ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ 作:天野ミラ
▼アリウス自治区
リロードを挟むタイミングも取れない程の猛攻
切り札を外さないために狙う・・・隙すらない
右から迫り来る、バルバラの右腕を体を捻って躱す
次いで二体目のバルバラの射撃を、後ろに大きく跳んで・・・
右腕を避けたバルバラの、射撃・・・避けきれない
視ろ、相手の行動を
予測しろ、次の行動を
腕に神秘を込めて、最低限のダメージに抑える・・・抑えて、次は
振り上げられた大きな重機関銃が、押しつぶすかのように迫ってくる
まるで・・・剣道のつばぜり合いのような形で
このまま押し倒して・・・一旦距離を取って、リロードをして・・・
『しまっ・・・!』
3mを超すもう一体の巨体から横薙ぎに振るわれた重機関銃は、私の身体を容易く吹き飛ばし
地面に打ち付けられた衝撃で、肺の中の空気を吐き出す
衝撃を逃がすように、地面を転がって
結果的に距離を取る事には成功したものの・・・
『かっ・・・はぁっ、はぁ・・・』
・・・体力の消費が激しい
どこかで、決め切らないと・・・消耗戦は人間である私の方が不利だ
無限に沸き続ける増援も、微かではあるが確実に体力を奪う
弾の消費も激しい
『完璧な連携ですね・・・流石、同一存在って所ですか・・・』
まずは一体落とさないと、話はそこからだ
よく、観察しろ
肉を切らせて骨を立てればそれでいい
近寄ってきたバルバラが左手の重火器を振り払うのを、後ろに跳んで回避する
足元の地面がえぐれる程の一撃に、身震いするが・・・
そんな事に思考を割く余裕もなく
跳ぶとほぼ同時に二体目が掃射を行う・・・が、一体目と被るようにして射線を切る
3手目、必然的に近い距離にいる私を薙ぎ払おうとした攻撃を・・・避けない
当たっても死にはしない、ならばここで確実に一体落とす・・・!
『我が、眼光と化して・・・』
攻撃が当たる直前、バルバラの上体に途轍もない量の弾丸が降り注ぐ
結果、バルバラが大きくバランスを崩す
誰かが生んでくれた一手、此処で無駄にするほど馬鹿じゃない・・・!
『焼き尽せッ!』
特注のスラッグ弾が、バルバラの身を焦がす
その胸にぽっかりと大きな穴が開いて
それはやがて、霧のように姿を消した
「余計なお世話だったかしら。」
白い長髪に、ゲヘナの生徒特有の捻れた四本角と黒い翼
そして身の丈ほどもあるLMGを携えた、この場所にいるはずのない彼女
『ヒナちゃ・・・風紀委員会の空崎ヒナか、助かったよ。』
『だけど、こんな寂しい場所に何か用かい?』
『まさか、君程の人間が迷子だなんて訳もないだろうし。』
「後輩に頼まれたのよ、手紙の持ち主を追いかけてほしいってね。」
手紙・・・手紙・・・先生から貰った・・・?まさか
『・・・GPSか何かかい?これは一本取られた。』
「追えたのは入り口までだったけれど。」
大人しそうな顔して結構とんでもない事をするんだなあの子
後でよく確認しておかないとな・・・
「・・・それと
『それは構わないけど。』
「・・・随分と泥臭い戦い方をするのね。聞いてた話とは違う。」
『必要性に駆られればこういう事もするさ。』
じりじりと距離を詰めてくるもう片方のバルバラ
警戒しているのか、恐怖しているのか
その足取りは酷く慎重だ。彼女たちに恐怖なんて感情があるのか分からないけど
出来るだけ早く片付けて、先生達の元に行かないと
「それで、状況が良く分かっていないのだけど。」
『
「そう、シンプルね。」
「この後も、見回りをしなきゃいけないの。面倒くさいから・・・早く斃れてくれる?」
今・・・午前4時くらいだと思うんだけどな
今度はこちらが2人の形になった、正直負ける気はしない
『私が前衛を張ろう。連携は・・・雰囲気で。』
「えぇ、わかったわ。」
相手は強大だが、私一人でも抑えられていたものを二人で抑えられない筈もない
近づかせないためにか、重機の乱射を繰り返すバルバラにゆっくりと近づく
私の方に注意が向いたのか、弾幕の雨が強くなる・・・だがそれでいい
リロードの隙をついて敵の元へ一気に走り出す
敵をひきつける為に、バルバラに近づき
バルバラもガードを固めて受けきろうとするが・・・
この距離の射撃は堪えたのか武器を取り落とした
散弾銃を打ち切った後
敵の続いての選択は・・・打撃
リロードの隙をついて、大きく手を振りかぶってこちらを殴打しようとするが
視えている。横にステップして避けて
ショットガンを大きく横に振りかぶって、バルバラの顔を狙って殴打する
思わず顔を抑えて仰け反るバルバラ
と同時に、私は大きく距離を取る
後方から強い神秘の高まりを感じる・・・巻き込まれると私もただでは済まないので
「これで終幕・・・イシュ・ボシェテ。」
バルバラも気づいたのだろう、咄嗟に回避行動を取ろうとするが・・・
「逃げることは、できない。」
扇状にビームのように射出された弾丸が
バルバラと周りの
紫色の光の奔流が収まったころには、そこには静かな廃墟だけがあった
▼バシリカの至聖所
「あはは☆もしかして立て込んでる感じ?」
「・・・奇襲をするのに、声を出したら駄目だろうミカ。」
いつの間にか、地下通路を登ってきていた二人組
”ミカ・・・それにアズサ?何でこんなところに・・・”
「聖園ミカ・・・まさか私を・・・」
「先生おそよう~☆悪いけど、今日はサオリちゃんには用はないんだよね・・・」
「・・・先生、サオリ。言いたいことはあるけど、まずは現状の解決が先だ。」
「な・・・何故、貴方達がここにいるのです!?」
「セイアちゃんが、”先生がバシリカに入っていく夢”を見たなんて言うもんだからさぁ・・・ナギちゃんも”匿名のモモトーク”があったとかで準備してたし。」
「私がナギちゃんに命じられたのは”自身の引き起こした事態の鎮静化”だからさぁ・・・これ以上好き勝手されると困るんだよね。」
「つまるところ・・・助けに来たよ!先生☆」
「あの大きいのは私に任せて、囚われのお姫様を助けに行ってきて?」
"ミカ・・・!"
「心底、不快な・・・不快な見世物です。とんだ戯言を・・・」
「友情なんていうくだらない欺瞞が・・・何の役に立つというのです!所詮は他人であるというのに!」
「生徒とは・・・子供とは・・・我々大人に搾取されるべき存在だというのに・・・!」
”もういい、それ以上・・・私の大切な生徒たちの前で口を開くな。”
「勝った気でいるのもそこまでです、これが・・・これこそが偉大なる大人の真なる姿ッ!」
めきめきとその姿を変えていく、ベアトリーチェ
白い花の生えた、赤い木の異形・・・
そして、後ろに輝くのは、真っ赤なヘイロー
「高位なるモノとなった私です・・・!しかと目に焼き付けなさい・・・!」
赤い神秘的なオーラは、今までの敵との格の違いを認識させる
「なんですか・・・怪物にしか・・・見えませんね。」
「あれが、本当のマダム・・・」
「相手がどんな姿をしていようと関係ない。」
「あれを倒して、アツコを救う。そうでしょ?サオリ。」
「その通りだ、まさかお前に諭されるとはな・・・アズサ。」
「ひ、久しぶりにアズサちゃんと肩を並べて戦うんですね・・・!」
”行こう・・・アリウススクワッド!”
「猟犬には、猟犬なりの意地とプライドがある事を見せつけてやろう。」
どんな端末から小説みてますか?
-
PC
-
携帯端末
-
その他