Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

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「それでは第一試合、篠ノ之 箒対布仏 虚の試合が開始されます」

 

新聞部副部長の黛 薫子は箒と虚先輩の名前を告げる。

ステージには紅椿を纏った箒とラファール・リヴァイヴを選んだ虚先輩が向き合っていた。

そして、試合の開始を告げるカウントダウンが流れる。

0になった瞬間、箒が先に仕掛けて来る。

 

「はぁぁぁ!!」

 

紅椿は第四世代の為、他のISより早く、第二世代後半のラファール・リヴァイヴ相手では余裕だと箒は思っていたが、それがそもそも間違いだった。

世代が新しい? そんなのは差ほど関係はない。確かに世代が変わればスッペクは変わる。しかし、旧世代が新世代に勝てないと言うことは絶対ない。

それをこの会場にいる全員が目撃した。

 

「甘いです」

 

虚先輩は箒の初撃を逸らし、ゼロ距離からの狙撃をして見せたのだ。

無駄のない動き。箒の剣を逸らす時に掛かったエネルギーを利用して、懐に潜り込む。

これは相当難しい攻撃術で、授業では習わない技法の一つでもあった。

 

「クソ! なら、これならどうだ!!」

 

箒は雨月から赤いレーザーを放つ。

しかし、虚先輩はそれを予想していたかのように全て撃ち落とす。

 

「そう言えば、虚先輩は楯無さんの従者だったよな」

 

「うん。確かにそうだよ」

 

応援席とは別、放送室で試合の様子を見ていた一夏は簪に虚先輩の素性を訊く。

あっちの世界とは全く同じだとはいえ、多少違う。

 

「IS学園の整備課姉妹エースの名は伊達ではないな……」

 

整備課姉妹エース。

それは虚先輩と簪の従者、本音のことを指した呼び名だ。

分解の虚先輩、組み立ての本音。

 

「箒の型を崩しながら攻める。箒にとって最悪の相手だな」

 

お得意の分解技術を使われ、箒は一方的に攻められる。

 

「わ、私はここで、負ける訳にはいかないのだぁ!!」

 

箒は紅椿のワンオフ・アビリティーを起動に入るが……

 

「それを待っていました」

 

虚先輩はラファール・リヴァイヴにある全ての武器を展開し、紅椿に向けて集中砲火する。

箒のワンオフ・アビリティー『絢爛舞踏』は機体のエネルギーを回復できると言う能力だが、発動中は完全な無防備になることを箒はしらなかったのだ。

集中砲火を受けた紅椿は完全にエネルギー切れを起こし、決着がつく。

 

「勝者―――布仏 虚!!」

 

第一試合から白熱した戦いは観客席に集まっていた生徒たちに多大な拍手が贈られた。

第二試合は地面の整備の為、整備が終わるまでの間、第一試合の映像が流される。

この試合は何度も見ても目が離せない。そうしている内に地面の整備が終了し第二試合の準備が始まる。

第二試合……シャルロット・デュノア対山田真耶。

オレンジ色のラファール=リヴァイヴ・カスタムⅡに纏うシャルロットに対して山田先生は基本色の緑色のラファール=リヴァイヴだが、学園に置かれているラファール=リヴァイヴとは装備が結構異なっている。

 

「もしかしてと思うんですが……」

 

「はい、そうです」

 

かつて代表候補生の座まで上り詰めたIS。山田先生の専用機、ラファール=リヴァイヴ・スペシャル、『幕は上げられた(ショウ・マスト・ゴー・オン)』で出場して来たのだ。

そして、試合開始のブザーが鳴り、シャルロットはお得意のラビット・スイッチで仕掛ける。

山田先生は巨大なシールドをガードにまわし、ヒット・アンド・アウェイを繰り出す。

 

「っ!?」

 

山田先生はシャルロットの軌道を読み、その先にグレネードを繰り出していた。

それと同時に翼を広げた鳥のように、シールドがその向きを反対にする。

 

「いきます! 《絶対制空領域(シャッタード・スカイ)》!!」

 

そして、有線接続操作の盾(ワイヤード・シールド)が射出された。

 

「生徒を傷つけるようで気が進みませんが……今は!」

 

真耶の正確無比な射撃が、徐々にラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡの動きを鈍くさせていく。

そして、完全に動きが止まった瞬間、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを四枚のシールドが挟み込んだ。

 

「これで!」

 

シールドにすっぽりと覆われたラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡに、真耶が二丁のサブマシンガンを隙間に捻じ込む。

 

「まさか!?」

 

そして、思い切りトリガーを引いた。

 

ガゴギガンガガガガガガンッ!

 

剣呑な音が響きわたる。

それは、シールド内で跳弾を繰り返して、装甲がズタズタにされていく音だった。

 

「う、うわっ……」

 

「山田先生、えぐい……」

 

放送室にいた一夏と簪は初めて見た山田先生の専用機に引き目を感じていた。

あのレベルで候補生止まりだと言うと、当時の候補生レベルは高いと改めて実感する。

そして、ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡのシールドエネルギーが0になり、試合終了のブザーが鳴った。

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