男主の名前はカイル固定です。
pixivのほうは名前変換機能付きで出しているので、お好みで読み分けてください。
支部で連載しているものに加筆修正しているため、異なる部位があります。
sky1
皆が言う。
あいつは空に魅了されたのだと━━━
ここはマリンフォード、海軍本部があり海兵たちの家族がすむ三日月型の島。
そこで産まれた。父は海軍工廠のトップ技術者、母はそんな父を理解し支える海軍本部食堂のコック。
父の仕事場までついて行って軍艦の整備や造船作業を眺めた幼少期、気づけば自分でも何かを作ってみたいと余った鉄クズや木材を触っていた。
父はそれを見て、「この子もいずれは俺たちの仲間になるぞ!」と親バカぶりを炸裂して同僚達に笑われていたものだ。
今日も今日とてドックに親子で出勤した。
「父さん!犬!犬の軍艦だ!近くで見てくる!」
「気をつけろよ!ありゃ最近海賊船とやり合った軍艦だ、近づきすぎるなよ!」
ドックに入ってくる軍艦に興奮し、父の同僚の間をぬい、見上げた時だ。
「逃げろ!落ちるぞ!」
目前に見えたのはボロボロの軍艦から崩れ落ちた巨大なマストだった。
目を開けるとそこは見知らぬ天井だった。
「カイル!目が覚めたのね!」
そばにいた母は泣き腫らした顔を隠すこともせず、ぼくを抱きしめる。仕事場から駆けつけたのか、コックの服のままで脂と火の匂いが鼻をくすぐる。
何故だろう、自分の置かれている状況がどこか他人事のように思える。
その違和感と共にすべて、思い出した━━
いわゆる、前世の記憶を。
記憶の中の私は自由に大空を飛ぶ芸術を愛していた。
身体にかかるG、くぐもった管制塔からの通信、ループにインメルマンターンといったアクロバット飛行。
私はパイロットだったのだ。それも筋金入りの航空バカ。
思えば、幼少期からなぜ軍艦だけなのか、航空部門はないのかと漠然と疑問に思っていた。
某海軍航空隊映画にどハマりした過去を持つ私にとっては違和感しかない。
しかもだ、この世界は前世で読んだ漫画の世界じゃないか。
仲間内で貸し借りをし、どこが熱かった、このキャラがと語り合ったな。といっても、どこまで読んだかも覚えていない曖昧さだが。
そういえば、どうやって死んだんだっけ?と意識を飛ばしているとガチャリと扉が開く音がした。
「よう、目を覚ましたって?父ちゃん母ちゃんに心配かけるなよ、坊主」
人懐こい笑顔を浮かべて入ってきたのは、英雄ガープだった。既に中将の役職についているようだ。
一緒に父さんも入ってきたけど、責任者として現場で起きた事故に顔を真っ青にしてるし、それも実の子供だ。真っ青通り越して白い。
すまない、父さん。後で看護師さんに胃薬貰ってあげよう。あと、この世界でも現場猫案件とかありそうだし、それも教えてあげようね。
なんでも、落ちてきたマストから守ってくれたのがこの人で、よく話を聞くとあの軍艦をボロボロにしたのもこの人らしい。
「えと、危ない所を助けていただき、ありがとうございます」
「この軍艦バカの子供にしちゃ礼儀がなっとるの、イザベラ」
「ガープ、あなたを前にしてるんだもの緊張してるんだわ」
あぶない、今は6歳だった。前世では30代だった記憶に引っ張られてとっさに言葉が出てしまった。
「まぁ、何にせよ無事でよかったわい!もうチョロチョロするんじゃないぞ!」
わしわしと頭を撫でる手に首がグラグラする。
この人の力加減を信用しちゃダメだったな、そういや。
頭が潰される前に、大きな手から抜け出し壁にかかる鏡を見やる。
ただの小さなガキがうつっている。前世の日本人とは違う彫りの深い、わりと整っている顔だ。
顔は良くなったとはいえ、こんななりでは、何も出来ない。鍛えて、体力をつけ、Gに耐えられる、アクロバット飛行をもできる身体を手に入れないと。
出来ることなら、海軍航空部門、なんて出来たら楽しい。
「ガープさん。俺、強くなるよ。強くなって、海軍に入る!」
「おぉ?ぶわっはっはっはっは!海軍に入るか!なら早々に鍛えんとな!ゼファーの扱きにも耐えられるように」
退院してから、身体を鍛えるべく竹刀の素振り、走り込み、筋トレに泳ぎ、そしてよく食べた。
航海術や気象学、船舶海洋工学なども調べ始めた。元いた世界の気候とはここはかけ離れているのだ。
そんな努力を見てか、父は事故から禁止にしていたドックの出入りを半年で許してくれた。
さらには、仕事が終わったあとに実験にも付き合ってくれた。
「おーい、今帰ったぞ。昨日の水中翼の続きを……カイル、何をしているんだ?」
「おかえり、父さん。電伝虫の仕組みについて調べてるんだ。ほら、こいつって生物なのに電話として使えるだろ?それに、電話先の相手の特徴も反映してる。個体間をどんな原理で通信してるのか、不思議でさ。今から渦巻の内部を確認しようと思って」
「や、やめなさい!可哀想だろう!!」
こんなことがあってから、父は海軍の各部門の専門家にも会わせてくれるようになった。
電伝虫ってあぁなってんだな、交配させて……ふぅん
海楼石ってそうなってるから特殊な加工が必要なんだな、……ほぉん
なんだかんだ、父は偉い人だったみたいだ。人脈も広い。
各部門と連携しひとつの軍艦をつくりあげるのだ。ここも前世と同じく縦と横の繋がりが大事になってるようだ。
そうやって海軍の面々とお知り合いになる中で、未来の3大将と錚々たるメンバーにお目通りかなったのは嬉しかった。
最初はこの人。
父の仕事を間近で見るため、ついてきた本部内。
ここでちょっと待ってなさい、と置いていかれた部屋に入ってきたのが黄色いお人。
「おやぁ?先客がいるとはねぇ〜。んん〜おまえさんがあの軍艦バカの息子かい?噂になってる」
田中邦○に声をかけられた。
えっ、すんごい似てる、いや、モデルだから似てるけど、まだ子供が〜って言って欲しい。でも声はオー○ド博士なんだよな
そういや確か、この人って科学部隊の戦桃丸と仲良かったよな
「っ、はじめまして、いつも父がおせわになってます」
「あぁ、いや、こりゃまた丁寧にどぅも。君のお父さんにはわっしらの方が世話になってるけどねぇ。よく君の話を聞かされますよ、俺よりいい技術者になるって」
「技術者、ですか。それだけのために頑張ってる訳じゃないんですけどね」
「ほぅ?どういうこってす?」
「技術者もそうですけど、ぼくは操縦するのも編成とかもしたいから(航空機を)」
「ほぅ、(軍艦を)操縦と編成ってぇとお偉方にならなきゃいけやせんねぇ。こりゃ将来が楽しみだ」
こんなガキでも対等に話してくれるボルサリーノ中将はま、がんばりなさいねぇ、と頭を撫でてくれた。
ついでに父が来るまで一緒に待っててくれた。
お菓子もくれた、いい人だ。
お次はこんな人。
記憶が戻って6年経ってすぐの頃
前世の歌を口遊み、夕陽に染る海辺を一人歩いていた。
「へぇ。海の終点、ね」
めちゃくちゃいい声に振り向くとそこには、松田○作がいた。
アニメで見てた時より今は二十数年前だが、それにしてもタッパあるなぁ……股下何kmあるんだこれ
「でっ、けぇ……成長痛やばそう」
思わず口をついた言葉に苦笑したいい男は、やっぱり目線を合わすために海辺に腰を下ろしてくれた。
「ははは、成長痛ね。痛かったよォ?」
「えげつな」
「君もきっと伸びるさ。海軍本部食堂のコックのイザベラさんとこの子だろ?よく似てる。彼女の飯食ってるなら栄養満点だろ」
母親経由で認知されとる。さすが青キジ
「野菜も食えってうるさいよ。あなたは……クザン、さんであってる?」
「あぁ、誰かに聞いたか?突然声掛けてすまないな。どこの歌だ?海の終点なんて」
「ん、どこのかってのは知らない。クザンさんは終点、どこだと思う?」
「あらら、難しいことをきくのね。君はどう思う?」
「質問を質問で返さないで。地理的な終点は行ってみなきゃわからないけど、行く人が満足すれば、そこが終点なんじゃないかな。海も空も大地も」
「……なるほど。深いこと言うのね」
「クザンさんは海兵でしょ?終点、見つけたら教えてよ。僕は空の終点を見つけるからさ」
「ん?君は海兵になるんだろ?海兵なら海なんじゃない?」
「海兵が空にいちゃダメな事はないでしょ。偵察とか輸送とか救助とか、色々できると思わない?軍艦だけが正義を運ぶなんてズルい」
「ははぁ、こりゃ中身は軍艦バカにそっくりだ」
「その軍艦バカと一緒に今は2人乗りの水上バイクつくってるよ。いつか飛行機作って、クザンさんも乗せて空を飛んであげるよ。3mの長身が機体に入るかちょっとわかんないけど」
「はは、いつかね。頼んだよ」
この時から、海辺でよく話す友達になった。10歳以上離れてるからあっちは弟のように思ってくれてるみたいだ。クザン兄ちゃんって呼ばされたりもした。
自作の水中翼をもつフォイルサーフィンでクザンの自転車と併走したり、歌を教えあったり、どんな女の人が魅力的か討論したり……残念な事に、派閥が違うことが判明した。
なんと言おうと尻だろ。
残るはこの人。
12歳の頃。
あの大海賊ゴールド・ロジャーが自首した。
「一般人は避難船へ!これは訓練では無い!繰り返す、訓練では無い!急ぎ避難船へ乗り込め!」
ロジャーが処刑される1週間前。
奴は1人で現れ、海軍本部を半壊させた。
金獅子のシキ
フワフワの実の能力者で触れたものは生物以外自在に浮かすことが出来る。
ロジャーを殺そうとするシキを捕らえるべく、戦うガープとセンゴクの余波に巻き込まれぬよう、人々は訓練通りに避難船へと乗り込む。
海兵の家族とはいえ、怯え、混乱し崩れゆくマリンフォードに涙する者が大半だ。
例に漏れず、私も混乱の渦に巻き込まれていた。
「くっ、……そ、こんな所で」
激痛に顔を顰め、どうにか身体を動かそうと身をよじるも痛みが増すだけ。
崩れる家屋の瓦礫に脚を挟まれ、身動きが取れなくなっていたのだ。
「おどりゃぁ、こがぁな所でなにをしちょるんじゃ。避難命令を聞いとりゃせんかったか」
この方言、こ、こんな所で会うなんて……菅○文太!!
怖ぇ、怖ぇよ!なんだ威圧感!相手は能力使ってないのに汗が止まらない!
パーカーの影から見える眼光が鋭すぎる。
「顔見知りの避難を手伝ってたら、こうなりました!自業自得です」
言い訳とか言ったら即座に一刀両断されそうな雰囲気だったので、正直に話した。
家の近くにある中華料理が美味しい店の店主夫婦を助けてたら逃げ遅れた。
だって日本で食べた○将の味がするんだ、何としてもこの味、守りたい。
「ガキができることなんざありゃせん。さっさと邪魔にならん所に去にさらせ」
足に重くのしかかっていた瓦礫はマグマに焼かれ、液体と化し、霧散した。
はは、コンクリートって霧散するんだ……
目の前のびっくり人間ショーに意識を飛ばしそうになるが、今じゃない。今は逃げることが最優先、シキからじゃない、ド威圧かけてくる人から逃げなきゃ……なんでこんな威圧感あんの、怖ぇよ
「あ、ありがとうございました!お仕事頑張ってください!」
「おどれに言われんでもしちょるわ」
ひぃ、そうですよね!そうでした!ごめんなさい!
その後、何とか抜け出し、痛む脚を引き摺って避難船へと無事乗り込むことが出来た。
これが未来の3大将最後の一人、サカズキとの出会いだった。
島が復興し、中華料理店も再開したある日、久しぶりに食べに行くと何故かサカズキ中将がいた。
後で店主に聞くと昔からの常連なのだとか。
お持ち帰りってできますか
シキは無事、海軍の手によってインペルダウンに収容された。
そして、ロジャーの処刑もローグタウンにて執行されたらしい。
新聞で処刑の記事を見てから、ONEPIECEの世界がようやく始まったような気持ちがした。
いよいよ、大海賊時代が始まるのだ。
今の所は体感、出撃回数が多くなったなぁ、ぐらいなもので大きな破損なく帰っては来ている具合だ。
だが、いつまでもこうとはいかないだろう。
海兵の数と質も向上させなければ数多といる海賊に対応出来ずに沈むだけだ。
「父さん、ゼファー先生って厳しい?」
「なんだ、もう海兵育成アカデミーの心配か?まだ4,5年はあるだろうに」
「だって大海賊時代なんて銘打たれちゃ、海軍頑張るしかないでしょ。人員不足になるし、新兵も即戦力になるのを欲しがる。募集要項の年齢が引き下げられる可能性も高い。今のままじゃ体力、知力、判断力色々足りないよ」
「そう思えるならお前は大丈夫だよ。今まで頑張ってきたじゃないか。それに、クラバウターマンに好かれてるんだ、軍艦に乗って航海に出てもきっと彼らが助けてくれる」
「クラバウターマン?なんで妖精が今出てくるんだよ」
「お前、小さい頃ドックで遊んでたら軍艦のそばで1人で喋ってたろう」
「え、何それ怖」
「次の日にゃ、レインコートと木槌もってはしゃいでたぞ」
「なんで??」
きっとクラバウターマンに遊んでもらってたんだろう、と結論づけた父さんは誇らしげな顔をしていた。
それから2年後、とあるドック内。
「あんだけ砲弾積んでったのに、空にして帰ってきたのか」
「聞いたか、一般人が乗った避難船も沈めたらしいぞ」
「俺もそれ聞いた、サカズキ中将がやったって?疑わしきは、って言葉は彼の辞書にないらしい」
帰ってきた軍艦を見た整備士達はぼそぼそと話しながら整備する。
「俺らがこいつを使えるようにしたのは、市民を殺すためじゃないのにな」
手塩にかけて造船、整備した軍艦は一度航海へでると無惨な姿になって帰ってくることは多々ある。
多々あるが、それはこの世の悪を打ち砕く正義の為だと分かっているから、よくやった、頑張ったなと功績を称え、また海へ出れるようにしてやる。
だが、今回はどうだ。
罪もない一般市民をも巻込む攻撃、バスターコール。
それはやるせなさを男達の胸に刻んでいった。
月日は流れ、17歳となり海兵育成アカデミーへと入学することになった。
入学にあたり、お偉方の有難いお言葉の間にぼんやりと周りを見渡すと、スモーカーやヒナの姿を見つけた。
若いと言えど体格はいいし、色っぽいなあいつら。
この11年間、研究してきた。
前世で操縦してはいたが、ネジひとつで空気抵抗が変わることや、金属加工の知識など知らない事が多すぎた。それを全て調べ、分からなければ実験し、論文として書きため、実際に製作してきた。
実際に製作し実用化できる所まで磨き上げたものは極小数。代表的なものとしては、フォイルサーフィン、水上バイク、ジェットスキー……と大体が海に関するものだ。この地で需要があるのはそりゃ海に関するものだろう、実現するのは早かった。主に面白がった父とその同僚達のお陰で。制作費は小遣いやバイト代、軍の廃棄品を回収してやりくりした。多分、大人達の影からの援助も入っていたんだろう。ありがとう、父さん&職場の人。
それに対して空を視野に入れた研究は未だ完成していない。
今、造ろうとしているのはフロート水上機。
大阪にある銀行の名に似た某のテーマパークのびしょ濡れアトラクションにあるアレと言えば分かるだろうか。あれの簡易版を想像してほしい。
ガープさんに海軍に入ると宣言してしまったからにはアカデミーに入学しない道は無い。
現在、将校の地位についている者たちは大体がアカデミー出身者、さらには成績優秀者が多い。
この世界に飛行機を生み出すには、自分で作ると時間と金がかかりすぎる。組織に有用性を示すことが出来れば、すんなりことは進むかもしれない。
軍艦1隻、パシフィスタ1体より予算がかからない、輸送、救助、偵察に攻撃、何でもござれな小回りのきく機体。いつかは雲の上の空島へさえ着陸できるものを。
そんなことを考えているといつの間にかお話が終わっていたようだ。
オリエンテーションも終わり、各自割り当てられた部屋へと戻ると、体格のいい丸刈りの男が部屋の前に立っていた。
「お前が同室か。スモーカーだ」
「俺はカイル。マリンフォード出身だ。葉巻2本いっぺんに吸いそうな名前だな、よろしく」
「あ?」
男主
前世パイロットの航空バカ
事故によって前世を思い出した。6歳の身体に30代の頭が乗っかっている。
父親には現場猫案件についてイラスト付きで教えてあげた。
歌っていたのは手島葵の空の終点。
軍艦バカ
今世の父親。海軍工廠、工廠長。
整備も開発も色々やってる。
息子が天才かもしれない。出来上がった水上バイクで2時間近海試乗して熱中症になりかけた。
黄猿
子供がなぜ本部に?と思っていたら軍艦バカの息子だった。小さいのに礼儀正しいねぇ、いい子だねぇ。将来一緒に働けるかもと思うと微笑ましくなった
青キジ
子供らしくない歌を歌う子だな、友達少なさそうだな、と思ったらすごく大人びた子だった。
胸派と尻派で討論した。ボインだろ、ボイン。
赤犬
助けた子供が避難を手伝っていた人物が自分の行きつけの店主と知って褒めてやらんこともない、と思うも何も言わない。たぶん3日もすれば顔も忘れる。