11歳 小学5年生
8月☓日 前回の続き
あれから明ちゃんやヒロキ君、シールド親子と話し合いを重ねて互いの発明品の批評をした。
それを反映させた結果、サイサリスやザガンの動きが滑らかになった。
動きの追従性が良くなったし、燃費等も向上。
前者の武装である肩アーマー兼用のトンファーである
重量は片方5kg位で、合体したら約10kg。
…フィジギフで良かったな。そうじゃなかったら持つだけでヒィヒィ言ってただろう。
早速サイサリス一式を纏った状態で振るう事にした。
サンドバッグ代わりに用意したのは廃棄予定の冷蔵庫。
トンファーを装備した右手によるストレートを軽く打ち込む。ゴシャッ!と音がして、扉は凹み破片が散らばっていた。
ゲキトンファーの感覚で振るったが、やはり勝手が違うな…パパ黒に訓練を手伝ってもらうか。
今度は全力で殴ってみる。
右足で踏み込み、腰や肩の動きを意識しつつ…右ストレート。
冷蔵庫は轟音を立てながら吹っ飛び、壁に激突しめり込んだ。
扉はグシャグシャになって千切れており、冷凍庫等の引き出しも変形して、もはや原型を留めていなかった。破壊力は申し分なかったが、インパクトの瞬間に手元から異音が聞こえたような気がした。
機械を通してチェックをするとやはり歪んでいた。
軽く振るうだけでも十分な威力だけど…アップデートは進めていこう。
壊れた冷蔵庫を回収、もう1台用意してもらった。
激鋼棍モードにして、跳び上がる。
重力と腕力、激鋼棍の重量を掛け合わせて叩き潰す!!
ズガァン!という音がして冷蔵庫がぺしゃんこになった。
装備や条件を整えてやっとオールマイト位の威力か…。
本当にあのNo.1は規格外だな。
次はスラスターの試験。
前傾姿勢になり、スラスターを吹かして上空に飛ぶ。
何度か空中で吹かして暫く浮いてみる。
地上と空中、両方でスラスターでダッシュ。
多少のGは掛かったが、身体に異常は無い。
念の為、研究所の職員の人に試して貰ったのだが…少しキツかったようだ。スラスターの技術はフェンサーにも反映していくつもりだが…リミッターを掛けるかな。
サイサリスからザガンに着替えて、シールドユニットのテストに。
試しに動きを脳内でイメージすると、そのとおりに動き出す。
先端のシザーも動かしたが、問題無し。
今度は廃車を用意して貰った。
シザーでフロント部分を挟み、持ちあげる。
メキメキと音を立てて、ふわりと車が浮いた。
最大荷重は5トン程なので余裕で持ち上がる。
複数人居れば大型のバスとかでもいけそうだ。
災害時の瓦礫の撤去とかに役立ちそうだから、このユニットだけでも消防署に配備してもらおうか。フェンサーにも接続出来る様にしておこう。
続いてスクリューフィストを起動すると外装部分が回転し始める。
車のドアに近づけて触れさせると、ガリガリと轟音を立てて大穴が空いた。
戦闘で使ったらエグい事になりそうだな…ロボット相手なら効果は抜群だろうが、生身の人間なら悲惨な結末になるか。
でも、災害救助では役に立ちそうかな。
シールドユニットを幾つか作って、消防の現場では災害救助、警察では機動隊の人に試してもらおう。思考操作が難しかった時の為に、動作補助のAIを積もうかな。
纏っていたスーツを脱いで、一息つく為に休憩室に行くとテレビでニュースをやっていた…何処かの国の大統領の暗殺未遂。
暗殺ねぇ…待てよ、この時期って事は黒い幽霊のバレットの初登場か?
バベル側の超能力者にも死者が出ていた筈。
私が作ったレンジャー装備は通常の弾丸なら防げるが、超能力で放たれた弾丸は未知数。しかも能力のキーワードが鉛のバレットが撃った物は通常のそれよりも威力は高いだろう。
被害について聞くのは怖いが、皆本さんにでも尋ねてみよう。
そうそう、次の休日は新一君が出場する
11歳 小学5年生
8月△日
新一君が出るサッカーの試合の会場が少し遠かったので、パパ黒に頼んで車を出して貰った。今は高速道路で移動中。
恵君やアクア君も誘われていたので一緒に行く事になり、恵君は助手席、私とアクア君は後部座席に座っている。
『そういえば出久。今日はヒミコと一緒じゃねえんだな』
『うん。女子会をするって言ってたよ』
『この前ルビーとアイが色んな雑誌を広げてたんで…スイーツ巡りとかファッション中心に見るんじゃないですか?』
『…帰ったら着せ替え人形になりそう』
冷房がついた車内で駄弁る
『あんまり交流は無いんだけど…工藤って出久がたまに話す奴だよな』
『そうだよ。将来はホームズみたいな探偵になりたいんだって。サッカーをやってるのは体力をつけたいからって言ってたね』
『最近会ってないが…バリツ?とかいう武術はどうなった?』
パパ黒が問いかけてくる。
『岬越寺師匠の知り合いの…ボクシングの達人に教わりながら、1つの武術として確立する為の土台を作ってます。戦闘スタイルはボクシングを中心に、投げ技や関節技も絡めた総合格闘技の様な物になりそうです』
『まんまシャーロック・ホームズか。探偵小僧がいる米花町は何故か犯罪率が異様に高いからな…最低でも武器持ち相手に無傷で制圧出来るくらいの実力がねえとな』
『…そんなにヤバい所なんですか?今から行くのも米花町ですよね…』
アクア君が驚愕し、思わずパパ黒に聞き返した。
『ああ、ヤバいぞ?知り合いの
『えぇ…よく生きて帰ってこれましたね。…アイが行く事になったら護衛を雇うように社長に言うか?』
『そういえばアイドルだったな、あの嬢ちゃん。後で俺の知り合いのボディガードでも紹介するわ』
ありがとうございますとアクア君がパパ黒に感謝を伝えるのを聞きながら、窓の外を見る。
ザ・チルドレンはバレットと戦ったんだろう。そして、葵ちゃんと紫穂ちゃんの力を薫ちゃんに集約したトリプルブーストで支配から解放させた筈。
彼らの能力も中々厄介だからな…戦闘になったら面倒くさい。
って、戦う訳じゃないし大丈夫か。
『ん?何だ?』
パパ黒が呟いたので意識を向ける。
『黒煙が上がってるな…この先のトンネルで事故ったのか?』
そのまま進んでいると、前方に車が十数台程停まっているのが見えた。片側3車線の道路が車で埋まっている。
その向こうには救急車や消防車が何台も止まっており、消防士の人達が慌ただしく動いていた。パパ黒の方に消防士の人が近づいてきたので運転席の窓を開き、署員の人の話を聞いた。
『何かあったのか?』
『この先のトンネルで玉突き事故が発生しています。現在、バベルと消防で消火活動と救助にあたっているので、車内での待機をお願いします』
トンネルの事故…消防車…あれ?これってティムの初登場か?
嫌な予感が過ったが停車して待機する。
こりゃ試合には行けないかな…ん?
『甚爾さん…』
『ああ、ちょいとヤバそうな奴が居るな…出久、出るぞ。恵は…アクアと一緒に居てくれ。危険が迫ったら個性を使って良い。安全第一だ』
シートベルトを外し、後部座席から身を乗り出してトランクに入った2つのケースを取る。
車外に出てから片方をパパ黒に渡し、もう片方を私が持つ。指紋と声紋認証でロックを外し、入れていた陰鉄と游雲を装備。
そしてケースのスイッチを押す。これはシールド親子の研究成果が施されており、変形して腕全体を覆うガントレットになる。
イメージとしては、映画で出てきたフルガントレットに近い。
銃弾も弾けるし動きを阻害しないので使いやすい。金属で覆われるので武器等が持ちづらいかと思ったが、滑り止めが付いており素手と遜色無い運用が出来る。
『行くぞ』
『はい』
火災による熱気や臭気が漂っているが、問題は無い。
状況を確認する為に、さっきまで乗っていた車の屋根の上に跳び乗り、黒煙が上がっているトンネルの方を見る。
バリケードの様に消防車が停車していたが、トンネルの入り口辺りを見ることが出来たので、さっき感じた敵意の出処を探s…え゛っ?
『アイツ等か。ロングの黒髪の女と…ロボット?』
パパ黒が游雲を一纏めにして肩に担ぎながら呟き、下手人
ウェーブが掛かったロングヘアーに、ドレスの様な服。
両腕には長い爪の様な物があり、胸元にはウロボロスの入れ墨…マジでぇ?
その横には赤く巨大なロボット。
ティムが超能力で作ったゴッド消防ロボ?だったかな。
何かを掴んでいる…人質っぽい。救助優先だな。
『甚爾さん…初撃は女性の相手を任せても良いですか?その横のデカいロボットは僕が相手をします』
『そりゃ構わないが…何故だ?』
『あの女性…以前瀬古戸岳で相手をした奴と同じ入れ墨をしています。多分そいつの仲間です。再生能力の様な物があったので多少強く殴っても平気です』
『分かった。そっちは任せるぞ』
地面に降りて、パパ黒とほぼ同時に駆け出す。
停車している車の間をすり抜け、バリケードになっている消防車や消防署員の静止を振り切って、状況確認しつつ駆け抜ける。
紫穂ちゃんと葵ちゃんがオモチャにされて、ナオミちゃんともう1人の女の子がロボットの右手に掴まれている。
ティムもラストもこっちに気が付いていない。何かバベルとか集まったヒーローを煽ってるみたいだし…油断してる。
左手で鞘を掴み、右手で柄を持ち抜刀。
脚に力を込め、アスファルトを砕きつつティムが操るロボットの右腕の付け根辺りを唐竹割りでぶった斬る。
ヒュプノはイメージが現実に直結するから、実際には腕なんてないし斬った感触も無い。
だが、刀を持ち自分と同年代位の男が鬼気迫る顔で突撃してきたら、耐性が無かったら誰でもビビるだろう?
急な攻撃に備えて無かったティムは何もする事が出来ず呆けて居た。
その隙にナオミちゃんともう1人の金髪の女の子を救出してバベル側の体勢を整える。丁度上から蕾見さんが来た気配がしたので、その場から人質になっていた2人を抱えて飛び去る。
蕾見さんのサイコキネシスによる鉄拳が加わり、凄まじい破砕音を立てながらトンネル方向に吹き飛ぶティムのロボット。
横を見るとパパ黒も同じようにラストを吹き飛ばし、壁に叩きつけていた。わぁ…ドラゴンボールみたいなクレーターが出来てる…。
『助かったわ、出久君!』
『たまたまこの道路を使ってたんで!』
蕾見さんと短く言葉を交わす。ナオミちゃん達を見ると超能力を発動して安全に着地していた。そのまま駆け寄って声を掛ける。
『大丈夫ですか、ナオミさん?』
『い、出久君?!何でここに?!』
『友達が出るサッカーの試合を観る為に、この高速道路を使ってたんですよ。そしたら敵意を感じたので、甚爾さんと一緒に駆け付けたんです』
取り敢えずバベルチームが集まっている方に移動する。
ナオミちゃんはダメージが少し大きかったのか、ふらついていたので人質になっていた女の子を一旦私が預かる事にした。
『怪我は無いですか?』
『脚が痛いかな…助けてくれてありがとね』
脚の怪我か…救急隊員が居るし、預けて治療してもらおう。
『すみません、失礼しますね』
ガントレットを一旦解除して、お姫様抱っこ。
『へ…?!ちょ、ちょっと!』
『首に手を回して下さい。救急隊の方に移動するので、治療してもらいましょう』
振動をなるべく体に加えないように移動する。
移動の最中、女の子からチラチラと視線を感じたが…。
『えっと…そんなに見られると恥ずかしいんですけど…何か顔に付いてます?』
『へっ!?ううん!何も付いて無いけど…』
指摘すると顔を赤くしてかぶりを振った。
まぁ初対面の男にこんな抱き抱え方をされたら恥ずかしいか。
『脚の怪我の様です。お願いします』
救急隊員に預けて、戦闘に戻ろうとした時に呼び止められた。
『ね、ねえ!君の名前は…?』
『出久。緑谷出久です。縁があったらまた会いましょう、お姉さん』
振り向いて答えた後、紫穂ちゃん達の下へ。
『出久?!何でこんな所に…?』
『友達のサッカーの試合を観に行く為に、此処を使ってたんだよ。そしたら嫌な気配がしてね…その格好はどうしたの?』
紫穂ちゃんはレゴブロックの様な姿、葵ちゃんはぬいぐるみの様な姿だった。
『あのロボットに乗ってる奴の能力よ。
『成る程…もう1人女性が居たけどあっちは?』
『それが分からんのよ…あのロボットと一緒に来たと思ったら、長い爪でコンクリとか車を切りまくってん。仲間やのうて、協力者みたいな感じやった』
…少なくとも今の段階では、ホムンクルスと黒い幽霊は協力関係にあると見ておこう。
『ナオミィィィィーーーー!!!無事かぁぁぁぁぁ!!!』
『あぁもう!うるさい!救助者をビビらせんな!』
少し離れた所でナオミちゃん達がわちゃわちゃしてた。
ティムとかの方に意識を向けると、パパ黒が戻っていた。
『面倒くせぇ能力持ってんな、あの女』
『葵ちゃんの話だと長い爪で車とか切ってきたって言ってました。あっちのロボットは催眠能力の幻ですね』
『だろうな…出久、あの女はお前に任せて良いか?ロボットは俺が相手をしてやる』
パパ黒が相手を交換する事を提案してきた。
『どうしてですか?』
『装備の問題だな。ロボットに対しては俺の游雲でボコボコにした方が催眠能力もある程度は薄れるだろ。多分だが能力のキーワードはオモチャだ。オモチャならではの理不尽攻撃を繰り出してくるだろうから、捉えられない程の速度と力で初見殺しを仕掛けるしかねぇ』
『成る程…あっちの女性は爪での斬撃だから、陰鉄で受け止めて体力を削る方向の方が良いって事ですね』
『ああ、ほぼ無限の再生能力が有るにしろ、体力には限りがある筈だ。陰鉄の能力で何も出来ない様にすれば良い』
薫ちゃんはバベルの方から全速力でこちらに向かってる筈。
チルドレンが揃えば
谷崎さんに時間を稼ぐ旨を伝えて前に出る。
説教は後で聞こう。
体勢を立て直したティムとラストがこちらに向かってきた。
『随分と手荒な歓迎ね。レディの扱いを知らないのかしら?』
『すみません、エスコートは苦手なので。お詫びと言ってはなんですが、タルタロスまでお送りしますよ、お姉さん』
爪を展開して余裕そうな笑みを浮かべるラスト。
両手を広げて、所謂NARUTO走りで突撃してきた。
陰鉄を抜刀し、正眼に構える。
振るわれる両爪を受け止め、いなす。
斬れ味が鋭いのは知っているが…アスファルトに引っかかること無く斬り抜けるので、舞踊を見ている様だった。
普通、爪と刀がぶつかれば爪が切れるのが当たり前なんだが…実際は火花が散っている。
『良い刀ね。私の爪と切り結べる業物はそうそう無いわよ』
…パパ黒や時雨さんの
目に見えない程の速度の斬撃が縦横無尽に襲いかかってくるし、フェイントが自然に入ってくるからマジで毎回ボッコボコにされるんだよな。
暫く打ち合っていると、何となくラストが苛ついてきたのが分かった。あのアルフォンス・エルリックの鎧すらも斬り裂く爪だから、今まで敵対した者のあらゆる武器を斬ってきたんだろう。
痺れを切らしたのか全速力でこちらに向かってきた。
両爪の間合いに入る時に、大きく踏み込む。目を見開いていたが…容赦はしない。
そのまま全身を陰鉄で斬り刻むと、ラストの顔が驚愕に染まった。
禪院家から陰鉄を託された後、詳細を梁山泊の師匠達と調べてみた。真剣なら致命傷になり得る様な斬撃だと、気を失う様な脱力感を産み暫く動けないのは分かっていた。
それで思い出した事がある。落第騎士の
それに基づくならば
人間なら肉体の疲労として魂のダメージは襲うのだろうが、ホムンクルスは賢者の石を基に生み出された者。言い換えれば人間の魂を軸に造られているので、クリティカルだろう。
『
致命的な隙を晒したラストの肉体に、刀を媒介にした筋伸縮の衝撃波を叩き込む。一種の浸透勁だ。
正直、威力は本物には程遠いだろう。もう少し使いこなせればフィジギフを存分に活かした一撃を叩き込めるんだろうが…。
以前、プロヒーロー相手に組手をした時に
それを受けたラストは、ガハッと肺の中の空気が強制的に吐き出され、バチバチと紅いスパークを迸らせながらも、両脚で立っている。
…子鹿の様に震えてはいるが。
『くっ…エンヴィーが言ってた通りの子ね』
『エンヴィー…もしかしてバンダナをつけた長髪の男性?ですか?』
知識で知ってはいるが、聞いてみる。
『ええ、そうよ。帰ってきてから五月蝿いんだもの、小生意気なクソガキにやられたって。今回は私が駆り出されちゃったの。面倒だわ…』
『面倒なら断ればいいじゃないですか。こちらとしても貴方方のその厄介な再生能力に辟易してるんですよ…全力で殴っても手応えないし』
『そうもいかないのよねぇ。お父様にあの子供と連携を取ってひと暴れして来なさいって言われちゃったから…でも
悲報、ラストからナンパされる。
何も知らなければ男冥利に尽きるような誘いだが、お生憎様。
『丁重にお断りします。人々を傷付けるような女性は好みじゃ無いので』
『あら残念…でも私の好みの男だし、気分が良いから質問があれば受け付けるわよ?』
『へぇ…なら1つ。さっき連携を取ってひと暴れして来いと命令されたと言ってましたけど、あっちで暴れてるロボットの子供の組織とあなた達は繋がってるんですか?』
『そうね。とは言っても繋がりが出来たのはここ数年よ。お父様が彼ら…黒い幽霊に興味を持ったの。コンタクトを取る手間は掛かったけど、互いにWin-Winの関係を持てたわ』
『碌でも無いWin-Winなのは分かりました。はぁ…全く、厄介者同士で勝手に戦って戦力を削り合った所で漁夫の利を狙って一網打尽にしてやろうと思ってたのに…』
はい、ホムンクルス陣営と黒い幽霊の同盟?が確定しました。
これは他の組織関係も同盟を組んでいると思った方が良いな。
溜息をついて愚痴を零していると、ラストの顔が引き攣っていた。
『い、意外と過激な事を言うのね、坊や…?』
『あ、来た』
空中から薫ちゃんが自衛隊の飛行機に乗ってやって来た。
『…流石に旗色が悪いわね。此処に居たら捕まっちゃいそうだし、逃げさせて貰うわ』
ラストが話終わる前に飛び出して居合の要領で胴体を切り裂く
テレポートの感覚があり、目の前でラストが消えた。
速度を落として止まった後、気配を探ると街灯の上にラストと仮面を付けた人物が居た…え?アレって
『ごめんなさいね、あなたとのダンスは楽しかったけど今日は此処まで。そのお礼に、私と君が戦ったバンダナ男の名前を教えてあげる』
そう言うと色欲の名前通り、妖艶な笑みを口元に浮かべながら言葉を紡ぎだした。
『私はラスト。バンダナ男はエンヴィーよ。これからよろしくね、坊や』
言い終えると彼女達はテレポートで消えた。
目視で確認出来る範囲にも居なくなった。
ファントム・ドーターは知ってたけど…面倒だな。彼女が迎えに来た事で、2つの陣営は手を組んでいるのが確定。
何か最終的にはどちらかが裏切りそうな予感はするな…面倒だ。
ネガティブになった思考を切り替えて、パパ黒の方に視線を向けると…。
『うわぁ…』
ドン引きする様な光景が広がっていた。
ティムが操っていた消防車がボッコボコに凹みまくっていた。サイドミラーは千切れてるし、ガラスもヒビが入っていたり割れていたり。
廃車は確定だろうし…どうにかして貰う事は出来ないかな?ちょっとやりたい事あるし。
少し離れた場所で、パパ黒が外に出てきた恵君とアクア君に話をしていた。円鹿が出ていたので、許可をもらって治療を始めたのかな?
その奥では、ストレッチャーに乗せられたティムが拘束されて、救急車に入って行くのが見えた。
無事?洗脳から解放
薫ちゃんと一緒に来たであろう皆本さんが顔を引き攣らせていたので話を聞いてみる。
『皆本さん、何があったんですか?』
『出久君か…事情はナオミちゃん達から聞いたよ、災難だったね。あの惨状なんだけど…』
皆本さんが紫穂ちゃんに聞いた話だと、薫ちゃん達が来た時には既にパパ黒とティムの戦闘?が始まっていたと。
何で疑問形なのかというと、パパ黒はティムを手玉に取り戦闘の主導権をずっと握っていたらしい。
ミサイルが飛んで来ても最小限の動きでかわして、パパ黒以外に攻撃しようとすれば游雲で引っ掛けて転ばせる。ゲームで言う所のヘイトを常に買う避けタンクの様に立ち回っていたと。
薫ちゃんが来て洗脳から解放出来る手立てが揃った事を皆本さんが伝えると、パパ黒の姿が消えたそうだ。その場に居たほぼ全員が何処に行ったか分からず目線を動かしていると、突然予備動作も無くロボットが吹き飛んだ。
吹き飛んだロボットの胴体を見ると凹んでおり、轟音の発生源を見ると游雲を振り抜いているパパ黒が居た。
ティムが何が起きたか分からずに喚いた後、パパ黒が何時の間にか持っていた拡声器を使って『早く出てこねえとこれが何回も続くぞ〜。さっさと降参しろ、俺はさっきお前のロボットの右腕を斬った
パパ黒のパワーにビビったのも有るだろうが、それでも洗脳が勝ったのだろう。悪態をつきながらヒュプノの出力を上げてロボットをスマートにしてスピードで撹乱しようとした。
だが無駄な足掻きだった。
ロボットの背後にテレポートの如き速度で回り込み、膝裏をフルスイング。凶悪な膝カックンになり宙に浮いた後仰向けにぶっ倒れた。
その時点で戦意は失いかけていたようだったが、ヒュプノで強化されたロボットの防御を信じており薫ちゃんのサイコキネシスでも開ける事が出来なかった。埒が明かないと思ったパパ黒がロボットの胸の辺りに跳び乗った。
その手には近くに転がっていたレスキューブレイカーのアックスモード。
『お前の能力はヒュプノ。催眠の能力を使ってこういった幻覚を見せてるんだろうが…出久曰くデカいロボットのコックピットは胴体部分にあるのがお約束だとよ』
『お、おい…お前まさか…!?』
『そのまさかだ。出てこないんなら…こじ開ける!!』
レスキューブレイカーを振り下ろし、その刃がロボットの胸部辺りに食い込んだ。
何度か打ち付けてコの字型の切れ込みを入れ、そこに游雲を突っ込んでテコの原理で持ちあげる。
缶詰めの様に屋根を剥がし、とてもイイ笑顔でご挨拶。
『よう、坊主』
『ひぃっ!!』
中に手を入れてティムの首根っこを掴み、引っ張り出した。
ジタバタと暴れて超能力で抵抗はしていたが、そうこうしていると借りてきた猫の様に大人しくなった。
後はチルドレンが強制解放で洗脳から救ったらしい。
パパ黒がトラウマにならないか心配だが…大丈夫かな。もしかしたら本能レベルで覚えているかもしれないけど…バベルに任せよう。
『流石甚爾さんと言うべきかな…しかし大胆な犯行をするんですね、黒い幽霊は』
『…え゛っ?ど、何処でそれを?』
パパ黒の
『さっき戦った女性…ラストって言うらしいですけど、その人が言ってました。私が何年か前に遭遇した敵と同じ組織に居て、その組織と黒い幽霊が手を組んだらしいです。黒い幽霊のエスパー?が来て逃げられましたけどね』
『…1番面倒なパターンじゃないか。互いに戦って共倒れしてくれれば1番良いのにねぇ…。そのエスパーの外見は分かるかい?』
『見た感じだと、僕と同年代の女の子っぽかったです。顔の大部分を覆う様な仮面を付けてたんで人相は分からなかったですね』
皆本さんに情報共有をしていると、紫穂ちゃんがこっちに来た。
『紫穂ちゃん、怪我は無い?』
『ええ、ヒュプノでの攻撃を貰ったけど、彼が気を失ったら治ったの。一応恵君の式神で治療して貰ったけどね…出久は大丈夫なの?あの切り裂き女を相手してたんでしょう?』
…超能力の攻撃を防げるような対エスパー用の防具でも作ったほうが良さそうかな?今着てる制服の下に着込むか、外付け出来るやつ。
『大丈夫だよ、僕が子供だから油断してたみたい。でも逃げられたんだよねぇ…黒い幽霊のエスパーが迎えに来たから。彼女達の相手をするのは面倒かもね』
『…彼女?そいつ等2人共女だったの?』
『うん、そうだったよ。最後に迎えに来たエスパーの実力は分かんないけど…最低でもレベル5はあると思ってたほうが良いね。テレポートしか使ってなかったけど、複合能力者の可能性も捨てきれないし。あと、切り裂き女…ラストは再生能力が凄いから攻撃を当て続けて再生出来ないようにするのがベストだと思うよ』
つらつらと情報を伝えて紫穂ちゃんを見ると、顎に手を当てて思考をまとめていた。
『何もされてないのよね?勧誘とか』
『あぁ…私の物にならないって言われたけど』
『は?断ったんでしょうね?』
『勿論。人々に迷惑掛ける様な奴は好みじゃないって断ったよ』
瞳からハイライトが消えて、若干病んでる雰囲気を醸し出し始めた。何か小声でブツブツと言っていたが…
『再生能力があるなら
…私は何も聞かなかった。
物騒な独り言が終わった後、顔を上げると元の紫穂ちゃんに戻っていた。
『何を物騒な独り言を呟いてるんだ、紫穂。出久が面食らっているじゃないか』
『あはは…紫穂ちゃんはそこが魅力ですから。そうだ、皆本さん。被害はどんな感じですか?』
『亡くなった人は今の所は確認されてないね。火傷とかの怪我を負った人は恵君の式神で治療はしてもらったから、これから病院に行って貰うよ。あとアクア君だっけか、あの子は凄いね』
アクア君がどうかしたのだろうか。
『応急手当が的確で、救急隊員の人が褒めていたよ。将来は医者になるのかな?』
アクア君に意外な特技があったようだ。
あ。新一君にサッカーの試合を観に行けなくなった事を伝えなきゃ。
11歳 小学5年生
10月◯日
ヒロアカの物語が開始するまで約3年。
恐らくコナンやハガレンもほぼ同じ様なタイミングで始まるだろう。この辺りから様々な出来事が起こってくる。
まずコナンでは松田刑事の爆弾解体中の殉職が大きな転換点だろう。後はハイウェイの堕天使でのゲストキャラクターである浅葱さんが関わった追跡中のバイク事故だが、萩原さんが生存したので発生はしていないっぽい。
また機会があれば千速さんに聞いてみよう。
他にも色々あったかもしれないが…細かい部分は覚えて無いな。
レディ・ナガンの事もなるべくなら救いたいが、公安関係だから降谷さんや風見さんと繋がりが持てれば救えるかも…でも、ヒーローと警察は畑違いかな。
そういえば、夏の間日本に滞在していたシールド一家の護衛だけど、何処かで見たことある様な…そうだ。
映画の序盤で、若き日のオールマイトが活躍していた場面、カジノからお金を強盗していた敵の2人組と交戦していたヒーローか。
電撃を放つ男性のヒーローと牛の様に変身していた女性のヒーロー。
名前って出てたかな?
それにプラスアルファでバベルから護衛が付いていた。
ザ・チルドレンだ。
まぁそこは妥当だろう。
世界的な有名人に対して、最高の人材を用意するのは当たり前。
薫ちゃんは物怖じしない性格だからか、メリッサちゃんと直ぐに仲良くなっていた。
今ではリモート女子会(セキュリティレベルMAX)をやる仲らしい。
デビットさんは皆本さんと意気投合していた。
元々皆本さんも技術畑の人だからなぁ。
その後、リミッターの事で私やヒロキ君、明ちゃんも含めて協議を重ねて性能が従来の物より約10%程アップした。
シールド一家との連絡は取り続けており、アイテム開発の話やプライベートの話を良くしている。
勿論、セキュリティレベルは最高にしてある。
ヒロキ君お手製の物で、ハッキング等で侵入した場合、直ぐ様逆探知と情報の偽造が出来る優れ物だ。
11歳 小学5年生
12月◯日
随分と空が高くなった日。
梁山泊での修行も進み、流水制空圏の習得に入り始めた。
内弟子では無いので時間は掛かったが、それでも早い方だと長老は言っていた。
自分自身の間合いを把握。
その領域に侵入して来た攻撃を流し、反撃する。
死角からの不意打ち等を防ぐ事が出来るので、武術を習得する上では必須の技術が制空圏。
静の極みの技の1つとして挙げられるのが流水制空圏。
体の表面の薄皮1枚分に強く濃く気を張り、相手の動きを流れで読み取り攻撃を予測、最小限の動きで回避する。素早い速度の攻撃も避ける事が出来る。
フィジギフや器用チートがあるとはいえ、鍛錬は欠かせない。
宝の持ち腐れになる事が無いようにしなければ。
自分自身の体に、魂に、武術を刷り込んでいく。
そういえば、長老に言われたのだが私は静のタイプの武術家らしい。
しかし、何処か動のタイプの気配の様な物を感じると。
心を落ち着かせて闘争心を抑え込み、計算ずくで戦う静のタイプ。
感情を爆発させて、肉体と精神のリミッターを外して戦う動のタイプ。
これまでの鍛錬や戦いでは心を落ち着かせながら戦ってきたつもりだ。その積み重ねがあったので、てっきり静のタイプかと思っていたんだが。
動のタイプの気配か…原作の緑谷出久はどちらかと言えばそっちのタイプだったな。肉体と精神のリミッターを外してガンガン攻める。腕や脚がへし折れようとも、両腕を欠損しようと助けを求める人が居るならば敵であろうとも救いたい。
そんな彼と混ざっている訳だから、動の気配も感じるんだろうか?
両方の気の性質があるなら、切り替えつつ戦えるのだろうか…。
そうそう、先日連絡先を交換していた研二さんに千速さんの事を聞いたのだが、まぁまぁな頻度で白バイを壊しているが事故は起きてないみたいだった。ただ…同僚の浅葱さんは別の事故で怪我をした様だ。
ただ、怪我は原作程ではないのか、リハビリすればまた乗れるらしい。
一応岬越寺師匠に相談してみようかな。
今は東都大学附属病院に通院しているらしいが…何か聞いた事あるな。何だったか…?
あ、風戸京介だ。瞳の中の暗殺者の犯人。外科医として天才的な才能を発揮していたが、同僚から意図的に怪我をさせられてしまいその同僚を殺害。連続殺人に手を染めていく…。
彼程の腕前があれば数多の人々を治療する事が出来ただろうに。
岬越寺師匠に相談をして、日程を合わせてお見舞いも兼ねて同行してもらう。鈴木財閥に用意してもらったタクシーで向かう道すがら、師匠に声を掛けられた。
『しかし、出久君の知り合いに警察官が居るとはねぇ…どういう縁だい?』
『僕が作ったEDFシリーズを警察で採用してくれた際に、試運転なんかを兼ねて警察学校に行った事があったんですよ。その時に知り合ったんです。今は米花町の警察官として実際に働いているんです』
『成る程ねぇ…米花町は何故かは分からないが事件や事故率が妙に高いからね。あの町の警察官は優秀だから』
『岬越寺師匠が来てくれるとは…話を持って来た僕が言うのもなんですが、同行して頂けるとは思ってませんでした』
『私の知り合いが確かこの病院に勤めているんだ。良い腕を持った外科医でね…一度合同手術を行った事があって、それ以来の仲さ。…そういえばその時にいた医者が彼の腕を切りつけようとしたんで止めたっけか』
『師匠が言うほどの腕前ですか…その切りつけようとした医者はどうなったんですか?』
『手術後に問い質したり色々調べたら、医療ミスの隠蔽だの余罪がゴロゴロ出てきてね。お縄についたよ』
外科医…手術中に切りつけられかけた…やっぱり風戸京介か?
『その方の名前は?』
『風戸京介。医療関係の現場じゃ黄金の左手と呼ばれているよ』
わお、ビンゴ。
瞳の中の暗殺者フラグはへし折れた?
そうこうしていると、病院に到着。車から降りると声を掛けられた。
『やぁ少年。こうして顔を合わせるのは久しぶりだな』
『お久しぶりです、千速さん』
ロングヘアを靡かせながら千速さんがやって来た。
『所でその人は?』
『僕の武術の師匠です』
『初めまして。岬越寺秋雨と申します』
『神奈川県警交通機動隊所属の萩原千速だ。少年の付き添いか何かか?』
疑問を師匠にぶつける千速さん。
『この病院の医者は知り合いでね。出久君の保護者として来る序に挨拶でもと思ったのさ』
納得したようで、そのまま病院の受付に行き面会の許可を貰う。
岬越寺師匠は風戸さんと会うようだ。
『少年から事故を起こしてないかと聞かれた時は驚いたが…心配をしてくれたのか?』
心配も勿論するけども。
『そりゃ、心配しますよ。たまに研二さんから『姉ちゃんがまたバイクぶつけた〜』って連絡来ますし』
『…研二と連絡取ってるのか?!』
『えぇ、研二さんだけじゃなくて、警察学校の同期の方全員の連絡先を知ってますよ』
『アイツ…』
怒りマークを浮かべながら拳を握る千速さん。
そうこうしていると、病室の前に着いた。
『浅葱先輩、萩原です。失礼します』
ノックの後、病室に入ると病衣を纏っている浅葱さんの姿が。
『…あぁ千速か。すまんな何時も…そちらの子は?』
『初めまして、緑谷出久と申します』
『私の弟の命の恩人ですね』
頭上にハテナマークを浮かべる浅葱さん。
『この子が?』
『ええ。最近警察に導入されたEDFシリーズがあるでしょう?その開発者です』
『…は?』
開いた口が塞がらない浅葱さん。
そりゃそうか、同僚が子供を連れてきて弟の命の恩人だの警察に導入されたスーツの開発者だの言われたら、混乱もするか。
『…嘘を言っている訳ではなさそうだな。だが、何故ここに?』
『さっき千速さんにも伝えたんですけど、弟の研二さんから千速さんがバイクをぶつけたって良く聞くので…大丈夫かなと思って連絡を取ったんです。そしたら千速さんの同僚の方が怪我をしたと聞きまして…勝手ながらお見舞いに来ました』
『弟に心配させてどうする、千速…全く。ありがとうな、坊や』
千速さんにため息をついたあと、私に微笑み掛けてくれた浅葱さん。
『先輩、怪我の具合は…』
『ああ、その事なんだが…』
浅葱さんが話を始めようとした所で丁度ノックが扉から聞こえた。一旦話を中断してどうぞと言うと、岬越寺師匠が入ってきた。
『少年の師匠か。知り合いには会えたのかい?』
『師匠?』
『ええ、会えましたよ。丁度回診の時間だったので着いてきました』
入ってきた医者は…若干若いが風戸京介。
『おはようございます、浅葱さん。体調は如何ですか?』
『かなり良いですね。少し休めば復帰出来そうです』
『それは良かった。所で貴方方は…?』
風戸さんから疑問が飛んできたので千速さんと一緒にする。
『先生、浅葱先輩は仕事に復帰出来るんですか?』
『ええ、大丈夫ですよ。もう少し入院して、リハビリをすれば復帰出来ます』
何でも無いようにサラッと言ったが、凄まじい腕だ。
杖を突かなければ歩行が困難になるくらいの怪我だった筈なのに、リハビリでまた白バイに乗れるほどになるとは。
『衰えてないようで安心したよ、風戸君』
『あはは…岬越寺さんに追いつける気はしないんですけどね』
『岬越寺さんは…医者なのか?さっき出久君の師匠とも言っていたが…』
当然の疑問をぶつける浅葱さん。
『そうですね…接骨院を営んでいます。医師免許も持っているので外科の手術も出来ますよ。柔術家でもあります、出久君の師匠です』
『柔術…古武道の一種でしたか。なら出久君は柔術家なのか?』
『いえ…柔術と空手、中国拳法にムエタイ、武器術も習ってますね』
本当はそこに長老の武術も入ってくるし、パパ黒やエンデヴァー達から盗んでいる喧嘩殺法にヒーロー式捕縛&格闘術も含まれるが…割愛しても良いだろう。
病室内の空気が一瞬止まった。
よく見ると私と岬越寺師匠以外の顔が驚愕に染まっていた。
『…え?本当なのか、少年?』
『えぇ、そうですよ。とは言ってもヒーローになる為とかじゃなくて…体質を活かしているだけなんですけどね』
『体質?』
『確か…フィジカルギフテッドでしたか、岬越寺さん』
『そうですね。個性因子を一切持たない代わりに身体能力が優れている。この子は私の知人からの紹介で知り合って、私達が教えた事をスポンジの様に吸収していく物ですから…ついつい興が乗りましてね』
はっはっはっと笑う岬越寺師匠。
鍛錬の内容を聞かれたが誤魔化した。
まぁ端から見れば拷問じみた…ゲフンゲフン。
地獄みたいな内容だからね。
風戸さんは仕事に戻って行った。
『そうだ。少年、君はバイクとかは作らないのかい?』
『バイクですか…アイデアは思い浮かんでいるんですけどね。作ったとしても試運転はまだ出来ないんで』
『例えばどんなのだ?』
特撮シリーズのバイクは色々あるし作ろうと思っているものは…。
『候補としては…簡易的なAIを積んで人型ロボットに変形が出来るオフロードバイクに、同じ系統のサイドカー付きのバイク。後は…出来るかどうかは微妙ですけど同じ様に変形するタイプで馬とバイクになれる物を僕用で作ろうかなと』
『変形か…強度が心配になるが、AIを積んでサポートしてくれるのは良いな』
まぁ、仮面ライダー
『ふむ…なぁ少年。それを作る時は協力させてもらえないか?』
『え?それは有難いですけど…良いんですか?』
『何、構わないだろう。既に
言っていることは正しいとは思うが…発想がぶっ飛んでいるな。
『相変わらず突飛な事を思いつくな、千速。だが面白そうだ。坊や、試作品とかが出来たら是非教えてくれ』
『はぁ…一応許可を出して貰えるように相談はしますけど…浅葱さんもですか?』
正直意外だった。千速さんを嗜める方だと思っていたが。
『バイク乗りとしては興味があるからな。それに千速が暴走しないかという心配もあるが』
『あはは…交通課きっての白バイ乗りのお二人に試験をしてもらえるなら充分ですね』
思わぬ所で縁が出来た。風戸さんは言わずもがな、浅葱さんは千速さんと同じ位のバイク乗り。
趣味で作ろうとしていたバイクとは別に、機動隊に卸すバイクでも作ろうかな。オートバジンとかのAIが上手く機能すればそっちに移しても良いし。
そうそう、警察に卸したフェンサーだけど正式なカラーリングはパトレイバーのイングラムの様なカラーになった。
両肩に同じ様にパトランプを着けてサイレンも鳴らせる様にしておいて、着用者は光や音の影響を受けないようにしてある。
後は武装だけど…近接武器はでっかい盾と警棒、ネットランチャーとか刺又とかが良いか。遠距離は何時ものゴム弾と、テーザー銃みたいなのを作るか時雨さんに相談してみよう。
11歳 小学6年生
4月◯日
時雨さんと警察仕様のフェンサーの武装について相談していたら、何時の間にか師匠方が全員集合していた。
割と良さげな意見が出たので幾つかは採用し、その他の物は私が個人的に作って使用するか。正式採用されたら使用料とかの何割かは師匠方に渡そう。
しかし私も今年で12歳か…確か鋼の錬金術師ことエドワード・エルリックと弟のアルフォンス・エルリックは12歳で国家錬金術師の資格を取ってたな。今は
…そういえば何でエンヴィーやラストはこっちに居たんだ?
書き方が悪いが彼らの目標にはこんな東の島国なんかどうでも良いはずだ。
アメストリス国民約5000万人を賢者の石に変えて、それによって神の如き力を手に入れるという野望がある。
お父様は国外に手を伸ばす様な寄り道をするタイプでも無さそうだが…独断?あのエンヴィーが…そういう事をするのはグリードの方の筈だ。
…可能性としては
黒の組織はAPTX4869を開発して不老不死の研究をする様な所だし…黒い幽霊は賢者の石と超能力の互換性が分からないから何とも言えないが、外付けのブースターの様な物になったら厄介だな。低レベルでも高レベルクラスの力を発揮出来るとなったらそれだけでヤバい。
ブラコン魔王は言わずもがな、個性研究のドクターも居るし本人も数多の個性によるシナジーを発揮するかも。
…災害時における避難先で展開出来るような仮説住宅とか設備を開発するか。
日本中どころか世界中でヒロアカ最終章みたいな災害が発生したら、人的被害と物的被害が凄まじい事になって復興にどれだけかかるか…。
文章の推敲してたら止まらなくなるな。
誤字脱字は物書きの永遠の敵だわ。