ジェーンとあまり健全じゃない関係の男   作:──

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「イタっ……もうちょっと優しくできないの?」

「我慢してください、消毒ですから」

 

数日経った家の中、そこには小さな怪我を負って帰ってきたジェーンと、そんな彼女に治療を施すレオの姿があった。

レオは彼女の傷口に大きめの絆創膏を貼り付けると

 

「これで安静にしていてください」

 

と言って、軽くため息を吐いてソファに座り込んだ。

珍しく疲れた様子のレオに、物珍しいものを見る表情のジェーンが隣に座る。

 

「今日は随分お疲れね?」

「そりゃあ疲れますよ。チャイムが鳴ってドアを開けたら、膝から血を流したジェーンさんがいるんですから」

「それは……ごめんなさい。でも、本当に何ともない怪我なのよ?」

「あれだけ血が出てて何が何ともないですか……。危ない仕事ですから仕事で怪我するのは仕方ないですけど、手当てくらいはしたいので事前に連絡してくださいね」

 

そう言うと、ジェーンはレオから目を逸らした。

その表情はまるで、言うべきことがあるけど言いづらいといった様子だった。

 

「なんかあるんですか?」

「……え?別に?何もないわよ」

「決して短くない付き合いですから、わかりますよそれくらい」

「……怒らない?」

「ふっ、細かいことで怒りませんって」

 

彼女のらしくない不安げな上目遣いに軽く笑いながらそう答えると、ジェーンは少し申し訳なさそうに

 

「これは仕事で怪我したわけじゃなくて……その、そこで転んだの」

 

ジェーンが指差したのは壁、おそらくは外のことを言っているのだろう。

 

「久しぶりに帰れたから、ちょっとはしゃいで走って……疲れてたから足がもつれて──」

「……大きな怪我じゃなくてよかったですけど、次は()()()帰ってきてくださいね」

「無傷だったのよ?そこの交差点まで」

「次は玄関まで無傷でお願いします」

「………………はぁい」

 

揶揄うレオにジェーンが不服そうに返事をすると、部屋にしばらくの沈黙が走る。

そうして、ジェーンがソファから立ちあがろうとしたその時、突然レオが彼女を抱きしめた。

 

「──〜っ!?」

「何はともあれ、無事に帰ってきてくれて何よりです。おかえりなさい、ジェーンさん」

「…………ただいま。レオくん」

 

このまま一日中続くのではないかと思われた抱擁は、気恥ずかしさを覚えたジェーンが彼の腕を軽く叩いたことで終わりを告げた。

 

「……今日は何だか積極的ね」

「普段のお返しということで。──それと、帰って来てくれて嬉しかったので」

「………そう」

 

二人はお互いに気恥ずかしげにしながら、同じ寝室へと向かっていった。

 

「………………ジェーンさん?自分のベッドありますよね」

「いいでしょ?今日くらい」

「……添い寝まで、ですからね」

「はぁい」

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