Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

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ワールド・パージ編を見た為か、すらすらと書けました


クロエ

「ッ!」

 

バキンッ! と氷が砕ける音がして、簪の槍、その最後の一本が砕けた。

 

「終わりだな」

 

『隊長』の動きは機敏だった。

素早く左手のブローを簪の腹部に叩き込む。

―――刹那、バンッ! と炸裂音が響いて簪は吹き飛ばされた。

 

「今のは……」

 

自分の手応えに疑問を持った『隊長』は、自らの左手を見る。

そこには氷付いていた。

 

(何だ……!?)

 

今までにない状況に『隊長』は錯乱している。

そして、簪ははっきりと宣言した。

 

「こおるせかい」

 

その単語が引き金となって、次の瞬間ISごと凍らせた。

 

「!!!!!!」

 

ISを解除するもエラーの文字で埋め尽くされ、どんどんと凍らせていく。

簪は沈黙を確認するとその場を後にした。

 

「ばけ……ものめ……が」

 

その一言を最後に『隊長』諸共その空間の時間が止まった。

 

「本気を出すほどではなかったです。織斑先生」

 

「まだ本気を出していないとわな……簪」

 

「私を本気に出来るのは一夏だけです」

 

簪は千冬が持って来たコーヒーを、静かに飲んだ。

 

 

◇

 

 

「さて、こんなものかしら」

 

楯無は侵入者を全て排除すると、ふうっと一息をついた。

 

(国籍はアメリカに違いないわね。でもなんで同時で行わなかったんだろう……! まさか!?)

 

楯無はハッキングが別の勢力による攻撃に気付く。

その瞬間、銃弾が楯無の腹部を貫通していた。

 

「え?」

 

ぶしっと血が噴き出す。

そのまま、わけもわからず楯無は前のめりに転倒した。

 

(しまった……)

 

最初に倒した兵士が気を取り戻していたのだ。

 

(いちか……く……ん……)

 

無意識のうちにその名前を呼んでいた。

そして、楯無はかくんと意識を失う。

 

 

◇

 

 

「…………」

 

一夏は不思議な空間にいた。

全てが真っ白な所に二つの椅子とテーブルに紅茶が置かれ、そこに座っている。

 

「罠だったか……」

 

扉を潜った瞬間、光に飲まれ、今にあたる。

これ以上ない罠だと一夏は判断した。

 

「俺はそこまで暇ではないんだよ……侵入者さん」

 

「さすがです」

 

次の瞬間、誰も座っていない椅子から銀髪の少女が姿を現れた。

どこかラウラに似た少女で、一夏はこの少女を知っていた。

 

「クロエか……となると、このハッキングはア(・)イ(・)ツ(・)だな?」

 

クロエ・クロニクル。

束さんが娘と呼ぶ少女。

 

「そうです。でも何故私だとわかったのですか?」

 

「勘かな?」

 

「勘ですか……」

 

意外な回答にクロエは黙ってしまった。

実際は消去法で辿り着いていたのだ。

IS学園をハッキング出来るのはア(・)イ(・)ツ(・)ぐらいだ。

しかし、アイツは表に出ない。

なら、その身近にいる人物に頼むだろう。

そして、その身近にいるのはこの子だけ、だからすぐに分かった。

 

「それで、時間稼ぎが目的なのか?」

 

「そうです。あなたは非常に危険な存在なので私直々で足止めさせてもらいます」

 

クロエは足止めとは思えない程の武器を取り出す。

拳銃からミサイルまでありとあらゆる兵器を取り出すが、一夏はのんきに紅茶を飲んでいた。

 

「その必要はない。俺はあいつがここに来るまでゆっくりさせてもらうよ」

 

その言葉にクロエは驚く。

兵器の量に戦意喪失したのではなく、まったくやる気を見せなかったのだ。

 

「ど……どう言うつもりです?」

 

「簡単なことだ。あいつに丁度見せたいものがあるからさ」

 

そう言うと一夏はスプーンを軽くテーブルに二回叩く。

その瞬間、開いているスペースにもう一つ椅子が現れ、一人の女性が現れた。

 

「!!」

 

クロエはすぐさまに確認すると、システムの一部が乗っ取られていた。

それを確認するとクロエは額に汗を掻きながら、感情を立て直す。

 

(いつの間に……)

 

「そちらも、やることがあるのだろ? なら行くといい」

 

一夏は紅茶を入れ、女性の前にだす。

 

「……では、失礼させていただきます」

 

クロエは現れた扉を潜り、その場を後にする。

 

「では、俺らはあいつが来るのを待つとしようか……エレン」

 

「…………」

 

女性は一夏の初恋の相手であり、永遠に愛した女性だった。

エレンは何も話すことなく、紅茶に口にした。

 

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