Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

13 / 19


「ここは……?」

 

最初に声を上げたのはセシリアだった。

見渡す限り一面の海の中。

初夏の日差しが降り注ぎ、心地よい水の流れが駆け抜けていく。

ざああああ……と、波の合唱に包まれると、いきなり鈴が大声を発した。

 

「な、なによここ!?」

 

そう言って周りを見渡す。

海の中以外、特になかった。

ぽかんとしていると、突然空中にウィンドウが開く。

 

『簪です……。そちらの状況は……?』

 

「え、えっと……なんか、海の中にいるみたいなんだけど……」

 

シャルロットが答えると、簪はエレンと一緒に少し考えてから口を開いた。

 

『これは……』

 

カタカタとキーボードを叩く音が聞こえてくる。

 

『わかりました。現在、この電脳世界はハッキングを受けています……』

 

「となると、ここにも敵がいるんだろ?」

 

「はい……」

 

その時だった。

 

『CAUTION!!』

 

どうやら、学園の防御システムに気付かれたようだ。

 

「え?なに!?」

 

五人を代表して鈴が素っ頓狂な声を上げる。

 

「今、学園のコンピュータの殆どは敵に乗っ取られているからな」

 

『来ます!!』

 

こちらに向かって、ある物が向かってきた。

 

「攻撃ってアレ!?魚の群れだよ!?」

 

「しかも、マグロの群れですわ!!」

 

『無駄データの奔流です!』

 

「D○Sアタックか!!」

 

マグロの群れがこちらに向かってきたのだ。

学園の防御システムは一体どうなっているんだよ。

 

『武器の具現なら何で出来るようにしたよ!!』

 

簪に代わって、エレンがあるデータを一夏にインストールする。

 

「サンキュだ!エレン!!」

 

一つの詩を唱える。

 

I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)

  熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)

 

七枚の花弁状の障壁を展開し、攻撃を弾く。

 

「とりあえず、少しは何とか持つだろうが……さっさと片付けるぞ!」

 

「うん」

 

全員一夏の後ろに続きく。

一夏が防御プログラムを相手しながら、先へと進んで行く。

 

「これは……」

 

ドアが六つあった。

 

「入れってこと?」

 

『たぶん……』

 

簪は自信なさに頷く。

よく見ると、ウィンドの画像はノイズ混じりになっていた。

 

『この先から、通信が途絶えるから、各自の判断で進んで』

 

「了解」

 

六人はそれぞれのドアを開け、くぐる。

 

 

 

 

「ん……」

 

鈴は眩しい光が収まると、ゆっくりと目を開ける。

ドアをくぐってすぐに意識が飛ぶような感覚があり、そのまま光に包まれたのだった。

 

「一体、何だって言うのよ……もう」

 

周囲を確認すると、どこかで見た事がある場所であり、感じたことのある空気だった。

 

「ここって……」

 

そこは鈴と一夏が通っていた中学の教室だった。

窓からは夕日が差し込み、遠くからは野球部の声が聞こえる。

 

「なんで、中学……?」

 

ぽかんとしていると、自分の服装が変わっていることに気付いた。

 

「これ、中学の時の……」

 

限りなく黒色に近い紺色のセーラー服だった。

 

「…………」

 

とりあえず、教室を歩き回る。

限りなくリアルだった。

湿度、温度、までもが再現されていた。

だが、現実ではなかった。

待機形態のISがなかったのだ。

 

「……罠ね」

 

そうと分かれば脱出しなければいけなかった。

鈴は教室のドアへと向かう。

 

――ガラッ。

 

「え?」

 

自分より一瞬早く、ドアを反対側の誰かに開けられた。

 

「よう、鈴」

 

「い、い、一夏ぁ!?」

 

そこにいたのは、学ラン姿の一夏だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。