ジェーンとあまり健全じゃない関係の男 作:──
「そういえば、朱鳶ちゃんってなんでレオくんのこと知ってたの?」
「……えっと─────」
少し言いづらそうに、朱鳶はある日のことを語った。
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少し前の深夜のこと。
激務を終えて解散しようとした特別捜査班。
しかし、ジェーンの様子が少しおかしい。
明らかに反応が薄く、上の空のような様子なのだ。
「ジェーン、大丈夫ですか?」
「……ええ」
「本当に?」
「ほんとうよ」
しかし、ジェーンの足取りは少しフラフラしているように見える。
それが過労の症状なのではないかと疑う朱鳶だが、ジェーンはそれを認めず、繰り返し帰ると言う。
「しかし、一度休むべきだと……」
「ダメ、待ってるの」
「待ってる……?」
「いつも約束してるんだもの、アタイを待ってるわ……」
ルミナ分署のドアを開けたジェーン。
その瞬間、出入り口の段差に足を引っ掛けたジェーンは大きくバランスを崩した。
そのまま転びそうになったジェーンを、見知らぬ男が受け止めた。
「……あなたは?」
「えーっと、この人の知り合いです。いつもはメールで迎えにくる場所時刻の指定とかしてくるはずなのに、一切連絡なかったので心配して見にきたんです」
そう言った男の腕の中で、転んで彼に体重を預ける姿勢だったジェーンは眠りについた。
「ちょっ、ジェーンさん?起きて……」
ジェーンの頬を優しくぺちぺちと叩く男だが、ジェーンが目を覚ます気配はない。
「えーっと、彼女とルームシェアしてますので、連れて帰ります」
男はそう言うと、ジェーンを姫抱きにしてそのまま車に乗せるとその場を去って行ったのだった。
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「ということがあって、もう一度会った際にはあなたとの関係をもう少し聞こうと思って質問をしました」
「……アタイ、ほんとにそんなことになってたの?」
「うむ、さらに言うのであればジェーンを受け止めた男に頬擦りまでして、とにかく幸せそうな様子の眠りであった」
横から青衣が朱鳶の回想に情報を付け足す。
ジェーンはほのかに顔を赤く染めると目を逸らした。
そして、そらした視線の先で時計を見ると
「教えてくれてありがとう。それじゃあ、アタイはそらそろ待ち合わせの時間なの。また明日ね」
そう言って、逃げるような速足でその場を後にしたのであった。
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ルミナスクエア某所、今日の待ち合わせ場所にて
「お待たせ、レオくん」
「そんなに待ってませんよ、いつも通りの時間です。今日も真っ直ぐ家までで大丈夫ですか?」
「えぇ、お願い」
「わかりました。疲れてたらそのまま寝てしまって大丈夫ですからね」
ジェーンを乗せた車は、そのまま発進していった。