緑谷出久の物作り   作:メタス

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年内最後の投稿かな?


この世界で大団円を目指すのは難易度高いなぁ…

8歳 小学2年生

7月◯日(前回の続き)

 

禪院家修正RTAを終えて、釈魂刀と陰鉄の試し切りをする事に。直毘人さん・直哉さん・扇さん・(かなめ)さん(扇さんの奥さん)・真希ちゃん・真依ちゃんも一緒だ。

 

一先ず訓練場に移動、訓練用の巻藁に向かってパパ黒が釈魂刀を振るう。

端から見ても抵抗無く、見事に真っ二つになった。

 

『なるほどな…ありとあらゆる物を斬れるってのは伊達じゃ無い様だ。絹豆腐みたいに抵抗無く斬れた』

 

『お前ならば撃たれた銃弾すら切れるのではないか?』

 

『そうだな…出久、これを指で弾いて俺に撃ってこい』

 

言うや否や黒いポーチを投げて渡された。

 

『わっとと…これってパチンコ玉?何でこんなの持ってるの?』

 

『ちょっかいを出されたらこれで嫌がらせしてやろうと思ってな。フィジギフの膂力で撃てば、弾丸まではいかなくても結構なスピードにはなるだろ?』

 

パパ黒から受け取ったパチンコ玉をコイントスをするように構え、それを前向きにする。

親指に力を込めて、発射。

 

パチンコ玉が勢い良くパパ黒に向かい、その軌道上をなぞる様に釈魂刀を振るうとスパっと切れて、半分になったパチンコ玉が転がった。

 

『抵抗無し。銃弾でも斬れるだろ』

 

『流石だね、陰鉄でも同じ事出来るのかな?』

 

『出来るんじゃ無いか?そっちは生き物は斬れないらしいが』

 

私の番になったので、陰鉄で巻藁を斬ってみる。

鍛錬で散々見てきた、時雨さんやパパ黒の動きを脳裏でイメージ。更に、前世で見たアニメやマンガの剣士の動きをトレースし、振り抜く。

 

パパ黒の様にとはいかないが、こちらも問題無く斬れた。

振り向くと何人かは唖然としていた。

 

『中々良い動きじゃないか。俺や時雨の動きを参考にしたのか?』

 

『うん。刀と言えば時雨さんだし、身近で武器を使っているのは甚爾さんだから』

 

『真似したて…一瞬甚爾君が乗り移ったんか思ったわ…』

 

巻藁はパパ黒に比べれば不揃いな断面だが、綺麗に斬れた。

 

さて、ここからが本題。

生物を斬って体力が削られるかを確認しなければならない。

 

『取り敢えず撫でる様に斬ってみるか。一応救急セットを用意したが』

 

『あの当主様が嘘言ってなければ大丈夫だろ』

 

救急セットを用意して、陰鉄を腕に沿わせる様に軽く斬ってみる。

薄っすらと何かが抜けて行く感覚があった。微妙に体力が削られたのかな?

 

『どうだ?』

 

『深く斬って無いから微妙ですが、軽い倦怠感が来ました』

 

『血も出てなさそう』

 

パパ黒が聞いてきたのでありのままを答える。

近くに居た恵君達が私の腕をじぃっと見てくれた。

 

もう少し深く斬ってみる。今度は手首の辺り。

すると、先程よりも強い倦怠感。

 

『結構来ますね、これ。多分、致命傷になる様な傷だと動けなくなるかも』

 

『そうか…よし、小僧。儂をそれで斬ってみてくれ』

 

扇さんが腕を差し出してきた。いいのだろうか?

 

『なに、心配は要らん。これでも鍛えておる』

 

『分かりました…いきますね』

 

先程と同じ様に手首の辺りに刃を乗せて、少し深く斬る。

 

『ぬぅ…確かに痛みは無いが、斬られた瞬間に倦怠感に襲われるな。戦闘中に当たってしまえば隙を晒すだろう。致命傷なら確実に動きを止められる。その隙に拘束して身動きを取れなくしてしまえれば一番良いが…どんな個性かを見極めて対処するのが良かろう』

 

『そうですね…凄い物を託されたなぁ』

 

陰鉄を鞘に納めてよろしくと言う意味を込めて、柄を撫でる。

 

次は、禪院姉妹の双子としての繋がりを釈魂刀で斬れるかどうかを確かめる事になった。

 

姉妹が並んで立つと、確かに2人の頭同士を繋いでいる、綿菓子を薄く伸ばしたような紐?が見える。

 

『あのご先祖サマが言ってた様に、双子の繋がりみたいなのが見えるな。直哉とジジィの間には何も見えねぇから、双子特有なんだろう』

 

『確かに見えるね。なんかふよふよしてる』

 

『儂らには全く見えんな。フィジギフ特有の目の良さか』

 

取り敢えず、釈魂刀で繋がりを斬ってみる事に。

真希ちゃん・真依ちゃんを呼んで、並んでもらう。

 

『私らを斬るなよ、おっさん』

 

『生意気なガキ共だな、安心しろそんな無様な事はしねぇよ』

 

『2人に傷を付けてみろ、儂が火葬場に叩き込んでやる』

 

真希ちゃんの煽りや扇さんの脅しに屈する事なく、笑って流すパパ黒。

 

釈魂刀を両手で持ち、正眼に構える。

その状態で大上段に移行し…空気を切り裂くような一刀。

 

私達(フィジギフ)が見えていた繋がりが断ち切られ、その両端が真希ちゃんと真依ちゃんに納まった。

 

『どうだ、真希・真依。体に変化はあるか?』

 

『すげぇ…力が溢れて来る気がする…!今まで窮屈だったのが、一気に解放された気分だ!』

 

『私も…個性を使う時にあったフィルターみたいな物が無くなって、凄くスッキリしてる…!』

 

無事に成功したようだ。

フィジギフと個性の試運転をしたいとの事なので、そのまま軽い手合わせをする。

 

『行くぜ?緑谷』

 

『いつでも』

 

訓練場に響き渡るは破砕音。

真希ちゃんが移動するために踏み砕いた床板の音。

こちらに向かってくる姿を見るに、右手で殴るつもりだろう。

 

速いな…と思いながら、掌で攻撃を受け止める。パァンという破裂音が響き、衝撃により軽い風圧が私達を中心に発生した。

受け止められた事に多少動揺はしていたが、直ぐに抑えてラッシュをしてきた。

 

マンガ特有のオラオララッシュを受け止め、流し、避ける。

拳同士でぶつけ合ってラッシュの速さ比べをしても良いが、あくまでも手合わせ。

 

そのまま数分過ぎた頃、ラッシュが止まった。

 

『すっげえなぁ…緑谷やおっさんが見ていた景色はこんなのだったのか』

 

『まぁ、及第点じゃねぇか?いきなり完全なフィジギフになって()()なら』

 

『そうですね、扇さんの指導が良かったんでしょう。じゃないと力に振り回されていてもおかしくないですし』

 

次は真依ちゃんの個性を試してみる。

 

『取り敢えず、適当な物を…そうだな、出久に渡したパチンコ玉でも作ってみてくれ』

 

『分かったわ』

 

パチンコ玉を手渡して、個性を発動。

すると、ポコポコとパチンコ玉が生成されて床に落ちる。

 

『どうだ?』

 

扇さんが尋ねる。

 

『今までは個性を発動するまでに、フィルターみたいなのがあってカロリーがそれに吸い取られてたの。今はそれが無くなって直通で出る様になったわ』

 

『無駄な消費が無くなったのか。ガス欠になるのも防げるな』

 

総評を終えて、大人組が話し合いを終えた所。

真希ちゃんと真依ちゃんの個性の習熟度を上げるため、今月中は慣らし運転をする事になった。

 

そういえば帰る時に、真希ちゃんと真依ちゃんから宣言されたな。

 

『私達はお前と並べる位に強くなる』

 

『だから、待ってて』

 

激励の言葉を貰い拳を合わせて禪院家を後に。

車に乗って発進した後、真希ちゃん達まだ居るかなと思い振り返ったら扇さんが真希ちゃんにアッパーカットを食らってた…何故?

 

その後、梁山泊に戻り禪院家での話をすると達人達に大笑いされた。緑谷家と伏黒家には心配されたが。

 

お母さんには危ない事しないでよぉ〜!と抱きつかれ、ヒミコちゃんにも同じ様にされたが…話に出てきた真希ちゃんと真依ちゃんの事を聞かれたな。

 

ついでに例の件(真希・真依姉妹の特訓)を相談したら、良いよとの事。

その間、ヒミコちゃんは何かむぅ〜とした表情で拗ねていた?のかな。話の後、いつもより強めに腕をガブガブされた。歯型が残る位の強さだった。

 

時雨さんに釈魂刀と陰鉄を見せたら、じぃっと見た後に柄を握っていたが、直ぐに離していた。

 

『この刀達は…出久や甚爾が言ってた様に、()()()()()しか振るえないよう…だ。握ったら…刀に拒否された』

 

『拒否…ですか?』

 

『うん…何となくだけど…』

 

話を聞いていた秋雨さんが、ふと思い出した様に語りだした。

 

『伝承にしか過ぎないが、そのような事例はある。武具を扱う資格の無い者が持つと非業の死を遂げると…』

 

『へぇ〜…良く知ってますね、秋雨さん』

 

『昔、とある人物から聞いた話だよ。その人も伝説の類と言っていたがね』

 

『出久は…どうする?この(陰鉄)を…使うのか?』

 

秋雨さんの話に相槌を打っていると、時雨さんが聞いてきた。

 

『そうですね…生き物を斬れないという欠点はありますが、他の物が斬れるなら十分ですし、体力を奪えるなら無傷で制圧出来ますから』

 

『そうか…なら、ボクが教え…る。ヒミコは…どうする?』

 

『え?』

 

時雨さんが教えてくれるのは確定したが、ヒミコちゃんもとはどういう事だろう?

 

『やります!』

 

『ヒミコちゃん!?』

 

元気よく手を挙げて即決するヒミコちゃんに思わず口を出すお母さん。

 

『出久君が強くなるなら、私もなりたいんです。だって置いていかれるのは()です。それに、出久君がいない時にお義母さんが危険な目に遭った時、私が戦えれば安心でしょう?』

 

真剣な目をしながら言われてしまった。

 

『一理あるな』

 

『今は鈴木財閥が情報を統制してくれてるとはいえ、何処で漏れるかも分からないね。いざと言う時にヒミコちゃんが居てくれれば引子さんを守れるよ』

 

逆鬼さんや剣星さんも賛成のようだ。

 

『ヒミコちゃん…』

 

『私は、出久君に救われてお義母さんにも救われました。私の個性を知っても嫌いになりませんでした。大好きな2人に恩返ししたいのです。それに話に出てきた2人に負けられないので。出久君の隣を歩くのは私です

 

最後に出てきた小声を聞かなかった事にしたいが、周りの達人達に回り込まれてしまった。色々と便利だけど、こういう時に聞き流せないフィジギフをこの時は恨んだ。

 

場所を移し、顔を近づけてヒソヒソと話す。

 

『おい、出久。向こう(禪院家)では聞けなかったんだがどうやってあの双子を助けたんだ?』

 

『どうやってって言われても…訓練場の扉を殴って壊しながら入って…人垣の中心に怪我をした2人が見えたから、近くの壁を使ってトドメをさそうとした奴を飛び蹴りでぶっ飛ばしただけですよ』

 

『ふぅむ…その時何か声を掛けたかい?』

 

声…あぁ。

 

『安心させる為に、ごめん、もう大丈夫。僕が来たとは言いましたけど…そこからは治療して直哉さんに託して乱闘です』

 

『気障なセリフ吐くなぁ、出久。あれじゃねぇか?その双子、お前に惚れたんじゃね?』

 

逆鬼さんがサラッと言ったが、それは無いだろう。

 

『いやいや、そんな訳無いですよ。ただ単に甚爾さんみたいに強くなるっていう宣言ですよ』

 

『う〜ん…おいちゃんの経験からしても惚れてそうだけどね。絶体絶命のピンチに颯爽と駆け付けるヒーローは、古今東西の女の子の憧れよ』

 

そんなもんかなぁと思いつつ、男性陣によるミニ会議は終了。

女性陣を見ると…なんかキャイキャイしてた。

 

男性陣が首を傾げながら近付いて、何を話してたか聞いたけど口に人差し指を当てながら『内緒』との事。

 

来月からは双子が来るし、忙しくなりそうだ。

 

8歳 小学2年生

8月◯日

 

真希ちゃんと真依ちゃんが来た。

着替えやら何やら持って来たのは良いのだが、我が家(緑谷家)での生活に慣れてもらうまで大変だった。

 

まぁ、あの家(禪院家)の生活様式は少し?古かったから家電(炊飯器等)に慣れるのに時間が掛かったり、色々とあったが。

 

ヒミコちゃんと双子の仲も良好?の様だ。

最初は少しギスギスしていたが、ゴニョゴニョと話をしたと思ったら何時の間にか仲良くなってた。

 

それは凄く良いことだし、ヒミコちゃんにもルビーちゃんや真純ちゃん以外の同性の友達が出来た事は嬉しいのだが…風呂に3人で突撃(ジェットストリームアタック)するのは止めて欲しいなぁ。

 

単純に物量と勢いがすっごい。

あんまりドタバタしてるとご近所さんに迷惑だし、風邪を引いても困る。なのでフィジギフの感覚を最大限活かし、目を瞑ったまま頭や体を洗い湯船に浸かるという技を身に着けた。

 

なるべく見ない様にしているが…湯船で浸かっていると子供の体の小ささを活用して、全員で入る羽目になることもしばしば。

そうなったら、只管に違う事を考える。次のアイテムだの再現したい技etc…。触れている肌とかを考えていたらドツボに嵌まる事間違いない。

 

フィジギフの感覚に感謝と同時に恨みを持ったよ。

 

そういえば、双子から私への呼び方が緑谷から出久になった。

曰く、『引子おばさんと被るから』だそうだ。

ヒミコちゃんからもそう呼ばれてるし、別に良いか。

 

訓練は何時もやってるエンデヴァー事務所のヒーロー達やパパ黒と戦ったり、子供がエンデヴァー事務所で特訓してるという噂を聞きつけた他事務所のヒーローもたまにやってくる。

 

マンガやアニメに出てないヒーローも居るので、様々な戦闘を想定出来てありがたい。

 

梁山泊の達人との訓練も忘れてない。

双子+ヒミコちゃんが訓練に参加しつつ、新一君も参戦。

最近は何でかは知らないが、轟家(焦凍君と燈矢君)と恵君も参加しだした。

 

全員が吹き飛ばされ、受け身を取り、技術を叩き込まれている。

秋雨さん曰く、順調に達人への道を転がり落ちているとの事。

 

理由を後でそれとなくパパ黒やエンデヴァーに聞いてみたら…

 

『焦凍は出久君に置いていかれるのが嫌だと。燈矢の方は出久君がメキメキと力付けてきてるから負けられないと思ったらしい。俺も負けられんな』

 

『恵も似たようなもんだな。負けず嫌いな点は誰に似たんだか』

 

多分、あなた方ですよ。

 

B.A.B.E.Lとの訓練だが…チルドレンから要望があった。

私以外とも訓練したいという。

 

少し悩んだが、梁山泊での訓練の休憩中に正直に話した。

 

B.A.B.E.Lにサポートアイテムを卸している事と、そこに所属しているエスパーと一緒に訓練をしている事。そして、その子達が私以外の子と訓練したい事。

 

恵君や焦凍君、燈矢君は承諾してくれた。

 

ヒミコちゃんと真希ちゃん、真依ちゃんにはそのエスパーについて詳しく聞かれたな。

 

チルドレンの事を内緒にして欲しいという事を最初に伝えて、能力について教えていった。

何か同年代の女の子だと伝えたらムッとしてた。

 

全員の予定が合う日にB.A.B.E.Lに。

パパ黒とエンデヴァーの予定がたまたま合ったので、保護者として来てもらった。

 

桐壺局長から説明等を受けた後、チルドレン達が待つ訓練場へ。

 

到着するや否やサイコキネシスで浮かせた岩が飛んで来たので、陰鉄で切り裂く。

 

『刀なんか使ってたっけ、出久?』

 

『これは最近譲り受けた物なんだ。まだまだ使いこなせてないから、頑張らないと』

 

ふよふよと浮きながら、薫ちゃんが話しかけてくる。

 

『要望も出してみるもんやね、訓練相手がこんなにも』

 

『この場合、出久君の人脈が異様なんじゃない?』

 

『人を異端者みたいに言わないでよ…自分でもちょっと思ってるんだから』

 

苦笑しながら葵ちゃんと紫穂ちゃんにも話しかける。

 

『久しぶり、出久君。元気にしてた?』

 

『ナオミさん、お久しぶりです。皆と訓練ですか?』

 

ナオミちゃんも来たんだが…良いのか?

確か…チルドレンとは原作開始してから初めて出会ってた様な…今更か。

 

お互いに自己紹介をした後、私とやっている訓練を見て貰う事になった。

 

薫ちゃんとナオミちゃんが飛ばしてくる岩やスクラップを拳やゲキトンファーで砕き、陰鉄で切り裂き、こちらからはテニスボールやBB弾をぶっ放しそれを2人が止める。

 

葵ちゃんとの瞬間移動鬼ごっこ。一定の範囲内で只管タッチし続ける。最近では私との訓練を経て、瞬間移動の際の癖を直すように努力しているらしく、以前よりも隙が無かった。とは言っても癖はまだ抜けて無かったので捕まえる事は出来る。

 

葵ちゃんからもう一つ訓練を頼まれたのでやる事に。私がペイントボールを指で弾いて発射、葵ちゃんはそれに当たらない様に避ける。薫ちゃんが居ない時に攻撃が来た場合の対応を覚えたいらしい。

 

紫穂ちゃんとの訓練は…用意されている様々な武器を使った戦闘訓練。

とは言っても筋力的な問題があるので、軽量化された物を使っていた。私は慣らし目的で陰鉄を使い続ける。刃引きされた剣から始まり、槍にナイフ等々…。時雨さん程の実力とまではいかないが、武器の情報を知り尽くしたサイコメトラーは驚異の一言に尽きる。

 

訓練を終えた後、汗を拭い一息つく。

ヒミコちゃん達を見ると、驚愕していた。

 

『出久君、何時もこの訓練をやってたの?』

 

『そうだよ。手加減してくれないから勘弁して欲しいんだけどね』

 

『良く言うよ、アタシらが束になっても勝てないのに』

 

サイコキネシスを使って空中に浮かび、ひっくり返った状態で文句を言う薫ちゃん。

 

『今はそうだけど、何れ薫ちゃん達の方が強くなるよ』

 

『未だにそのイメージが湧かんけどなぁ。でも、テレポートの使い方も分かってきたし感謝しとるよ?』

 

『そうね。今までは変わり映えしない訓練ばかりだったけど、多少は楽しくなったし…いつか絶対に負かすけどね

 

『フフッ、皆出久君に感謝してるのよ?私もパーティの時に助けてもらったもの』

 

葵ちゃん・紫穂ちゃん・ナオミちゃんからお褒めの言葉を預かって、小っ恥ずかしくなり頬を掻く。

 

少し休憩を挟んで、ヒミコちゃん達も交えた訓練をする事に。

 

恵君と真希ちゃんは薫ちゃん・ナオミちゃんとの訓練。

 

焦凍君と燈矢君は葵ちゃんとの訓練。

 

ヒミコちゃんと真依ちゃんは紫穂ちゃんとの訓練。

 

パパ黒とエンデヴァー、休憩も兼ねて私も監督をする。

 

『以前見た時よりも超能力の使い方が洗練されてるな。あのガキ共』

 

『…凄まじいな。あれ程の力を持った子供が居たとは…』

 

『徹底的に情報を統制されていますから、知らなくても仕方ないかと。私もこれ(アイテム開発)の縁が無ければ知りませんでしたし』

 

パパ黒は素直に感心し、エンデヴァーは感嘆と共に少し畏怖の感情を込めた感想だった。

オールマイトの様な凄まじいパワーなので、思う所はあるのかなぁ。

 

目線を皆の方に向けて見ると…恵君は脱兎を召喚。

単体では岩を砕く事はまだ出来ないが、複数匹で息を合わせて蹴り飛ばす事で跳ね返す位の膂力は付いてきた。

 

真希ちゃんは脱兎が返しきれなかった岩等を薙刀で斬り、隙を見つけて私と同じ様にテニスボールやBB弾で攻撃していた。

 

焦凍君が出した氷の塊を葵ちゃんがテレポートで移動させ続け、それを狙って燈矢君と焦凍君が炎で攻撃。火炎放射の様な物では追いつけないと察して、直ぐにヘルスパイダーの様な熱線に切り替えていた。

 

ヒミコちゃんと真依ちゃんは…とにかく攻撃の嵐。

 

紫穂ちゃんが能力を駆使してぎこち無いが二刀流。

ヒミコちゃんのナイフ術と、真依ちゃんが能力で出したゴム弾入り拳銃を使ってヒミコちゃんを援護していた。

 

真依ちゃんは射撃が上手いな…ヒミコちゃんに当たらず尚且つ的確に紫穂ちゃんが嫌がる位置に撃ってる。鬱陶しくなったのか、何度かヒミコちゃんを突破して真依ちゃんに突撃してたけど、近接戦闘は苦手なのか割と食らってた。

 

適度に休憩を挟みつつ、私達が総評をしてそれを踏まえて、また

訓練を続けた。

 

最終的にはかなり仲良くなっていた。

帰る時間になったら、チルドレンが若干駄々をこねたがまた来ると約束した。真希ちゃんや真依ちゃんは難しいかもしれないが。

 

今、皆本さんはアメリカ(コメリカ)の大学かな?

そこで賢木さんと出会ったり、キャロライン(キャリー)さんに出会ったりしてB.A.B.E.Lに来るのか。

 

8歳 小学2年生

11月◯日

 

鍋が美味しい季節がやってきた。

 

それと同時に心配なニュースがテレビから流れてきた。

米花町のマンションで爆発物解体中、爆発事故が起こったと。

 

それを聞いた瞬間、血の気が引く思いがした。

米花町・マンション・爆発解体中の事故・冬のこの時期…どう考えても萩原さんが殉職した事件だろう。

 

フェンサースーツを早めに作って米花町の警察に配備してもらったので、大丈夫だと思いたいが…。

 

続報が入ってきた。

解体作業に当たっていた警察官の1人が骨にヒビが入る等の怪我を負ったが、命に別状は無いとの事。

 

原作の展開を防げたのか…?

次郎吉さんに連絡を入れて確認してもらうかどうか迷っていると、件の次郎吉さんからメールが来た。

テレパシーでも持ってんのか?

 

『米花町で起きた爆発事故じゃが、先日儂らが会うた若者の1人が怪我を負ったらしい。お主と儂の予定が合い次第、見舞いに行かんか?』

 

直ぐに返事をして予定を確認。

空いている日付を擦り合わせた。

 

お見舞い当日。

萩原さん?が入院しているのは、米花中央病院。

 

受付にて次郎吉さんと一緒に手続きを行い、病室へ。

部屋が近付いて来ると、何やら話し声が聞こえてきた。

 

これは…松田さんかな?たまたまブッキングしたのか。

もう1人聞こえてきたが…女性?

 

扉をノックして、許可が出てから失礼しますと声を掛けて中に入る。

 

すると…病衣を着てベッドのリクライニング機能を使っている萩原さんと、隣で丸椅子に座っている松田さん。

そして…

 

『全くお前は…そそっかしいのは子供の頃から変わらんな。なんだ?解体したと思った爆弾が急に復活して、慌てて避難したがドカン。きちんと防護服(フェンサー)を着ていたが、吹き飛ばされてマンションから落下。そこに配置されていたB.A.B.E.Lのエスパーに落下速度を軽減されたが、見事な腹打ちを決めて肋骨にヒビが入ったと』

 

『淡々と状況を説明しないでよ、姉ちゃん。可愛い弟がケガしたんだから、心配してくれても良いじゃない』

 

『ったく、目の前で爆発しやがって…肝が冷えて寿命が縮んだぞ。退院したら全員に飯奢らせるから覚悟しとけ』

 

姉ちゃん…千速さんか?金髪ロングで、何処となく萩原さんに似てる。

 

『お?出久ちゃんと次郎吉さんじゃん。何々、もしかしてお見舞いに来てくれたの?』

 

『ええ、ニュースで爆発事故が起きたのを知って次郎吉さんと予定を合わせたんです。フェンサーは無事に機能したみたいですね』

 

『ああ、スーツ自体は警察で保管中だから確認してみてくれ。ショックアブソーバーのお陰で地面と激突した時の衝撃を減らしてくれたんだが…なにせ急に爆発したからな。エスパーも頑張ってくれたんだが、落下してくる瓦礫やらガラスを受け止めつつハギもって訳にはいかなかったらしい』

 

『待て待て。この子は誰だ?ていうか情報をペラペラと喋ったら駄目だろう』

 

『心配はいらんよ。そもそもフェンサーを作ったのはこの子じゃからな』

 

次郎吉さんが説明してくれると、千速さんが固まった。

情報量の多さにフリーズしたようだ。

 

『そうだ、出久。折り畳み式の盾とか作れねえか?それが無理なら人が隠れる位の…ゲームであるタワーシールドみたいなの』

 

松田さんからのリクエスト。

 

『そうですね…タワーシールドみたいな物だったら試作は出来そうです。折り畳み式は…扇子みたいに広げる物なら出来るかもしれません』

 

『そうか…いや、シールドみたいなのがあって重量もあれば爆発しても無傷でいられねえかと思ってよ。解体する奴と盾を持つ奴を配置しとけば今回みたいな時限式の物なら、爆発の瞬間に割り込んで防げるんじゃねぇか?』

 

『なるほど…保険として配置して、いざと言う時に庇うように防御…。良いですね、考えておきます』

 

『本当に小学生か?君は…。研二が君位の年齢の時はこの時期でも半袖短パンで駆け回って風邪引くくらいのバカだったぞ』

 

『ちょ、姉ちゃん!何時の話してんの?!』

 

黒歴史の様な話を慌てて止めようとした萩原さんの口に斬ったリンゴを突っ込む千速さん。

 

モグモグと咀嚼しながらムスっとした萩原さん。

 

『千速さんも警察の方なんですか?』

 

『ああ、機動捜査隊の一員だ。普段は白バイに乗ってるよ』

 

『重吾さんから無茶な運転してるって聞いたんだけど?』

 

『アイツ余計な事を…今度会ったら飯奢らせてやる』

 

『飯なら俺が奢ってやるから、デートしようぜ』

 

わちゃわちゃし始めた警察官達を横目に、改めて決意する。

やはり、目指すならハッピーエンドだな。

 

 




登場人物が多いから、口調が混ざってくる…。
性格とか話し方の細かい部分をまた確認しなきゃなぁ。

相変わらずの不定期投稿ですが来年もよろしくお願いします。
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