緑谷出久の物作り   作:メタス

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やってしまった。
やり過ぎたと思ったんですが、最初から思いついていたものでした。


産まれる前の魂×天寿を全うした魂=?

4歳

11月◯日

 

前回の日記の続き。

パパ黒の手を目掛けてパンチをしたらとんでもない事になった。

 

あの後お母さんと一緒に個性診断で病院に。

 

診断結果は無個性(原作通り)だったが、()()()()()()()()()()()()

帰宅後それをパパ黒に話したら、簡単な体力テストを作ってくれた。それをパパ黒一家監視の元、公園でしてみたら同年代の子供の記録を大幅に抜かしていた。

テスト後パパ黒が言うには『俺と同じ完成されたフィジカルギフテッドだな』とのこと。

 

その後自宅(緑谷家)にパパ黒一家と一緒に戻り、手洗いうがいをしてから椅子に座り考えを巡らせる。

 

緑谷出久は無個性だったし、原作でも力が強いというわけでも無い平々凡々な少年だったはず。

今の緑谷出久()と原作の緑谷出久の違いを考えてみると、とある仮説が浮かんできた。

 

恐らく、魂が融合した事が原因でフィジカルギフテッドが発現したのでは?

 

元の緑谷出久の魂の情報には個性因子が多少なりとも含まれており、それが眠り続けることで無個性の少年になったのだろう。

だが、誕生前に私というイレギュラーな魂と融合した。すなわち個性因子を一欠片も持ってない魂だ。

 

さらに言えば、ヒロアカの世界を観測していた世界の(僕のヒーローアカデミアを読んでいた)人間だった。憶測の域を出ないが私の魂の情報が緑谷出久の魂よりも高位に立っていた(ヒロアカを知っていた)ため優先されたのだと思われる。

 

さらに原作(ヒロアカ)なら普通の無個性の人間として産まれてくるはずが、様々な世界が融合してしまった。

その中の原作(呪術廻戦)に沿ったルールが定められた。

それに沿って産まれてきたのが、イレギュラーなフィジカルギフテッド持ちの私だろう。

 

そんな事を考えていると、お母さんが複雑な顔をしていた。

事情(フィジカルギフテッド)を知っている者なら無個性とは思われないが、知らない者は無個性として扱うだろう。

これから先の人生で苦労してしまう事はほぼ確定してしまったからだ。

 

私はお母さんに『だいじょうぶだよ。おかあさんがいてくれるし、ぼくはヒーローをたすけるヒーローになりたいんだ』

 

お母さんの涙腺に触れたのか、涙を流してたけどこちらに近づいてきた。

『お母さんも頑張るから、一緒に頑張ろうね!』と抱きしめてくれた。

 

一頻り抱き締められた後、パパ黒に向き合う。

正直想定外だったが棚ぼたで天与呪縛が貰えたのはありがたい。

 

『とうじおじさん、からだのうごかしかたをおしえてください』

 

そう言ったら、パパ黒はきょとんとしていた。

 

『何で俺が教えるんだ?』

 

『ぼくのちからってとうじおじさんがよくしってるんでしょう?だったら、ちからのつかいかたをおしえて?』

 

そう言うと頭を掻きながら数秒か唸り、目を真っ直ぐ見てきた。

 

『出久。お前に覚悟はあるか?』

 

『かくご?』

 

『ちょっと難しい話になるぞ。俺がやってんのは人を護る為に他の人を傷つけている事だ。ヒーローもこういう事をやってるが一部の奴らは否定的な意見が多い。それに未だに異形型…あー、ギャングオルカみてえな奴らを差別するような古臭い村や、それこそ俺の実家みてえな如何ともしがたいような奴らもいる。力を持ってる者は責任が伴う。それを背負う覚悟はあるか?』

 

原作(呪術廻戦)でプロのヒモをやっていたとは思えない発言でびっくりしたが、覚悟は決まっている。お母さんは私が話の大部分が分からないと思って翻訳してくれている。

 

『出久、分かった?』

 

『うん。とうじおじさん、ぼくのかくごはかわらないよ。ぼくはヒーローにはならないけど、とうじおじさんとおなじくらいつよくなりたい』

 

私の言葉を受けて、目を瞑りしばらく考える素振りをする。

 

『分かった。男にそう言われたら俺も本気にならなきゃな。俺達が持ってる力(フィジカルギフテッド)の使い方を教えてやるよ』

 

『ありがとう、とうじおじさん』

 

『あと、俺の特訓はキツイからな。子供とはいえ俺と同じ(フィジギフ持ち)だ、加減はしねえぞ』

 

『うん!』

 

話し合いが終わり、今日は解散することに。

ご飯を食べて歯を磨き、布団に入った後少し考えてみる。

 

パパ黒を殴った時に何であそこまでの威力が出て、尚且つ拳を痛めなかったのか?

あの時に参考にしたのは『はじめの一歩』で出てきたボクシングの殴り方。初めて一歩がサンドバッグを殴った時でもパンチの衝撃で拳から出血していた。

普通なら3歳児とは言ってもフィジギフの全力で殴ったら骨がバキバキになるか、最低でも肉が裂けると思ったが実際は違った。

 

恐らく神様からもらったチートである『とんでもなく器用になる』という物が関連したのだろう。

道具を作る時の手先にのみ発揮されるのかと思ったが、体全体に効果が表れるようだ。

その状態でイメージした動き(今回ならボクシングのストレート)をそのまま真似る事が出来て、尚且つ力加減も怪我をしない程度の全力を出せたのだと思う。

 

器用さって力加減にも適応するのか…?と一瞬疑問が浮かんだが、使えるものは使わせてもらおう。

 

色々なマンガの技を再現したいが、とにかく体を作らないと。

同じ様に色々な道具も作りたいけど一般家庭で作る事が出来るのは水球位な物だ(それでも凄いけど)。

道具を作れる様な環境が欲しいけど、ないものねだりしても仕方ない。

 

…本来なら器用さを活かして後方支援を行う予定だったんだが、フィジギフの身体能力が加わった事である意味矛盾した存在になってしまったな。

 

抜群の身体能力(フィジカルギフテッド)×凄まじい器用さ(お詫びの神様のチート)世界のバグ(緑谷出久)と言った所だろうか。自分で思っておいてなんだが、バグは凹むな…だがそれ位しか的確な表現が思いつかないんだよなぁ。

 

4歳

12月◯日

 

やばい。

パパ黒容赦ない。

簡単なランニングから始まり筋トレや柔軟を行い、実戦形式で戦う様なメニューを組んでくれたんだけど…

 

いくらフィジギフのおかげで並の子供より体が頑丈とはいえ、キツイものはキツイ。

 

特に実戦形式。

ハンデとして、パパ黒からの攻撃は無し。基本的にガードするか甘い攻撃は掴まれて、用意されていたマットに投げられるか、軽く小突かれる。

軽々と投げられて受け身をとってまた投げられて…これを何度も繰り返す。小突くにしてもある程度の加減はしてくれるが痛いものは痛い。

 

あまりにもポンポン投げられるので、受け身の上達速度が凄い。

前世の記憶から引っ張り出した攻撃を繰り出すんだけど、簡単に受け止められる。

 

そういえば、恵君の個性も発現したらしい。

原作(呪術廻戦)と同じ十種影法術のようだ。

 

仕様は若干違い、仮に式神が消滅してもその瞬間から丁度10日経てば復活する。

魔虚羅も有るらしいが、禪院の歴史上で調伏した者は存在しないとの事。

 

今の所、玉犬の黒と白を召喚が出来て影の中にも潜めるらしい。

で、道具や人も入れる事が出来るが、入れた分の重さが自身に掛かると。そこは他の人が抱えれば大丈夫だろう。

 

恵君も個性が発現した後一緒に扱かれている。

基本的にはメインで私が攻めつつ、その隙を埋めるように玉犬と一緒に攻めている。

完全な死角から攻撃してるのに何で反応出来るんだよ…

 

尚、お母さん達も運動を始めておりスタイルをキープしている。

パパ黒も暇じゃないから都合がつかない日はやっておけよとメニューを渡された。

 

4歳

1月◯日

 

明けましておめでとうございます。

さてさて、今日はどうしようか?

 

あれから何度もパパ黒に投げられて、最初の頃に比べれば動けるようになった。

今の所ボクシングのジャブやストレート、フック等の技術を使いつつ蹴り技はテコンドーやムエタイを参考にした。

 

パパ黒が言うには『動き自体は良くなってきたが、俺とばかり戦っていたら変な癖がついてしまう。他の奴らと組手が出来たら良いんだがな』とのこと。

 

技術としては最終的にはデンプシーロールとかホワイトファング、ヤン・エラワン(白神象の領域)を使いたい。無意識に手加減が出来ると言っても何度も技を出さないと、癖とかが分からない。

 

…何かサポート専門より前線で戦う様なヒーローになってないか?鍛えて損はないから別に良いけども。

 

そういえば、今日B小町だったかな?星野アイさんがセンターをやってるアイドルグループのドーム公演だったっけ。何かCMでやってたな。

 

朝ご飯を食べて着替えて、すっかり日課になった投擲練習とパパ黒特性メニューをこなそうと思い、靴を履いて玄関を開けた。

 

何となく人の気配がしたので挨拶しておこうと思い、そちらを向いたら…

 

花束を持ちナイフを持ったパーカーの不審者がいた。

ナイフの先には何故か私服の星野アイさん。

 

何でここにアイさんが居るんだ?とか、かなり目立つ花束持って犯行に及んで目撃されたらどうするんだとか様々な思考が脳内を駆け巡ったが、即座に練習用のボールを取り出してナイフを持っている手に向けて全力投球。

バチィン!!という音が響きパーカー野郎の手からナイフがこぼれた。

 

同時に近所中に響き渡るような大声で『ふしんしゃ(不審者)ぁ!だれかきてー!』と叫ぶ。家の中からお母さんが走ってくる音が聞こえて、近所の伏黒家からも足音が聞こえてきた。

 

この重量感のある音はパパ黒だな?

 

一瞬そっちに気を向けたらパーカー野郎がこっちに向かってきた。『邪魔するなぁ!』と若干発狂しながら突っ込んで、背が小さい私をサッカーボールを蹴るように突っ込んできた。

 

リーチの差で負けてしまうので接近戦は不利。

履いていた靴を脱ぎ、素早く靴紐同士を結び水球を入れて即席のボーラを作って投擲。両足首に絡まりそのままうつ伏せで倒れる。

咄嗟の事で受け身が取れず、顔から突っ込み悶絶している間に素早く背中に飛び乗って、右腕を取り関節を極める。

 

ミシミシと軋むような音が聞こえて痛みに悶えるような声を発しているが、女性を襲おうとしたんだからこれくらいされる覚悟はあるだろう。

 

そうしていると裸足でパパ黒が出てきた。

『良い判断だったな』と開口1番褒めてくれた。

パパ黒が持ってきたロープでパーカー野郎を拘束する。

…拘束の技術も一応学んでおこうかな?

 

そういえばと思い、星野家の方を見るとアイさんが外の喧騒を聞いて出てきたアクア君とルビーちゃんを抱き締めていた。

涙を流して、慈愛の表情を浮かべるその姿は母親のような雰囲気だった。

…もしかしてアクア君とルビーちゃんの母親ってアイさんか?

 

その考えは胸にしまい、アイさんが怪我を負ってないかを確認するために近付く。

こちらに気付いたアイさんが抱きしめてきた。

おぉ?!と内心で驚愕していると、アクア君やルビーちゃんもくっついてきた。

 

涙声で聞き取り辛かったが、要約すると『助けてくれてありがとう』との事だった。

…何かむず痒いな。

 

お母さんがどうやら警察を呼んでくれたようだ。

靴を履くのも忘れて、裸足で駆け寄ってくれた。

『怪我してない?!』と凄い剣幕で言われたので、無事をアピールする。

良かった〜!と滂沱の涙をこぼした。

 

そうこうしていると、警察が来た。

事情聴取で警察署に行く事になった。

 

人生初のパトカーに乗り込み、パパ黒と保護者としてお母さんも付いて来てくれた。

色々と聞かれたが、『玄関を出て何となく振り向いたら変な人が居て、ナイフを持ってたからボールをぶつけた。そしたら怒って来たから、靴を結んで転ばせて腕を極めた』と話した。無個性という事で疑惑の目を向けられたが、パパ黒が『俺と同じ体質だ』と説明してくれた。

 

シンプルな事情を説明して不足していた部分はパパ黒が捕捉してくれた。どうも仕事柄警察やヒーローとも連携をするようで、顔が広いらしい。で、パパ黒のフィジギフの事もある程度知っているとのこと。

 

婦警さんが用意してくれたお菓子を頬張りつつ、お茶を飲む。

アイドルのアイさんの所在地とかタダのファンが把握出来るものなのかねぇ…何かきな臭い話だ。まぁその辺の捜査はプロに任せよう。

 

すると、パパ黒が何かを刑事さんに聞いていた。

 

『今度俺の休みが合ったら瀬古杜岳に行くぞ』

 

せことだけ(瀬古杜岳)?』

 

『ああ、何時までもあの公園で訓練をやるには手狭だからな。それに恵の十種の調伏を禪院のアホ共に見られたらマズイ

 

瀬古杜岳…原作(ヒロアカ)で轟燈矢が荼毘になった切っ掛けの場所だ。確かにあそこならある程度暴れても良さそうだ。

恵君の調伏だと万象とか貫牛とか相手なら狭いとやり辛いだろう。

 




結構悩んだんですが、好きなように書きました。

創作なんてそんなもん。
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