Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》   作:ぬっく~

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織斑一夏

「織斑一夏だ。よろしくな」

 

教育実習生の男性、一夏は普通に挨拶する。

あっけにとられたのは俺を含めてクラス全員がそうだった。

 

「お、織斑…………?」

 

誰かがそうつぶやいた。

 

「そうだ。君たちの知っている織斑だ」

 

そこで、席に座っている織斑が大人になった姿の男性は普通に対応する。

 

「きゃああああああっ!!」

 

本当に元気だよな。

うちのクラスの女子一同は。

ちなみに隣のクラス及び他の学年からはまだ誰も覗きに来ていない。

 

「あー、騒ぐな」

 

面倒くさそうに千冬がぼやく。

 

「み、皆さん。まだ自己紹介が終わっていませんから~!」

 

忘れていたつもりはなかったが、と言うより実習生の方が印象が大きかったのだ。

 

「織斑エレンです。よろしくね」

 

紅と蒼のオッドアイズに黒髪に毛先が水色のエレンは、にこやかな顔でそう告げて一礼する。

 

「え?織斑?」

 

またしても、誰かがそうつぶやいた。

 

「はい。私は一夏の娘です」

 

親子揃ってIS学園に来るなど前代未聞だった。

 

「では、HRを終わりにする。各人は着替えて第二グラウンドに集合。今日は一学年合同でISの模擬戦闘を行う」

 

俺はすぐに教室を出て、第二アリーナ更衣室を目指した。

だが…………

 

「ああ!実習生発見!」

 

「しかも織斑君と一緒!」

 

HRが終わり、早速各学年各クラから情報先取のための尖兵が現れる。

 

「いた!こっちよ!」

 

「者ども出会え出会えい!」

 

いつからここは武家屋敷になったんだよ。

 

「織斑、捕まっていろよ」

 

「え?」

 

実習生の一夏は一夏を肩に抱え、真っ直ぐに歩き出した。

 

「捕まりますよ!!」

 

「大丈夫だ」

 

止まる事無く進んで行き、生徒に捕ま…………らなかった。

 

「へ?」

 

普通に歩いているだけだった。

生徒たちは何度も挑戦するが、通り抜けてしまう。

結局、誰も一夏を捕まえることが出来ず、第二アリーナの更衣室に到着する。

 

「さっきのは…………」

 

「俺だけが持つ能力だ。まあ、気にすんな」

 

そのまま、話を省かされた。

 

 

 

 

グランドには、全員が整列して、いつものように千冬が腕組みをして立っている。

 

「織斑、篠ノ之、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、鳳は前に出ろ!」

 

簪を除く専用機持ちは、授業開始早々に呼び出された。

 

「先日の襲撃事件で、お前たちのISは深刻なダメージを負っている。自己修復のために、当面ISの使用は禁じる」

 

「はい!」

 

流石に分かっていたことだ。

 

「今日の授業は一夏先生と簪先生、エレン、更識の4名に模擬戦やってもらう」

 

更識とエレンでチームを作り、模擬戦が始まった。

 

「行くよ」

 

エレンは両手にガトリングガンをコールし弾幕の雨を降り注ぐ。

一夏先生はそれを両手にある刀で全て切り落とす。

 

「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」

 

その後ろでは、簪先生が呪文詠唱を始める。

 

「氷の精霊17頭。集い来たりて敵を切り裂け」

 

簪は周りこんで、近接武装である対複合装甲用超振動薙刀《夢現》を構えて向かって来る。

 

『魔法の射手・速弾・氷の17矢』

 

予測通りに簪が来ることが分かっていたので、その方向に氷の弾を17発放つ。

 

「く…………!」

 

夢現で相殺しようとするが、全てはできなかった。

 

「簪、一気にたたみかけるぞ!」

 

「うん!リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」

 

簪は広域最大呪文詠唱に入る。

 

「契約に従い、我に従え、氷の女王。来れ、とこしえのやみ、えいえんのひょうが!!」

 

エレンを中心に150フィート四方の広範囲完全凍結殲滅呪文が放たれた。

 

「きゃあああ!」

 

近くにいた簪も巻き込まれ、そのまま試合は終了した。

エレンの体内には造物主の掟の力があるので、後処理は楽だった。

そんなこんなで、今日の実習の時間は過ぎていた。

 

 

 

 

「…………」

 

一夏はシャワーを浴びながら考えていた。

先程の試合を見てて、自分がどれ程、弱いのかを自覚したのだ。

 

「やっぱ、すげーなー」

 

銃弾の嵐を全て叩き落とす。

今の自分では、到底出来ない技だ。

 

「今日も、行こう」

 

一夏はシャワー室を後にした。

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