緑谷出久の物作り   作:メタス

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作中で明確に月日が描かれてない事が多いので、作中の服装から想像しなきゃならない…


パンドラって割と自由だよね

9歳 小学3年生

10月◯日

 

チルドレンの活躍を聞くことが少しずつ多くなり、皆本さんの指揮が噛み合って来た様だ。

 

あれから紫穂ちゃんはたまに甘えてくる様になった。

何も言わずに横に座って若干体を預けてきたり、先日の膝枕がお気に召したのかベンチで休憩しているとポスっと頭を乗せてくるようになった。

 

紫穂ちゃんがやっているのを見ていたのか、ヒミコちゃん達も膝枕をせがんでくるように。

 

アイテム開発は順調に進んでいて、ビートアックス(仮)の試作品が完成した。

一般人が素手で振り回すには少々重くなったが、改良を進めていけば軽量化も出来るだろう。

それでも不安があるなら、腕限定の強化外骨格を作ろうか。

まぁ、一番良いのは鍛えてもらう事だが。

 

音波での攻撃もノウハウを積んでいけば、ゲームみたいに衝撃波を飛ばせるはず。

 

真希ちゃん専用の三節棍も作った。

ゲキトンファーと同じ合金を使用しているので、フィジギフパワーでぶん回しても多少は大丈夫。何れは刃引きした薙刀でも作るかな。

 

真依ちゃん専用の武器も作り上げた。

モデルはDMC(デビルメイクライ)の主人公であるダンテの愛銃のエボニー&アイボリー。

若干銃身が短めの6辺りの物だ。

 

一応ゴム弾専用にはしてあるが、緊急時には実弾を撃てるように魔改造済。弾切れになれば個性を使って弾を生成、装填し直ぐに撃てるように特訓中らしい。

 

ベヨネッタの銃にしようと思ったが、足に装着してどうやって撃つのか分からなかったので没に。 アイデアが浮かんだら再現しよう。

 

ネロが使うリボルバータイプのブルーローズもついでに作ってみた。こっちは私が使おうかな。

銃口が上下に2つある特殊な物だが、再現出来て良かった。

 

EDFシリーズや翠鎧シリーズの生産&開発も順調。

 

前者は警察や自衛隊の方でも使われる事が多くなってきており、使い心地や追加して欲しい機能の要望などが上がっている。

 

後者は隠密特化や重量物運搬用、偵察用など様々なバリエーションを作り上げた。ロマン重視でスーツケース(マーク5)が変形するものも作ったが、やはり耐久性が少し心配。

 

最終的な目標は決まってるので、後はそこに向かって行くだけだ。

 

これまでの開発・研究で強化外骨格に対するノウハウも積めてきたので、新しい事に挑戦しようと思う。

 

まず、義手や義足の開発と製造をする。

事故や病気で手足を失った人が以前と変わらない位の生活を送ってもらえるようにしたい。

ヒロアカでも後半戦になってくると、手足を失うヒーローや一般市民なんかがポンポンと出てくるからな。

 

戦闘用と日常生活用を作る事が出来れば上出来だろう。

何れは機械鎧(オートメイル)の技術も学んでより良い物を作る事が目標かな。

 

次に、趣味と実益を兼ねてガンダムを作りたい。

かと言って実物サイズ(18m級)にまで大きくするのではない。そこまで巨大な敵はギガントマキア位だろうが…設計図だけ書いておくか。何となくあのブラコン顔面睾丸魔王(笑)がやらかしてくれそうな気がする。

 

大きくしても2mか3m位かな。市街地での戦闘や救助を考慮するなら妥当だろう。

後は…そうだな、トミカヒーローレスキューフォースのレスキューブレイカーを作ろう。

 

ハンマー・アックス・ピック・ハンド・ドリル・ショット・ロープの7つの形態になる事が出来る万能ツール。

 

ピックは高所作業用で、ハンドは重量物の運搬用。ショットは情報の分析用で簡易的なデジカメにもなる。

 

ハンマーやアックス等は読んで字の如く。

 

消防署等に配備するようにすれば、災害救助にも役立つだろう。

 

9歳 小学3年生

1月◯日

 

あれからレスキューブレイカーの試作を繰り返し、試作品が完成。

次郎吉さんに連絡して、()()()()()()()()米花町の消防署で実際に使用してもらった。

 

重量が嵩んでしまったので心配だったが、普段から鍛えているので問題無しだったそうだ。更なる軽量化を目指そう。

 

ガンダムシリーズ(仮)は何を作るか少し悩んでいたのだが、私が使っているゲキトンファーを何気なく見たときにふと閃いた。

 

そうだ、サイサリスを作ろう。

『ソロモンよ、私は以下略』をする方では無く、SDガンダム三国伝に出てくる孫策サイサリスだ。

 

特徴的な肩のバーニアがそのままトンファーになり、必殺技を放つ時は背中に背負った装備とトンファーの先が合体し破城槌の様になって、そのまま敵をぶっ飛ばす激鋼重爆突(げきこうじゅうばくとつ)

 

SD(スーパーデフォルメ)サイズから人間大のサイズにしなければならないが、どうにかなるだろう。

 

後は…ガンダムザガンでも作ろうかな?フィジギフの私にはぴったりなガンダムだろう。武装はスクリューフィストと背中のシールドプライヤーユニットのみという漢のガンダム。

作中で語られている厄災戦ではバエルに次いでMAを撃墜したらしい。

 

Gガン勢の方が今の私には似合ってはいるのだろうが…分身したり体を金ピカにしたりは無理。

 

他は…災害救助用のビークルかな。

これは既存の消防車等を改造していく形になるか。

 

10歳 小学4年生

9月◯日

 

恐らくだが絶チルの第1話が始まっていた。

何気なくニュースを見ていたら見覚えのある顔の犯人が捕まっていたので確定だろう。

 

1つの物語(原作)がスタートしてしまった。気を引き締めて行こう。

とは言ってもチルドレン達の任務に一般人の私が巻き込まれるような事は無いと思う…多分恐らくきっとメイビー。

 

今日は皆本さんの家に呼ばれた。

なんでもドタバタしていて私と話す機会がなかったから、その序に大学時代の友人も紹介したいと。

賢木さんかな?

 

手土産を持ってチャイムを押す。

すると、中から足音が聞こえてきた。

 

『はいよ〜って、どうした坊主。何か用か?』

 

『皆本さんに招待されました、緑谷出久です』

 

『出久君、来てくれたんだね。いらっしゃい』

 

賢木さんが出てきたが、その後皆本さんが出てきてくれた。

 

『前に話しただろ?うち(B.A.B.E.L)に卸してるレンジャースーツとかの開発者の子だよ。あと、アイツ(ザ・チルドレン)等の訓練相手をしてもらってる』

 

『はぁ〜マジか…世界は広いもんだな。賢木だ、よろしくな』

 

『よろしくお願いします、賢木さん。皆本さん、つまらない物ですがどうぞ』

 

持って来た手土産(鈴木財閥御用達)のジュースを渡し、部屋に入れてもらう。

 

『うわっ…こんなに良いものを…流石だね。アイツ等も喜ぶよ』

 

『ひょー、庶民じゃ中々手が出せない高級ブランドじゃねえか。儲けてるんだなぁ』

 

『あはは…作りたい物を作ってたらって感じですね。次郎吉さんセレクトなので、味は保証しますよ』

 

陰鉄は今日は持ってきていない。

しかし盗まれても駄目なので、鈴木財閥との共同開発で特別製の金庫を作り上げた。

指紋・網膜・静脈・声紋・顔認証・パスワード等でガチガチに固めて家に設置した。

 

その代わりにフィンガーレスグローブを持って来た。

最近では常に持ち歩くようにしている。

 

私が無個性だという事を知り、どうやってチルドレンの相手をしているかを聞かれたのでフィジギフと答えたら納得していた。

 

『しかし、完璧なフィジギフか。俺も仕事上色々な奴等を診てきたが、たまに見つけても半端なフィジギフばかりでな。少し見せて貰ってもいいか?』

 

『良いですよ。と言っても面白い物は何もないですが』

 

賢木さんが手を握ってきた。

 

『…凄いな。同年代の子供よりも体が出来上がっている。筋力はもちろんだが…武術やってんのか。俺なんかじゃすぐにボコボコにされるな』

 

『あいつらの嵐みたいな攻撃に耐えて勝ってるからなぁ』

 

『最近は苦戦する事が多いですよ。最初の頃に比べて連携の上手さや実力も伸びてますから。何れはプロヒーローでも太刀打ち出来ない位には強くなると思います』

 

そう言って皆本さんの方を見ると少し浮かない顔をしていた。

…そういえば時系列だけで言えば、イルカのエスパーである伊九号(いきゅうごう)からチルドレンの未来を見せられた後か。

 

『まぁ、薫ちゃん達が暴走しそうになっても皆本さんが文字通り体を張って止めてくれるでしょう?僕も多少は手助けしますし』

 

『フィジカル的に言えば出久が適任じゃね?皆本なら体を張って粉砕されそうだ』

 

『これでも鍛えてるんだが?最近はやっと腹筋が割れ始めたんだ』

 

賢木さんと皆本さんの戯れを見ながら、お茶請けのお菓子をいただいているとチャイムが鳴った。

 

丁度近くに居た私が出る事にしたのだが…この状況見たことあるな。

 

念の為警戒し、はーいと言いながらドアを開ける。

案の定巨人の様な手がドアを掴みバキバキと蝶番が外れて、殴られそうになったのでバックステップで後退。

 

『出久君?!大丈夫か!』

 

『ええ、怪我はありません。誰かこういう事をしてくる奴に心当たりは?』

 

『居ない…いや、兵部ならあり得るか?』

 

『兵部か。あいつの仲間がお前を攫いにでも来たか、消す為に来たのかは分からねえが穏やかじゃねえな』

 

鞄から常備しているフィンガーレスグローブを取り出して装備。

 

玄関から現れたのは大柄なピンク色の短髪の男。

 

そっちに意識を割いていると、瞬間移動の気配がしたのでそちらを向く。

 

現れたのはポニーテールの女の子。

 

筑紫澪(つくしみお)とヤマダ・コレミツだな。

 

瞬間移動能力者(テレポーター)精神感応者(テレパス)だったはず。

 

女王(クイーン)はどこ!!』

 

『クイーン…?』

 

やはり薫ちゃんを倒しに来たようだ。

 

賢木さんが頭にハテナマークを浮かべている時、さり気なく皆本さんを横目で見たら少し動揺していた。

私は知っているが(原作知識)知らないふりをした。

 

『悪いけど、知り合いにそんな名前の人は居ないよ』

 

『じゃああんたらを捕まえて誘き出す!』

 

コレミツさんが殴り掛かってきたので受け止める。

澪ちゃんと変わらない位の子供に止められて動揺したのか動きが止まる。その隙に右手で腹目掛けてアッパーカット。

 

元傭兵としての勘が働いたのか空いていた腕でガードされたが、構わず上から力を込めて衝撃を叩き込む。

 

ズドンという音が響き、コレミツさんの巨体が宙に浮かび上がりそのまま沈んでくれるかと思ったが、耐えられた。

 

『コレミツ!っこのぉ!』

 

瞬間移動の兆候…部分テレポートが得意分野だったな。

 

近くにナイフを持った腕が出現。

柄の部分を手ごと掴み動きを封じたが…

 

『うぐっ!』

 

『皆本!』

 

賢木さんの声を聞き、皆本さんの方を振り向くともう片方の手でナイフを持ち首筋に添えていた。

 

『動くんじゃないわよ。少しでも動いたらコイツの命は無いわ』

 

『…クイーンっていう人に用があるなら、皆本さんは関係無いでしょう?』

 

『コイツは知ってんのよ、クイーンの事を。少佐が言ってたわ』

 

薫ちゃん(クイーン)の事をPANDORA(パンドラ)の人員には、何れエスパー達を率いる女王として薫ちゃんが君臨すると言う事を兵部が伝えていたはず。

 

『コイツは人質よ。あとあんたも』

 

『僕も?』

 

『クイーン達の協力者で色々な支援を行った癖に、決して表舞台に立つ事は無かった舞台裏の立役者(インビジブルサポーター)。本当は何人も協力者が居たとか表でも暴れ回ったとかその詳細は誰も知らないけど、リーダー格はあんただって少佐が言ってたわ』

 

…何だって?将来そんな所を創り上げるの、私?

混乱しながらも抵抗する事無くロープで拘束される。

 

『そこのあんたは此処に居て貰うわ。動けなくはするけど』

 

澪ちゃんが瞬間移動を使うと冷蔵庫に賢木さんが埋まった。

 

『クイーン達が来るまでそうしてなさい』

 

『し、尻が凍る…』

 

コレミツさんが運転して来たであろうバンに乗せられる。

このくらいの拘束なら解けるけど…皆本さんも居るから迂闊に動けない。

 

『皆本さん…少佐?ってどんな人なんですか?』

 

『薫を嫁にするとか言った年寄りの変態だよ』

 

皆本さんがそこまで言い切ると、その口にガムテープが巻かれた。

 

『それ以上少佐の悪口言ったら次は鼻も塞ぐわよ!!』

 

ムグムグと抗議の声をあげる皆本さん。

 

『今、何処に向かってるの?』

 

『私達のアジトよ…何よコレミツ。良いのよ細かい所は!』

 

テレパスか目線で何か話したのだろうか?

 

『アンタ、緊張感無いわね。普通ならビクビクしても良いんだけど?』

 

『そうかな…少なくとも君達からあまり敵意を感じないから』

 

『…ノーマル(一般人)からしたらエスパー(超能力者)なんて恐怖でしかないでしょう』

 

そういう澪ちゃんの顔は少し暗かった。

パンドラの構成員の多くは孤児だったり、紛争地の出身だったり訳ありだったな。エスパーに対する恐怖で虐待もされて、兵士として戦わされていた描写があった。ヒロアカでも異形型個性に対する偏見もあったからな。

 

『普段からB.A.B.E.Lの訓練に参加させてもらっているからね。それにエスパーと言っても根っこは人間でしょ?』

 

『…変わってるのね』

 

個性持ち・無個性・超能力者(エスパー)と様々な人がいるが、根幹は同じ人間なんだから対応を変えても仕方ない。

 

会話はそこで途切れた。

随分と長い距離を走り、車が止まった時には既に夕方だった。

 

『着いたわ、来なさい』

 

車から降りると廃校でした。

 

電気は発電機か何かで作っているのか、照明がついていた。

 

誘導されるがままについて行っていると、人の話し声が聞こえてきた。

この誘拐を計画・実行したのは澪ちゃんとコレミツさんだけのはずだったが…?

 

『戻ったわよ。計画通りに攫ってきたわ』

 

元教室の出入り口を通り抜けながら、中に居る人に声を掛ける澪ちゃん。

 

『あら、意外。あんたの事だからトチったんじゃ無いかと心配したわ』

 

『何ですって?!』

 

黒髪で短髪なボーイッシュな雰囲気の少女。

 

『…お前がサポーターか。見た所普通だな』

 

黒髪で長髪の男の子。

 

うーむ、今更だが原作 is 何処?

 

パンドラのメンバーである玉置(たまき)カズラちゃん、火野(ひの)カガリ君。

 

初登場は暫く先の筈の2人が何故…?

 

『君達は仲間って事で良いの?』

 

『ああ、そうだ』

 

ぶっきらぼうに答えてくれたカガリ君。

 

『…何が目的なんだ?』

 

ガムテープを遠慮なく引っ剥がされて、赤くなった口で問う皆本さん。

 

『簡単な話よ。クイーン達の実力を知りたいだけ』

 

『少佐が言うには未来の俺達(エスパー)のリーダーになるっていう話らしいが…正直信じられねぇからな』

 

カズラちゃんとカガリ君が交互に喋る。

前者は体を紐状にする事が出来る瞬間移動(テレポート)ベースの合成能力者、後者は発火能力・念動力・予知能力の複合能力者だったはず。

 

色々と考え込んでいると、コレミツさんがカップ麺を持ってきてた。

 

『ねぇ、あんた達。カレーか味噌、どっちが良い?』

 

『まさか君達…ずっとそれ(カップ麺)で食事を?』

 

『そうよ。文句あるの?』

 

拘束を外された皆本さんと私。

よく見ると部屋の隅にはカップ麺のゴミ山が出来ていた。

 

『いや、文句と言うか…ずっとそればかり食べてたら栄養のバランスが偏って不健康になるよ。野菜とか食べてないの?』

 

『食べてないわよ。料理するのも面倒だし、手軽に食べられる方が良いじゃない』

 

その時、皆本さんからブチッという音が聞こえた気がした。

 

『良い悪いの問題じゃ無いっ!』

 

突然の大声にビクッと体が縮こまる澪ちゃん。

視線を動かすとパンドラ組が全員固まってた。

 

『栄養を取るのは当たり前だ!きちんと野菜も肉も魚もバランス良く食べなきゃ成長しないぞ!』

 

『急に何言ってんのよ!別に良いわよお腹が膨らめば!』

 

『このままの食生活を続けると、肌はカサカサになるし不健康一直線になって風邪も引きやすくなるぞ。そんな状態で兵部に会えるのか?』

 

その言葉は澪ちゃんにクリティカルヒットしたみたいだ。

慌てて皆本さんにどうしたら良いかを聞いている。

…良く見たらカズラちゃんまで耳を傾けていた。

 

『何でカズラまで…』

 

『女性にとって美容は命みたいな物だからねぇ。立場も関係無く聞きたいものだよ』

 

微妙な顔をしてカガリ君がボヤいていたので、答えてあげる。

 

『お前、怖くねえの?ここにはエスパーが4人もいるんだぜ?』

 

『…さっきあのポニーテールの女の子にも言ったんだけどね。普段からB.A.B.E.Lで訓練させてもらっているし、もう慣れたよ。それに超能力とかが使えても根元の部分は人間なんだから。怖いなんて思ってないよ』

 

『ハハッ…変わってんな、お前。俺は火野カガリ。あの黒髪が玉置カズラで、ポニーテールが筑紫澪、あのピンク色の髪の毛のでっかい人がヤマダ・コレミツだ』

 

吹き出すようにカガリ君が笑った後、自己紹介をしてくれた。

 

そうこうしていると皆本さんの指示の元、食糧の買い出しにコレミツさんが出発。

皆本さんがこちらに向かって来た。

 

『随分と熱が籠ってましたね』

 

『まぁね…本当ならする事でも無いんだけど、あいつ等(チルドレン)と被ったからね』

 

『年齢も同じ位でエスパーなので被る部分は多いでしょう…さっきから出ているクイーンっていうのはもしかして薫ちゃんの事ですか?』

 

知らない振りをして聞いてみる。

 

『…ごめん、詳しくは言えないんだ』

 

『そうですか…まぁ色々とありますからね』

 

話をしているとコレミツさんが帰ってきた。

そこからは皆本さんの独壇場。鍋に野菜等を入れて不足した栄養素を補う様な料理を作り上げた。

 

野菜を避けようとした澪ちゃん達に説教をしたりしていたが、誘拐されているとは思えない様な空気で食事を進めた。

 

その後、夜も更けて来たので雑魚寝をする事に。

マットレスを何処かから引っ張り出してきてくれたので、寝転がる。

 

…原作通りに行けば、次の日には賢木さんとチルドレンが合流。

澪ちゃんが分身して戦闘に入るという流れだったはず。

 

私というイレギュラーが居るからか、カズラちゃんとカガリ君が参加している…何故かは分からないがもう一波乱ありそうだ。

 

覚悟はしておいた方が良いかな。

 

次の日。

 

目が覚めた私は伸びをして、隣で眠っていたカガリ君を起こさないように外に出た。

 

軽いストレッチを済ませて、既に日課になった梁山泊式トレーニング朝の部を行う。

 

トレーニング中に目が覚めたのか、皆本さんがやってきた。

 

『凄いね…毎日これをやってるのかい?』

 

『そうですね…っと』

 

片腕立て伏せを終えて一息つく。何れは指立て伏せになってくるかな。最近は梁山泊での修行のコースが原作内での物に移行しだしてきた。

 

例としてあげるなら。

 

鉄棒の金属を木材に変えた特性の器具を組み、そこに脚をくくりつける。真下で岬越寺師匠が一斗缶で焚き火をして、私は腹筋と背筋を効率良く鍛えるという狂気のトレーニングだ。

効率は良いのだろうが、やっている身としては髪の毛に引火しそうで怖い。

 

『僕も鍛えているけど…とんでもない負荷だね』

 

『そうですか?まぁ僕達(フィジギフや達人)以外の人に比べるとキツめにしてあるって師匠達が言ってました』

 

皆本さんがタオルを持ってきてくれたので、受け取って汗を拭う。

 

『…これからどうします?』

 

『そうだな…澪が残したメモを薫達が見つけてくれれば、紫穂か賢木が此処を見つけてくれると思うけど…一波乱ありそうだ』

 

『そうですねぇ…何故かは分からないですけど、薫ちゃんに対抗心を燃やしていましたから。一勝負あるでしょう』

 

汗が引いてきたので服を着替えようとすると、起きて来ていた澪ちゃんと目が合った。何か顔が赤い…?

 

『おはよう、起こしちゃった?』

 

『べべべべ別に?!たまたま早く目が覚めたらあんた達が居なかったから逃げたんじゃないかと思ってあちこち探し回ってたら武術っぽい事してて雰囲気違いすぎてちょっとドキドキしてつい終わるまで見惚れてたとかそんなんじゃ無いから!!!!』

 

とんでもない早口で凄い事を言われた。

鈍感系の主人公ならば聞き逃すんだろうが、生憎フィジギフ。

バッチリ聞こえてしまったよ。

 

『何も言ってないんだけど…』

 

『ととととにかく!!コレミツとかも起きたから朝ごはんよ!あんた作りなさい!』

 

『敵対している奴に作らせてもいいのか…?』

 

『今更じゃないですか?なんだったら昨日栄養不足を補う料理作ってましたし、敵に塩以上の物を送っているじゃないですか』

 

私からのツッコミで、それもそうかと納得した皆本さん。

 

簡単なおにぎりと味噌汁、焼鮭に卵焼きというザ・日本の朝ごはんを皆本さんと一緒に作り上げた。

 

普段からお母さんの手伝いで料理してて良かった。

 

朝食を食べ終えて、ふと気になったのでお風呂とか着替えはどうしているか聞いてみた。

 

暫く入ってないと、着替えはしているが手洗いでの洗濯が面倒で着回しているらしい。

皆本さんの額にまた青筋が。

 

その辺にあったドラム缶の中を良く洗い、底にスノコを敷いて火傷防止に。焚き火で加熱出来るようにドラム缶をセットして、水で満たし着火。

 

2つあったので女性陣から入ってもらおう。

男は後で良し。

 

その間、男性陣は洗濯物を手分けして洗っていたのだが…下着は大人組に洗ってもらった。この後の展開(薫ちゃんによるお仕置き)を知っている身としては大変心苦しいが。

 

洗濯された服が洗濯用に張ったロープでパタパタと風に揺れているのを見ながら、男性陣は駄弁っていた。

 

『力強いんだな、お前。流石フィジギフって所か?』

 

『そこまで知ってるんだね、君達の情報網はどうなってるの?』

 

『さぁな。大体情報持って来るのは少佐だし、詳しいのは良く分からねぇ。コレミツさんは何か知ってるか?』

 

『…』

 

ふるふると首を振るコレミツさん。

 

『まぁ、重要な機密っぽいし部外者に喋りたく無いですよねぇ…』

 

するとバイクのエンジン音が鳴り響く。

 

『おいおい…2人して主夫の真似事でもやってんのか?』

 

『賢木?!』

 

バイクから素早く降りて警棒を展開しながら向かってくる賢木さん。コレミツさんが迎撃の為に突っ込んで、賢木さんの攻撃を腕で受け止める。

 

『おお〜意外と良い動き。でもあれはコレミツさんが有利かな?』

 

『見て分かるもんなのか?』

 

『これでも武術をやってるからね、なんとなくは分かるよ。そういう君は参加しなくても良いの?』

 

『良いんだよ、あの動きについて行ける自信はねぇ』

 

一度距離を取った2人。

 

『民間警備会社の一員だったあんたが今は兵部の狗か?ヤマダコレミツさんよぉ!』

 

(黙れ…!!)

 

初めてのテレパス。頭の中に響く感じなんだな。

 

(貴様らに何が分かる!この子達が今までどのような仕打ちを受けてきたか!迫害されてきた我々を少佐は救ってくれた!)

 

コレミツさんと賢木さんの立ち会いを見ていたらドラム缶風呂に入っていた女性陣が出てきた。

 

『何かうるさいと思ったら…思ったよりも早く来たのね』

 

『あんた達は気に入ったからね。仲間になるって言うなら少佐に言って特別に入れてあげても良いわよ』

 

お風呂に入りさっぱりとした見た目になった2人。

 

『な、何よ』

 

『2人共さっきの服よりも似合ってるよ、可愛くなった。ね、カガリ君』

 

『何で俺に振るんだよ…!ま、まぁ似合ってんじゃねえの?』

 

何となくカガリ君にも振ってみたら、ぶっきらぼうに褒めてあげていた。

 

カズラちゃんはフフンと胸を張って、若干のドヤ顔をカガリ君に向けていた。澪ちゃんは顔を真っ赤にして私をチラチラと見ていた。

 

するとすぐ隣で瞬間移動(テレポート)の感覚。

 

『何?ナンパでもしてるの?誘拐されたって聞いたから急いで来たのに…随分と余裕じゃない、このスケコマシ』

 

紫穂ちゃんが腕に触りながら拗ねていた。

 

『人聞きの悪い事言わないでくれない?素直な感想を言っただけなんだけど…それよりもここが良く分かったね』

 

『葵ちゃんが皆本さんの家に忘れ物しちゃってね。一緒に取りに戻ったら部屋がグチャグチャだったから私が見て、ここに来る途中で薫ちゃんと合流したの』

 

『なるほどね…ちなみに聞きたいんだけどさ。何で恵君達が此処にいるの?』

 

ザ・チルドレンが現着するのは想定内(原作通り)

 

皆本さんに容赦なくサイコキネシスでお仕置きしている薫ちゃんや微妙に冷めた目で皆本さんを見ている葵ちゃん。

 

でも、()()()()()()が此処に来たのは流石に想定外なんですけど…

 

『私が視た時に仲間が複数人いた事は分かってたから、バベルに連絡しようとしたんだけどね。丁度2人が見えたから事情を説明して来てもらったのよ。実力は私達が良く知ってるし』

 

『出久が帰ってこないって引子おばさんが心配してたぞ』

 

『無事で良かった、出久君』

 

『そっか、心配掛けてごめんね』

 

手短に事情を聞いて、澪ちゃんの方を向くと()()()()()()。確か体を素粒子レベルまで三分割して構成していると皆本さんが言っていたな。

 

『カガリにカズラ、クイーン達は私が相手をするわ』

『そっちの紅白頭とツンツン頭の相手は任せたわよ』

『コレミツはサポーター()の相手をして』

 

それぞれが独立して喋っているので、少し変な気分だが私の相手はコレミツさん。

 

カガリ君とカズラちゃんは恵君と焦凍君が相手をするようだ。

 

『しょうがないわね…そこのツンツン頭。痛い目に遭いたくなきゃどっかに行きなさい』

 

『随分なご挨拶だな。勝つ気でいるなら早くないか?』

 

バチバチと火花を散らす恵君とカズラちゃん。

 

『ったく…面倒くせえ。悪いが、相手をしてもらうぜ?』

 

『ああ、良いぞ。父さんから実戦経験を積めと言われているからな』

 

不敵な笑顔を浮かべるカガリ君と、若干天然が発動している焦凍君。

 

『ご指名なら、仕方ないですね。コレミツさん、一手ご指導いただけますか?』

 

(仕方ないか…手加減はしないぞ)

 

構えを取る私とコレミツさん。

 

思わぬ形での戦いになったが、これもまた経験かな。

 

『なんか俺達だけ場違いじゃないか?』

 

『僕もそう思ったが…あの中に入って戦うのは一般人には無理だろう』

 

賢木さんと皆本さんは応援に徹するようだ。

 

全員が動き出したのはほぼ同時。

 

コレミツさんが近くにあった配管を使い殴りかかってくるが、それを余裕を持って避ける。

いくらフィジギフだとしてもあれ程の勢いがついた金属の塊を生身の体で受けるのは自殺行為だ。

 

時雨さんの武器術とは違う荒々しい攻撃はパパ黒の攻撃に近い。

 

大振りな攻撃を避けつつ懐に潜り込み、拳を固めてボディを叩こうと思ったが悪寒がしたのでダッキング。

 

配管を素早く手放した後、右手で打ち下ろすように拳を叩きつけて来た。風圧を感じながら、上体を沈めて力を溜め込み左手でリバーブロー。肋骨にヒビが入ったような感覚がした。

 

戦いにおいて油断と慢心は厳禁。仕留められる時に確実に無力化しろとパパ黒も言っていた。

 

激痛に悶えて少し屈んだので頭を持ち、カウ・ロイ(飛び膝蹴り)。膝が顔にめり込み、気を失ったコレミツさんは大の字で倒れた。

 

念の為洗濯物を干すのに使っていたロープの余りで拘束する。

 

『出久君!大丈夫かい?!』

 

『ええ、大丈夫です。流石に元傭兵ってだけあって頑丈でしたけどね…賢木さん、一応応急処置してもらってもいいですか?』

 

『ああ、軽くしておく。しっかし、すげぇな、映画でも観ているかの様だったぜ…あっちに乱入するか?』

 

賢木さんが親指で示す方では、恵君達がいた。

 

『いえ、やめときましょう。手を出したら怒りそうですし、カガリ君達が相手なら恵君達で十分に勝てると思いますよ』

 

恵君はカズラちゃん相手に脱兎を召喚。大量に出てきた兎に若干動揺していたが、立て直していた。次々に襲いかかる兎に対して体を紐状にして鞭のように振るい薙ぎ払っていたが、次第に物量に押されてしまい脱兎を傘にして召喚していた大蛇で捕縛。

 

なお、ヘビが苦手だったのか悲鳴をあげて気絶していた。

まぁ不意にデカい蛇が出たら怖いよね。

 

カガリ君は焦凍君に対して炎で攻撃していたが、氷結の個性で冷静にガード。氷結による高速生成で移動し、カガリ君も炎で攻撃していたがカズラちゃんの悲鳴に気を取られていた。

 

その隙を突かれて体を氷結されて拘束完了。

 

戦闘が終わったので、2人の元に向かう。

 

『2人共、大丈夫?』

 

『うん、でも父さんと訓練してなかったら危なかったかな』

 

焦凍君は氷結で冷えた体を炎で温めており、蒸気が昇っていた。

 

『訓練?』

 

『うん。父さんや僕と同じ様な炎を使う個性との戦い方。相手の炎の出し方とかを戦いの中で分析して、相手の炎の癖を把握、無力化しろって。サイドキックの人と一緒に訓練してたんだ』

 

『へぇ〜そんな事してたんだ…今度教えてもらおうかな?』

 

焦凍君と喋っていると恵君が玉犬を連れて戻ってきた。

背中にカズラちゃんを乗せて。

 

『無力化完了だ』

 

『流石だね。脱兎も大分強くなった』

 

『まぁな。最近本体のコイツが張り切っててなぁ…父さんに突っかかっている内に大分強くなったよ。出久とかの真似事をしたいのか、武器とかを使う様になってな』

 

恵君の頭の上で後ろ足で立ってフンスと胸を張るような仕草をしている脱兎(本体)。

 

『武器?兎の手で持てるの?』

 

『いや、持てるんだが落とす事が多い。リーチが長い方が使いやすいんだろうけど…』

 

とうとう芥子ちゃん計画がスタートしそうだ。

 

取り敢えずカガリ君を氷から引っ張り出して、カズラちゃんと一緒に拘束する。何か文句を言っていたが、敗者は勝者の言う事を聞くものだよ。コレミツさんの怪我は円鹿で治してもらった。

 

『そうだねぇ…棒状の物が出来れば良いかな。金属は重たいだろうから木製が良いか』

 

『なんか兎とは思えない動きしてなかったか?』

 

『チルドレンとの訓練でも良く活躍してるよ。試しに攻撃をボクシングのミットで受けさせてもらった時、かなり衝撃が来たからな…っそうだ!あいつらは?!』

 

脱兎を初めて見た賢木さんは驚愕を、皆本さんは攻撃を受けた時の感触を思い出していたが、直ぐにチルドレン達を探し始めた。

 

だが、目の前に澪ちゃんの下半身が有り思わず後ずさりをしていた。

 

『うわぁああああ!!なっ何だ?!』

 

『澪ちゃんの下半身…ですかね?血は出てないんで超能力で上半身と下半身を分けたんでしょうか?』

 

皆本さんが何かに気が付いたようにハッとした。

 

『そうだ!出久君、澪の下半身を持って、上半身から遠ざけてくれないか!?』

 

『分かりました!』

 

どうやって持つか一瞬躊躇ったが、お姫様抱っこ(下半身)で行く事に。小走りで移動していると上半身がドッキング。

 

『へ…?っななな何でお姫様抱っこしてんのよ!!』

 

『皆本さんに言われてね…君の下半身を持って上半身から遠ざけてみてってさ』

 

急にお姫様抱っこをされて驚いた澪ちゃんが暴れるが、問題無し。

 

『ええっ!何で出久がそいつ抱えてんの?』

 

『こっちの戦いが終わって、皆本さんに頼まれたんだよ。何の目的かは分からないけど…』

 

駆け寄ってくる皆本さんと、チルドレンが集まったのはほぼ同時だった。

 

『皆本はん!なんかコイツ急にグッタリして…!』

 

抱えられた澪ちゃん(分身)を見ると、ゲームのバグの様に消えかかっている。

 

『やっぱりか…!君の分身は体を構成する物質を素粒子レベルで三分割しているんだ。奇跡の様なバランスで成り立っている、それが感情の発露等でバランスが崩れると…』

 

すると、獣の様な叫び声が聞こえて来た。

暴走した澪ちゃんの分身の1人がもう1人を取り込んでしまったのか、近くに廃棄されていたショベルカーのバケットから貞子の様に這い出している。

 

『人格の暴走が始まる…!!』

 

『ちょ、冗談じゃ無いわ!分身が自我を持って本体に逆らうなんてっ…!』

 

お姫様抱っこから逃れた澪ちゃんが超能力を行使するが、力負けしている。

 

『バーカ!コッチハ既二3分ノ2ノチカラダゾ!勝テル訳無イダロウ!!』

 

『くっ…うぅ…!!』

 

『別二良イジャナイ、消エテ無クナリタカッタンデショウ?少佐モオマエの事ナンカ大事二思ッテ無イ!女王(クイーン)ノ方ガ大事ナノ。分カッテイルデショウ?タトエアンタガクイーンヲ倒シテモ、彼女ガ持ッテイル物ハ何ヒトツ手二入ラナイ!』

 

『澪!!しっかりするんだ!!』

 

『無理よ…!だってアイツが言っていること合ってる…!』

 

見ていられなかったので突撃しようとしたが、薫ちゃんのサイコキネシスの出力が高まるのを感じたので留まる。

 

サイコキネシスを使い、ショベルカーのブームから纏めてへし折った。澪ちゃんの側に薫ちゃんが立つと、翼が生えた様を幻視した。

 

『グチグチグチグチとケンカの最中に…うるせーんだよ!』

 

そう言うやいなや、テレポートしたかの様な速度で澪ちゃん(3分の2)の方へ向かう。葵ちゃん曰く、短距離なら負けるかもしれないらしい。

 

『サイキックぅ…残像百裂拳!!』

 

澪ちゃん(分身)の目の前で瞬間移動の様な挙動をしながらサイコキネシスによる攻撃を叩き込む。

ダメージが重なった隙を突き澪ちゃんが分身を取り込み一体化する。

 

『やっt…』

 

澪ちゃんが喜んだのも束の間、その場に倒れそうになったので支える。

 

『分身が負ったダメージも戻ったから、キャパオーバーしたのね』

 

『手加減したとはいえ、薫ちゃんの攻撃を急に受けたからね…そりゃあ軽く気を失うか』

 

一段落したので、パンドラ組を一箇所に集める。

まあECMもないので澪ちゃんが起きれば直ぐに逃げられるだろうが。

 

『出久は色んな事に巻き込まれるな…』

 

『そうだねぇ…良い修行にはなるけど、あまりトラブルには巻き込まれたく無いよ』

 

しみじみと話していると、澪ちゃんが起きたようだ。

 

『うぅ…ボコボコにされた…』

 

『なあ、ひとつ聞きたいんだけど。何で京介はあたしの事、女王(クイーン)って呼ぶわけ?』

 

薫ちゃんが発した京介という言葉にピクリと眉が動いた澪ちゃん。超能力を使い、そこら中にいた百足やら芋虫を纏めて瞬間移動させて薫ちゃんの周りに出現させた。

 

『わ゛ーーーー!!』

 

『覚えてなさいクイーン!あとサポーター!絶対ギャフンと言わせてやるんだから!』

 

そのままパンドラ組も纏めて瞬間移動で逃げていった。

紫穂ちゃんが透視して行き先を調べたが、分からないらしい。

 

『サポーターなんて呼ばれてたの?』

 

『良く分からないんだけどね。パンドラの中ではそう呼ばれてるみたい。ありがとね、皆』

 

皆にお礼を言うと、気にするなと言ってくれた。

 

『そういえば皆本さん。あの子達の下着を洗ってあげたらしいわね?』

 

紫穂ちゃんが最後に爆弾を投下すると、薫ちゃんと葵ちゃんが皆本さんに折檻を開始。

 

それを尻目に私にジト目を向けてきた紫穂ちゃん。

 

『…出久は下着を見たの?』

 

『…洗濯物を干す時に目には入ったよ』

 

『は?』

 

目が据わってしまった。

 

『へぇ〜見たんだ…ふ~ん。誘拐されたのに、女の子を口説く余裕があったのね。あの子、出久に抱っこされて赤くなってたし』

 

拗ねながら指先で突いてくる紫穂ちゃん。

そりゃあそうか、同級生が異性の下着を見るような変態的行為をしていたら蔑むか。

 

『口説いて無いんだけど…紫穂ちゃん達と同じ様に接してただけだよ。まぁ今朝鍛錬してた時に上裸を見られたけど』

 

『へぇ?私達にも見せたことないのに会ったばかりの敵の子に見せたんだ…』

 

『プールとかに行けば脱ぐことあるけど、普段皆の前で脱いでたら変態じゃない…』

 

若干ヤンデレっぽい雰囲気を出されたので、慌てて言い訳をしたが今度プールに付き合う事を約束した。

 

…何故私の周りの女の子は押せ押せな子が多いんだ?

 




澪の初登場回をここで終わらせるか、もう1話延ばすか迷ってました。
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