ユメ先輩のいないホシノvsユメ先輩しかいないホシノ 作:天野ミラ
アンケートのご協力、ありがとうございました
結果はしっかり割れたので
銀〇のようにシリアスと日常のバランスをとれるよう頑張っていきたいと思います
たくさんの方々に見てもらっていてとても恥ずかしくはありますが、それと同時に凄く嬉しいです
この場を借りて感謝申し上げます
▼シノ視点
朝、鳥のぴーっぴーっという鳴き声で目を覚ます
これは・・・ヒヨドリあたりだろうか
アラームをかけている時間にはちょっとだけ早いが、ほかの二人を起こそうとして
『おは・・・んっと、もう少し寝かしといてあげるか。』
気持ちよさそうな二人の寝顔を見て、もう少しだけ寝かしておいてあげる事にした
それはそれとして二人の寝顔の写真を撮った
キッチンに立って、朝食の準備を始める
朝食は昨日の残りでいいかな、朝カレーは重くないだろうか
サラダだけ切っておいて・・・コーヒーと紅茶をいれて
久しぶりにゆっくり過ごせている気がする
そっか・・・前の世界では解決しなきゃいけない問題に追われてたから
こんな一日の始まりは久しぶりなのか
なんて、今更な事を思った
『ほら、起きてください。寝坊助さんたち、朝ごはん・・・出来てますよ。』
「いやぁ、朝ごはんまで御馳走になっちゃって、悪いねぇ~」
『殆ど昨日の残り物なので、気にしないでください。』
「今日は指名手配犯の捜索と、地域の悩み事解決するんだっけ?」
『その予定です。』
「私もコーヒー貰っていい?」
『珍しいですねユメ先輩、絶対苦いですよ。』
「シノちゃんと同じの飲んでみたくなって・・・ひぃん・・・にがい・・・」
『砂糖とミルク入れれば、多少飲みやすくなりますよ。』
指名手配犯、この弾丸飛び交うキヴォトスで「指名手配」をされるというのは並大抵の事ではない
ゲヘナ学園でいう温泉開発部部長カスミ、便利屋68、ミレニアムのコユキ等が該当する訳だが
大抵の場合、甚大な被害を齎したり、禁忌を犯した人間が指名手配されるらしい
「そいで、今日はだれを追う予定なのさ。」
『アビドス周辺に潜伏中とみられる、ケタケタヘルメット団。』
『罪状は、その・・・銀行強盗・・・だよ。』
アビドスの郊外、誰も住んでいないような空き家が並ぶ寂しい住宅街
この辺りで目撃情報があった、らしい
確かに空き家の中に拠点を構えれば、分かりづらい上に快適だろう
10人前後の人間の居と食料を賄うという意味でも
そこまで流通から離れていない場所にいる・・・筈だけど
「うへ~あっつぃ~本当にこのへんなの~?」
「ひぃん・・・暑いよぉ・・・」
『地道に探すしかないですよ、ほら凍ったスポドリあるので頑張ってください。』
「この辺にいるって言っても、どこ情報なの~?」
『商店街でやけに羽振りのいいヘルメットの娘がいるって話を聞いたので。』
『銀行を襲った以上、資金は潤沢なはずです。』
『ほかの目撃情報と照らし合わせても・・・可能性は高いと思いますよ。』
ある程度絞れているといっても、流石に広大な住宅街から人を探すとなると大変で
結局それらしき建物が見つかったのは、それから三時間ほど後の事だった
大きな通りから、離れた位置にある2階建ての庭付きの建物・・・
この建物だけ、玄関の砂が綺麗に掃除されている
つまるところ誰かしらが掃除をしているという事
家の中から、足跡と話し声が複数聞こえる
『ここからは声を抑えてください、私が中の様子を偵察してくるので。』
コクコクと首を縦に振るユメ先輩、可愛い
別に大声出さなきゃ問題ないのに
近くにある赤い屋根の家に飛び乗り、中の様子をうかがう
窓から見えるのはヘルメットを被った少女たち
おそらくここだろう・・・ここからどうしたものか
一旦ユメ先輩たちと合流して、結局・・・正面からの突入を決めた
不用心にも扉に鍵はかかっていない、訪問者が来るとは思わなかったのだろうか
ただ、運の良い事にか、悪い事にか・・・廊下にいたヘルメット団の一人と目が合う
『あの、』
「おいおい、ここをケタケタヘルメット団のアジトと知っての狼藉かぁ!?」
「お前たち!侵入者だ!侵入者!一階に集まれ!」
人違いじゃない事が確認できて良かったけど・・・
巻き込まれると危ないので、後ろの二人に後ろに下がるようにハンドサインを出す
「何の用だ?変な天狗のお面なんかつけやがって。」
『ケタケタヘルメット団リーダー、および構成員の皆さん、投降してください。』
「ハハッ、人数差分かってるのか?」
『投降して、ください。』
「するわけねえだろ?暑さで頭でもいかれちまったのか?」
『いえ、暴力や汚い事で物事を解決するのは良くないらしいので。』
拳銃の乾いた音が三発響く
「説法でも説きに来たのかよ。私らにはもう後が・・・あ?なんで」
『力に頼るのは最後の手段にしてるんです。すいませんユメ先輩説得失敗しました。』
2階に逃げられると面倒くさいので
合図の意味も兼ねて左手の
パラパラと木材が崩れ落ちていくのに、驚愕しているリーダー格らしい相手に
右手に持ったそれを発砲
発射されたゴム弾が、動揺した彼女の意識を飛ばす
『暁のホルスが裏口を抑えてるので、逃げても無駄ですよ。』
『嘘だと思うなら、お好きにどうぞ。』
犯人の確保自体は、ものの5分で終わった
彼女達の銃では私とホシノ先輩の装甲を抜けないので
取りのがす事だけが懸念事項だった
倒れ伏している彼女達、銀行強盗を強行すれば指名手配になるのは当然だが
もし、私が切羽詰まってホシノと同じ立場になったとき
自制する事はできただろうか
きっと、毎日の生活が苦しくて
それでも大人数のグループを食わしていくために仕方なく・・・だったのだろう
やるせない気持ちになるが・・・仕方ない
もし私たちにできることがあったとしたら、罪を犯す前に援助してあげる事くらいだった
リーダーらしい彼女が立ち上がる
弾のあたりどころが悪かったのかヘルメットのバイザーがひしゃげて
ところどころ素肌が覗いている
「頼む、投降する。だからこいつらだけは・・・罪を軽くしてやっちゃくれないか。」
「銀行強盗を計画したのは、私だ。こいつらはついてきただけなんだ・・・」
「銃を向けた私が言うにはあまりにも、ムシの良い話だってのは分かってる。頼む。」
「縛られて武器もないのに、投降っていうのはちょ~っと筋が通らないんじゃないかな~?」
「わかってる、私に出せるものなら何でも出す・・・だからどうか・・・!」
焦燥感に駆られているのだろう
顔は見えないながらも声にならない悲鳴のような訴えを続けるリーダー格の彼女
ユメ先輩が、そんな彼女に近づき手を握る
「なら、悪い事はもうしないって約束してくれる?」
「あ、ああ!約束する。これからは真っ当に生きていく、あいつらにも徹底させるから・・・」
『少し、席を外しますね?ホシノ先輩。』
縛った彼女たちを玄関に残し、私とユメ先輩だけ外に出る。
『ユメ先輩、何かを頼むってことはそれだけ報酬もきっと減りますよ。』
『それだけ借金の返済が遅れるってことです。』
「わ、私が稼ぐから・・・!」
それは・・・
『どうやって、ですか?』
「えっと、一杯バイトして・・・」
『それに、真っ当に更生するとも思えませんし。』
「それは・・・」
この距離なら聞こえるだろう
どうせ聞き耳たててるだろうし
『・・・という訳なんですけど、ホシノ先輩はどうですか?』
「おじさんは今日は付き添いだからな~お若いお二人に任せるよぉ」
『ユメ先輩。』
『私たちも今は置かれてる状況が違います・・・昔みたいに余裕があるわけじゃなくて。』
『それだけは理解しておいてほしかったので、きつい言い方をしました。ごめんなさい。』
「私も・・・ごめん、配慮が足りなかったよね。」
『でも、そういう所に惹かれて・・・私は生徒会にいたので。』
『ユメ先輩は自分の在り方を貫いてください、私が何とかしますから。』
「う、うん!」
その後、呼んでいた護送車に彼女たちを引き渡すまで沈黙が続いた
彼女たちは、今後どうなるだろうか
盗まれた現金は豪遊していたわけでもないらしく
殆どが手付かずであったものの
学籍もない彼女達が今後どうするのかは私達にはわからない
そして、今後彼女たちが本当に罪を重ねないのか・・・どうかも
『帰りましょうか、ホシノ先輩、ユメ先輩。』
事が済んだ時には、街は夕暮れに包まれつつあった
もう私は・・・誰かを無条件で信じる事なんてできはしないけど
代わりにユメ先輩が私の分まで、信じていてくれる
シノ「変なお面じゃないですけどね、全然。」
ユメ「似合ってるから気にしないでよ、シノちゃん」
ユメ「特に気にしてないですけどね?」
ユメ「でもほら・・・キツネとかじゃダメだったの?」
シノ「キツネは一杯いるので・・・」
↓正直この小説に求めてるものって↓
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