ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ   作:天野ミラ

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時系列的には「ガルバノグの兎」進行中のお話になります


アビドス高校二年生たち

▼シノ視点

 

 

アビドス高校に帰ってきて、暫くしたある日。

対策委員会の部室で会話に花を咲かせていたところ、

ノノミちゃんの携帯からモモトークの通知音が鳴って・・・

画面を見たノノミちゃんが思い立ったかのように立ち上がる。

 

 

「ショッピングです!」

「ん、買い物。」

 

『・・・はい?』

 

「ショッピングに行きましょう!」

 

 

 

 

アビドスから電車に揺られること数時間。

DU付近のデパートにやってきた私達、やはりお昼の時間は人通りが多い。

メンバーはシロコちゃんとノノミちゃんと私で、買い物をしにきた訳だが・・・

 

アビドスの二年生だけで揃って出かけるのも初めてかもしれない。

 

 

 

「どうしました~シノちゃん?」

 

『えっと、確か先生から買い出しを頼まれているんでしたっけ?』

 

「ん、子ウサギ公園に物資をそれとなく置いてほしいらしい。」

 

 

まーた、面倒そうなことに首を突っ込んでいるのか先生は・・・

まあ、先生らしいか。

とりあえず買い物を済ませるとしよう。

 

 

 

「欲しいものは、飲食品と、日用品が主みたいです~」

「どうせなら、色々見て回りましょう!」

 

『それもそうですね、折角ですから色々と見て回りましょうか。』

 

 

 

 

 

スポーツ用品店に、小物屋さんや洋服店等・・・様々なお店がある。

私も欲しいものがあったので丁度良かった。

シロコちゃんはスポーツ用品店に興味があるようで。

 

 

「見て、これ・・・最新式のロードバイク、32段変速。」

 

前側2段、後ろ側16段の32段変速ギアのロードバイク。

フォルムも変速機構も格好いいけど・・・

 

 

『そ、そんなにギアがあって使うんですか?』

 

 

 

「・・・あまり使わない。」

 

『そうですよね?でも、私もちょっと自転車は欲しいんですよね。今は持ってないので・・・』

 

 

「それなら、私におすすめのバイクがある。」

 

『詳しいシロコちゃんが教えてくれるなら、助かります。どれがいいんですか・・・?』

 

「・・・これ。」

 

 

 

 

そう言って指さしたのは最初の水色のロードバイク。

 

『32段変速は・・・初心者には絶対要りませんよね??』

 

 

結局、シロコちゃんのおすすめの圧に負けて、32段変速のロードバイクを買った。

それと・・・ライディング用のウェアも。

折角買ったので、一度くらいはシロコちゃんとライディングに行くことにしよう。

 

 

 

 

 

可愛らしい小物屋さんに来た私達。

ノノミちゃんがウィンドウの先のモモフレンズのグッズを見ている。

 

 

「見てください、シノちゃん!これ・・・モモフレンズの新作ですよ!」

 

そこにあったのは、新作のモモフレンズパジャマ着ぐるみで

 

 

『か・・・可愛いですね!』

 

「Mr.ニコライさんのパジャマもあります・・・!」

 

『皆でモモフレンズパジャマでお泊り会というのもいいですね・・・!』

『実は、モモフレンズを私にお勧めしてくれた同志がいるんですよ・・・!』

 

「ヒフミちゃんですね~ペロロちゃんもとっても可愛いです☆」

 

『色々お世話になりましたし、プレゼントに・・・いや、もう持ってましたね。』

 

モモトークの履歴を見ると丁度一昨日、ペロロのパジャマを着たヒフミちゃんの自撮りが送られてきていたのを思い出す。

流石はヒフミちゃんだ、最新グッズももう買いそろえているとは。

 

 

『私は・・・このグラサンペロロちゃんってやつにしましょうか。』

「お会計はこれでお願いします~☆」

 

 

 

そう言ってノノミちゃんが取り出したのは、金色のカード。

キヴォトスゴールドエキスプレスカード・・・やはりお金持ちだったのか。

 

まあ、聞かれたくなさそうだったし、あまり詮索しないでおこう。

私も言いづらい事の一つや二つある訳だし。

 

ユメ先輩にも一つ買っていこう、きっと喜んでくれるだろう。

 

 

 

食料品は鮮度と重量の観点から、お昼ご飯を食べてからにしようという話になったのでフードコートに足を進める。

大きなデパートなだけあって、様々な飲食店が並んでいるが・・・

私は丁度スムージーがあったのでそこで買う事にする。

 

「・・・シノ、お昼それだけで足りるの?」

 

『意外と小食なんですよ。』

 

「しっかり食べないと、力が出ない・・・と思ったけど。」

「強い・・・よね?それもホシノ先輩と同じか、それ以上・・・?手合わせしてみたい。」

 

『バトルジャンキーですか・・・?まあ時間もあるので帰ったら訓練でもしましょうか。』

 

「ん、負けないから。」

 

「なんだか昔を思い出しますね~☆」

 

 

昔は、というと。前はもっと戦闘狂な気質があったのだろうか、結構意外だった。

 

 

「・・・恥ずかしいから、言わないでほしい。」

 

「まあ、シロコちゃんの事もそうなんですけど・・・やっぱりシノちゃんを見てると、昔のホシノ先輩の面影を感じるんです。」

「昔より棘はありませんけどね?」

 

『敬語なのが原因だったりしますかね?』

 

「そうかもしれません・・・?ちょっと崩してみてください~☆」

 

 

崩す・・・崩すか。黒服と話しているときは強めの語気になりがちだし・・・

崩した話し方と言うと・・・

 

 

『んん・・・』

『う・・・うへ~こんな感じでどうかなノノミちゃん~』

 

「・・・っ。」

「ま・・・真似をっ・・・してほしいわけじゃ・・・なくって・・・っ!」

 

 

思わずと言う顔で、お腹を抱えてくすくすと笑いだす二人。

笑いを必死に堪えている二人を見て、私の中でもう少しだけ意地悪したい気持ちが芽生える。

 

 

『いや~可愛い女の子二人とデートが出来て、おじさんモテモテだぁ~これが両手に華かぁ~』

 

「ぶふっ・・・!言いそう・・・!」

「あはは・・・!も~笑わせないでくださいよ・・・!」

 

 

中々好評なようだから、もう一押ししておくか。

 

 

『ちょっと水着はおじさんには刺激が強すぎるよ~写真・・・撮ってもいい?』

 

「・・・シノ、その。」

「シノちゃん、後ろに・・・」

 

後ろから気配を感じる、凄く嫌な予感がするが振り向くしかない。

と思ったが、肩に手を乗せられる。かなり力が入っている。

 

 

「私のいないところで随分と面白そうな話してるね?おじさんも混ぜてくれない?」

 

『・・・・・・あの、本当に。』

 

「ほら、続き、あるんでしょ?見せてみて?」

 

 

肩に力を入れられていて、振り向けない。

どんな顔をしているのか分からないのが本当に怖い。

 

 

 

「・・・なんてね?怒ってないけどシノちゃんが私をどう思ってるのかはよ~くわかったよ・・・いや、分かりましたよ。許しませんからね、シノ。」

 

「ぶふっ・・・!」

 

怒ってないと言いつつ、頬を挟まれる。

今回は私が全面的に悪いので、されるがままに受けておく。

 

『ゆるひてくだひゃい・・・ほひのひぇんぱい・・・』

 

 

 

私がホシノ先輩にされるがままにしていると、もう一人こちらに歩いてくる音がする。

 

 

「あれ、シノちゃん!?なんでここに・・・?」

 

『ユメ先輩こそどうして・・・?』

 

「それがさぁ~色々あってカバンが焼けちゃった”後輩”の為に、折角買い物に来てたんだけどなぁ~?肝心の後輩ちゃんは・・・」

 

『うぐっ・・・』

 

「・・・?わかんないけど、ちょうどいいから私達もお昼にしよっか。」

 

「そうしよっか、ユメちゃん。」

 

 

 

あちらも、お昼ご飯を買ってきたようで・・・食べながら情報の共有等をしていた。

 

「・・・つまり、先生からのお使いって事かぁ。」

「先生自身で渡せないって事は・・・何か事情があるんでしょうかね~?」

 

 

「シノちゃんにはお詫びとして、私の選んだ服を着てもらおっかな~」

 

『・・・お手柔らかにお願いします。』

 

「チャイナ服とか・・・どう?」

 

「ホシノちゃん、チャイナ服が好きなの?」

 

「えっ、いや・・・そういう訳じゃ・・・うへへ・・・」

 

 

 

 

買い物を終えて、子ウサギ公園に来た私達。

お昼を食べた後と言うのもあって、頬を撫でる風が心地良い。

・・・のだが。公園には何故かバリケードがある。

 

なんで?あっちでは少なくともこんな事なかったぞ・・・?

 

 

「彼女たちは出かけているそうなので、テントの前においてあげてほしいそうです。」

 

近づこうとしたが・・・

地面に糸が張られているのを見つける。

 

『アズサちゃんに習っておいて良かったですね・・・IED(即席爆発装置)です。』

 

「ん。・・・住んでいるというより占拠している。」

 

「先生の話だと、SRTの生徒さんらしいですが・・・」

 

 

SRT特殊学園か、連邦生徒会の直属の・・・

確かに、こちらでは連邦生徒会長が失踪したとかで色々あったとだけ聞いたことはあるが。

 

まあ、先生なら上手に話を持っていくだろう。

私達に手伝える、と言うより彼女たちがどうするかの問題だと思うし。

 

 

 

彼女たちの頑張りが報われることを祈っている事しかできない。

どうか、彼女たちの行く先に希望がありますように。




ユメ「ねえねえ、シノちゃん・・・チャイナ服っていつ着るの?」
シノ『私に言われても・・・その、麻雀する時・・・とか?』
ユメ「へぇ~?楽しみにしてるね!!」

シノ『そう言われると思って、ユメ先輩の分も買ってあります。死ぬときは一緒ですよ。』
ユメ「ひ・・・ひぃん。流石に恥ずかしいよ・・・麻雀するために着替えるなんて・・・」

ホシノ「・・・そうだよね。」
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