Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

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罠

「ここは……?」

 

最初に声を上げたのはセシリアだった。

見渡す限り一面の海の中。

初夏の日差しが降り注ぎ、心地よい水の流れが駆け抜けていく。

ざああああ……と、波の合唱に包まれると、いきなり鈴が大声を発した。

 

「な、なによここ!?」

 

そう言って周りを見渡す。

海の中以外、特になかった。

ぽかんとしていると、突然空中にウィンドウが開く。

 

『簪です……。そちらの状況は……?』

 

「え、えっと……なんか、海の中にいるみたいなんだけど……」

 

シャルロットが答えると、簪はエレンと一緒に少し考えてから口を開いた。

 

『これは……』

 

カタカタとキーボードを叩く音が聞こえてくる。

 

『わかりました。現在、この電脳世界はハッキングを受けています……』

 

「となると、ここにも敵がいるんだろ?」

 

「はい……」

 

その時だった。

 

『CAUTION!!』

 

どうやら、学園の防御システムに気付かれたようだ。

 

「え?なに!?」

 

五人を代表して鈴が素っ頓狂な声を上げる。

 

「今、学園のコンピュータの殆どは敵に乗っ取られているからな」

 

『来ます!!』

 

こちらに向かって、ある物が向かってきた。

 

「攻撃ってアレ!?魚の群れだよ!?」

 

「しかも、マグロの群れですわ!!」

 

『無駄データの奔流です!』

 

「D○Sアタックか!!」

 

マグロの群れがこちらに向かってきたのだ。

学園の防御システムは一体どうなっているんだよ。

 

『武器の具現なら何で出来るようにしたよ!!』

 

簪に代わって、エレンがあるデータを一夏にインストールする。

 

「サンキュだ!エレン!!」

 

一つの詩を唱える。

 

『I am the bone of my sword(体は剣で出来ている)

  熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』

 

七枚の花弁状の障壁を展開し、攻撃を弾く。

 

「とりあえず、少しは何とか持つだろうが……さっさと片付けるぞ!」

 

「うん」

 

全員一夏の後ろに続きく。

一夏が防御プログラムを相手しながら、先へと進んで行く。

 

「これは……」

 

ドアが六つあった。

 

「入れってこと?」

 

『たぶん……』

 

簪は自信なさに頷く。

よく見ると、ウィンドの画像はノイズ混じりになっていた。

 

『この先から、通信が途絶えるから、各自の判断で進んで』

 

「了解」

 

六人はそれぞれのドアを開け、くぐる。

 

 

◇

 

 

「ん……」

 

鈴は眩しい光が収まると、ゆっくりと目を開ける。

ドアをくぐってすぐに意識が飛ぶような感覚があり、そのまま光に包まれたのだった。

 

「一体、何だって言うのよ……もう」

 

周囲を確認すると、どこかで見た事がある場所であり、感じたことのある空気だった。

 

「ここって……」

 

そこは鈴と一夏が通っていた中学の教室だった。

窓からは夕日が差し込み、遠くからは野球部の声が聞こえる。

 

「なんで、中学……?」

 

ぽかんとしていると、自分の服装が変わっていることに気付いた。

 

「これ、中学の時の……」

 

限りなく黒色に近い紺色のセーラー服だった。

 

「…………」

 

とりあえず、教室を歩き回る。

限りなくリアルだった。

湿度、温度、までもが再現されていた。

だが、現実ではなかった。

待機形態のISがなかったのだ。

 

「……罠ね」

 

そうと分かれば脱出しなければいけなかった。

鈴は教室のドアへと向かう。

 

――ガラッ。

 

「え?」

 

自分より一瞬早く、ドアを反対側の誰かに開けられた。

 

「よう、鈴」

 

「い、い、一夏ぁ!?」

 

そこにいたのは、学ラン姿の一夏だった。

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