ジェーンとあまり健全じゃない関係の男 作:──
育成素材が足りない……(泣)
「〜♪〜♪」
「これまでにない上機嫌であるな、ジェーン。何か良い事柄が?」
「♪〜……え?いや、言うほどのことでもないわ」
ルミナ分署にて、彼女が協力した事件の事後処理を終えたジェーンに青衣が問うと、ジェーンは少し頬を赤らめてそう言った。
しかし、その尻尾は以前として楽しげに左右に揺れており、彼女が
「……よし、仕事は終わったし、アタイは少し早めに帰るわね」
「……ふむ、待ち人か?」
「そんなんじゃないわ」
そう言いながらもしきりに携帯を気にするような仕草を見せるジェーンを、青衣は少しだけ不思議に思うのだった。
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数時間後
「……ごめん、待たせちゃったかしら?」
「別にそこまで待ってないですよ。にしても珍しいですね、ジェーンさんが車じゃなく徒歩で来て欲しいなんて」
「たまにはいいじゃない」
「…………どこ行きます?」
「なにかオススメとかある?」
そう言われた男は、しばらくの間考え込んで
「すぐ近くのティーミルクのお店は若い女性に人気らしいですよ」
「いいわね、行きましょ」
ジェーンは当然のように男と腕を組んで店の方へと進んで行く。
「こういうのもたまには良いわね。キミが好きそうな味してるわ」
「……え?俺ってそんなにわかりやすいです?」
「匂いよ。いつも飴舐めるか、ジュース飲むかしてるでしょ。キミの側はいつも甘い香りがする」
「……今度から控えます」
「気にしなくていいのよ、落ち着くから」
「そうですか」
二人は、残り少なくなったティーミルクを飲みながら帰路を歩く。
そんな時、ジェーンが思い出したように
「そういえば、聞いてなかったわね。キミの名前」
「……そういえばそうですね」
約一年の間、彼女は男の名前を知らなかった。
その理由は単純にそれを知らなくともコミュニケーションが成り立っていたから。
そして、彼の名前に気を配る余裕がないほど、ついこの間までジェーンが多忙であったから。
彼女に時折降りかかる潜入任務という、考え方によっては24時間勤務とも言える激務が断続的に湧き出した期間を乗り越え、やろうと思えば休暇すら取れるほどの時間ができた今になって初めてジェーンはそれに気がついたのだ。
「教えてよ、君の名前」
「……レオっていいます。苗字はなくて、ただのレオです」
「──へぇ、
「ちょっ!?しませんって!」
突然距離を縮めてそんなことを言って来たジェーンに、レオは顔を真っ赤にして否定する。
そんな彼を見てジェーンはクスクスと心底楽しそうに笑うのだった。