Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》 作:ぬっく~
発熱した試合の連発で会場は大いに盛り上がっていた。
そして、本日の第三試合。
セシリアと楯無の試合が始まろうとしていた。
「まさかと思いましたが……」
セシリアの相手はあの楯無。
IS学園が誇る最強の生徒会長なのだ。
そんな奴までもが、今回の祭りに参加して来た。
『では、第三試合を開始します』
アナウンスの言葉を聞いて、セシリアと楯無は各々の主力武器を展開する。
そして、カウントダウンが始まった。
「「勝負!!」」
ゼロと同時にセシリアは後方へと飛び、楯無は前方へと飛ぶ。
後方に飛んだセシリアはスコープ越しで楯無を狙い、狙撃する。
しかし、楯無はまるで見えているかのように、セシリアの狙撃をいとも簡単に躱した。
「ッ!!」
セシリアはわかっていた。
この程度の狙撃を躱すことなど。
接近戦が最も不利なセシリアは後方へと飛びながら一定の距離を取りながら楯無を狙撃する。
しかし、楯無は特に大きな攻撃に出る事無く、セシリアにべったりついて、ガトリング弾を発射するだけ。
「何故……仕掛けてこないのでしょう……」
セシリアも楯無の行動が読めなかった。
しかし、その楯無の行動が後になってようやく分かる。
「そろそろか……」
放送席で見ていた一夏は楯無の行動ははっきり言って、分かっていた。
楯無のIS『霧纏の淑女』に積まれている装備はどれも対複数戦闘を想定された物ばかりなのだ。
そして、楯無はセシリアをじわじわと罠に嵌めている。
「終了か……」
一夏が言葉を発した瞬間、アリーナが揺れる。
目の前には白い煙。そして、勝者を告げるコールが鳴り響いた。
『勝者。更識楯無』
そう。楯無が勝ったのだ。
楯無は逃げるセシリアを追いかけながら、霧状のナノマシンを配布しており、それが密集する位置に誘導した瞬間、ナノマシンを爆発させたのだ。清き熱情……楯無が得意とする攻撃の一つだ。ナノマシンで構成された水を霧状にして攻撃対象物へ散布し、ナノマシンを発熱させることで水を瞬時に気化させ水蒸気爆発を起こす、その衝撃や熱で相手を破壊する戦闘能力。拡散範囲は限られているが、非常に有用性が高い。
その罠に嵌ったセシリアは一気にシールドエネルギーと攻撃の主導権を奪われ、何も出来ず敗北した。
「次の試合は……ラウラと鈴か」
第四試合は鈴とラウラの試合。
この試合は特に見ごたえはなく、ラウラが勝利した。
まあ、ラウラの機体は一対一では最強を誇る上、鈴の接近戦特化では相性が最悪でしかない。
そして、今回の目玉。
「さあ、織斑一夏よ。示すがいい。貴様の実力を……」
一夏の試合が始まろうとしていた。
『では、第五試合を開始します』
カウントダウンが始まり、一夏は伐倒の構えをとる。
そして、ゼロになった瞬間、
「え?」
一夏の姿が消えた。
対戦者は一夏の消えたことに驚くあまりに、その場から動けないでいた。
そして、当の本人は彼女の後ろにいた。
『勝者。織斑一夏』
誰もが一夏の姿を認識した瞬間、試合を終了を告げるコールが鳴り響いた。
そして、誰もが分からないまま、試合が終了したことに、言葉が出なかった。