Infinite Stratos ~Without journey end~《終わり無き旅》 作:ぬっく~
倉持技研
「えーと…………」
IS学園から離れた場所にある研究所に俺はいた。
「ここでいいのか…………?」
地図と研究所の看板を確認する。
「『倉持技研』…………合っているよな」
俺は今、白式の開発元である研究所に来ていた。
今日は平日なのだが、白式のオールメンテナンスをする為に特別外出扱いで来ていた。
(早く終わらせて、稽古をつけてもらおっと)
俺はあの後、一夏先生に稽古をつけてもらうことにした。
だが、白式が使えない以上、練習にもならないと言うことで、ちょうど今日に白式のオールメンテナンスがあったのだ。
そう思いながら、白い壁で遮られた建物に入る為に、ゲートの前まで移動した。
しかし、取っ手がないドアがあるだけで、チャイムやカメラすらなかった。
「これ、どうやったら入るんだ?」
その時だった。
「!?」
いきなり尻を撫でられ、驚く。
振り向くと、水中メガネを付けた、見るにも怪しすぎる女性が立っていた。
女性はスクール水着…………ではなく、紺色のISスーツを着ていた。
名札には「かがりび」と書かれていた。
「んー。未成年のお尻はいいねぇ」
口を三日月のように開き、そこから見える以上に長い犬歯は、ドラキュラみたいだった。
「もしかして、『かがりび』さんですか?」
「そうだね」
正解だったようだ。
(本当に変態だった…………)
あらかじめ、一夏先生から聞かされていたが、実際に会って見ると実感した。
『研究所にいる人間はほとんどが、変態の塊だ!それに、倉持技研に行くんだろ?だったら、「かがりび」には気をつけろよ……尻を触れるぞ』
(うん。こんどから気をつけよう)
その時だった。
背後のドアが開いたのだ。
「所長!何しているんですか!」
やって来たのは三十ぐらいの男性だった。
「すまないね。うちの所長が迎えに行く約束だったんだけど、見ての通り変態だから」
うん、知っています。
「おっさんは黙っていろ!」
逆切れする篝火。
「あの~。この後予定があるんで、早くしてもらえませんか?」
「ああ、そうだね」
俺はそのまま、建物の中に案内される。
◇
あれから、三十分ほど経つがまだ始まってもいなかった。
「お待たせ!待ったー?」
「…………」
スルーする。
「待ったーって言ってんでしょうが無視すんなやこらーっ!!」
篝火は一夏に渾身のタックルをかます。
一夏はトラックに轢かれたかのように、弾き飛ばされた。
「君ね、女性が待った?って利いてきたら、今来たところだよって言うんだよ!」
「は、はぁ…………」
「美学のわからんやつは、女の子にもてないぞ」
「そ、そうですか…………」
「まあ、その時は私が美味しく頂くので別に問題はないけどね」
何も聴こえない何も聴こえない。
「さて、始めますか!」
篝火はISスーツの上から白衣を纏い、水中サングラスを外す。
「はじめまして。私の名前は篝火ヒカルノ。ここ、倉持技研、第二研究所所長だ」
猫科を思わせる切れ長の瞳が笑いを浮かべていた。
「織斑一夏です」
一応、自己紹介をする。
まあ、そんな事はさて置き、と言って話題を区切ると、空中ディスプレイを呼び出してISのメンテナンスマシーンを呼び出した。
「じゃあ、白式を展開してくれる?今からダメージ修復とシステムの最適化にデータ採取を始めるから」
「あ、はい」
俺は白式を展開する。
「ふーむ。ダメージの畜積量が多いね。一回、白式から降りておりてもらって、こっちの技術者でメンテナンスをした方がいいね」
「それってどれぐらい時間かかるんですか?」
「んー?明日までには出来るでしょ」
えー!マジすか!?
しょうがない、自主練メニューをもらっているからそれをやろう。
「では、入って来たまえ!我が倉持技研の面々よ!!」
スライドドアが開き、技術者達がやってきた。
「じゃあ、君はゆっくり森にでも、探検してきなさい」
「あ、はい」
俺は手を振るヒカルノさんに見送られ、研究室を後にした。