ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ   作:天野ミラ

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最終編にして、ミレニアムの描写が初めてという事実。


邂逅!カイテンジャ―!

全く違う世界でも、同じ道を辿る事象はある。

 

アビドスで言えば、ユメ先輩が生徒会長になる事やカイザーとの確執といった事象はこちらの世界でも起きている。

結末としては、違うものを迎える事になったとしても。

 

それらを「運命」なんて一括りにしてしまうと、少し安っぽい表現になってしまうが・・・

ここで彼らがあの怪物と相まみえるのは・・・

正しく、「運命」と言って差し支えの無いものなのだろう。

 

 

▼ミレニアムサイエンススクール

 

虚妄のサンクトゥム攻略戦も終盤に差し掛かった。

現在、7つの内、6つの偽物のサンクトゥムタワ―を破壊する事に成功。

残る塔はD.U.地区の一つのみとなった。

 

会議が終わってから暫くして、シノちゃんのスマホにモモトークの通知音がする。

どうやら、最後のタワーに対する策が揃ったらしい。

 

 

そんな訳で、妙に嫌がる先生と一緒にヘリに乗ってミレニアムに来た私達。

何でミレニアム・・・?分からないけどついていくしかないだろう。

 

 

ミレニアムサイエンススクールの校門前で私達を待っていたのは。

 

「お疲れ様です、先生とアビドス高校の皆さん。お待ちしておりました。」

ミレニアムの生徒会的な立場であるセミナーの会計を務めているらしいユウカちゃんと・・・

 

「お待ちしておりましたよ、皆さん。そして、高那シノさん・・・でしたか。」

車椅子に乗った白髪の女の子、明星ヒマリちゃんだった。

妙にシノちゃんへ対抗意識のようなものを燃やしている気がする。

 

そんな彼女が指をびしっと立てて、シノちゃんの方を向く。

 

「良いですかシノさん・・・!ただの一度、このミレニアムが誇る高嶺の花にして世界のすべてが詰まった頭脳とも評されている私を・・・一度出し抜いたくらいで、良い気にならない事ですね!」

 

「いや、別に誇ってはないですから・・・えっと、エンジニア部の所までお連れしますね。」

 

 

ミレニアムサイエンススクールと言うだけあって、校内は近代的な装いだ。

それと廊下の隅にはよく使い道の分からない機材?や段ボールが積んである。

 

目的はエンジニア部の部室・・・では無いらしくて、使ってないグラウンドの一角を特設スペースにしているらしい。

使ってないだけあって、そこそこ遠い。

そんな道すがら、驚くほどに静かで滑らかに滑っていく車椅子の上から、ず~っとシノちゃんに話しかけている彼女。

 

「この「全知」の頭脳を持つ私の力を持ってしても、貴方達の正体には見当がつきませんでした。足取りはおろか・・・数か月前までは目撃例すらもが一切無い。」

「だからこそ、この超天才病弱美少女ハッカーの私が足取りすらつかめないという事は・・・幾つかの可能性に絞られます。その中で最も可能性が高いのは・・・ずばり別の。」

 

 

”ヒマリ?私ならともかく、他の生徒のプライベートを覗き見るのは感心しないよってこの前言わなかったっけ?”

 

 

「ち・・・違うんです、先生。これには山よりも高くて谷よりも深い事情がありまして・・・」

 

”あのね、ヒマリ。気になったなら直接聞くべきだと思うよ。”

 

 

あわあわと慌てた後、申し訳なさそうに眉を落としたヒマリちゃん。

見た目と違って、随分と面白い性格をしているみたいだけど・・・

監視カメラとかハッキングして動向とか確認したのかな?

 

 

「うっ、申し訳ありません。最初はお二人のプライベートを侵害する意図は無かったのですが・・・」

 

『まあ、出自が怪しいのは確かなので・・・あまり気にしないでください。』

 

そういえば、シノちゃんに気絶させられて気づいたら砂漠のど真ん中だった訳で。

どうやって世界を渡ったとかまでは聞けてなかったな。

 

 

そうこうしている内に、グラウンドの一角を使って作られた大きなシートで覆われた建物の近くまでやってきた。

中に何があるのかは分からないけど、10mは越えてそう・・・?

 

 

そんな中からやってきたのは・・・見覚えがある。

薄紫色の髪色、確か・・・エンジニア部のウタハちゃんだったかな?

 

 

「やあ、ご足労頂いて申し訳ないね。」

 

”お疲れ様、ウタハ。実は私も何を作っていたのかは聞いてないんだけど・・・”

 

『世界の終末に向けて、動いていたのは先生だけじゃないんですよ。』

 

「私としても、空が真っ赤になるまでは半信半疑だったが・・・私達マイスターを必要としている人がいて、依頼をしてくれたのなら・・・それに応えるのが私達の務めだからね。」

 

「我々としても、良い仕事が出来たと自負している・・・っと。千の言葉で語るより、まずは実物を見てもらった方が早そうだね。」

 

そう言って手招きするウタハちゃん。

中に入った私達の前に映ったのは・・・

 

 

”ロボットだ~!?!?カッコイイ!!”

 

「格好いいのはもちろんの事、新素材開発部と提携してかなりの耐久性を誇るんだ。」

 

10mを越える・・・見覚えのある、寿司モチーフのロボットだった。

確かに、前の世界でもお世話になったけど・・・

記憶にあるそれよりも、随分と豪華に見える。

 

 

 

『それにしても、思ったより・・・大きいですね。ここまで作れるほどの資金はお渡しできてなかったと思うんですが・・・』

 

「それについては説明しましょう!!!先日リオ会長がやってきて・・・」

「「エリドゥで使わなかった分と私のポケットマネーよ。世界を守るために、役立てて頂戴。」・・・と高額出資を!!!」

 

 

「つ・・・つまり、セミナーの予算をこのロボットを作るために使ったって事・・・!?こっちがどんな思いで資金難を・・・!!!」

 

怒りのあまりか、フラフラと頭を押さえて座り込むユウカちゃん。

と・・・とっても気まずい。

 

”ユ・・・ユウカ?大丈夫?”

 

「す・・すみません、先生。取り乱しました。」

 

「余りがあるなら返せばいいものを・・・どこまでも下水のような性格の女ですね。」

 

 

 

”でも、ペロロジラって確か60mくらいあるって話だったけど・・・思ったよりかは小さいんだね?”

 

「それについては・・・この才色兼備で透き通るような美声を持つ、私が説明いたしましょう。」

「ちーちゃん・・・いえ、ヴェリタスとの協力の元。巨大化装置・・・ビックライトと言えば伝わりやすいでしょうか?そう言ったものを作成しております。」

 

「効果時間はきっかり「3分」。ですが、この3分と言うタイムリミットにも意味がありまして・・・ペロロジラの存在が及ぼす「影響力」のようなものを中和する目論見があるのですが・・・こればっかりは実際に相手を見てみない事には分かりませんね。」

 

 

 

 

「はははっ!素晴らしい出来だな!流石はミレニアムのマイスターだ!」

 

「お褒めに預かり光栄だよ、細かいチューニングは実際に動かしてみてからだね。」

 

そんな中、すしネタを乗せた赤いスーツの子が入ってきて・・・

 

 

『か・・・!』

 

「か・・・?」

 

『カイテンジャーのレッドですよ!!!ユメ先輩!サインとか頼んだら貰えるでしょうか・・・!?』

 

 

「ふぇっ?」

 

『こうはしてられません・・・思い立ったら吉日って奴です!』

 

目を輝かせて、何処からかサイン色紙を取り出したシノちゃん。

サイン色紙を持ち歩いてるの?強火すぎるよ・・・

 

「あっ、うん。いってらっしゃい〜」

 

『何言ってるんですか、ユメ先輩も行きますよ!』

『それに、彼女達が作戦の要なんですから・・・挨拶は必要です!』

 

「ひぃん!ぜ、絶対公私混同してるよ!?引っ張らないでってば〜!?」

 

 

 

 

 

「何かシノ先輩・・・随分と子供っぽくなってない?」

 

「お、おじさん・・・恥ずかしくなってきちゃった・・・」

 

「年相応らしくて~とっても可愛いと思います♧」

 

 

昔は、こんな風になんと言うか・・・活発な子だったから。

多分だけど、因縁を一つ断ち切って・・・背負っていた何かが少しだけ軽くなったんだと思う。

ここ暫くは、ずっと気を張り詰めてたんだよね。

 

 

一頻り話し終えて、満足したらしいシノちゃんが帰ってくる。

ご丁寧に、カイテンジャ―のお面までつけて。

えっ、レッドの人も自分のグッズを持ち歩いてたの・・・!?

何と言うか・・・凄い自信だ。

 

 

 

”そう言えば、シノはどうしてカイテンジャ―のファンになったの・・・?”

 

『ファ・・・ファンじゃないですけどね?結局は指名手配犯ですから・・・』

 

「ちょっと今から取り繕うのは、無理があるんじゃない?」

 

 

『そのですね・・・少し前に危ない所を助けてもらいまして。』

『その時の彼らがなんと言うか・・・ヒーローみたいで。とっても格好良かったので。なのでファンと言うよりこの感情は・・・憧れみたいなものだと思ってます。』

 

「サイン色紙片手に言っても説得力無いわよ・・・?」

 

 

実際に大きな機体が動いているのを見ると、確かに凄いなぁ・・・とは思う。

それと同時に、ペロロジラとの戦闘が近づいていくのも。

今までの守護者と比べても、二回り以上大きい相手だ。

私達の力がどれくらい通用するのかもわからない以上は、戦闘の主役はこのカイテンロボになるだろう。

 

「勝てる・・・よね、シノちゃん。」

 

『・・・前と違って、時間も人員も割り当てられました。』

 

『例え、相手が多少の対策をしていたとしても・・・真正面から食い破れるはずです。』

『だから、今は信じましょう。エンジニア部とカイテンジャ―の皆を。』

 

「信じる・・・うん、そうだね。信じよう!」




先生 ”ほ・・・本当にヘリに乗るの?電車とかじゃダメ・・・?”
ユメ「これは・・・重症だね・・・」
シノ『安心してください、先生。早々ヘリが堕ちる訳ないじゃないですか。』
先生 ”そ・・・そうだよね!?いやぁ、まさかね?飛行機だって1万回に一回も墜落しないって言うしね!いやぁ・・・”

シノ『そういえば、カンナさんから伝言があったんでした。』
『「事が終わったら一杯やりましょう、良いお店があるんです。」・・・だそうです。』

先生 ”わァ・・・ぁ・・・”
ユメ「な・・・泣いちゃった・・・」

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