Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

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始まり

「それでは、開会の挨拶を更識生徒会長からしてもらいます」

 

虚はそう言って、司会用のマイクスタンドから一歩下がる。

ちなみに俺は生徒会のメンバーなので、虚さんの後ろに整列していた。

 

「どうも、皆さん。今日は専用機持ちのタッグマッチトーナメントですが、試験内容は生徒全員にとっていい勉強になると思います。しっかりと最後まで見ていてください」

 

よどみなく澄んだ声、しっかりとした発音は、まるでひとつの美しい音楽のようであった。

相変わらず圧倒的な存在感を出している楯無さんだったが、この人が人気の理由はそれだけじゃなかった。

 

「では、お待ちかねの対戦表を発表します」

 

そう言って大型の空中投影ディスプレイが楯無の後ろに現れた。

 

「げえっ!」

 

そこに表示されたのは、第一試合、織斑一夏&更識簪VS篠ノ之箒&更識楯無だった。

 

 

 

 

「なあ、簪」

 

「何?」

 

俺達は今、空の上にいる。

航時機で過去に戻って追ってを振り払ることに成功し、今後のことを話し合っていた。

 

「未来確変はあんまりしたくないからな、渡界機で飛べないか?」

 

エレンの開発品の一つになんとタイムマシーンがあったのだ。

だが、これを使用するにも膨大な魔力を消費するので、俺は使うことが出来なかったのだ。

 

「そうだね、じゃあ…………行こうか」

 

簪は渡界機を取り出す。

彼らが彼に会うまで、もうすぐだった。

 

 

 

 

黛先輩が取材を終え、帰ろうとした時だった。

突如、地震が起きたかのように大きな揺れが襲った。

 

「なんだ!?」

 

廊下の電灯は全て赤に変わり、あちこちに浮かんでいたディスプレイが『非常事態警報発令』の文字を告げていた。

 

 

 

 

「織斑先生!」

 

廊下を走っていた山田先生は、やっとのことで織斑先生を見つける。

 

「山田先生、状況は?」

 

「襲撃です!これを」

 

山田先生は携帯端末を取り出す。

そこには数秒前のアリーナ・カメラで確認された『敵』の姿だった。

 

「こいつは…………」

 

「はい!以前現れた無人機…………いえ、発展期だと思われます」

 

「数は?」

 

「五機です!各アリーナ上空から超高速降下によって出現、待機中だった専用機持ちの生徒が襲われています!」

 

山田先生の言葉を聞いて、織斑先生は顔を歪める。

 

「早すぎる…………。まだ『あいつ』は出せない…………」

 

「え?」

 

ぼっそりと呟きに、山田先生は反応する。

しかし、その独り言は思わず漏れてしまったというものらしく、織斑先生は口を閉ざした。

 

「各セクションの状況は?」

 

「前回と同じく、最高レベルでロックされています」

 

「教師は生徒の避難を優先しろ。同時にシステムアタックしてロックの解除もしろ!」

 

「了解です!」

 

山田先生は自分の機体を取りに格納庫へと走り出す。

 

「やってくれるな…………。だが、甘く見るなよ」

 

織斑先生の目には怒りの炎を宿す。

 

 

 

 

「あ、あ…………あっ…………」

 

突然の襲撃に、未だISを展開できていない簪だった。

 

(なに…………これ…………?なん、なの……?)

 

恐怖。それが簪の思考を遮断していた。

 

「ひっ…………!?」

 

後ろに進み続けた足は、壁にぶつかり止まる。

震える目で一度確認して、ゆっくりと前に向く。

 

「------」

 

漆黒の無人機、『ゴーレムⅢ』が迫ってくる。

 

(たす……けて……)

 

目を閉じて、祈るようにただひたすら念じるだけしかできなかった。

こんな時にヒーローが来てくれたら、きっと助けに来てくれるに違いない。

 

「助けて!!織斑くん!!」

 

簪はヒーローを呼ぶかのように叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「呼んだか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくり伸ばされる、『ゴーレムⅢ』の左腕は簪に触れる瞬間、何かで切り落とされる。

 

「…………り、む…………ら…………く、ん…………?」

 

私服姿の一夏がそこにいた。

 

「新型の無人機か……なら、本気になってもいいよな?簪」

 

「いいんじゃない?一夏くん」

 

簪は振り向くと私服姿の自分がいた。

 

「え……?」

 

簪はわからかった。

 

「うんじゃ、行ってくる」

 

「早く帰って来てよね」

 

それを言い残して、一夏はISを展開する。

 

「行くぞ!刹那!!」

 

白き翼を生やすIS。

その姿はまるで天使のようにも見えた。

 

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