん・・・!」
高く飛んだボールに綺麗に合わせて飛んだコハルちゃんのショットは
「ここっ・・・!」
綺麗に・・・ネットに引っかかって自陣に落ちた
『私達・・・もしかして・・・』
「身長が・・・足りない?」
この後善戦したものの、めちゃくちゃ一回戦敗退した
「く・・・悔しい・・・!」
『大きく跳べば何とかなるものの、そんなに好球ばかりじゃありませんよね・・・』
優勝は、ホシノ・ノノミ ペアだったらしい
まあ強かった、優勝賞品は先生がエンジェル21で何か奢ってくれるらしい
「ら、来年は後10cmくらいは伸びてるし?来年こそ頑張るわよ、シノ!」
『そう、ですね。そっか・・・来年もあるんですよね。』
「・・・何言ってるの?当り前じゃない。」
『そうですね、コハルちゃんは賢いですね~』
「ちょ、ちょっと撫でないで!子ども扱いしないでよ!?」
来年はユメ先輩とホシノ先輩は卒業してるだろうけど
OGとして呼べばいいか
私達の物語は今年だけじゃなくて、それからも続いていくんだって事
コハルちゃんが思い出させてくれた、感謝しないとな
『お昼ご飯の時間なので、そろそろ用意しましょうか。』
「わ、私もお手伝いします・・・!」
”私も手伝うよ。”
『アヤネちゃん、先生。ありがとうございます。』
「頑張れ~おじさんも応援してるよ~」
『・・・理想的な先輩の姿ですね。』
「じょ、冗談じゃん~!おじさんも手伝うよ~」
コンロを組み立てて、網を乗せる
炭も・・・問題なさそうだな
お肉も、野菜も・・・海鮮類も鮮度は問題なさそうだ
「これは・・・BBQですか。」
「随分本格的だねぇ・・・いくらしたのさ。」
『そこまでしませんでしたよ?後は、お皿とかの配膳お願いします。』
お肉がじゅうじゅうと焼ける音が響く、匂いと音につられて人も集まってきた
「わぁ~とっても美味しそうですね☆」
『焼けた奴からお好きに取っていって大丈夫ですよ。』
『飲み物類はテントの下にあるのでそちらに、紙コップも用意してあります。』
”シノ、アルコールは・・・”
『あるわけないじゃないですか・・・』
皆楽しんでくれているのは良い事だけど
食材が足りるか心配になってきた、思ったより健啖家だな・・・
「あのね、シノちゃん。玉ねぎがね・・・一番美味しいタイミングを知ってる?」
『・・・いつなんですか?』
やけに自信満々なユメ先輩、何か雑学の一つでも披露してくれるのだろうか
「それはもちろん・・・食べたいと思った時、だよ!」
『そ、そうですか・・・』
「ひぃん・・・か、辛い・・・」
『生焼けで食べるからですよ全く、これ水です。』
「ありがとう~漫画だと美味しそうだったのにな~」
「あ~そのお肉、おじさんが育ててたのに~もーシロコちゃんたら・・・」
「ん、名前を書いておくべき。書いてないなら誰のものでもない。」
「そ~んなこというシロコちゃんには、名前書いちゃおっかな~」
「待って、ホシノ先輩。それ油性・・・っ!」
食材が足りないかと思ったけど、何とか足りそうで安心である
そろそろ片付けの用意でもしようかな
『モモトーク・・・誰ですかね。』
相手は・・・ティーパーティか・・・
『・・・ちょっといいですか、ヒフミちゃん。』
「はい!どうしたんですか?シノちゃん。」
『ちょっとカメラに向かってピースを・・・』
「えっ、良いですけど・・・何で私なんですか?」
『理由は聞かないでください・・・微妙に断り辛かったんです・・・』
「わ、私なんかの水着で良ければいくらでも大丈夫です!」
「ヒフミ・・・ああ、写真を撮るところだったか。また後で・・・」
『あっ、あー・・・ふふっ、そうですね。アズサちゃんも一緒に撮りましょう。』
別に複数形での撮影が駄目とは書いてなかったしな
良い感じの木陰で写真を撮影する
バックはきらきら光るオアシスで、前面には美少女二人
凄く映える、広報とかに使っていいか聞いてみようかな・・・
『撮りますよ~はい、チーズ。』
『うん、いい感じです。とっても可愛いです。』
「あはは、ちょっと照れちゃいますね・・・」
『ペロロ様の浮き輪もすっごくいい感じです。よく見つけましたね?』
「3時間並びました。」
『・・・流石ですね、同志。』
「次は、一緒の浮き輪に入って撮影というのはどうでしょう?」
「は、ハナコちゃん!?」
「その方が、ナギサちゃんも喜ぶと思いますよ♡」
「な、ナギサ様がどうして・・・?ええ、でもそう言う事なら・・・」
『・・・えぇ、撮りますね。』
ナイスです、ハナコちゃん
「次はほっぺたをくっつけて・・・えぇ、とってもいい感じです♡」
『いいですね・・・次はこういうポーズを・・・!』
「こ、こんなので本当にナギサ様が喜ぶんですか・・・!?」
「私もナギサちゃんも喜びます♡」
随分と白熱して写真を撮ってしまった
『お疲れ様です、グループのモモトークに今日の写真はアップロードしておきますね。』
「少し疲れた・・・誰かに見られ続けるというのも中々に大変だな。」
「楽しみにしてますね~」
『という訳でハナコちゃんも一枚。』
「いきなり撮られると、困ってしまいます♡」
言葉の割にノリノリでポージングしてくれるので凄く楽しかったけど
これ・・・R15で大丈夫なのかな・・・
”なんか凄い、いかがわしい事してない?”
『あ、変態・・・間違えました。先生。』
”酷くない?”
『ホシノ先輩をあんなにしておいて・・・?先生脚フェチなんですね。』
”私はね。可愛い女の子の頭からつま先まで大好きなだけで、脚フェチって訳じゃ・・・”
『聞いてないです。ほら、先生も写真撮りますよ。アビドスの為だと思って。』
”ちょ、ちょっと待って?どういう事?”
『特別監修ハナコちゃんです、写真集目指して頑張りましょう!』
「任せてください♡」
”ちょ、ちょっと待って・・・!心の準備とか・・・!”
『「だめです♡」』
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、気づいたら辺りが少しずつ暗くなっていた
帰りの事もあるので、そろそろ帰る用意をした方がいいだろう
「いや~楽しかったね~!シノちゃん!」
『とっても楽しかったです。次は・・・何をしましょうか。』
「私、花火したい!」
『ふふっ、いいですね。また皆で遊びましょうか。』
撤収も間際、と言う所で
こちらにホシノ先輩が歩いてくる
「お疲れ~シノちゃん。どう?採算は取れそう?」
『企業と交通次第ですかね・・・人を呼ぶという目的でも開催する価値はありそうですが。』
「まあ、早々上手くはいかないか~」
『今が駄目でも、オアシスは来年、再来年も残ります。』
『きっと、いつの日か。砂祭りも再開できる日が来ると思いますよ。』
「・・・そうだね。そうだといいなぁ・・・ふわぁ・・・」
『帰りましょうか、アビドスに。』
「そうしよっか。これ、カメラ・・・ありがとね。」
『半分以上ユメ先輩じゃないですか・・・』
「おじさんも興が乗っちゃってさぁ・・・」
「早く帰ろう?おじさん、眠すぎてこのまま寝ちゃいそうだよぉ・・・」
『寝たら、置いていきますからね?』
「えぇ~?おぶっておくれよぉ~」
「ホシノちゃんは仕方ないなぁ・・・ほら、おいで?」
「うへ~ごくらくごくらくぅ・・・」
こうして今日という一日は、本当に何事もなく終わった
こういう何気ない日常を大切にしていきたいな
何かを忘れている気もするけど、まあいいか
「・・・ヒフミさんの写真は・・・まだでしょうか・・・」
「ナギちゃん、もうこんな時間だし・・・諦めれば?」
ワカモ「こちらでしょうか・・・その、”あれ”を取り扱っているお店とは。」
???『何のことかはわかりかねますが、こちらの本を皆さん買っていかれます。』
ワカモ「言い値を払います・・・ですから・・・!」
???『毎度ありです、また来てくださいね。』
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