ジェーンとあまり健全じゃない関係の男   作:──

7 / 7


某日の夕方、ソファでくつろぐレオの横にピッタリとくっついて座ったジェーンは、彼の腕に自らの腕を絡ませると同時に、彼の腰に尻尾を回す。

ジェーンがこのような過剰なスキンシップを取る時、それは決まって……

 

「また長引きそうなんですね?」

「えぇ、そうなの。しばらく帰れそうになくて──」

「毎回言わなくてもいいように言いますけど、ここはあなたの家ですからね。自分の家なんですから、好きなだけ留守にしていいし、好きな時に帰ってきていいんです。……信じてますから」

 

ジェーンの手を握って、彼女の目を見てそう言ったレオに、ジェーンは少し頬を赤らめて黙って頷いた。

二人の間に、沈黙が流れる。

 

「……ありがと」

「いえ、お気になさらず。どうせ待ってるだけですからね。……でも、助けが必要になったらいつでも呼んでください。飛んでいきますから」

「あら、私の白馬の王子様になってくれるの?」

「……それが必要なら、そうなれるように努力します」

「あら情熱的。……期待してるわ」

 

しなだれかかったジェーンをレオは何も言わずに受け止める。

お互いの体温を感じながら沈黙すること数十分、それは当人たちからすれば数分ほどの出来事のように思えた。

 

「……そろそろ夕食を作りますね」

「えぇ、お願い」

 

ジェーンがレオから身体を離すと、レオは立ち上がって台所に向かった。

料理をする彼の背中をジェーンはじっと見つめていた。

その日の夕食は、いつにも増して豪勢だった。

 

「いつもより贅沢ね?」

「お仕事に向かうジェーンさんを応援したくて。……嫌だったなら謝ります」

「ううん、嬉しいわ。キミのことがもっと好きになっちゃいそう」

「えっ……、っうれしいです」

 

僅かに頬を赤らめた彼の表情はジェーンの嗜虐心をくすぐるのに十分なものだった。

食事を終え、テレビを見て、歯を磨いてベッドに入ろうとするレオの部屋にジェーンは押しかけ、彼と同じベッドに潜り込んだ。

 

「……添い寝までですよ」

「本当にそれでいいの?」

「何がですか?」

「添い寝まで、でいいの?もっと先が欲しくない?」

 

ツツ、とジェーンの指が彼の腕輪をなぞる。

ジェーンの声は熱を含んで、彼女の意思を何より雄弁に伝えている。

 

「……レオくん?もう一度聞くわよ。添い寝までで、いいの?」

「や、やめてください」

「ほんとに?今がチャンスなのよ?明日になったら、アタイはもう帰ってこないかもしれないのよ?」

「縁起でもないこと言わないでください」

「でも、ホントのことよ。今度の行き先はほんとに危ないの。……ねぇ、念の為に、思い出作り、しない?」

 

熱のこもった息を吹き付けるかのような距離で囁きかけるジェーン。

次の瞬間、ジェーンの視界がぐるりと回る。

気がつけば、ジェーンはレオに押し倒されていた。

 

「後悔、しないんですね?」

「ええ、そうじゃなきゃ誘わないもの」

 

二人は、長く眠れない夜を過ごした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

朝チュン、しちゃった(作者:℃゛)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

ゼンゼロキャラと朝チュンしちゃうやつです▼キャラ崩壊タグは「このキャラ絶対朝チュンせんやろ」ってキャラをさせるためにあります


総合評価:1724/評価:8.78/連載:6話/更新日時:2025年08月04日(月) 09:09 小説情報

義手持ち少年はグレースさんのスキンシップに耐えられない。(作者:純情な感情)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

 義手持ちの少年が、グレースさんの(義手に対する)スキンシップに耐えられない話。


総合評価:394/評価:7.67/連載:4話/更新日時:2024年08月16日(金) 14:29 小説情報

クールビューティにスカウトされたクールな(ように見える)男の話(作者:チャーリィ)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

対ホロウ六課にフィジカルお化けで外見と内面がかけ離れた能天気オリ主をねじ込みたくて書いた短編二次小説。対ホロウ六課結成時の話です。


総合評価:1803/評価:8.78/短編:3話/更新日時:2025年05月19日(月) 06:30 小説情報

一般常識人に新エリー都は生きづらい(作者:こなひー)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

 旧都崩落からどのくらい経っただろうか。これまで常識だった日常が崩壊し、人々の安寧が根底から覆された世界。▼ エーテルの侵蝕に抗う町新エリー都、そこで人間たちはこれまで通りとはいかなくとも、日々の生活を送ることができている。▼ 新エリー都の一部である六分街、とある一角に昔懐かしなビデオ屋が佇んでいる。そこでバイトをする彼、サクは今日も住民たちの非常識に振り回…


総合評価:2841/評価:8.08/連載:53話/更新日時:2026年03月06日(金) 21:00 小説情報

ゼンゼロのキャラを曇らせたくなった時に書くやつ(作者:豚足と豚骨の化身)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

名前の通りです。ゼンゼロのキャラを曇らせます。この子に死ぬほど曇って欲しいよ〜とかがあるならば、コメントしてもらえると嬉しいです。▼いいですよね曇らせって。推しが泣いてるとこ見たいですよね。私は見たいです(唐突) ▼ていうか一生物の傷を心に負って欲しいです。▼


総合評価:222/評価:9/連載:13話/更新日時:2026年02月08日(日) 01:29 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>